リーダーズインテグレーション
会社や組織内でのチームビルディングは欠かせない動きとなっています。その場面にて近年注目され活用され始めている手法、それが「リーダーズインテグレーション」と呼ばれている内容です。
今回はリーダーズインテグレーションとは何かから始まり、その具体的な方法に至るまでご紹介していく、リーダーズインテグレーションの特集です。
インテグレーションの意味
まずはインテグレーション(Integration)という言葉についてです。これはは「統合」という意味を表します。つまりリーダーズインテグレーションとは、リーダーとチームメンバーの意思疎通を図ることが目的です。
そのためにチームの結束力を高めるフレームワークやワークショップを行うことを言います。リーダーズインテグレーションはここ数年の間に注目され、大手企業ではチームビルディング手法として活用されています。
リーダーズインテグレーションを行う5つの手順
どこの企業や組織でも、リーダーの役割と責任は大きく、その技量は個人差によりけりです。なるべく誰がどういった形式でリーダーになっても、ほとんどのスタッフが納得できるような態勢でありたいと考えています。
チームビルディングの役に立つリーダーズインテグレーション、そのやり方は至ってシンプルな内容です。チームビルディング系のビジネス書籍にも最近では登場するほど話題性があります。ではリーダーズインテグレーションの基本的な手順についてご紹介します。
リーダーズインテグレーションを行う手順1:リーダーの挨拶と自己紹介
リーダーズインテグレーションの最初の入り口では、そのチームのリーダー、あるいはその候補になる人からの簡単な自己紹介を行います。
それまでの経歴や他愛のないプラーベートなことも含めながら、リーダーが自分とはこういう人物であるということを、各メンバーに伝えるようにします。そして各チームメンバーは、当人の人となりを自分なりに感じ取っておくようにします。
リーダーズインテグレーションを行う手順2:メンバーだけで意見を出す
リーダーからの自己紹介でこれまでやってきたことなどを発表してもらったら、次の作業に入る前に該当リーダーは部屋から退室することがルール上で決まっています。
その上で、室内にいるメンバーたちだけの意見交換の時間を作ります。いくつかの項目をメンバーが考えて意見をして進行します。該当リーダーがその場に居合わせてしまうと、余計な気を使ったり私情をはさんでしまうため、効果が無くなるからです。
知っていること
リーダーズインテグレーションでは、リーダーについて自分が知っていることは何かについて議論します。ここではどのような些細なことでも構わず、自分がリーダーについて知っているファクトを挙げていきます。
例えば、自宅では猫を飼っているとか、ミニカー集めが好きだとか、バンド活動をしているといったプライベートな内容も含めます。ここでは参加者が発言しやすいような空気作りができることが目標です。
知りたいこと
リーダーについて知りたいことを洗い出す作業です。これも仕事やプライベートに関わること含めて構いません。
飼っている猫の種類は何か、休日は何をしているのかといった軽い内容から、そのリーダーがチームメンバーの評価をする際のポイントなど、全員が気になることは徐々に本質に近づけていくように誘導していきます。
リーダーに知ってほしいこと
リーダーズインテグレーションでは、リーダーに知っておいて欲しいことをピックアップしていきます。
今のチームは、こんなことで困っている、これが大事なことだといつも考えているといった、メンバーが日頃から考えている疑問や問題点などトピックをあげ、付箋に書いてホワイトボードなどに張り出していきます。
チームのためにできること
それまでの流れでは、リーダーに対するさまざまな見解をメンバー間で意見し合いましたが、ここではチームのメンバー各人が自分のことを考えます。リーダーとともに何ができるのか、そして目標を達成するために貢献できることが何かを挙げていきます。
リーダーズインテグレーションを行う手順3:リーダーが内容を確認する
メンバーの意見がすべて出そろったら、今度はメンバー全員が部屋から退室します。そしてリーダーが部屋に戻ってきます。リーダーはホワイトボードに貼られた付箋を見ながら、それらの意見への回答を考えます。
進行の際に、場合によってはファシリテーターが同席し、それまでのメンバーの流れをリーダーに説明することもあります。
リーダーズインテグレーションを行う手順4:回答を共有する
リーダーが回答を終えたら、それまで退室していたメンバーが入室します。ここでリーダーとチームメンバーとが同席して、それらの回答についての共有を図ります。
