ブラザーシスター制度のメリット3つ|デメリットと制度導入迄のステップ

人材育成

ブラザーシスター制度とは?

「ブラザーシスター制度」というのは、会社に入社したばかりの新入社員に対して、同じ部署の先輩社員がブラザー・シスターとして指導する役割につく制度のことを言います。

ブラザーシスター制度のブラザーは先輩男性社員を、ソスターは先輩女性社員を指しています。基本的には、新入社員たちと近い年齢で同じ性別の人を担当にあてるのが一般的です。これは、性別によって悩みが違う場合があることを想定しています。

ブラザーシスター制度とOJT制度との違い

新入社員に対する制度にはブラザーシスター制度の他に「OJT制度」という制度もありますが、OJT制度は社員に実際に仕事をさせながら、仕事に対するスキルを磨かせたりすることです。

ブラザーシスター制度でのブラザーとシスターは、新入社員の指導と共に相談に乗る存在となっています。それに対して、OJT制度では主に業務に関する教育指導を行い、新入社員だけでなく社員を育成していくことを目的としている制度です。

ブラザーシスター制度とメンター制度との違い

ブラザーシスター制度と似ている制度に「メンター制度」もあるのですが、ブラザーシスター制度では同じ職場の先輩社員が指導役になるのに対して、メンター制度では通常別の部署の先輩社員がメンターとなって新入社員を導きます。

ブラザーシスター制度のように同じ職場で仕事を教えるよりも、メンター制度ではメンタル面でのサポートを主にしていると言えるでしょう。また、メンター制度の対象は新入社員だけではありません。

ブラザーシスター制度のメリット3つ

ブラザーシスター制度を導入する会社があるのは、新入社員の育成や指導者の育成に対して大きなメリットがあると考えられているからです。

ここからは実際にブラザーシスター制度を導入することで得られるメリットについて、紹介いたします。

ブラザーシスター制度のメリット1:早期離職防止

ブラザーシスター制度のメリットの1つに、新入社員のサポートをすることで離職率の高い新入社員の早期離職を防ぐというメリットがあります。

新卒で採用後3年以内に離職する早期離職率は、かなり高いです。せっかく教育を施した新入社員が早期離職してしまうのは、企業にとっても損失です。ブラザーシスター制度で担当の社員を決めることで新入社員の仕事や生活に関する不安を細やかにサポートし、離職を防ぎます。

ブラザーシスター制度のメリット2:ジェネレーションギャップがなく価値観を共有できる

ブラザーシスター制度では新入社員と年齢の近い社員が指導役となるため、年齢の差によるジェネレーションギャップがなく価値観が近いです。

あまりに年齢に差がありすぎると、ジェネレーションギャップがあり価値観が違うことがあります。ブラザーシスター制度では近い年齢の先輩社員が指導役として担当者になるので、より相談しやすく身近な存在になれるというメリットがあります。

ブラザーシスター制度のメリット3:指導者(先輩社員)の育成にもつながる

ブラザーシスター制度は新入社員側だけにメリットがある訳ではなく、指導者となる先輩社員の側も育成経験を積んで成長することができる、というメリットがあります。

新入社員の相談に乗ったり育成をすることで、先輩側の社員も育つことができます。そういった経験を通して、ブラザーシスター制度により将来の管理者や指導者を育成できる、というのは企業にとってもメリットでしょう。

ブラザーシスター制度のデメリット3つ

ここからは、ブラザーシスター制度を導入するにあたって発生する可能性のあるデメリットについて解説していきます。

ブラザーシスター制度はメリットの大きい制度でありますが、残念ながらデメリットが起こることもあります。どんなデメリットが起こる可能性があるのか、把握しておきましょう。

ブラザーシスター制度のデメリット1: 先輩社員にかかる負荷

ブラザーシスター制度で指導者となる社員は、通常の業務に加えて指導者としての仕事が増えるため業務が増え、指導の経験がない場合は大きな負担となるでしょう。

ブラザーシスター制度で指導者としてどのような育成をするのかについて、先輩社員に対しても研修を行う必要があるでしょう。また、業務が増えることに対してフォローする必要もあります。先輩社員もまた、入社してから数年の社員であることを忘れてはいけません。

