クリティカルシンキングの意味とは?
クリティカルシンキングは、直訳すると「批判的な考え方」「批判眼がある」という意味です。しかし、ただ物事に対してなんでも批判的な考え方をするという意味ではありません。
クリティカルシンキングとは、目の前にある物事に対して、見えたままの情報を鵜呑みにして判断するのではなく、多角的な視点で「それは正しいのか」ということをじっくりと考察し、その上で判断を行う考え方のことを言います。
ロジカルシンキングとの違い
ロジカルシンキングは「論理的な思考」を表します。問題を分解して整理し、分析、適切な判断を下すための考察を道筋を立てて結論を導いていくという考え方です。
クリティカルシンキングは、物事に対してそれが正しいのか常に疑問を持って考えることでより良い結論を導く考え方、ロジカルシンキングは問題への理解を分析することで深めより良い結果を導く考え方です。その違いは「疑うかどうか」です。
クリティカルシンキングの基本姿勢3つ
クリティカルシンキングは、常に疑問を持ち続けるという思考が必要です。ビジネスでも必要なスキルとされており、実りの多い議論をするために、ロジカルシンキングと合わせてぜひ習得したい考え方です。
クリティカルシンキングを行う上で必要な基本姿勢は3つをご紹介します。
クリティカルシンキングの基本姿勢1:目的は何か常に考える
クリティカルシンキングには「何のために」という目的を定めることが重要です。目的が定まっていないと、考えがぶれてしまったり、意味のない議論を重ねる要因になります。
議論は「目的」を検討するために行われます。「目的」が曖昧だと枝葉に目を取られて肝心な主題の検討がおろそかになり、また、無意味な議論で無駄な時間を消耗してしまいます。
常に、「目的は何か」と考えることは主軸を決める重要な要素です。
クリティカルシンキングの基本姿勢2:誰しも思考に癖があることを前提とする
こだわりや偏見、思い込みなどはその人の思考に大きな影響を与えています。これらを「考え方のくせ」として認識し、そのことを念頭に置いてより客観的な思考をすることがクリティカルシンキングには必要になります。
クリティカルシンキングは常に疑問を持って考えることが重要です。自分の思考のくせを把握することで、自分の思い込みなどから見落としがちな思考の落とし穴に気づくことができます。
クリティカルシンキングの基本姿勢3:問い続ける
客観的な視点から、常に「これで良いのか」と考え続けることでクリティカルシンキングの成熟度が増します。疑問を疑問を潰すようにして考え抜くことで物事の本質を見極めることができます。
安易にたどり着いた結論は多くの穴があるでしょう。クリティカルシンキングは「何」「なぜ」「本当か」という疑問を考え抜くことで、物事を深く掘り下げて考える癖がつく他、新しい道を発見する可能性も手に入れることができます。
クリティカルシンキングの具体例6選
クリティカルシンキングの基本姿勢は「目的を考える」「思考のくせを意識する」「問い続ける」です。では具体例を使って、問題解決に向けたクリティカルシンキングをしてみましょう。
クリティカルシンキングを行う方法は4つのステップで構成されます。まずはゴール(目的)を明確にすること、現状を分析すること、課題を見つけること、解決方法を考えることです。
クリティカルシンキングの具体例1:低迷している営業部の売上を高めるには?
クリティカルシンキングの具体例1の目的は「営業部の売り上げを高めるために何をするか」です。具体例の目的から「なぜ売り上げが落ちているのか」仮説を立てます。
立てた具体例の仮説に対して一つ一つ疑問を持って考えていきます。自分の考え方に偏りがないか、客観的な視点を大切にしましょう。
推論や思い込みで結論を出さず、市場状況や組織の現状を十分に確認し、検討することがクリティカルの重要な点です。
クリティカルシンキングの具体例2:若手社員が育たない現状を打破するには?
具体例2の目的は「若手社員が育たない現状を打開するために何をするか」です。具体例の目的から「なぜ若手が育たないのか」を考える必要があります。
若者の離職率が高く、「若者はすぐに仕事を辞める」という偏見や思い込みがあるでしょう。これらの思い込みは邪魔にしかなりません。思い込みを捨てて思考を組み立てる必要があります。
「育てる努力をしているのか」「育成方法に問題はないか」など幅広く考える必要があります。
クリティカルシンキングの具体例3:より良い新卒を採用するには?