基本的には、リーダーからメンバーへと回答することが主体になりますが、お互いに不足している情報なども、さらに話し合いで埋めていくようになります。
リーダーズインテグレーションを行う手順5:フリートーク
リーダーズインテグレーションの最後の締めとなるフリートークの段階では、特に決めごとを作らないのがポイントです。
つまりこの会を通じて発展していきそうな内容が見出せたのなら、そのためのアイデア出しや新たな進展をここで行うことになります。リーダーとメンバーとの親交の意味も含まれています。
リーダーズインテグレーションを行うメリット3つ
リーダーズインテグレーションの手順は前述のとおりとなりますが、なぜそこまで手の込んだことをする必要性があるのでしょうか。それはリーダーズインテグレーションを行うことで、絶大な効果やメリットが期待できるからです。
ここでは、リーダーズインテグレーションを行うことで期待できるメリットについて、幾つかご紹介します。
リーダーズインテグレーションを行うメリット1:コミュニケーションがとれる
リーダーズインテグレーションはチームビルディングの手法であることから、各人の役割が公平に行われることになり、そこにいる全員が参加して達成できる内容です。その意味から、コミュニケーションがとりやすいという最大のメリットがあります。
特に結成したての状態の時期にリーダーズインテグレーションを行うと、意思疎通が実現して、目標達成へ全員が同じビジョンを共有できるようになります。
リーダーズインテグレーションを行うメリット2:言いづらいことを共有できる
通常、業務を行っている時間帯では、自分の仕事に追われて言いたいことも言えないまま過ぎてしまうことがあります。改めて言おうと考えていてもつい面倒になってしまいます。その繰り返しでいつしか忘れてしまい無かったことになりかねません。
リーダーズインテグレーションを介してゲーム感覚で楽しむことで、垣根もなくなりリーダーとチームメンバーが言いたいことの意見交換ができるというのもメリットの一つです。
リーダーズインテグレーションを行うメリット3:チームの信頼関係が高まる
リーダーズインテグレーションを行う上での最終的目標は、やはり双方の信頼関係の構築です。本音でこうしたいああしたいという意見を交せることから、リーダーは部下たちへ、そしてチームメンバーはリーダーへの信頼や親近感が湧いてきます。
業務をこなすだけでは、どうしても場の雰囲気や空気が淀んでしまったり重く感じてしまいます。リーダーズインテグレーションで楽しく進行することで望める状態へと発展します。
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組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム10選
リーダーズインテグレーションで、チームビルディングに効果をもたらすことが可能ですが、まだまだ他にもチームビルディングに役立つワークやゲームがたくさん存在します。
ここでは、リーダーズインテグレーションとも関連性がある、チームビルディングや組織力向上に役立つおすすめなゲームをいくつかご紹介します。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム1:マシュマロチャレンジ
マシュマロ・チャレンジとは、乾麺のパスタ、テープ、ひも、マシュマロといった材料を揃え、簡易的なタワーを立て続け、最も高いタワーを作ったチームがWINNERになるというシンプルなゲームです。
基本的には4人1チームとし、自立が可能なタワーを立てていきます。その際には、テープなどで足場固定をすることはNGです。タワーの上にマシュマロを置くことになります。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム2:人狼ゲーム
当初はチームビルディングと関係のない分野から発祥しているのが人狼(じんろう)ゲームというカードゲームです。内容は、とある平和な村に人の姿をした狼(人狼)が紛れ込み、夜になると村人を1人を食い殺していきます。昼間はおとなしくしているので、この時間帯で人狼を探しだして処刑することにしました。
人狼ゲームは村人と人狼以外にいくつかの配役もあるので、15人程度で遊べることからチームプレイも可能なゲームです。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム3:共通点探しゲーム
複数の人たちの中から、自分と共通な事柄を探し出すというのが共通点探しゲームです。チームビルディングのワークとして広く取り入れられています。ルールは簡単で、二人一組もしくは複数のグループ内で、制限時間内に共通するものをできるだけ多く探し出すという内容です。
