飲食業界の現状と将来性
飲食業界は慢性的な人手不足に陥っていると耳にしたことがある人も多いでしょう。飲食店で働き続けること、また新たに働き始めることは難しいのでしょうか。
結論から言うと飲食業界は厳しい状態が続いています。まずは飲食業界の現状、そして将来性について詳しく考えていきましょう。
飲食業界の現状
外食産業自体の市場規模として、ここ数年減少傾向となっています。新規で店をオープンしても集客率が低いことや人手不足が原因となり、三年以上続く店は約3割で、7割が3年ほどで閉店してしまっているのが現状です。
中食の増加やコンビニの多様化、宅配サービスの充実など、外食しようという家族が減ってきているのが集客率が低くなる大きな理由として挙げられます。
飲食業界の将来性
厳しい状態で、将来性があるとはいいがたいのが現状です。現状で述べたとおり市場規模は縮小傾向にあるため、ターゲット層を絞り、そのテンポにしかない魅力を打ち出していかないと新たに飲食店で成功することは難しいでしょう。
飲食業界の人手不足解消のためにも、店のオリジナリティを打ち出すことが重要です。
飲食店が人手不足に陥る7つの原因
飲食業界が不況である原因の一つに人手不足が挙げられます。人手不足に陥ってしまう原因は労働条件の中に主に7つあります。これから人手不足の原因となる条件を、一つ一つ見ていきましょう。
給与
毎年最低賃金が見直されているといえ、飲食店での給与が低賃金であることが人手不足の大きな原因です。
ボーナスなしや各種手当がないなど、飲食店は長時間労働であるにもかかわらず給与が少ないことが問題となっており、下手すればアルバイトより時給が低いという店もあります。低賃金は人手不足解消のため、改善したいポイントです。
拘束時間
飲食店の拘束時間は長いです。当然それぞれの飲食店によって営業時間は異なり、深夜まで拘束される居酒屋チェーン店もあれば、19時にはクローズする日本料理屋もあります。
しかし利益が上がらないと店側も固定費や変動になどの支払いで困るため、人件費節約のためにも一人が長時間拘束されているのが現状です。
年間休日
飲食店は土日祝日や年末年始こそ書き入れ時であるため、年間休日は他業種と比べ少ないといえます。
飲食業界は年間休日が少ない業界TOP10の中で2位にランクインしており、2連休が取りずらいことや長期休暇が取得しにくいことなどで、他業種よりも連続で出勤する回数が多くなっています。
平均年間休日が108日なのに対し、飲食業界は約96日です。休日が少ないことも、人手不足になってしまう大きな原因といえるでしょう。
労働環境
飲食店にもよりますが、労働環境は過酷であると言わざるを得ません。人件費削減のために少人数で店を切り盛りしないといけませんし、現場の環境改善の声も中々上司や本部に届きません。
忙しすぎて食事や休憩をとる時間が無かったり、残業代がでなかったりといったこともあるため、労働環境の改善は飲食店の大きな課題であるといえます。
福利厚生
当然ながら飲食店ごとに内容は違いますが、研修制度の充実やボーナス規定、有給休暇についてなどは多くの飲食店で定められています。
ですが、ボーナスの規定が独自のものであるがゆえにほとんど賞与が無かったり有給消化ができなかったりと、福利厚生に定められてはいるものの、実際に恩恵を受けることがないのが問題点となっています。
求人内容と違う
週休二日は絶対、長期休暇あり、正社員登用ありなどと求人内容にあるのも関わらず10連勤以上が普通になっていたり、中々正社員になれなかったりと、求人内容との相違も離職理由の一つです。
家族を持つ人の場合、福利厚生がしっかりしていないと転職を考えてしまうため、福利厚生が機能していないことは人手不足の大きな原因となっています。
研修体制
しっかりとした社員教育に力を入れるための研修をしっかり行っていない面と、休日に研修に行かせて無給としてしまう面の2種類の問題があります。
特に後者は深刻で、研修という名の出勤であるにもかかわらず給与は出ず、結果連続出勤になってしまうのが離職の原因にもなっています。
あなたの会社に仕事の生産性をあげる「働き方改革」を起こしませんか?
名刺が多すぎて管理できない…社員が個人で管理していて有効活用ができていない…そんな悩みは「連絡とれるくん」で解決しましょう!まずはこちらからお気軽に資料請求してみてください。
飲食店求人を工夫して人手不足を解消しよう
飲食店が人手不足に陥ってしまう原因を考えてきましたが、解消するにはどのように対策することができるでしょうか。まずは求人を工夫する必要があります。
飲食店の名前を広く知ってもらうと同時に、求人に興味を持ってもらわなければ人手不足を解消することは難しいからです。では、興味を持ってもらえる求人とはどの様なものか考えていきましょう。
人手不足を解消できる求人のコツ
飲食店での労働を皆が敬遠する原因を解消する必要があるため、労働時間を厳守する旨と、風通しの良い職場であることを明記しましょう。従業員を大事にする店であると分かれば、求人への応募も増え、人手不足も解消できます。
また賃金やボーナスについても明確にし、どのように昇給やボーナス付与があるのかも掲載すると、より興味を持ってもらえるはずです。
自分のお店にしかない「働くメリット」がある
主婦や学生など対象を絞り、自分の店で働くメリットをしっかりとアピールしましょう。
まかないでメニューを注文できる、〇割引で食べられる、シフトを柔軟に変更できる、テスト期間中やこどもの体調などで出勤できないときはみんなでカバーし合える環境であるなど応募のためのうたい文句を載せましょう。
そして従業員が心から働きやすいと思える環境づくりと、特典を打ち出しましょう。
求人内容を具体化
必要な人材に対し、業務内容と特典を具体的に提示します。主婦層をターゲットにするなら残業ゼロ、シフトの自由化、日中のみの勤務可などの特典が挙げられます。
業務内容の具体化というのは、実は休日に研修に行かなければならなかったり、残業が多いのに決まった金額までしか出なかったりといった問題の回避のことです。
そこまでさせられるとは想定していなかった、実際は待遇が悪かったとなることが離職につながってしまいます。
飲食店の働き方を改善して人材定着を図りましょう
飲食店の人手不足は深刻です。働いていくうちにやっぱり働きにくい、労働環境が厳しいと感じ離職する人が後を絶ちません。
最近は働きやすい環境になったことを従業員にSNSで発信してもらったり、店主が自ら発信することで人材が集まることもあります。
人手不足を解消するには従業員にとって魅力的な特典を打ち出すこと、労働時間や給与に関しては逐一見直しをして従業員の不満を募らせないようにすることが重要です。