具体例3の目的は「より良い人材を確保するためにはどうしたら良いか」です。具体例の目的は「新卒者をどのように評価するのか」「良い新卒とは何か」を考える必要があります。
まずは、良い新卒とはどのような人材なのかを考える必要が生まれます。この人材像こそが具体例の「ゴール」=結論に結びつくからです。
クリティカルシンキングには先入観を持たないことが求められます。先入観を捨て、仮説を立てて、求める人材を絞っていきます。
クリティカルシンキングの具体例4:売り上げの低迷を打破するためには?
具体例4の目的は「売上低迷を打破するために何をするべきか」です。具体例の目的から「売上減少の要因」「売上上昇方法」を考える必要があります。
まずは売上が落ちている現状を十分に把握します。競合店が増えているのか、飽きられたのかなど多くの仮説を立てることで思考の精度が上がります。
仮説から導かれた結論も色々な角度から検証し、前提を疑い、目的を意識することで、問題の本質がクリアになっていきます。
クリティカルシンキングの具体例5:奪われたシェアを奪還する
具体例5の目的は「どうすればシェアを取り戻せるか」です。具体例の目的から「競合に奪われているシャアを取り戻すにはどうするか」を考えます。
置かれている状況や取り巻く環境を把握することがまず必要です。この問題では市場の状況や、自社や競合の強みを理解した上でシェアを奪還するための実行可能な戦略を考えます。
その戦略を多角的に検証し、仮説立て問題を深く掘り下げることが最適解を導くことにつながります。
クリティカルシンキングの具体例6:顧客の課題を分析する
具体例6の目的は「顧客の課題を発見、分析し、潜在的なニーズに応える」です。具体例の目的から「顧客との会話などから現状の問題点を把握する」を考えます。
問題点を把握するためには顧客がどのようなことで困っているか的確に把握し、客観的な視点で物事を分析、原因と解決策を提示する必要があります。
状況に振り回されず、常に疑問を持ち、問題の本質を見据えることで問題の原因がクリアになり最適解を導くことができます。
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クリティカルシンキングができない人の特徴3つ
クリティカルシンキングは現在のビジネスにおいて最重要スキルといっても過言ではありません。
一刻一刻と変化し続ける情勢の中で、本質を見極めた最適解を素早く導き出すために必要なスキルです。
クリティカルシンキングを身につけるために必要なことは、具体例としては自分の考えが正しいという思い込みは捨てること、過程ではなく「目的」に重きを置くことです。
クリティカルシンキングができない人の特徴1:目的より過程を大切にする
考える過程を大切にすることは悪いことではありません。しかし、考える過程に着目しすぎると最も大切な「目的」を見失うことにつながります。
目的は羅針盤的な役目を果たします。問題を最適解に到着させるために論理的に、客観的な視点を持って目的に向かった手段を講じる必要があります。過程を大切にして問題を対処療法で解決するのではなく、目的をしっかり見据え根本的な問題解決を目指します。
クリティカルシンキングができない人の特徴2:自己中心的な思考を持っている
クリティカルシンキングに先入観や思い込みは思考の邪魔にしかなりません。自己中心的な思考は「思い込み」につながり、より多角的で客観的な結論に結びつきません。
自己中心的な人は課題を自分の物事をうまく切り離して考えることが難しいです。自分の意見に対して疑問を投げかけられると、自分を否定されたと感情的になってしまいます。そうすると、問題解決のための議論はできなくなります。
クリティカルシンキングができない人の特徴3:頭が固い
自分の考えに固執する人もクリティカルシンキングができません。自分の考えが正しいと考えるあまり「常に問い続ける」というタスクが達成できません。思考が固まってしまっては最適解を導き出すのは難しくなります。
自分の意見に固執するために、自分の意見の正当性ばかりを主張するようになります。他人の意見やアドバイスも耳に入りません。そうなると前向きな議論は望めなくなります。
クリティカルシンキングを理解しより良い結論を導きましょう
常に疑問を持つこと、これがクリティカルシンキングの基本姿勢です。ロジカルシンキングのスキルも合わせて用いることで、より核心をついた解決法に到達することができるでしょう。
クリティカルシンキングの具体例では問題解決の考え方をご紹介しましたが、考え方、結論は一つではありません。具体例を用いて、自分なりに結論を出してみることで、よりクリティカルシンキングのスキルを磨くことができるでしょう。