ただしあまりにも凡庸な共通項では面白みがないので、意外性のある共通項を導き出すことがポイントです。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム4:陰褒め
陰褒めという変わった名称のアイスブレイクがあります。普通なら陰口と聞けば、その当人がいない場所で嫌な点や悪口などを言うことを意味します。しかし陰褒めとはそれとは真逆のことをします。
該当する人物がその場にいないと仮定しながら、その人の良いところ、見習いたいことなどの褒め言葉をどんどん発言するというゲームです。ちょっと気恥ずかしい感じも受けますが、自分では気がつかないところが意外と認められているという発見があっておすすめなゲームです。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム5:NASAゲーム
NASAゲームとは、チーム内での合意形成(コンセンサス)を学べるカードゲームです。参加者は全員、宇宙飛行士という設定、月面に不時着してしまいます。宇宙船はほとんど壊れ使用不能ですが、15アイテムは破損を免れています。
この15アイテムの中から、必要なものを重要度の高い順にナンバリングしていく内容です。意見が違っていく中でどのように順位を決めるのか、協調的な合意形成プロセスを体験で学ぶべます。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム6:ペーパータワー
リーダーズインテグレーションにも通じるチームビルディングのゲームとして、とてもシンプルなのでやりやすいとされているのが「ペーパータワー」です。このルールは前述したマシュマロチャレンジとほぼ一緒だと考えて良いでしょう。/strong>
ただし使うのは30枚のA4用紙のみというルールです。これを使ってできるだけ高いタワーを作て行くため、グループ内で協力し合っていくワークです。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム7:ストマネ
ストマネとは、リーダーズインテグレーションで大切なチームビルディングとメンタルヘルスをテーマにしているビジネスゲームです。ゲーム終了後には、それぞれのチームの結末は4パターンにできあがります。
一連のプロジェクトは無事完遂させつつ、チームメンバーが心身ともに健康で終えられかどうかを競います。プロジェクトの進捗やストレスマネジメントについて模擬的に楽しみながらマスターできる内容です。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム8:レゴシリアスプレイ
レゴシリアルプレイとは、レゴブロックを用いたワークショップです。管理職としてリーダーズインテグレーションとビジョンを示すことに着目しています。
リーダーはそれまでの自分の仕事を振り返り、今後の方向性についてレゴブロックを用いて具現化します。メンバーと対話しながら進行するビジネスゲームです。リーダーがやりたいこととスタッフの意思が一致するためのトレーニングとして活用されています。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム9:部課長ゲーム
部課長ゲームは、ビジョンと目的共有について学べるビジネスゲームです。部長、課長、一般社員の役割に分けてゲームします。できるだけ早く課題を達成したチームが勝利します。
課題の内容を知っている人は部長役一人だけで、かつ課題内容を全員が知っていると勘違いしている設定です。部長役はこのゲーム目的をメンバーに伝えたり、課長や一般社員役が理解しないとゲームがクリアできないという内容です。
組織力を上げるおすすめのビジネスゲーム10:ベストチーム
ベストチームとは、心理的安全性についてを高めるために考案されたゲームです。チームは行動カードと呼ばれるカードを必要枚数集め、その効果が発揮されてチームに得点がもたらされていくというゲーム進行です。
カードには業績ポイントと関係性ポイントという2種類のポイントが記載され、カードによっては業績は上がったり関係性が下がるといった、プラス面とリスクが伴っていきます。
リーダーズインテグレーションでチームの信頼と組織力を高めよう
チーム内の結束力を高める意味で、リーダーズインテグレーションはとても重要な意味があります。主にそのためのワークやゲームを楽しみながら行うと、そのチームの基準や水準が見えてくることになります。
ワークショップだからと軽く考える方もいるとは思いますが、一度経験してみると、そのチームの構成力やリーダ-シップなどについてが分かってきます。機会があれば取り入れてみてはいかがでしょうか。