メンターとチューターの違い3つ|より一般的なメンターについて解説!

人材育成

メンターとは?

職場で「メンター制度」という言葉を聞いたことのある方は多いでしょう。

メンターとは仕事や人生における指導者や助言者、教育者、支援者などを指します。特に企業でのメンター制度の場合には、メンターとは新入社員や後輩の日々の業務や精神的な面など幅広い面でサポートをする先輩社員のことを指しています。

また、この際に指導してもらう新入社員や若手社員のことをメンティーと呼びます。

チューターとは?

一方、チューターという言葉もよく耳にします。大学や予備校などで特によく耳にする言葉ですが、近年では企業でも活用するところが増えています。

チューターとはすなわち家庭教師という意味です。大学や予備校などの教育機関で使われる印象が強いですが、企業では新入社員や若手社員の指導者といった意味で使用されます。

企業の場合、新入社員や若手社員の業務やビジネスマナーなどを具体的に指導し、育て上げる役割があります。

メンターの方がより導入されている

メンターもチューターも若手社員を育てる立場ですが、近年チューター制度よりもメンター制度の方がより多く導入されています。

厚生労働省が2012年度に「女性社員の活躍を推進するためのメンター制度導入・ロールモデル普及マニュアル」を作成したことで、メンター制度は女性活躍推進の手法としても注目されています。

また、新入社員が気軽に相談できる先輩としてメンターを置くことで入社3年以内の離職を防ぐ目的もあります。

メンターとチューターの違い3つ

よく似た制度であるメンター制度とチューター制度ですが、運用する上で具体的にどのような違いがあるのでしょうか。メンターもチューターも同じく若手社員を支援する立場ですが、アドバイスする範囲や関わり方などには少しずつ違いがあります。

メンターとチューターは主にアドバイスの範囲、関わりの範囲、目標やビジョンの共有の点で違いがあります。ここではメンターとチューターの3つの違いについて詳しくご紹介します。

メンターとチューターの違い1:アドバイスの範囲

メンターとチューターでは、若手社員にアドバイスする範囲が異なります。

チューターは、会社や業務に関係することに限定してアドバイスを行いますが、メンターになると、生活面や人間関係などプライベートな悩みも含む幅広い範囲での相談役や指導役となります。そのため、メンターは支援するメンティーと強い信頼関係を築いていく必要性があります。

メンターとチューターの違い2:指導する人との関わりの範囲

メンターとは、メンティーと強い強い信頼関係を築き、幅広い範囲での相談役を担う立場です。そのため、定期的に行う面談などの中で得た知見をもとに、メンティーの課題を見つけて解決策や改善策を考え、一緒に行動していく必要があります。

これに対して、チューターの指導範囲はあくまでも業務に関わる部分のみとなります。チューターは若手社員の課題を見つけて解決するなどといったことまでは行いません。

メンターとチューターの違い3:目標やビジョンの共有

メンターとチューターの違いとして、目標やビジョンの共有という点も異なります。

メンティ―が実現したい目標やゴールを明確にして、目標やゴールに対して現状どこまで達成できているかを把握することもメンターのやるべき仕事です。これに対してチューターは業務上の指導のみを行います。

メンターの役割5選

チューターと比較すると、メンティーと関わる範囲が非常に多いメンターですが、メンターの具体的な役割はどういったものなのでしょうか。

メンターの役割としては主にメンティーの目標やゴールの明確化、現状の把握、支援やアドバイス、メンタル面のサポート、プライベートを含めた相談相手の5つが考えられます。

ここでは、これら5つの役割について詳しく見ていきます。

メンターの役割1:目標やゴールを明確化する

まずメンターの役割は、メンティーが仕事をすることの意味を考えたり、問題を解決する方法を見出すための支援をすることです。

そのためにはメンティーの目標や成果などを明確にすることも重要です。日々、話し合いを行いながらメンティーの中長期的なキャリア目標を引き出します。

引き出した目標から、その目標達成のための育成計画を立てて、目標とのギャップを埋められるように指導していきます。

メンターの役割2:現状を把握する

メンターの役割としては、メンティーの現状をしっかりと把握することも重要です。メンティーが今、どのような業務を行えるようになっているかなどを確認することで、メンティーの目標に対してどの程度までギャップを埋められてるのかが分かります。

また、最終的な目標と現状のギャップが大きすぎるとメンティーの意欲を損ねることもあります。現状を見ながら目標を達成するための適度な小さなステップを用意することも必要です。

メンターの役割3:支援やアドバイスをする

メンティーの目標や現状が把握できたら、メンターは定期的に支援、アドバイスを行っていく必要があります。

メンターは担当のメンターとメンタリングを行います。メンタリングとは人材育成の手法の1つで、メンターがメンティーと定期的、継続的に交流し、対話や助言によってメンティー本人の自発的な成長を支援することを指します。

