ブラザーシスター制度導入のステップ4つ|メリットとデメリット

人材育成

ブラザーシスター制度とは?

ブラザーシスター制度とは、人材育成方法の一つですがどのような特徴がある制度なのでしょうか。今回は、ブラザーシスター制度を導入するメリットやデメリットをご紹介していきます。

また、ブラザーシスター制度導入のステップについてご紹介していきます。注目の集まるブラザーシスター制度について理解を深めて導入を検討してみましょう。

ブラザーシスター制度

ブラザーシスター制度とは、新入社員と同じ所属部署の先輩社員を兄(ブラザー)や姉(シスター)に例えています。

これらの先輩社員が各新入社員にたいして、仕事の進め方や指導を行います。また、業務だけではなく不安や悩みにたいしてアドバイスを行うことも担います。このようなブラザーシスター制度は、早期離職の防止に効果があるのではないかといわれています。

OJT

ブラザーシスター制度と似たような制度にOJTがあります。ブラザーシスター制度とOJT制度は、同じ部署の先輩社員などが指導役になるという点では類似しています。しかし、ブラザーシスター制度とOJT制度は、指導対象となる社員やサポートする範囲が異なります。

基本的にブラザーシスター制度は、新入社員にたいして実施されます。しかし、OJT制度では新入社員だけではなく、若手社員などの全社員が対象となります。

メンター制度

ブラザーシスター制度と類似した制度には、メンター制度もあります。こちらは、どのような違いがあるのでしょうか。ブラザーシスター制度では、新入社員と同じ所属部署の先輩社員が指導役となります。

しかし、メンター制度では異なる部署の先輩社員が指導役を担当するといわれています。大きな違いとしては、メンター制度はメンタル面でのサポートを担うということです。ブラザーシスター制度は実務面でも指導を担います。

ブラザーシスター制度導入の方法・ステップ4つ

OJTやメンター制度とは異なるブラザーシスター制度の特徴がわかりました。ここからはブラザーシスター制度導入のステップについてご紹介していきます。

ここで重要になってくるのは「導入の目的を決める」「ブラザーシスターにあたる従業員の決定」「ブラザーシスター制度で何をするか詳細の決定」「制度のアナウンス進捗共有など全社への共有」の4つです。

ステップ1:導入の目的を決める

まずは、導入の目的を決める必要があります。また、対象の新入社員は、入社したばかりの新入社員から入社してしばらく経った社員など、どこまでを区切りとするかは会社によって異なります。

目的を決定したら、目的を果たせたているかを判断する項目を決めましょう。漠然と進めるのではなく、しっかりと効果が出ているか判断する項目を事前に決めておく必要があります。

ステップ2:ブラザー・シスターにあたる従業員の決定

導入の目的が決まったら、実際に指導役となるブラザー・シスターを決定します。ブラザー・シスターがどのような新入社員の指導役になるのかは、しっかりと検討しましょう。

仕事の配分はもちろん、指導役としての適性も考慮すべきです。安易に社歴が長い先輩社員に任せるのではなく、導入の目的に合わせて先輩社員を選ぶ必要があります。

ステップ3:ブラザーシスター制度で何をするか詳細の決定

続いて、ブラザーシスター制度の詳細について決めていきます。実際に何をするか決定します。指導の内容や実施時期など全体の流れを考えましょう。

詳細を決めるにあたって、内容をブラザー・シスターに任せっきりにしてしまうことは禁物です。導入の目的によってはスキルなども人選の参考にするといいでしょう。

ステップ4:制度のアナウンス進捗共有など全社への共有

詳細が決定したら、全社への共有を行います。ブラザーシスター制度を導入する際は、対象の新入社員や指導役だけではなく、全社への共有を行いましょう。

閉鎖的な指導になることを防ぐだけではく、社内全体でブラザーシスター制度を共有することで、周囲の社員のサポートも期待できるでしょう。

ブラザーシスター制度の導入事例

実際にブラザーシスター制度を導入したら、対象の新入社員がどのような成長があったのか実務面などを定期的に確認しましょう。導入の目標に達していない場合は対策を練る必要があります。

