オレンジゲームとは?
オレンジゲームとは、身近な人とのトラブルを解決する基本的なトレーニングです。NHKの番組「オイコノミア」で紹介され、話題になりました。
以下の命題の平和的解決方法を考えることで、紛争解決のトレーニングになります。
①1つのオレンジがあり、2人の姉妹がいる
②姉はオレンジジュースを作りたいので、オレンジを欲しがっている
③妹はオレンジマーマレードを作りたいので、オレンジを欲しがっている
5つのパラダイム思考
人間関係におけるパラダイム思考は、以下のパターンに集約されます。
①Win-Lose
②Lose-Win
③Lose-Lose
④Win
⑤Win-Win
⑥Win-WinまたはNo Deal
⑥は、③と⑤の複合パターンとなります。思考の種別として①~⑤の5パターンを覚えておくとよいでしょう。
オレンジゲームでは、命題の解決を模索することで、これらのパラダイム思考を学べる仕組みになっています。
パラダイム思考1:Win-Loseタイプ
「Win-Lose」の関係は、自分が勝ち、相手は負ける関係です。オレンジゲームにおいて、姉が力で妹を押し切って、オレンジジュースを作った場合、姉から見ると「Win-Lose」の状態といえます。
Win-Loseでは、相手に「負けた、譲歩した」という思いがあるため、関係性としてはあまり良いものではありません。後々まで遺恨が残り、オレンジゲームの場合なら、妹はオレンジジュースをおいしいと思えません。
パラダイム思考2:Lose-Winタイプ
「Lose-Win」の関係は、自分が負けて相手が勝つ関係です。相手が幸せになるならば、自分は我慢しても構わないと自分に言い聞かせる必要があります。
オレンジゲームにおいては、姉は「妹が喜ぶなら、ジュースでなくてマーマレードで構わない」と妹に対して譲歩します。しかし、自分を無理やり「我慢」という形で納得させているため、マーマレードを食べても満足感が得られません。
パラダイム思考3:Lose-Loseタイプ
「Lose-Lose」の関係は、相手も自分も負ける関係にあります。自分の希望を捨ててでも、相手にはおいしい思いをさせたくないと考える関係です。
オレンジゲームにおいては、姉妹2人に対して1つのオレンジしかなく、調理方法の希望が2人で異なるため、2人の痛み分けとして、けんかになる前に、近所の子にあげてしまう、というような対応がLose-Loseの関係になります。
パラダイム思考4:Winタイプ
「Win」の関係とは、自分の勝ちだけを考え、相手がどう受け止めたかは気にしていない関係です。Win-Loseの場合もあればWin-Winの場合もあることになりますが、相手のことを気にしていない以上、Win-Winの結論となることは奇跡のような状態といえるでしょう。
パラダイム思考5:Win-Winタイプ
「Win-Win」の関係は、自分も勝ち、相手も勝つという関係で、関係者すべてが満足する状態にあります。
オレンジゲームで考えると、姉はオレンジの実だけをもらい、妹にオレンジの皮を提供することで、それぞれが自分の希望する調理を行えます。または、オレンジを半分にするという提案をすれば、量が減りますが2人とも実も皮も調理に使えます。2人とも作りたいものの希望が通り、満足感を得られます。
オレンジゲームからWin-Winを学ぶ3つのコツ
オレンジゲームにおいて、ジュースとマーマレードは、オレンジの異なる部分を使って作ることができる、ということを両者が知っている場合と、知らなかった場合とでは、解決に至るまでの過程は異なるはずです。
お互いの要求内容を引き出し、簡単にWin-Winの結論を導き出すためには、Win-Win思考を学び、身につけることが必要です。ここでは、Win-Win思考を学ぶコツをご紹介します。
オレンジゲームからWin-Winを学ぶコツ1:Win-Winにできると考える
オレンジゲームにおいて、姉が「どうしてもジュースを作りたいんだ」という自分だけの利益に固執すると、妹の満足感を得る結果は導き出せません。
たとえ、姉がマーマレードの作り方を知らなくても、「自分だけでなく、妹も満足させてあげたい」という気持ちがあれば、両者が満足できる方法を模索するでしょう。