一方的に業務上の指示をするのでなく、対話やアドバイスによって成長を促していくことが重要です。

メンターの役割4:メンタル面のサポートをする

メンターは、メンティーが課題や問題を抱えた際に、モチベーションやメンタル面においてのサポートをする役割も担っています。メンターがメンティーに対して行うメンタリングは、メンタル面でのサポートも含まれています。

メンティーのメンタル面でのサポートもするということから、メンターは誰もがなれるわけではありません。メンターに選ばれるということは、普段の仕事ぶりが評価されていることになります。

メンターの役割5:プライベートな相談にも乗る

メンティーの指導や相談に乗る際、その内容は業務だけにとどまらず、人間関係やキャリア形成などプライベートに近いところまで幅広く相談に乗るのがメンターの特徴でもあります。

新入社員やメンターは若手社員が配属された部署で人として成長できるよう支援する役割でもあるので、サポートする範囲は多岐に渡ります。プライベートな面での相談にも乗るという点は、チューターとの最も大きな違いでもあります。

メンター制度導入のメリット3つ

このようなメンター制度ですが、実際に導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。

メンター制度導入のメリットとしては、重荷「メンターの人材育成への意識の向上」「メンティーのモチベーション向上」「メンティーの職場環境への順応」の3つが考えられます。ここでは、これら3つについてそれぞれ詳しく見ていきます。

メンター制度導入のメリット1:メンター自身の人材育成意識の向上

人に教えるということは、自己の成長にも繋がります。メンターがメンティーに仕事を教えるためには自分が会社や仕事のことを理解することが必要となるため、メンターはこれまで以上に仕事のことや会社のことを学び、理解しなければなりません。

メンターを人選する際には、そのようなメンターの成長も考慮の上で選ぶとよいでしょう。

メンター制度導入のメリット2:メンティーのモチベーションの向上

メンターと関わり合うということは、メンティーにとってすぐ身近にロールモデルとなる人がいることを意味します。メンティーはメンターを見て数年後の自分の姿をイメージしやすいので、キャリアアップへの意欲が自然と高まります。

また、数年後の自分をイメージできるということは会社で働く意義や、なりたい自分を明確化することが可能になるので、結果的に会社への定着率を高めることにも繋がります。

メンター制度導入のメリット3:メンティーの職場環境の適応

入社したばかりの時は、同じ職場の誰がどんな人かが分からず、不安も多いです。また、職場や人間関係に馴染めないと仕事もうまくいきません。

こういったメンティーの仕事やプライベートでの不安な点などに、メンターが先輩として相談に乗ることができると、不安をできるだけ早く解消することができます。不安がいち早く解消できれば、会社にも早く馴染むことができ、円滑に仕事ができるようになります。

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メンター制度導入のデメリット3つ

一方、メンター制度を導入するデメリットはどういう点でしょうか。メンター制度のデメリットは主に「メンターの教育や方針に影響されやすい」「メンターの指導力や育成時間の不足」「メンター自身の負担」の3つが考えられます。

ここではこれら3つについて詳しく見ていきます。メリット、デメリットを踏まえ、自社にはメンター制度が良いのか、チューター制度の方があっているのではないか、などしっかりと考える必要があります。

メンター制度導入のデメリット1:メンターの教育や方針に影響されやすい

メンターとメンティーは関わる時間が長く、メンターが業務のみならず会社の方針を教えたり、メンティーの目標設定の支援まで行います。そのため、メンターの教育や考え方にメンティーは大きく影響を受けることになります。

メンターの方針に左右されることが問題となる場合には、適度な関係を保てるチューター制度の方が良いということもあります。

メンター制度導入のデメリット2:メンターの指導力や育成時間の不足

メンターがメンティーに業務を教えるということは、メンターの指導の質によってメンティーの育成にも差が出るということを意味します。すなわち、メンターの指導力の差によって、メンターの成長にバラつきが出てくる可能性があります。

ばらつきを防ぐためには、メンターの育成にも時間をかけないといけません。メンター研修などを実施し、メンター制度導入の背景や人材育成に対する会社の方針などを理解してもらう必要があります。

メンター制度導入のデメリット3:メンター自身の負担

メンター制度に任命されるということは、自身の業務に加えてメンターとしての仕事も増加することになります。メンターは自己の成長にもつながることですが、場合によっては、これを負担と感じてしまうこともあります。

チューターと比較して負担が大きいので、メンターを依頼する際には業務内の時間でどれくらいのことをどう行えばいいのかなど具体的な業務がわかるようにした上で、各メンターの上司にも了解を得て進めましょう。

メンターとチューターに関して正しく理解しよう

メンターとチューターの違いや、メンター導入のメリットなどについてご紹介してきましたが、理解できましたでしょうか。

女性活躍推進制度に用いられていることなどから、近年メンター制度が多く導入されています。メンター制度は若手社員育成に有効な制度ですが、メリットもデメリットもあり、状況によってはチューター制度の場合が良いということもあります。

両方の制度をしっかり理解し、若手社員の育成にうまく活用しましょう。

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