ブラザーシスター制度のデメリット2: 新入社員の自立心が育ちにくくなる

ブラザーシスター制度では同じ部署にいる近い先輩が指導者であるため、新入社員が頼りやすく相談しやすいメリットはあるものの、何かあるとすぐ頼るようになり自立心が育ちにくくなることがあります。

何かあったらすぐにブラザーシスターに相談するようでは、先輩社員への負担も大きいですし新入社員自身も成長することができません。あまり依存しすぎないように、どのように接するべきかを企業として決めておくべきでしょう。

ブラザーシスター制度のデメリット3: 信頼関係が築けないと破綻する

ブラザーシスター制度で指導者として決まったとしても、相性が悪いなどで信頼関係が築けないと逆に新入社員にとっても、指導者側の社員にとっても負担が大きく制度が作用しないというデメリットです。

お互いに信頼関係が築けない場合、ブラザーシスター制度は破綻します。目的を果たせないばかりか、余計に状況が悪くなってしまうことがありますので、ブラザーシスターと新入社員の相性は重要です。

ブラザー・シスター制度が注目される理由

ブラザー・シスター制度が注目されるのは、離職率の高い新入社員へのケアができる一方で、先輩社員にも育成方法を学ばせるなど成長させることができ、メリットが大きいためです。

メリットが大きいので導入している企業も増えてきているのですが、デメリットが起きないように対策を講じる必要はあります。先輩社員側のケアも欠かさず行うこと、負担が多いためやる気のある社員に担当させるなどしておくとよいでしょう。

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ブラザーシスター制度導入時の3ステップ

ブラザーシスター制度を導入するにはどうしたらよいのか、3ステップで紹介いたします。

ブラザーシスター制度では指導者となる先輩社員への負担が大きいため、ブラザーシスター制度を導入し、実施することを全社に告知して協力体制を作りだすことが重要です。くれぐれも、先輩社員への負担を軽減できるように気をつけておきましょう。

ブラザーシスター制度導入時のステップ1: 導入の目的を明らかにする

まずは、ブラザーシスター制度を導入することの目的を具体的に決めておきます。

離職率を下げることや、職場への定着率を目的とするならば、どの程度の期間で判断するのかを決めておきましょう。ブラザーシスター制度導入の目的を決めて、目的を達成するために必要なことは何なのかを考え、ブラザーシスターとなる先輩社員への指導を行う必要があるでしょう。

ブラザーシスター制度導入時のステップ2:ブラザーシスター担当の決定

ブラザーシスター制度導入にあたって、最も大事なことはブラザーシスターの担当社員を誰にするのか決定することです。

ブラザーシスターとなった社員は、単純に負担が増えることになります。そのため、ブラザーシスター制度を導入している企業の中には立候補者を募っている企業もあります。

立候補でなくても、指導力がある社員あるいは面倒見のよい社員など、指導に向いている社員を抜擢しましょう。

ブラザーシスター制度導入時のステップ3:運用方法の決定

ブラザーシスター制度導入の最後のステップは、どのようなレベルまで指導するか、どんな風に指導を行うかの運用方法を決定することです。

指導するべき内容を決めたら、ブラザーシスター役となる社員が適切に指導を行えるように、必要な技術を研修などを行って補います。制度を破綻させないためにも、新入社員だけでなくブラザーシスター役となる社員のサポートをするのが重要です。

ブラザーシスター制度は新入社員の不安を解消し先輩社員の成長も期待出来る制度

ブラザーシスター制度は新入社員をサポートし離職率を下げるだけでなく、ブラザーシスターとなる先輩社員側も指導者として成長することができる、メリットのある制度です。

しかし、ブラザーシスター制度では指導者となる社員に対して負荷が大きいのも事実です。新入社員だけでなく、先輩社員の育成のサポート、何か問題となる点がないかなど細やかな気遣いをすることが制度を成功へ導くでしょう。

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