ダイバーシティとは?
近年、ダイバーシティという言葉をよく聞くようになりました。ダイバーシティとは、さまざまなタイプの人材が持つ多くの魅力を、研修などを利用して企業の活性化に活用する取り組みのことです。
ダイバーシティは、多くの日本企業が抱える人材不足やイノベーションの枯渇などの課題を解消させる手段として注目を集めています。この記事では、ダイバーシティの意味や推進方法 、研修に導入することによるメリットなどをご紹介します。
ダイバーシティの意味
ダイバーシティとは国籍や性別などにとらわれずに人材を受け入れることで企業の競争力を高める取り組みを意味しています。
もともとは単に多様性を指す言葉ですが、近年ダイバーシティを研修などで積極的に推進している企業が多くのイノベーションを生み出している事実がわかり、ビジネスで扱われる機会が増えました。
ダイバーシティは顧客ニーズの多様化に対してだけでなく、イノベーションの創出などにも効果があります。
ダイバーシティの3つの種類
一言でダイバーシティといっても、実はその種類は多岐に渡ります。その中でも、デモグラフィー型ダイバーシティ、タスク型ダイバーシティ、オピニオンダイバーシティの3つはダイバーシティを理解するためにとても重要です。
これらは具体的にはどのようなものを指しているのでしょうか。これら3つについてご紹介していきます。
ダイバーシティの種類1:デモグラフィー型ダイバーシティ
デモグラフィー型ダイバーシティとは目に見える多様性のことを指しています。たとえば、性別、国籍、年齢などのことです。
日本の企業ではダイバーシティを推進するにあたり、いわゆるデモグラフィー型ダイバーシティのみについて実施しているところが多いです。
ダイバーシティの種類2:タスク型ダイバーシティ
タスク型ダイバーシティとは、目に見えるデモグラフィー型ダイバーシティに対して、目に見えない多様性のことを意味しています。主に能力や経験などのことを指しています。
ダイバーシティというと性別や国籍といった属性にどうしても目が向いてしまいます。しかし、スキルやキャリアなどの要素も多様化の対象として扱うと、より多くの魅力的な人材と出会うことができ、数々のビジネスチャンスを生み出すことが可能となります。
ダイバーシティの種類3:オピニオンダイバーシティ
オピニオンダイバーシティとは、意見の多様性のことを意味しています。1人ひとりが持つ多様な意見を表明することによって、相乗効果を生み出したり意思決定に活かしていこうとする考え方のことです。
これを活かすためには、自由に意見を言える雰囲気の中で、立場や役割を越えて意見や見解が活かされる状況を作る必要があり、その結果、組織や集団としての知のシナジーを生み出すことができます。
ダイバーシティを研修に導入するメリット4つ
人材を育てるために研修を行う企業は多くありますが、研修の中にもダイバーシティを導入するところが増えてきています。
さまざまな経歴を持つ人材を集めて研修を行うという場合もあれば、研修参加者にそもそものダイバーシティという考え方を学んでもらう場合もあります。研修への導入は具体的にどういう効果があるのでしょうか。
ここではダイバーシティを研修に導入するメリットについて考えていきます。
ダイバーシティを研修に導入するメリット1:イノベーションの創出
ダイバーシティを研修に導入するメリットとして、参加者同士の異なる視点や経験による相乗効果により革新性が多く生まれるという点があります。似かよった性格や経歴の人材ばかりの企業では革新的なアイデアは生まれにくく、多様化する顧客ニーズにも応えられません。
ダイバーシティの考え方を研修で浸透させている企業では、多様な人材の個性や能力をフルに発揮させることができ、経済環境にも柔軟に対応することができます。
ダイバーシティを研修に導入するメリット2:優秀な人材の確保
IT化とグローバル化が進む現代では、高度な知識とスキルを持つ優秀な人材が企業のパフォーマンス向上のために欠かせません。そのため、激化する競争の中で企業が生き残るために国籍や性別などに関わらず高い成果を出してくれる有能な人材を確保することが必要です。
ダイバーシティを研修に取り入れて真剣に取り組む企業は、さまざまな国籍の有能な人材にとっても魅力的なので、そのような人材が集まって来るようになります。
ダイバーシティを研修に導入するメリット3:企業の外的評価の向上
人材の採用や研修の実施によってダイバーシティを大切にする文化を形成していくことは、企業の外的評価の向上にもつながります。
