グロースマインドセットとフィックストマインドセットとの違い5つ|育む方法

人材育成

マインドセット

「マインドセット」というのは、教育によって培われたものや経験によって培われたもの、偏見や先入観や信念・ポリシーといった個人の持つ考え方や思考のことを言います。

個人のマインドセットはその人の価値観に影響を与えますが、ビジネス用語として企業の「マインドセット」はそれまでの経営の経験や経営理念などから形成されています。

グロースマインドセット

「グロースマインドセット」はなにかと言うと、簡単に説明するなら前向きな考え方やポジティブシンキング、ということになるでしょう。

例えば今はできないことでも頑張っていればそのうちできるようになる、努力を続けることは無駄ではなく力になる、といった考え方をグロースマインドセットと言います。グロースマインドセットの人はチャレンジすることにためらいがなく、自分を変えられると信じています。

グロースマインドセットとフィックストマインドセットとの違い5つ

ここまでマインドセットそのものについて、グロースマインドセットについて解説いたしましたが、他にフィックストマインドセットという考え方もあります。

ここからは、グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違いについて5つほど、重点的に解説いたします。まず基本的に、前向きな考え方であるグロースマインドセットと違い、フィックストマインドセットは変化するということに肯定的ではありません。

違い1:課題に対しての向き合い方

1つ目は、グロースマインドセットとフィックストマインドセット「課題に対しての向き合い方」の違いです。

人生や仕事において「課題」が課せられることはよくありますが、そのことについてグロースマインドセットとフィックストマインドセットではそのとらえ方がどのように違うのか、どのような結果につながりやすいのでしょうか。

フィックストマインドセットの場合

フィックストマインドセットを持っている人が課題に対してどう向き合うかというと、「なるべくならやりたくない」という思考に向かいがちです。

そのため、もしも楽をできる手段が用意されていたような場合、かんたんに楽な方に流される傾向があるでしょう。

これは課題に対して、フィックストマインドセットの「やっても無駄だ」「行動しても何にもならない」といった否定的なとらえ方が原因となっています。

グロースマインドセットの場合

グロースマインドセットを持っている人の場合は、「課題を与えられた」というとらえ方をして積極的に、やる気をもってその課題をやり遂げようとします。

グロースマインドセットの特徴として、自分が何かをすることに対して無駄だと考えることはなく、「課題をとおして自分が成長できる」や「挑戦したい」といった考え方から課題に対しても積極的な態度をとることになります。

違い2:障害(困難な状況)との向き合い方

グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違い、2つ目は「障害(困難な状況)との向き合い方」を見ていきます。

仕事においてだけでなく、日常生活でも小さな頃から何かしら障害が立ちふさがったり、困難な状況に陥るということはあります。そういった困難な状況に置かれたときも、グロースマインドセットとフィックストマインドセットで行動に違いが出てくることになります。

フィックストマインドセットの場合

フィックストマインドセットを持ちながら障害にぶつかったり、困難な状況に置かれた場合は「障害はどうにもならない」と考えてしまい、そのことに対してなんとかしようとはせず諦めてしまいがちです。

フィックストマインドセットの場合は、その「障害」を自分がどうこうできるとは考えられないため、最初から立ち向かうというよりもその「障害」を受け入れて諦めてしまうことになるでしょう。

グロースマインドセットの場合

ではグロースマインドセットを持つ人が「障害」と向き合った場合はどうなるかというと、積極的にその「障害」をなんとかしようとし、乗り越えるまで頑張り続けるというやる気を見せることでしょう。

グロースマインドセットでは、「障害は乗り越えられるもの」という考え方になっています。頑張れば乗り越えられるのだから、乗り越えられるまで頑張ろうといった肯定的なとらえ方をします。

違い3:努力の仕方

グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違い、3つ目は「努力の仕方」はこの2つでどう違うのか、を見ていきます。

資格を取得するために頑張る、目標を達成するために努力するなどビジネスでも努力は必要不可欠と言えるでしょうが、それに対しても2つのマインドセットでは違いがあります。

フィックストマインドセットの場合

フィックストマインドセットを持っている人が「努力」を求められた場合どうするかというと、努力も何もしないという可能性がもっとも高いです。

これは「努力をしても無駄になる」といった思考をしてしまうからで、「何をやっても無駄」「自分は変えられない」というマインドセットから、努力自体を放棄しがちです。

フィックストマインドセットの場合、努力の仕を考える以前にそもそも努力をしない、ということになります。

グロースマインドセットの場合

グロースマインドセットの場合はどうかというと、「努力は無駄にならない」や「努力すれば必ずむくわれる」といった肯定的なとらえ方をするため、前向きにひたむきに努力することでしょう。

グロースマインドセットの場合は「自分は変わることができる」や「自分を変えることができる」といったマインドセットであるため、努力することを無駄だとは考えていません。努力することで何かしら自分の身につくという思考になります。

違い4:批評への対応

続いて、グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違い4つ目は「批評の対応」となります。身内や他人から批評されることがありますが、褒められるだけではなく時には厳しい批評を受ける場合があります。

