部下が辞めていく企業とは
新卒者が就職先を辞めていく理由の1つに「こんな会社と思わなかった」といういわゆるミスマッチがありますが、中には新卒者ばかりでなく貴重な戦力として育った部下が辞めていく企業も含まれています。
ちなみに、厚生労働省の直近の雇用保険の加入状況をベースとした調査によると、大学新卒者の3年以内に辞めていく割合が実に30%を超しているというデータがありますが、辞めていく人が多い会社には共通した特徴があります。
上司との関係で辞めていく原因になる?
部下が辞めていく企業に共通する特徴は、程度の差はあっても「労働基準法に違反している」という事例が挙げられます。このような企業においては、そもそも「コンプライアンス」に対する意識が希薄であり、中には意図的に違反しているケースすら認められています。
したがって、日常業務においても経営者や上司が率先して社内ルールを無視したり、部下に対して平気でハラスメント行為が繰り返されることになります。
なぜ辞める?部下が辞めていく上司の特徴10個
部下が辞めていく企業の上司は、概して部下の業務報告や相談に聞く耳を持たず、社長の顔色ばかり窺う上司が揃っているのが特徴です。
このような企業風土を持つ会社は、社長が掲げる売上高の必達が唯一の至上命題となっていることが多いといえます。そのため、日常的な社長の指示命令のスタイルが一方的になりがちなので、必然的に以下のような特徴を持つ上司ばかりが生きながらえることになります。
特徴1:高圧的な態度
部下が辞めていく会社の上司の典型的な特徴は、部下に対して常に「高圧的な態度」で接することです。高圧的な上司の指示命令の全てが必ずしも悪いとはいえませんが、企業風土に塗れて無意識に態度に表われるのは要注意です。
ちなみに、信頼できな上司の高圧的な指示命令は、むしろ仕事の意欲を削いでしまうデメリットが大きいといえます。
特徴2:仕事を教えない
仕事を辞めていく会社の上司ほど、部下に「仕事を教えない」というスタイルを貫きます。昔の職人のように「親方の背中を見て仕事を覚える」というスタイルは、今では時代錯誤も甚だしいといえます。
できない上司ほど「仕事のやり方(know how)」に拘りますが、できる上司は「なぜその仕事をやるのか(know why)」を部下に考えさせます。
特徴3:部下の状況を気にかけずフォローしない
仕事を辞めていく上司の特徴は、仕事の成果ばかりに関心が向いているため、部下の仕事ぶりや悩みなどほとんど目に入っていません。
したがって、仕事の進め方に困った部下から偶に相談があっても、適時適切なフォローやアドバイスなどできるはずがなく、優秀な部下に限って早々に仕事を辞めていくことになります。
特徴4:自分の価値観を押し付ける
部下が辞めていく会社の上司は、いつまでも過去の成功体験を後生大事に引きずっているため、幾ら時代が移り変わっても新しい価値観を認めようとしません。
頭の硬い上司は、部下の意見や進言に対してほとんど否定的な態度で接します。そのため、仕事が嫌になって会社を辞めていく賢い部下が後を絶ちません。
特徴5:発言がコロコロ変わる
自分の信念や自信のない上司は、いうことがコロコロ変わるところが大きな特徴です。部下が辞めていく会社は、社長の顔色を見ながら損得勘定で判断する「風見鶏上司」が必ず棲みついています。
そのような上司の下で仕事する部下にとって、もちろん上司に対する信頼や尊敬など持つことができません。優秀で賢明な部下であるほど、将来を見越して早期に会社を辞めていく道を選択することが多いといえます。
特徴6:力量・状況を考慮せず仕事を押し付ける
部下が辞めていく会社の上司は、部下の方を向いて仕事をすることなどほとんどありません。つまり、基本的に部下の力量や処理能力などの状況を思料する能力に乏しく、上層部の意向や自分の都合で部下に仕事を押し付けます。
特徴7:正当な評価しない
部下が仕事を辞めていく会社の上司は、部下の評価において際だった特徴を持っています。このような上司は、人事考課において公平で客観的な事実や実績に着目することがありません。
例えば、「特定の業務が優れていれば全て優れているという思い込み」や、「自分(評価者)と似た感性を持っている部下を過大評価する」といった性格を持っています。
特徴8:意見を聞かない