「Win-Winとしての解決の道もあるはず」という考えが、Win-Winの結果を引き出す第一歩となります。
オレンジゲームからWin-Winを学ぶコツ2:問題に関連する知識をつける
Win-Winを導き出すためには、豊富な知識量も必要です。オレンジゲームで、姉妹がマーマレードの作り方とジュースの作り方の違いを知っていれば、皮と実を分けるだけで簡単にWin-Winの解決に至ります。
オレンジゲームからWin-Winを学ぶコツ3:情報を共有する
オレンジゲームにおいて、姉妹がそれぞれ「なぜオレンジを必要としているか」の詳細を語らなければ、「オレンジが1個必要」という衝突する主張の解決の糸口が見つかりません。
姉妹がオレンジを必要とする目的を共有し、またそれぞれの作り方についても情報を共有できれば、Win-Winの結論を導き出すのは難しいことではありません。
Win-Winの解決を導き出すには、「情報共有」が重要であることがわかります。
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Win-Win思考になるための5つのヒント
オレンジゲームを通じて、Win-Winという思考を学んだら、次はWin-Win思考で紛争解決を進められるよう、Win-Win思考を自分のものにしましょう。
Win-Win思考で交渉や問題解決を進める際は、次にあげるヒントを参考に、実践することをおすすめします。
ヒントを参照する際は、オレンジゲームの姉または妹の立場になって、頭の中でシミュレーションしてみると、効果が実感できます。
Win-Win思考になるためのヒント1:相手の目を見てうなづく
Win-Win思考になるために、相手との交渉またはヒアリングの際は、相手の目を見て話しを聞き、意図してうなずいてみましょう。相手に「同意」「共感」の合図を送ることで、相手側にも「交渉の余地があること」を理解してもらうことができ、腹を割った交渉ができます。
Win-Win思考になるためのヒント2:話を聞いて同意する
うなずくという「同意」「共感」のジェスチャーを送るだけでなく、言葉で「同意」「共感」をあらわすと、さらに関係性が近づきます。
オレンジゲームの場合、一方が「オレンジが欲しい」と主張したところで、もう一方が「わかるよ、オレンジは加工するとさらにおいしくなるものね」と同意を与えると、その後の交渉で、相互の考えがスムーズに出てきます。
Win-Win思考になるためのヒント3:敵意を出さない
相手に対して敵意を見せることは、相手を身構えさせることにつながり、気持ちも頑なにしてしまうリスクを伴います。また、敵意を見せるということは、自分だけが正しいと信じているうえでの行動でもあり、Win-Win思考から外れる、相手のことを考えない行動といえます。
Win-Win思考になるためのヒント4:相手の役に立つ
Win-Win思考としては、自分も満足したいが、相手にも満足してほしいという思いが根底にあります。
目先の解決すべき障害だけに目を向けるのではなく、「相手の役に立つ」という思いで行動することが必要です。目先の障害について相手が譲歩することになっても、相手としては十分な満足間を得られる可能性があります。
Win-Win思考になるためのヒント5:得だと感じさせる
Win-Win思考として、「自分が勝ちたい」を貫くと、相手にとっては失うものがある可能性があります。そのまま終わらせてしまうと、Win-Lose思考となります。しかし、自分が望んでいたことよりも得となる結果になったと相手が感じれば、Win-Win思考となります。
オレンジゲームでも、仮に姉が妹に譲ることなく、オレンジを独り占めしても、妹も満足感を得られる解決案があるはずです。
オレンジゲームを活用してWin-Win思考を身につけよう
オレンジゲームで与えられる命題は、とても単純な紛争ですが、実生活でもよく発生する内容といえます。オレンジゲームの中で、よりよい紛争解決を検討することで、パラダイム思考を学び、理解することができます。
Win-Win思考は、ビジネスの世界では常に意識されています。オレンジゲームを使って、Win-Win思考を身につけ、紛争解決の際に自然とWin-Win思考になるよう訓練しておきましょう。