厳しい批評を受けたときにどう対応するのか、グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違いを見ていきましょう。

フィックストマインドセットの場合

他者からの批評に対して、フィックストマインドセットの場合どう対応するのかというと、「自分への批評は知りたくない」、「聞きたくない」として批評に対しても真摯に対応しようとはしないでしょう。

見た目では批評を聞いているように見えても、フィックストマインドセットの場合はただ聞き流している事があります。フィックストマインドセットは自分に関する批評を聞くことも嫌なので、なるべく聞かないようにするでしょう。

グロースマインドセットの場合

それではグロースマインドセットは批評にどう対応するのかというと、「その批評は自分のためになる」といった肯定的なとらえ方から真剣に他者の批評に耳を傾け、それを受け入れようとします。

グロースマインドセットの場合、「批評」は努力すべきポイントであり改善していくべきポイントです。たとえ耳に痛い批評であっても、そこから自分がどう成長していくかに繋げようと思考していくことになります。

違い5:他人の成功への認識

グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違い、最後は「他人の成功への認識」の違いについて見ていきましょう。

自分ではなく他の人が業績や利益を上げて成功をすることがありますが、そういった時にグロースマインドセットはどう認識し対応するのか、フィックストマインドセットはどう認識するのかその違いについて、それぞれに解説いたします。

フィックストマインドセットの場合

フィックストマインドセットの場合、「他人の成功は自分を脅かすもの」として恐ろしいものと認識してしまいます。

「他人の成功」をフィックストマインドセットが恐れるのは、その成功を自分が求められることや、自分が比べられることを恐れているためです。

そのため成功者に近づこうとはせず、自分よりも下だと認識できる相手を探して安心し、心から他人の成功を祝うこともしないでしょう。

グロースマインドセットの場合

グロースマインドセットの場合は、「他人の成功は自分のモチベーション」となりますので、心から祝福しつつ自らも成功するためにどうやって成功したのか相手から積極的に話を聞こうとするでしょう。

グロースマインドセットの場合、他人が成功したことを肯定的に受け入れて自分の成功のために生かそうとしたり、そのことを目標にしてさらに努力するといった対応をします。

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グロースマインドセットを育む方法

グロースマインドセットとフィックストマインドセットの違いについて解説してきましたが、前向きで肯定的思考であるグロースマインドセットの方がフィクストマインドセットよりも優れているように見えます。

しかし、人間の考え方や価値観を変えるというのはそんなに簡単なことではありません。ここからは、グロースマインドセットをいかにして育むかその方法を紹介します。

人事担当者としてグロースマインドセットを育む方法

マインドセットというのはなにも個人だけではなく、その企業や組織などにも存在しています。そこで働く人たちは無意識のうちにそのマインドセットの影響を受けてしまうため、職場がどのようなマインドセットなのかは重要なことになります。

人事担当者としてグロースマインドセットを育むにはどうしたらよいのか、見ていきましょう。

グロースマインドセットの育成にふさわしい労働環境の構築

グロースマインドセットを育成するための環境を作るには、まずマインドセットというものが存在していること、グロースマインドセットを育むことが目的であることを周知するために研修を行うなどして環境を整えていきましょう。

たいていの人は無意識にマインドセットの影響を受けているので、実際にそれが存在すること、目指していきたい姿を研修によってはっきりさせて育む環境を構築します。

上司による指導・育成方針の確立

部下を率いる立場の上司のマインドセットは部下にも大きな影響力を発揮するため、上司がグロースマインドセットを育むことを意識する指導や育成方針を研修などによって学ぶことが必要です。

いくらグロースマインドセットを育むことが目標と言っても、上に立つ上司がそれを妨げているようでは育ちません。

中長期的な人事評価の策定

グロースマインドセットを育むための人事評価では、短期的な判断ではなく中長期的に評価を下す人事評価の策定を行いましょう。短期的な評価を下すのではなく、中長期的に評価されることが分かれば社員は新たな挑戦にも意欲を持てるでしょう。

個人としてグロースマインドセットを育む方法

個人の考え方を変えることは大変ですが、まったくできないという訳ではありません。まずはマインドセットがあることを知って自分のマインドセットの傾向を知ることで、グロースマインドセットを意識して育んでいきましょう。

コミュニケーションの質の向上

具体的にグロースマインドセットを育むにはコミュニケーションの取り方が大事で、相手に対して固定された事柄を褒めるか、努力したこと自体を褒めるかでマインドセットの方向性が変わってきます。

グロースマインドセットを育むには、「元々」とか「生まれつき」といった褒め方をせず、「努力したんだね」とか「頑張ったからできたんだね」と行動すること、チャレンジすることを褒めるようにしましょう。

理解を深めてグロースマインドセットを育もう!

グロースマインドセットについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。グロースマインドセットは大人になってからでも、育むことができます。

グロースマインドセットを妨げない環境を保ち、グロースマインドセットを意識してコミュニケーションをとりながら育んでいきましょう。

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