対象の新入社員だけではなく、指導役となるブラザー・シスターにたいしても何か問題が起きていないかを常に確認するようにしましょう。ここからは、ブラザーシスター制度の導入例をご紹介します。

アサヒビール株式会社

「アサヒビール株式会社」は、毎年ブラザーシスターを自ら立候補した若手社員に任せています。やる気のあるブラザー・シスターに新入社員の指導を任せることが、社内により良い文化を生んでいるそうです。

実際に、公募によるブラザーシスター制度などの影響から離職率は非常に低くなっています。

三井住友海上火災保険株式会社

「三井住友海上火災保険株式会社」では、指導役のブラザー・シスターが中心となって職場全体で新入社員の育成を支援することを心がけています。指導役となるブラザーシスターへの研修などにより、新入社員の早い成長が期待されます。

また、「三井住友海上火災保険株式会社」では新入社員以外にも若手社員や未経験部門に異動した社員にたいしてもブラザーシスターを選任しています。

ネッツトヨタスルガ株式会社

「ネッツトヨタスルガ株式会社」では、入社後3年目まで指導役のブラザー・シスターがサポートします。新入社員だけではなく若手社員にとっても心強い制度です。

実施には「コミュニケーションノート」を利用しています。新入社員だけでなく、ブラザーシスター自身も成長することが期待できる制度です。

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ブラザーシスター制度のメリット

ここからは、ブラザーシスター制度のメリットをご紹介します。導入によってさまざまなメリットがありますが、新入社員の離職防止という点が非常に大きいでしょう。深い人間関係を構築することによって、企業への定着が期待されます。

メリット:新入社員の離職防止と企業への定着

ブラザーシスター制度は、対象の新入社員が同じ所属部署の先輩からさまざまなアドバイスを受けることができます。

時には実務内容だけではなく、人間関係などの悩みを打ち明ける機会にもなるでしょう。新入社員の悩みを早期に対処することで離職防止になることが期待されます。自分と年齢の近い先輩社員だからこそ話しやすいといった特徴もあるでしょう。

ブラザーシスター制度のデメリット

ブラザーシスター制度にはメリットがある反面、デメリットもあります。どのようなデメリットがあるのか理解した上で導入しましょう。

こちらでは「信頼関係への依存」「先輩社員への負荷」「先輩・後輩社員の当たりはずれによる不公平感」という3つのデメリットについてご紹介していきます。

デメリット1:信頼関係への依存

ブラザーシスター制度は、新入社員と先輩社員のバランスが非常に重要になります。お互いを理解する必要があるため信頼関係の構築が必要です。

ただし、新入社員によってはブラザー・シスターに依存することがあり、成長が遅れるというデメリットもあります。

デメリット2:先輩社員への負荷

ブラザーシスター制度では、新入社員のブラザー・シスターへの信頼感や、先輩社員の指導の意欲を維持することも重要です。

先輩社員は、普段の仕事だけではなく指導役をしなけらばならないという負担があります。場合によっては、ブラザー・シスターとなった社員が不満を感じるケースもあります。周囲のサポートが必要不可欠です。

デメリット3:先輩・後輩社員の当たはずれによる不公平感

新入社員と指導役の先輩社員が、お互いに信頼関係を築くことができないとブラザーシスター制度は効果がありません。

例えお互いの年齢が近くても、不満を抱く可能性があります。社員の割り振りに不公平感があると、お互いにやる気が低下する可能性があるため注意が必要です。

ブラザーシスター制度について理解を深めよう!

ブラザーシスター制度は、新入社員と年齢が近い先輩社員が指導役になることでさまざまなサポートが可能となり、早期離職を防ぐことに効果があります。

しかし、信頼関係が構築できないと効果が発揮できないこともあります。仕組み作りをきちんと行った上で導入することで、企業の成長に繋がるのではないでしょうか。

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