企業理念のひとつとしてダイバーシティを打ち出し、それを研修などで推進して魅力的な企業に成長していくと、消費者からの信頼も得られるなど、ブランディングとしての効果も得られます。
外的評価の向上のためにも、研修でダイバーシティについての考え方を社内に浸透させていく必要があります。
ダイバーシティを研修に導入するメリット4:ビジネスに必要不可欠な人材を確保・活用できる
ダイバーシティを研修に導入するメリットとして、多様な研修参加者同士が仲良くなることでが意見を交換しやすくなります。その結果、多様な顧客ニーズや要求に営業やマーケティング、商品開発などに対して迅速に対応できるようになります。
研修によって多様な人材を育成したり、社内のダイバーシティへの理解を進めることは、企業自体が多様性を持ち、結果として多様なビジネス場において必要な人材を活用することにつながります。
ダイバーシティの推進方法5つ
採用や研修に取り入れる必要性の高いダイバーシティですが、実際にどのように推進していくとよいのでしょうか。
ダイバーシティの具体的な推進方法としては主に有数が自らメッセージを発信する、評価制度の改革、ダイバーシティマネジメントの実施、コミュニケーションの促進、イントラパーソナル・ダイバーシティの5つが考えられます。
ここでは、それぞれどのような推進方法なのかを見て行きましょう。
ダイバーシティの推進方法1:経営有数自らのメッセージを発信
企業の中に多様な価値観を持つ人がいても、それぞれが自分の価値観だけに従ってばらばらに行動していると、アイデアがまとまらず成果を出せません。
ダイバーシティが進めば進むほど、企業理念が重要になります。明確な価値観を経営有数が提示し、多様な人達の共感を得たり、行動指針となるような価値観を浸透させていくことが重要です。
ダイバーシティの研修の場などで参加者に対してメッセージを発信するのもやり方の1つです。
ダイバーシティの推進方法2:人事・評価制度の改革
ダイバーシティを推進していくためには、さまざまな個人の能力を活かせるように、育児や介護、障害や年齢、キャリアの違いなどを活かすことのできる人事・評価制度が必要です。
時短勤務などの雇用条件だけではなく、社内保育所や育児休業、社内研修や社内のバリアフリー化など、福利厚生として進めている企業も増えています。社員の働く意義や価値観も多様化しています。年功序列などとは異なる、新たな価値の提供が必要です。
ダイバーシティの推進方法3:ダイバーシティ・マネジメントの実施
実際にダイバーシティを推進していくにあたり、制度を整えて、多様な人材を受け入れる環境を作る必要があります。これをダイバーシティ・マネジメントと呼びます。
個人のニーズに応じた雇用形態や働き方の選択肢を用意する必要もあります。フルタイムやパートタイム、オフィス勤務や在宅勤務など、柔軟な働き方ができるように制度を整えることで、多様なライフスタイルの人材を確保することができるようになります。
ダイバーシティの推進方法4:コミュニケーションの促進
ダイバーシティの推進方法の1つとして、社内コミュニケーション促進があります。
一般的に、人は自分と価値観などが異なる人とコミュニケーションを取るのが苦手です。ダイバーシティが進んだ企業には多様な人が多く集まっているので、仕事を円滑に進めるためには意識的にコミュニケーションを取る必要があります。
そのため、企業は今まで以上に社員が密にコミュニケーションできる場を提供し、意思疎通を図る必要があります。
ダイバーシティの推進方法5:イントラパーソナル・ダイバーシティ(個人内多様性)を高める
イントラパーソナル・ダイバーシティとは、1人の従業員が多様な経験を持っていれば、ダイバーシティと同じ効果を持つ、という考え方です。多様な人材を採用するためには受け入れる体制も必要ですが、それに比べて、中小企業などでも比較的容易に実現しやすいです。
出張や異動、研修などでさまざまな経験させることや、長期の有給休暇を取らせる仕組み作りや海外旅行やさまざまなアクティビティの奨励なども考えられます。
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ダイバーシティへの意識改革とマネジメント改革
ダイバーシティは日本企業にとって急いで取り組むべき重要な事柄ですが、企業のみならず社内に以前よりいる社員にとってもスムーズに受け入れにくいことでもあります。ダイバーシティを進めていく上で、同時に社内の意識改革も進めていく必要があります。