部下が辞めていく会社の上司は、過去の経験則や成功体験に基づく判断基準を優先するため、部下の意見をそのまま聞くことがほとんどありません。
つまり、社長が気に入りそうで自分にとって都合のよい意見は受け入れるため、底が透けて見えるため御しやすい上司といえますが、安易に利用すると失敗したときに責任転嫁されるので要注意です。
特徴9:コミニケーションを取ろうとしない
適切な組織運営を行うためには、上司と部下が情報共有や意見交換などに関するコミュニケーションが不可欠です。部下が会社を辞めていく企業は、自ら進んで部下とのコミュニケーションを取ろうとしない上司が多数派を占めています。
特徴10:チャレンジする機会を与えない
部下が辞めていく会社の上司は、失敗を犯して社長に叱責されることを極端に嫌がります。このような上司は、部下にもチャレンジする機会を与えないため、部下が辞めていくことの一因となっています。
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部下が辞めない上司の特徴5つ
企業活動を適切行うためには、活動方針の共有化と目標設定の定量化が重要といわれていますが、その大前提として上司と部下の信頼関係が成立していることが重要なポイントです。
ちなみに、あるWEBサイトのアンケート結果によると、「信頼される上司」と評価される割合は意外に少ないものですが、部下から信頼される上司には一体どんな特徴があるのでしょうか。
特徴1:成長のチャンスを奪わない
部下が辞めない上司は、部下の長所と短所を的確に把握しながら常に成長を促すように実践的な指導を行うところに特徴があります。
部下の長所を引き出すための要諦は、成長のチャンスを奪わないことはもちろん大事なことですが、チャレンジすることの重要性を理解させる指導育成がより大事です。
特徴2:権力を乱用しない
部下が辞めない上司は、部下の仕事に対して地位や権力を利用し、高圧的な指示命令をしないところが特徴があります。部下から信頼され慕われる上司は、常に部下の意見とその理由を求められます。
本音を言うと、上司から一方的に指示命令されて行う仕事の方が気楽に行えますが、納期を切られた上で自分の考えで仕事を任され方がよほど大変です。
特徴3:正当な評価をする
部下が辞めない上司は、期間が長く成果が直ぐにでな地道な仕事でも、外から目に見えない部下の苦労や努力を正当に評価する特徴があります。
一時よく聞いた人事考課における「成果主義」や「達成度評価」は、実は「設定目標の難易度を下げる」という本末転倒の弊害があります。つまり、部下を正当に評価する目を持っている上司がいなければ成り立たない制度です。
特徴4:気遣い、サポートをする
部下が辞めない上司は、さり気なく部下の心配事に気遣いすることや、相談事の解決に向け積極的に支援やサポートの手を差し延べてくれる特徴があります。
部下より幅広く重要な仕事を抱える自分の上司が、仕事で行き詰まったときにさり気なく一声掛けてくれるだけで前に進む勇気が貰えます。
特徴5:場合によっては決定権を与える
部下が辞めない上司の最大の特徴は、部下の力量を信頼して仕事を任してくれる決断ができるところにあります。
できる上司ほど重要な仕事は自分で意思決定するのが一般的ですが、ここ一番で部下に決定権を与えてくれる上司はそう多くはいません。そんな経験を積み重ねていくことによって、上司に対する信頼感が醸成されていきます。
部下に信頼される上司の要諦
この本は、経営を発展させるための「20の要諦」を著わしたものであり、「経営理念」「経営哲学」などの目に見えない要因について、判りやすく纏められています。部下から信頼される上司になるための参考書としておすすめの一冊です。
《カスタマーレビュー》松下幸之助氏の側近で22年間働いて得た、経営者、上司としての品格、品性を高める哲学を20項目に書き記した貴重な一冊です。
部下と上司の信頼関係を築こう!
上司と部下との信頼関係は、一朝一夕にできないのは当たり前のことです。信頼とは、「信じる(られる)」ことであり、「頼る(られる)」ことを意味しますので、一方向だけでは成立することがありません。
部下と上司の信頼関係は、普段のコミュニケーションによる意思疎通は大事ですが、何よりも「言行一致」が不可欠ではないでしょうか。