派遣管理者とは
派遣管理者(派遣元責任者)というのは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律第26条の規定により、登録を受けた労働者派遣事業者(派遣元事業主)により選任され、次の業務を行う者」のことを指します。
主に、派遣労働者の保護等を図るために派遣元責任者をまず選任しておき、その後に特定組織の部署に適切に人材を配置していくための業務になります。
派遣労働者を守る重要な役割
一般に人材派遣を行なう場合、まず「派遣会社」と「派遣先企業」をはじめ、この2つの会社をどのように把握し、それぞれの用途を上手く活用させるかがポイントとなります。主に1つの会社ではこの2種類の組織要素をもって成り立っているのが特徴です。
この場合、派遣管理者の用務としては「企業が必要としている人材を確保すること」を念頭に置く上で、各種人材派遣会社から適切な審査をパスした労働者を守る措置が取られます。
派遣管理者の12の職務
さて、先述では「派遣管理者についての基本情報」をメインにご紹介しましたが、ここからは「派遣管理者の12の職務」と題して、派遣管理者が常にどのような用途で必要とされ、またそれに準ずる形で用務を果たしているかについてご紹介していきます。
派遣管理者というのはその名のとおり「派遣人材を管理する役割」を担う上で、それぞれの労働者の立場・環境・仕事への条件を守る義務があります。この点にまず配慮しましょう。
職務1:派遣労働者であることの明示
派遣管理者として必要な業務を行なう場合、まずはその労働者を「派遣労働者」であることの明示を掲げることが必要になります。つまり、雇い入れたその労働人材が確実に第三者に「派遣労働者であること」を伝えるとともに、その条件をもって働くことが確約されます。
労働条件に見合う雇用契約を締結する場合には、どの労働者にとってもこの「雇用形態の明示」をはじめ、派遣管理者による雇い入れの際の適正審査が必要になります。
職務2:就業条件の明示
この「就業条件の明示」というのは主に「労働者が一定の雇用契約・雇用形態を守る上でその基準として課される労働環境」を指しており、この労働者各自の仕事環境を守ることも、派遣管理者の用務の1つとされます。この場合、交通状況の把握も必要になるでしょう。
どのような沿線を使用して職場に赴くかを先に提示しておき、それに必要となる費用の検討をはじめ、その後の生活が安定するための措置を行なうことが必須になります。
職務3:派遣先への通知
派遣人材が特定の希望によってその職種(派遣先)が決まった場合、派遣管理者はまずその旨を派遣先に通知・通達する義務があります。これによって雇用契約が開始される日時・交通機関の提示がなされる運びとなるため、この点は迅速に行なう必要があります。
派遣雇用に際する最も基本的な用務・措置となるため、派遣管理者としては労働者各自のこうした個別状況に見合う措置をはじめ、派遣先との斡旋作業はとても重要になります。
職務4:派遣管理者台帳の作成
次に「派遣管理者台帳の作成」についてです。これは特定の会社と派遣労働者との雇用契約が締結した時点で、その雇用契約に則って雇われる派遣人材の基本情報を登録台帳に登録する義務が負わされます。これは3年間保存する義務があり、必須の用務になります。
派遣管理者にとってもその功績・業務の中枢を担う作業となるため、このような重要書類の保管が義務化されるのは当然となり、これによって雇用契約が公式に締結されます。
職務5:派遣管理者台帳の記載と保存
先述でもご紹介しましたが、派遣管理者によって登録される「派遣管理者台帳」というのは主に3年間は保管しなければならないという義務が課されます。
派遣労働者の就業日・就業時間等の実態を的確に把握することを目的にして、派遣労働者が就業する事業所ごとに派遣先管理台帳を作成することになり、所要の事項を派遣労働者ごとに記載する必要が課されることになります。
職務6:派遣労働者に対する指導と助言
派遣管理者の用務には主に、「派遣契約に関する書類管理」、「派遣先管理台帳管理」、「事業所単位の抵触日の把握」、「派遣社員の就業環境の確保」などの4つの柱で成り立っていますが、このどれもが派遣管理者の用務として重要な部位を占めています。
この各種管理を行なう上で、特定の企業より労働者への何らかの通達があった場合には(労働条件の変更などを含め)、その旨をリアルタイムで通知することが必須となります。
職務7:派遣労働者からの苦情処理
雇用契約(派遣雇用契約)を締結した特定の企業と被雇用者との間で何らかのトラブルが起きた場合、そのトラブル処理に対応することも派遣管理者の重要な用務となります。この場合でも速やかな行動が求められ、必ず折り合いを付けるための措置が必要になるでしょう。
いわゆる両者の落としどころをメインにサポートしていき、特に派遣労働者が安定して雇用されるための環境の確保が主務となります。苦情処理は多彩な面であります。
職務8:派遣先との連絡
労働者が契約先の会社・企業と連絡を取り合うように、派遣管理者の用務としても派遣先企業との連絡の継続的なやり取りは必須となります。この連絡交換によって派遣労働者の現状を把握することもでき、その後の就業安定につなげられる措置を取ることができます。