そのためにもダイバーシティマネジメントは重要になってきます。受け入れにくい状況の中で、それでもダイバーシティを推進する目的やメリットはどのようなものでしょうか。
意識改革を行う目的4つ
ダイバーシティへの社内の意識改革を行う目的として、収益の拡大、業務効率の改善、社員の働き方の見直し、女性の活躍推進の4つがあります。これらは具体的にはどういったことを指すのでしょうか。
それぞれについて詳しく考えていきましょう。
意識改革を行う目的1:収益の拡大を目指す
これまでのやり方や判断基準では今までどおりの売上しか見込めない時、今まで以上の収益拡大を考えて組織の成長を図るときには意識改革が必要となります。
ダイバーシティという新しい考え方を社員たちが受け入れ、営業方法や販売方法などについても変革していくことも必要です。多様な人材がいることによる新たな可能性を持った事業の仕組みを構築することで、これまでから大幅な収益拡大を目指します。
意識改革を行う目的2:業務効率の改善を図る
ダイバーシティをすすめ、多様な人材が活躍できる組織にするためには、業務を視覚化、細分化する必要になります。これはこれまでの日常の業務フローの見直しにつながり、業務効率の改善にもつながります。
製品やサービスの開発、製造や販売において、多様な人材がそれぞれの能力を発揮できるように働き方に工夫を加えて行くことで、これまでに実現できなかった創造性や効率性を高めることが可能になります。
意識改革を行う目的3:社員の働き方を見直す
意識改革を行う目的として、社員の働き方の見直しもあります。
多様な人材が集まる中では、これまでとずっと同じ働き方というわけにはいきません。たとえば時短勤務の人が多い部署で働く場合には、新たな業務の連携の仕方も考える必要があります。外国人の方多い場合に日本企業の一般的な仕事の仕方のままではうまく進みません。
さまざまな人と仕事をスムーズに行うために働き方を見直すという意識を持ってもらう改革が必要です。
意識改革を行う目的4:女性の活躍を推進する
2016年に女性活躍推進法が施工され、女性の活躍推進に向けた数値目標の公表などが事業主に義務づけられました。これまでも女性の就業は進んできましたが、補助的な職務にとどまることが多く、キャリア形成の面では不十分でした。
女性の活躍を推進していくためには、女性は補助的業務を行うべきと考えている特にシニアの男性社員の意識を変えていく必要があります。女性の上司層の男性社員へに研修なども必要な場合もあります。
ダイバーシティ・マネジメントのメリットとは?
社内でのさまざまな改革や推進の必要なダイバーシティですが、ダイバーシティ・マネジメントを行うことによるメリットは何があるのでしょうか。
ダイバーシティ・マネジメントを行うことによる組織にとってのメリット、個人にとってのメリットについてそれぞれ見ていきましょう。
組織にとってのメリット
ダイバーシティ・マネジメントを行うことによる組織にとってのメリットとしては、従業員の安定した採用と定着があります。組織構成に多様性をもたせるということは、採用条件を広げることにもつながりるので、対象母数が大きくなります。
また、多様な人材をマネジメントして適切な場所に配置し、研修などで育成することで、さまざまなアイデア、発想の質やスピードが上がるので、組織全体で価値を生み出す力が高まります。
個人にとってのメリット
ダイバーシティ・マネジメントを行うことによる個人にとってのメリットとして、同じ職場で働く仲間同士で雇用形態に関係なく意見を言いやすくなるという点があります。多様な人材や意見を受け入れる文化を作ることで、会社全体の風通しが良くなるためです。
また、採用においても経験やスキルが重視されるので、能力が評価されれば高年齢の方や若い業務未経験の方なども年齢に関係なく雇用してもらえることになります。
ダイバーシティを研修に導入してみよう
ダイバーシティの意味や推進方法、ダイバーシティマネジメント導入のメリットなどは理解できましたでしょうか。
これからの日本企業にとって欠かせないものですが、そうはいってもなかなか意識は変わりません。社内にすでにいる従業員の意識も変えていくことが重要です。そのためにも研修へダイバーシティを導入することが必要になります。
ダイバーシティに研修を導入し、ダイバーシティが順調に進むよりよい職場作りをしましょう。