中途社員研修とは
大企業は新卒入社が多いですが、中小企業は中途入社が多いです。中途入社して直ぐに活躍すればいいですが、いきなり活躍するのは難しいです。
そのため多くの企業では中途社員研修を実施しています。中途社員研修を実施することで、中途入社した人の戦力化が速まります。
昨今は人材の流動が激しいですが、このような時代において中途社員研修は、極めて大きな役割を担っています。
中途社員研修のスタイル
中途社員研修は大切ですが、研修の方法は企業によって異なります。また時代によって異なることもあるでしょう。
比較的大きな企業は中途社員研修が充実していますが、零細に近い企業では、中途社員研修が3日間だけのことがあります。
集合研修
企業によっては大量に中途採用することがあります。そのときも研修はしますが、人数が多ければ個別に研修することは難しいです。
中途入社の社員が多いときは、集合研修が多いです。研修は社内ですることもありますが、日本全国から集まる場合は外部の施設を借りることが多いです。
OJT研修
OJTはOn-The-Job Trainingの略です、上司や先輩が指導をします。この研修方法は実践形式なので即効性があります。
OJT研修に即効性があるのは、ほぼマンツーマンであるからです。研修の基本は以下の4つです。
・上司や先輩が見本をみせる
・説明する
・新入社員にやらせる
・確認した後でアドバイス
OJT研修は複雑な業務に向いていますが、昨今は工場で実施することが増えてきました。
e-ラーニング
ブロードバンド回線が一般的になったせいか、e-ラーニングによる研修が増えてきました。e-ラーニングは、インターネットに繋がったパソコンがあればできます。
企業によっては正式な入社日を待たずにe-ラーニングを実施しており、e-ラーニングは場所を選ばないのが利点です。また家で研修できるので、中途採用社員はリラックスして受講できます。
中途採用社員に研修が必要である5つの理由
中途採用社員に研修を実施するのには明確な理由があります。研修する側は研修する目的を把握しなければいけません。
研修目的が明確であれば、力強く研修を実施することができます。力強く実施する研修は伝わりやすく、早い成長が期待できます。
以下では中途採用社員に研修が必要な理由を紹介します。研修を実施する前に再確認することをおすすめします。
中途採用社員に研修が必要な理由1:経営理念の理解
経営理念は企業によって異なりますが、中途採用社員は経営理念を心から理解することができません。しかし研修で繰り返し伝えることで、体に染みついてきます。そうなれば真の理解です。
経営理念は職務内容と直接的な関係はありませんが、行動するときの指針になります。指針が明確であれば力強く行動することができます。
中途採用社員に研修が必要な理由2:業務・役割の理解
中途採用社員は業務内容と役割が実感できません。しかし研修を受けることで、理解が深まります。
業務内容と役割を理解した中途採用社員は、自発的に行動するようになります。それは一人前になる第一歩です。
中途採用社員に研修が必要な理由3:社員同士の交流
新入社員が早期離職する理由に人間関係の不安がありますが、研修は人間関係を良好にする効果があります。
人間関係を良好にするには、3つの繋がりが大切です。以下では3つの繋がりを紹介します。年齢層が広い会社ではいずれも大切です。
ヨコのつながり
職場には同期もいれば、比較的年齢が近い人もいます。そのような人たちとは現場を共にすることが多く、研修中に交流することには意味があります。
研修中に交流することで、相互理解が深まります。相互理解が深まれば的確なアドバイスができます。ピンポイントアドバイスには即効性があり、急速な成長が期待できます。
タテのつながり
職場には上司がいますが、研修中に上司と交流することも大切です。一般的に上司は近寄りがたい存在ですが、少しでも交流することでお互いの距離が縮まります。
お互いの距離が縮まれば、忌憚のない意見を交換することができます。忌憚のない意見の交換は社内の風通しを良くし、結果的に業務の効率化に繋がります。
全体のつながり
同じ会社でも現場で会わない社員はいます。普段はそのような人たちと交流する機会は少ないですが、研修中に交流することができます。
中途採用社員が、すべての社員と交流することには意味があります。すべての社員と交流することで、他部署に異動したときに溶け込みやすくなります。
また他部署の人が、中途採用社員の部署に異動する可能性もあります。そのときも面識があれば、打ち解けるのが早いです。
中途採用社員に研修が必要な理由4:業務知識・スキルの習得
会社側は中途採用社員が、早く戦力になってほしいと期待しています。そのため研修中に多くのことを伝えます。
研修中であれば中途採用社員も質問しやすいので、質疑応答の時間を取ることをおすすめします。質疑応答の時間を設けることで、中途採用社員はその場で不明点を解消することができます。
中途採用社員に研修が必要な理由5:コンプライアンス意識の醸成
中途社員研修は、コンプライアンス意識の醸成にも役立ちます。昨今は企業の不祥事が表沙汰になることが多いですが、一社員の不祥事が会社の信用を落とします。
コンプライアンス意識を中途採用社員に植え付けるときは、実例を出すと理解しやすいです。実例を出すことで、コンプライアンス意識の大切さが実感できます。
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中途採用社員への研修内容
中途採用社員への研修は、目的によって分けられています。研修内容を目的別に分けることで、効率的な研修が可能になります。
以下では代表的な研修を紹介しますが、会社によってはより細かく分類しています。しかし基本的な考え方は同じなので、中途採用社員を研修するときの参考にしてください。
企業理解研修
企業理解研修は、企業の理念または基本的な考え方を伝えるのを目的としています。企業理解研修の内容は企業によって異なりますが、分かりやすく伝えることが基本です。
イラスト付きで伝えた方が、中途採用社員は理解しやすいです。イラストを用いることで、視覚に訴えることができます。視覚でインプットしたことは、記憶に残りやすいです。
実務研修
実務研修を実施することで、現場対応力を高めることができます。現場で発生する問題は不規則で、最初の頃は対応に右往左往します。
しかし実務研修を実施することで、基本的な対応方法を身に付けることができます。基本を身に付けた中途採用社員の成長は早いです。
実務研修を実施するときは、OJTの手法を用いると効果的です。最初に先輩や上司が見本を見せることで、中途採用社員は理解しやすくなります。
フォローアップ研修
フォローアップ研修は基本研修後に実施しますが、基本を消化していない中途採用社員には有効です。中途採用社員は入社して間がない頃は、覚えることが多く悩みがちです。
しかしフォローアップ研修を実施することで、悩みを上司や先輩と共有することができます。悩みを共有することは、相互理解に役立ちます。相互理解が進んでいる会社には勢いがあり、会社の可能性を広げます。
リーダー研修
リーダー研修はリーダーを対象にした研修ですが、中途採用社員であっても受講することは可能です。リーダー研修は通常の研修と内容が異なります。
基本的にリーダー研修は未来の幹部候補を育成するのが目的なので、研修内容は経営に直結するものが多いです。
中途採用社員であっても幹部になる例はあります。将来の幹部候補がいないので、中途採用を実施する会社もあります。
即戦力として力を発揮してもらうために中途社員への研修も行っていきましょう
終身雇用が崩壊した後は、人材の流動が活発化しました。人材不足に悩む中小企業にとっては追い風です。
しかし優秀な資質を備えた中途採用社員であっても、中途社員研修なしで即戦力になることは不可能です。
即戦力に育てるためには、研修内容が大切になってきます。場合によっては、外部から指導者を招へいしてもよいでしょう。中途採用社員が即戦力なれば、採算が取れます。中途社員研修はよりよい未来への投資です。