この際に企業先から何らかのトラブルを伝えられた場合でも、派遣管理者としてはそのトラブルを円滑に解決する必要が出てきます。そのため綿密な連絡交換になります。
職務9:派遣先との連携
転職サイト・エージェントなどが派遣先・転職先の企業と連携しているように、派遣管理者としても労働者各自の転職後の安定を図るために派遣先と連携しておくことが必要となります。この連携によって派遣労働者の現状がリアルタイムで確認することができます。
さらに派遣管理者としての利点は「その後の派遣斡旋に際して提携企業との協力を得られる」という大きなメリットもあるため、この点は見逃すことができません。
職務10:派遣労働者の個人情報管理
派遣社員を雇用しているのは派遣元であるため、派遣先企業ではないことをまず確認する必要があります。派遣労働者の転職後・派遣斡旋後の安定を図るのは飽くまでも派遣元である派遣管理者であり、そのための円滑な業務・措置が継続的に必要とされます。
就業先の企業で何らかのトラブルがあった場合、また派遣労働者が辞職の旨を伝える場合でも、まず個人情報を管理する上で、その後の就業状況を安定させる必要があります。
職務11:派遣労働者の教育訓練
派遣管理者は派遣労働者各自の教育訓練を担うことが用務としてあり、これは派遣先の企業で円滑に定職として働けるよう対応するための必須の管理業務となります。派遣労働者は派遣元で主に個人情報が管理されるため、このような対応は自然のことになります。
この場合の教育訓練では「いかにして希望の職種に安定して就けるか」を念頭に置く上で、派遣労働者各自の派遣範囲・就職範囲をできるだけ引き延ばすことに目的があります。
職務12:安全衛生
この「安全衛生」については、各種労働機関において必須の対応措置として認められています。派遣管理者の主な用務としては「派遣労働者が安定して就職し、その後の生活も継続的に確約されること」をその理念に置くことが課されています。
そのため、どの派遣先企業での就業においてもまずは労働者の環境が守られ、さらに仕事への条件が完遂されているかを定期的に確認し、その安全・安定を守ることが必須となります。
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派遣管理者の条件
ここまでは「派遣管理者が担うべき一般的な義務」についてご紹介しましたが、ここでは「派遣管理者の条件」として、派遣管理者になるためにはどのような条件が課されるかを具体的にご紹介していきます。
派遣管理者というのは誰でもなれる職種ではなく、ある一定の条件を満たす必要があります。どの条件を上手くパスすることによって、派遣管理者としてのその後が安泰されることになります。
派遣元責任者講習の受講
派遣管理者になるためには、まず「派遣元責任者講習」という定期的に催される講習に出ておき、そこで一定の課程を履修することが必須になります。これは一般に労働者派遣法第36条によって義務付けられている項目となるため、必ず受講が求められます。
主に、「労働者派遣法」、「労働基準法等の適用(特例)」、「派遣元責任者の職務遂行上の留意点など」という一般の講義が催され、それぞれを理解する必要があります。
年齢
派遣管理者(派遣元責任者)になるためにはある程度の年齢制限が設けられます。まず18歳未満の場合は適性とされず、さらに45歳異常の場合は通知書に「45歳以上」とその事実を明記しておく必要があります。そのため年齢基準をまず確認しておきましょう。
また60歳以上などの定年による法的措置が取られる場合でも、そのための手続きをする必要があり、この辺りは通常の職務に就く場合とほぼ同じ形での書類選考となります。
健康状態
派遣労働者の健康管理を心身的に行わなければならない義務があるとともに、派遣管理者自身の健康管理にも注意が必要とされます。これはどの労務に就く場合でも皆同じ環境下に置かれるため、特別変わった規定が設けられることはほぼありません。
派遣管理者になる場合でも健康状態は良好であることが条件となり、主に伝染病の類を持つ場合はもとより、定期的に仕事の障壁となる持病を持つ場合は相談・検討が必要です。
各種経験者
派遣管理者になるまでに、派遣管理に準ずる一定の職種に従事していた場合には、その実務キャリアに配慮される形で優遇されることがあります。
主に、人員管理、売上管理(マネジメントなど)、各種管理業務への従事、経理部門管理職、行政教育営業部門管理者、職務採用管理者などをはじめ、その他にも「○○管理職」と名を冠する職種に従事してきた場合はそれによって斡旋がなされるケースがあります。
派遣管理者は派遣労働者と職場をつなぐ役職
いかがでしたか。今回は「派遣管理者とは|派遣管理者の12の職務と管理者の条件」と題して、「派遣管理者の職務と管理者の条件」をメインに取り上げ、そのポイントや管理者となるための条件・その特徴についてご紹介しました。
派遣管理者というのは派遣労働者と職場をつなぐ役職となるため、転職サイトを利用する場合にも見られる転職斡旋業の1つとして把握しましょう