ゼネラリストとは
ビジネスにおけるゼネラリストは、幅広いスキルや知識を持っている人のことを意味します。
具体的にどのような立ち位置の人間がゼネラリストなのかというと、例えばプロジェクトの全体を俯瞰する責任者はゼネラリストとしての素養が求められます。
また、近年注目を集めているプレイングマネージャーとして仕事をする際にも、ゼネラリストに不可欠な組織を管理する能力を発揮することになります。
スペシャリストとの違い
ゼネラリストと対比されて用いられることが多いのがスペシャリストという言葉です。
スペシャリストはいわゆる専門職のことであり、1つ分野や技術について深い知識や技術を持っている人のことを表します。
ゼネラリストとスペシャリストの最大の違いは現場における立ち位置です。
ゼネラリストは全体を俯瞰しながら指示を出す役回りが多いのに対し、スペシャリストは現場の最前線に立ち、専門的な知識や技術を駆使した仕事をします。
ゼネラリストな人の特徴7つ
ゼネラリストとして活躍できる人たちには、共通している特徴があります。
広い視野やコミュニケーション能力、周囲からの信頼が厚いなど、リーダーとしての素養を持っている人は、ゼネラリストの特徴を持ち合わせている傾向にあります。
ゼネラリストに求められる能力は多岐にわたりますので、ゼネラリストになりたい人やゼネラリストを育成したい場合は、こうした能力を育成できる環境を整えることが重要になってきます。
ゼネラリストな人の特徴1:周りを見渡すことができる
ゼネラリストの素質を備えている人の特徴として挙げられるのが、周囲を見渡しながら仕事ができることです。
自分の仕事に打ち込むことも大切ですが、同僚や部下といった周りの人たちの進捗状況にも気を配ることが、ゼネラリストには不可欠な能力といえます。
さらに踏み込んだことを言うと、周りを見渡すだけではなく見渡した状況から的確な行動をとることができることが、ゼネラリストな人の特徴です。
ゼネラリストな人の特徴2:コミュニケーション能力がある
コミュニケーション能力はゼネラリストに必要不可欠です。言い換えると、コミュニケーション能力がない人間はゼネラリストとして認められる可能性は非常に低いといえます。
ゼネラリストの仕事の1つとして、他部署との調整があります。一介の従業員であればあまり関わることのない部署とも交流し、自分たちの意見を通さなくてはいけない場面が訪れます。
こうした場面で軋轢を生むことなく調整する能力がゼネラリストには必要です。
ゼネラリストな人の特徴3:信頼されている
ゼネラリストの特徴として忘れてはいけないのが、周囲から厚い信頼を得ている点です。
ゼネラリストは組織の有数や管理職としての役割を担うことが多く、相応の責任が肩にのしかかってきます。
そんな立場の人間が部下や同僚から信頼を得ていないと、チームがまとまって行動することができません。
幅広い知識や技術、今までの実績などに裏打ちされた信頼があるからこそ、ゼネラリストは責任ある立場に身を置くことになります。
ゼネラリストな人の特徴4:行動力がある
持ち前の行動力で組織やグループを引っ張っていくのもゼネラリストの特徴といえます。
プロジェクトが行き詰っていたり、業務が滞っていたりするときに、どのような行動を取ればよいかわからなくなることがあります。
ゼネラリストはこうした場面で指導者としての役割を担うことになります。
停滞した局面で部下や同僚を叱咤激励し、組織を導いていく行動力が、優れたゼネラリストの資質の1つです。
ゼネラリストな人の特徴5:話がしやすい
ゼネラリストな人の特徴としてコミュニケーション能力を挙げましたが、ゼネラリスト側から交流を図るばかりではなく、部下や同僚からも話がしやすいと思われることもゼネラリストの特徴の1つです。
コミュニケーションは双方向であることが望ましく、上司から一方的に命令をするだけのコミュニケーションでは組織の成長が滞ってしまいます。
ゼネラリストな人がいる組織は、幅広い意見をプロジェクトに取り入れることができます。
ゼネラリストな人の特徴6:好奇心旺盛
ゼネラリストは常に最先端の情報をキャッチするアンテナのような好奇心を持ち合わせています。ビジネスではトレンドを取り入れて時代から取り残されないようにすることが大切です。
広範な知識や技術を持つゼネラリストは、流行やトレンドに基づいて知識や技術を定期的にアップデートする必要があります。
