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2019年11月16日

人事異動は拒否できる?異動拒否する正当な理由・異動が理由の退職

会社員ならば、人事異動の時期は期待と不安でいっぱいです。生活が大きく変わる人事異動は、必ずしも自分の希望通りとはいきません。時には拒否したい場合もあるでしょう。でも拒否することはできるものなのでしょうか。それでは説明していきましょう。

人事異動は拒否できる?異動拒否する正当な理由・異動が理由の退職

人事異動となったら

会社員をしている以上、人事異動の機会は必ずあります。その理由は様々ですが、異動になると、それまでの生活は大きく変わることになります。異動になると、業務内容が変わり、職場環境も変わります。また、築いてきた人間関係も変わります。それが出世に繋がるものであれば良いですが、必ずしもそうとは限りません。

そして転勤の場合は、自分の家族にも影響します。配偶者、子供、両親のことを考えなくてはなりません。できれば異動は拒否したいという場合もあるでしょう。そのような時、異動を断ることができるものなのでしょうか。それでは説明していきます。

人事異動の種類

主な異動の種類と、そこで考慮すべき内容を説明します。

転勤

転勤では、勤務場所が変わります。特に家庭を持っている場合は、単身赴任か、家族ごと転勤するかを選択しなければなりません。家族ごと転勤する場合は、配偶者の仕事や、子供達の転校や、両親の介護等を慎重に考慮する必要があります。

配置換え

会社は、従業員のスキルアップや人脈を広げるために、配置換えを行います。そして、従業員の適性や能力を判断する材料とします。また、事業のマンネリ化を防ぐためにも配置換えを行い、部署を活性化させます。
ただ、退職を促すための、不慣れな部署への転属や、新規事業の名目の部署への転属もあります。その対処については、後ほど説明します。

昇進・降格

昇進・降格では、役職の位置付けが変わります。昇進は本来歓迎されるものですが、人によっては昇進を望まず拒否する事例が出てきました。
降格は業務成績が良くなかったり、懲戒処分を受けたりした場合に適用されます。これも人事権の濫用による不当な降格もあるので、その対処は後ほど説明します。

派遣

ここでの派遣は、契約社員や派遣社員の派遣ではなく、従業員を社外もしくは社内の事業所へ派遣することを言います。あまり一般的ではないかもしれません。

出張と応援

出張と応援では、所属部署の変更はありません。出張では従来と同じ業務を別の事業所で行い、応援では従来とは違う業務を別の事業所で行います。

出向と転籍

出向と転籍の場合は、他社で仕事をすることになります。出向は自社の従業員のままですが、転籍は自社を退職し、他社に雇用されることになります。
これらは他の人事異動より特殊な事例なので、最後の方で再び説明します。

事業再構成

会社の事業構成が変更になり、所属が変わります。会社同士の合併や、事業整理があった場合、会社を分割した場合があります。

海外転勤

近年の会社のグローバル化により、海外への転勤の異動も増えてきました。考慮することは国内の転勤と同じですが、転勤先が他の国であることで、更に問題が複雑化します。更なる慎重な考慮が必要です。

人事異動は拒否できる?

人事異動は会社の業務命令になります。より拒否すると、業務命令違反となり懲戒対象になります。そして、懲戒解雇される可能性が高いです。それは、解雇以外の懲戒処分(減給や降格)で済む事例を作ると、それでも良いと懲戒を受け入れる社員が近年は多いことにあります。これでは異動がスムーズに行えなくなり、会社の事業が成り立たなくなります。より、異動の拒否は解雇に繋がるという重い処罰になることが多いのです。

よって、解雇が嫌であれば異動を受け入れる必要があります。ここは前向きに人事異動を受け入れるのがベストな選択です。異動は、スキルアップと人脈を広げる良いチャンスです。仕事評価が下がった場合の異動もありますが、挽回する意欲を持って受け入れる気持ちを持ちましょう。

しかし、どうしても受け入れ難い理由もあると思います。その理由が、異動を拒否する正当なものに該当するなら、異動を断ることができます。それについては、次の項で説明します。

人事異動を拒否する正当な理由

人事異動の決定には従う必要があると説明しました。でも正当な理由がある場合には、異動を断ることが可能です。それについて説明します。

労働契約で職種や勤務地を限定している場合

採用時に職種や勤務地を限定している場合、異動内容が限定範囲外だと、異動を拒否することができます。より、会社側は労働者に対して異動内容の合意を求め、拒否された場合は、異動を取り下げなければなりません。

職種の限定は、IT技術者やアナウンサー、看護師、大学教師、ドライバー等の、専門的な知識、技術を要する職種に設定されることがあります。それは、現在とは異なる業務内容の部署に異動になっても、能力を発揮することができないためです。例えば、アナウンサーの仕事をしてきた人が、アナウンサー以外の部署に転属になり、不服がある場合が該当します。

これら職種や勤務地の限定は、雇用契約書等で証明できる記載が必要になってきます。入社時には確認しておくことが必要です。

不当な動機や目的による異動の場合

退職勧奨拒否や会社批判がある社員を、不本意な職場へ異動させたり、あからさまな降格をして退職に導くことは、嫌がらせや報復の異動に該当し、拒否することができます。また、社員の思想や信条、国籍により異動させることも、拒否する理由に該当します。最近は少ないと思いますが、男女間の差別や、女性の妊娠・出産が理由の異動も、拒否することができます。

