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2019年09月13日

OJT計画書の作り方とは|計画から実行までの基本プロセス4つ

OJTは新入社員などに対し仕事に必要な技術や技能を現場の実務体験をとおして意図的・計画的・継続時に行う職業訓練をいいます。なお、OJTの実行に際しては「目標の明確化」が重要であり、進め方においては「5W1H」を設定することが成功のキーポイントとされています。

OJT計画書の作り方とは|計画から実行までの基本プロセス4つ

OJT計画書の必要性

OJTとは、一般的に新入社員などを対象とした職場内で実施する職業訓練をいい、OJTに必要な事柄を纏めた文書をOJT計画書といいます。

OJTの実践は、さまざまな職場の上司や熟練社員が指導者として携わることから、部署や指導者によってやり方に偏りやバラツキが生じる怖れがあります。

OJTの実施に際しては、できるだけ混乱を避け無駄や無理が生じないようにあらかじめ必要な事柄を決めておくことが必要です。

OJT計画書の基本的な作り方

OJTの原則として「意図的」「計画的」「継続的」の3項目が掲げられているため、OJTの計画書の作成に当っては3つのキーワードを具体化する方法や手段を記載していることが重要です。

1つめの意図的とは、OJTの目的や目標を明らかにすることです。2つめの計画的とは、5w1Hに基づいてOJTの手順や基準などを定めることです。3つめの継続的とは、一度きりではなく反復して段階的な訓練を行うことです。

OJT計画の基本はPDCAを意識する

OJTは計画書の作成する(plan)、4つのプログラムに従って実行する(do)、結果を客観的に評価する(check)、問題があれば計画変更する(act)といったPDCAサイクルを意識することが重要です。

ちなみに、OJTの実践においては「TWI」と呼ばれる企業内訓練の手法に基づいた、やってみせる→説明する→やらせてみる→評価・追加・修正指導する、という4つのステップを踏んで実践するのが一般的です。

OJT計画書の作り方1:計画の目標を設定する

OJT計画書の作成に当って最も重要なことは、達成すべき明確な目標設定を行うことです。

OJT計画書における目標は「意思表明」そのものであり、理想を追い過ぎて現実離れすると拒絶反応が顕われたり、あまりに常識的すぎるとモチベーションの低下につながるので注意が必要です。

一般的に企画書と計画書の相違点は、企画書にはビジョンやコンセプトが必要ですが、計画書には達成すべき目標の設定が不可欠です。

1:タイムスケジュールの設定

OJTを効果的に行うためには、設定目標の達成を実現するために必要なタイムスケジュールを設定することが重要です。

OJTはあくまでも実践的な職業訓練であることから、被訓練者は言うまでもなくOJT訓練担当者の過剰な負担が掛かったり現場の業務に支障が生じないような配慮が必要です。

そのため、OJT計画書の作成段階においてできるだけ無駄や無理を省いた効率的なタイムスケジュールを設定しておく必要があります。

2:作業や工程の選定

OJTのおける設定目標を達成するためには、被訓練者が各職場において習得しておくべき中核的な業務に係る工程や作業を選定しておく必要があります。

OJT計画書の作成段階においては人事部門とOJTの担当部署と十分な意見交換を行い、OJT実施部門としても要望や意向を反映させることが必要です。

OJTの実効効果を得るためには被訓練者の意欲もさることながら、OJT受け入れ現場のモチベーションが不可欠な要素です。

3:OJT担当者の選定

OJT計画書の作成にあたっては、OJT担当者の選任を現場に一任するだけでなく、あらかじめOJT計画書において選任基準を明確にしておく必要があります。

OJT指導担当者の選任は、被訓練者と年齢が近い若手から中堅社員の中から選抜することが多いといえます。その理由は、若手社員を選任することによってモチベーションが向上し、指導者としての自覚が芽生えさせ成長の機会となることが期待できるからです。

OJT計画書の作り方2:計画の実行

OJT計画書において実効性を担保するためには、OJTの訓練フローや評価基準を明確にしておくことが重要です。

OJTの実行においては、OJT担当者の知識やスキルによって被訓練者の理解や習熟度にバラツキが出るため、OJTの高低や作業の各ステップごとに「5W1H」を明確にしておくことが必要ですが、有効に使うためには「why→how→who→what→when→where」の順番に心掛けると良いでしょう。

1:作業や工程の体験

そもそもOJTは、現場における実務体験をとおしたスキルの取得が主目的ですが、それ以外にそれぞれの作業工程の担当者との直接交流できることが極めて重要な意味を持っています。

OJTは飽くまで現場における実務習得が主目的ですが、被訓練者が職場のメンバーから認知してもらえる絶好の機会となります。OJT被訓練者にとってオフタイムの雑談をとおして相互理解が進むことは、間違いなくモチベーションアップに繫がります。

2:気をつけたい指示の出し方

OJTにおいては、被訓練者にわかりやすい指示の出し方をしなければ実効性が上がらないので、相手の理解が深まりやすい指示の出し方に留意する必要があります。

OJTにおける指示の出し方は、「ゴールを明確にする」「狙いや目的を伝える」「やり方を説明する」「理解の確認方法を明示する」ことが重要です。また、被訓練者にはそれぞれ優位感覚があることから、被訓練者の特性を確認しておくことも大事なことです。