好奇心は知識を深める源泉であり、好奇心を持ち続けることがゼネラリストに不可欠な知識や技術の礎として機能します。
ゼネラリストな人の特徴7:考え方が柔軟
仕事をしていると、ときに想定していなかった場面に遭遇します。ゼネラリストは突発的な事態にも、冷静かつ柔軟な対応でチームや組織を導く能力が求められます。
緊急時に最終的な判断を下すことが多いのが、組織のリーダーや責任者の役割を担うゼネラリストです。
ゼネラリストとしての素養を持っている人は、突然のトラブルでも焦らずに対応し、的確な指示で部下や同僚に仕事を割り振ることができます。
ゼネラリストな人材を育成する方法
組織を率いる人材として有用なゼネラリストを育成することは、会社の将来を見据えてもやっておくべきことであるといえます。
ゼネラリストな人材を育成する際には、適性を持つ人材の選抜やキャリア形成といった方法が一般的です。
適性を持つ人材を選抜する
ゼネラリストを育成するための最初の一歩は適性を持っている人材の選抜です。
人材育成は重要ですが、お金や労力を無限につぎ込むわけにはいきません。
効率的にゼネラリストを育成するには、上記で示したゼネラリストな人の特徴を持つ人材をピックアップしたうえで、素養がある人材を育成するのが近道です。
キャリア形成を行う
ゼネラリストの育成においてキャリア形成は必要不可欠です。
キャリア形成とは、仕事の経験を自らの計画や道筋どおりに積み重ねていくことです。
組織やプロジェクトのリーダーに就くことが望まれるゼネラリストを育成するには、キャリア形成がしやすく、自分で考えて仕事ができる環境を整えることが重要といえます。
ゼネラリストな人の会社での役割4つ
ゼネラリストは総合職と称されることもあるように、幅広い業務に携わります。
業務の中でも特に重要な仕事が、他部署間の調整や会社全体の状況把握、現場のリーダー、社員へのマネジメントです。
それぞれの仕事の内容を知っておくとゼネラリストを育成するうえで参考になることでしょう。
ゼネラリストな人の会社での役割1:他部署間との調整
ゼネラリストの仕事として最初に紹介するのが、他部署間との調整です。
会社は多くの部署で構成されており、各部署が力を合わせて1つの業務にあたることも少なくありません。
ゼネラリストは幅広い知識や技術、コミュニケーション能力を活かして、他部署間の調整役に回ることになります。
他部署の業務についても知識を持っている分、ゼネラリストが調整に赴くことで、プロジェクトや業務が効率的に前進させることができます。
ゼネラリストな人の会社での役割2:会社全体の状況を把握し改善
ゼネラリストには広い視野が求められるのはお伝えしたとおりですが、それがときには会社全体の状況を把握することにもつながります。
自分が所属する組織の仕事が会社全体にどのような影響を与えるのかを考え、実態を把握することもゼネラリストの役割です。
そこから問題が見えてきた場合、自分が所属するチームや他部署、ときには上層部にも働きかけて改善を促していくこともまた総合的な視点を持つゼネラリストの業務といえます。
ゼネラリストな人の会社での役割3:現場のリーダー
ゼネラリストは経営に携わる業務も行いますが、現場のリーダーとしての役割も重要な業務です。
幅広い知識や技術を活かしてプロジェクトの計画を立てたり、人員の割り振りといった業務を現場で行ったりできるのがゼネラリストです。
上層部に現場での成果を報告し、上層部の意向を現場に伝えるといった仕事も、現場のリーダーであるゼネラリストに任されることが多い業務です。
ゼネラリストな人の会社での役割4:社員に対するマネジメント
ゼネラリストは自分のチームや部署に所属する社員に気を配り、管理することが業務の1つとして挙げられます。
進捗状況や成果といった仕事に直接関係する事柄はもちろん、社員の体調や仕事への意欲といった点をコミュニケーションや幅広い視点から調査し、業務に支障を来さないように配慮することが、ゼネラリストの役割といえます。
ゼネラリストについて知ろう
ゼネラリストは広範な知識と技術によって、他部署間の調整や現場のリーダーといった役割を担います。
周囲を見渡す視野の広さや、コミュニケーション能力など求められる素養は多岐にわたります。
ゼネラリストとして働きたい人やゼネラリストを育成したい人は、ゼネラリストに関する知識を獲得したうえで、キャリア形成や人材育成に臨みましょう。