家族の病気や両親の介護で、やむを得ない場合

家族の病気が特殊で転勤先では治療が受けられない場合や、両親に介護が必要で、どうしても自分が介護しなければならず転勤できない場合は、異動の拒否ができます。このように、特殊な例でのみ人事異動の拒否は可能です。基本的には人事異動は拒否できないと考えてください。

内示と異動

人事異動の前に、内示をする会社があります。内示は、会社側が前もって異動があることを従業員に通知することです。内示をすると、会社側は人事異動の発表前に、従業員の異動の可否を知ることができます。会社側としては、人事異動を出した後に拒否されることを望まないので、拒否される場合の理由が正当なものであるかどうかを、前もって知りたいのです。そして正当な理由であれば異動を取り下げますし、そうでなければ予定通り辞令を出します。

内示においても、正当な理由がある時のみ異動を拒否することが可能です。本人が転勤はしたくないとか、仕事内容や役職はこのままで良いといった希望では、異動の拒否には繋がらないということを理解してください。

人事異動を拒否しないための交渉とは

異動の拒否が正当な理由で通っても、会社に居ずらかったり、今後の昇進の見込みがない場合もあると思います。そこで異動には同意するけれども、会社に対しても問題を解決する手当の交渉をするのも良いと思います。

転勤の場合

転勤についても、正当な理由がない限り異動拒否はできません。より、普段から会社側に、自分の現在の状況と希望を伝えておくことが良いと思います。

持家がある場合は、転勤時、会社に社宅として借りてもらう。
子供の年齢を通知しておいて、転校し易い年にしてもらう。
単身赴任の際は、月1~2回程度の帰宅手当を検討してもらう。
単身赴任の期間は数年程度になるよう考慮してもらう。

これらを予め伝えておけば、会社側が異動を検討する際の材料になります。

昇進拒否の場合

近年は昇進を望まない社員も増えています。昇進すれば責任が大きくなります。また、上司や部下との関係に気を遣うことが増えます。それなら昇進せず、とりあえず食べることに困らない程度の収入があれば良いと考える人も増えています。

しかし昇進拒否は、会社における昇進後の魅力がないせいかもしれません。責任ばかり大きくなり、仕事の内容に魅力がなく、賃金的に時間外手当もなくなって魅力が薄いのかもしれません。

より会社側は、昇進のメリットを明確化する必要があります。また従業員側も、異動の際の仕事内容や賃金を会社側と交渉し、良い条件を引き出し昇進を受け入れるという選択肢もあります。やはり上を目指す意志を持って生きていきたいものです。

両親の介護が必要な場合

両親の介護が必要なための異動拒否は、正当な理由と認められますが、本人にとっては昇進コースからの逸脱にもなり苦渋の選択です。そのような場合は、会社側と介護費用サポート等の交渉をしてはどうでしょうか。介護施設の利用等で解決する方法があるかもしれません。今後の高齢化社会を考えた時、会社側としても重大な問題として認識していると思いますので、交渉してみることが大切です。

異動の拒否による不本意な退職の対処法

人事異動の拒否によって退職になってしまった場合、どうしても納得できないのであれば、労働組合や労働基準監督署に相談しましょう。

また退職理由についても、意に反して「自己都合による退職」しか得られない時は、労働基準監督署、もしくはハローワークに相談すると良いです。退職理由は最終的にハローワークが判断するので、正当な理由さえあれば会社都合に相当する「特定受給資格者」に認定してもらえることがあります。とにかく、自分だけで悩まず、相談してみましょう。

出向と転籍の異動はどうするか

出向と転籍は他社への異動となります。そして、栄転であることは少なく、労働条件が下がる場合が多いです。より異動の際は、他の異動のように業務命令だから受け入れると簡単に判断しない方が良いです。

出向に関しては、就業規則に出向における労働条件(地位や賃金、手当)等が明確に記載されていない場合は、出向を拒否できるかもしれません。また、就業規則にあっても、労働条件が明らかに下がり、権利の濫用に該当する場合も拒否できる可能性があります。

これらは本人の行動だけでは難しいので、弁護士に相談すると良いと思います。転籍に至っては、自社を退社し他社に入社することになります。この場合は本人の同意が必要になりますので、内容に同意できなければ拒否することができます。それでも問題が起きた時は、労働局や弁護士等に相談する方法があります。ここでは説明しきれないので、該当する方は詳しく調べてみてください。

出向と転籍の場合は特殊ですので、他の異動の場合の対処法と混同しないでください。

人事異動を受け入れて前に進もう

いかがでしたか。
会社は、従業員には定年まで仕事を提供する代わりに、状況に応じた仕事の配置に柔軟に対応してもらう必要性があります。これが従業員の希望に左右されてしまうと、会社の運営が出来なくなってしまいます。こうなると契約社員や派遣社員のように期間限定の契約の方が確実になります。より、安定した仕事を得ることができる正社員は、その対価として会社の業務命令の異動には従う必要があると考えてください。

大概の場合、人事異動を受け入れ社会人生活を送った方が、充実した人生を歩むことができるものです。常に前向きに仕事をして前進してください。

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