3:報連相とは

OJTにおいて被訓練者の習熟度を判断する上で大事な要素は、被訓練者の「報連相」のタイミングの取り方を見定めることが重要です。

被訓練者に「質問がありませんか」と問いかけるまで反応しないのは要注意であり、自ら進んでタイムリーな報連相の重要性を身に付けさせる必要があります。

なお、自主的な報連相を誘導するためには、あらかじめ計画書に「タイミング」を設定しておくのも1つの方法です。

OJT計画書の作り方3:現状の把握と振り返り

OJT計画書においては、OJT実務訓練の終了時に被訓練者に対して実務訓練の成果を客観的に把握・評価し、OJT担当者のフィードバックのやり方を決めておくことが重要です。

OJTにおいて訓練者へのフィードバックがなければ、わざわざ貴重な時間を割いてOJTを実施する意味がありません。そのため、不足しているスキルや修正すべきスキルを被訓練者に的確にフードバックすることが重要です。

1:進捗状況の確認

OJT計画書においては、スケジュールの進捗状況を定期的に報告するための方法や基準を定めておくことが必要です。

OJTの実行においては、往々にして計画書に定めたスケジュールに反し進捗の遅延が生じることがあります。タイムリーな情報共有や時間の無駄を省くためにも、進捗報告用のテンプレートを作成しておくと便利です。

2:教育環境

OJTの実施効果の最大化を図るためには、OJT計画書において教育環境を整えるための仕掛け作りが大切です。

企業がOJTを実施する目的は、戦力として使える人材を育成することです。そのためには、OJTも被訓練者が積極的に参加意欲をかき立てる環境整備が不可欠であり、「質問がしやすい雰囲気」「持続可能な時間配分」「プライベートな相談」などが例として上げられます。

3:計画と現場の整合性

OJT計画書の作成においては、計画段階において現場との意見交換や摺り合わせを行いますが、実施段階では稀に計画書との整合性がとれないことが起こることがあります。

なお、OJTの実施段階で計画書と整合性がとれない事案が生じた場合は、現場の独断専行で計画変更することは事態の悪化を招いてしまいます。

OJTの実施に際しては、あらかじめ計画書で定期的あるいは緊急時の連絡系統を定めておくことが大事です。

OJT計画書の作り方4:計画の改善

OJT計画書に沿って実務訓練が修了した場合、速やかに実施結果を取りまとめ被訓練者へのフィードバックと共に改善計画案を作成しなければなりません。

改善計画の作成に当っては、一義的には被訓練者の訓練成果や達成度合いに焦点を絞りがちになりますが、OJT計画書や訓練者側の問題点にも着目することが重要です。

1:実行された計画の見直し

OJTの実効性が上がらない要因の多くは、意図的であり計画的であっても継続的の要素が欠落していることが多いといわれています。

継続性が欠落する原因の多くは、OJT担当者のスキル不足によって引き起されます。そのため、継続的なOJTの実行のためには、OJT計画書において「できたことを評価する」と「できるまで反復する」などの見直しやOJT担当者の指導マニュアルの整備などの改善が必要です。

2:計画実績の見える化

OJTの実績管理においては、スケジュールの進捗度や目標の達成度などの「見える化」を確保することが実効性のキーポイントになります。

このことによって全社的に素早い情報の共有化ができるため、バックアップ体制の構築や問題点の早期解決のアクションに繫がりやすいといえます。

OJTの実効性が上がらない原因を被訓練者の能力や指導担当者のスキルに矮小化するのではなく、全社的な情報共有化が最大のキーポイントになります。

3:次回以降への引継ぎの明確化

OJTにおいて大事なことは意図的・計画的・継続的の3要素を維持し、OJT計画のPDCAサイクルを適切に廻して全社を挙げて持続的な発展に繋げていくことです。

OJTに限らず、何ごとにおいても「成功するための唯一の方法は継続すること」に尽きます。さらに実効性の高いOJTとするためには、実施結果から得られた貴重な情報をもとにより良い改善方法を策定し、次回以降のOJT計画書の改定に結びつけることが大事です。

OJTとOFF-JTの違いとは

OJTとOff-JTはどちらも「職業訓練法」の手法ですが、それぞれメリットやデメリットがあるため目的に応じて使い分ける必要があります。

なお、OJTは社内における実地訓練のことをいい、全て社内で実施するため費用は発生しませんが社員に掛かる負担が大きいといえます。

また、Off-JTは現場を離れて知識や理論などを学ぶ研修会をいい、社員の負担がない代わりに会場使用料や講師謝礼などの費用が発生します。

無理と無駄のないOJT計画書を作成しましょう

OJT計画書を作成する場合、効果的なPJTとするためにも現場とよく意見交換を行い無理や無駄のないスケジュールを立てることが最も大事なことです。

人事部門による独断専行の計画は作業実態を知らないために無理なスケジュールとなり、現場に丸投げした計画は重複や過剰などによる無駄なスケジュールになりがちです。

無理や無駄のない実効的なOJTにするためには、計画段階において関係者の周到な意見交換が望まれます。

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