定性評価とは
定性評価とは、数値として表れてはこないものを基準にする評価方法のことです。定性評価とは別に定量評価という評価方法があります。定量評価は分かりやすく売り上げ額の目標額を設定したり、新規に獲得した顧客人数などを評価する方法です。
定性評価とは数値でははかれない部分、例えば真面目な勤務態度や会社の空気を良くしてくれる存在、周囲の仕事をスムーズに進ませてくれる人などを評価するという評価方法です。
細かな方法は企業により異なる
具体的な数字があることで目に見えて分かりやすい定量評価の評価方法とは違い、定性評価ではどういった部分を重視するのか、何を目安に評価をするのかは企業によりその評価方法がそれぞれに異なっています。
どういった項目をどの程度評価するのかなどに違いがあるため、どの企業も同じような定性評価方法をとっている、という訳ではないので注意しましょう。
定性評価の方法5つ
それではここからは、定性評価を行うには実際にどのような評価方法になるのかを紹介していきます。組織目標や職位目標、必達レベルと努力レベルなどさまざまな評価基準がありますので、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
定性評価は基本的に組織の運営においてやる気の出さない人を出しにくくし、そういった生産性の低い、モチベーションの低い社員たちも含めたうえで、総合的な目標を達成していくことを評価しています。
1:組織目標の設定
定性評価をする方法として、まずは大きな目標としてその組織としての目標を設定する必要があります。ここで設定する組織目標は、その組織の機能に準じたものや、企業としての戦略に添ったものを選ぶことになります。
2:職位目標の設定
組織目標が定まりましたら、次にはその部署の人の職位に応じて目標を設定していきましょう。係長なら係長なりの、担当がある社員はその担当する仕事に対する個人個人の職位目標を設定していきます。
社員個人としては、この職位目標を達成していくことが目的であり、定性評価方法ではこの組織目標、その下の職位目標をどの程度達成しているかを評価していくことになります。
3:必達レベルと努力レベルの設定
続いて定性評価をするために設定するのが「必達レベル」と「努力レベル」で、目標達成のレベルにより異なってきます。
これは必達レベルはその名前のとおり必ずこのレベルまでは到達していること、を評価の基準にしています。努力レベルとは、必達レベルまで職位目標を達成したうえにさらに努力によって到達したレベルを評価するという評価方法で、努力レベル到達・努力レベルを超過しているといったように定性評価をしていきます。
4:目標時期の決定
組織目標の達成を目指す時期、あるいは職位目標達成を目指す時期をあらかじめ決定しておきましょう。定性評価に限らず、目標を設定するときには「なにを、どれだけ、いつまでに、どのようにして」達成するかが重要となってきます。無理な時期を目標とはせず、充分達成可能な日数をおいた目標時期を決定しておきましょう。
5:スコアの決定
目標の必達レベルに満たない場合のスコアから、必達レベル到達や努力レベル到達、努力レベルを超過した場合のスコアなどをそれぞれに細かく決定しておきましょう。
定性評価の評価方法で目標を設定したあとは、目標としていた時期が終わる時点でどの程度社員が目標を達成しているかをスコア評価していくことになりますので、ここでは評価のためのスコアを決定します。
定性評価のメリット4つ
数値目標である定量評価方法とは違い、定性評価をすることには定性評価なりのメリットというものがありますので、そちらについて4つほど解説していきます。定量評価では評価しにくい人や、定量評価で起こる問題をある程度解決していくことができるのが、定性評価による評価方法となります。
1:評価コントロールがしやすくなる
分かりやすい数値を基準としている定量評価の方法とは違い、目には見えない部分も評価対象としている定性評価では評価を与えることをコントロールしやすいというメリットがあります。
定量評価では、基準となる数値が誰の目にも明らかですので評価をしないと不満が貯まりますが、定性評価ではそういった基準が分かりにくいという部分があります。なかなか業績からは評価しづらい人を評価してあげることができるでしょう。
2:評価の公平感がアップ
定量評価ではその数値目標を達成した人だけの評価が上がり、不公平感が生れるというデメリットがある反面で、定性評価では個々人の目標に対する達成レベルなどから評価される評価方法なため、公平感があると言われています。
定量評価では結果を出した人だけが評価されやすいのですが、定性評価という評価方法では結果を出す過程においてどのような業務を行っていたのか、貢献した過程も評価の内容に含まれることになります。
3:従業員のモチベーションアップ
定性評価をする目的の1つが、数値としてはなかなか判明しないタイプの社員や経験が浅く、まだ業績を上げられない社員を評価して従業員のモチベーションをアップさせるということです。
業績がないからと評価されないでいると従業員のモチベーションも下がってしまいがちですが、数値以外の部分を評価する定性評価があれば従業員のやる気も維持することができるでしょう。
4:チームワークの向上
定性評価では組織目標を設定し、職位目標として個人個人で目標を設定していくことになりますので、個人としての目標を達成しつつ組織目標の達成も目指すためのチームワークを向上させることに繋がります。
定量評価ではチームよりも個人の競争意識が強くなることがありますが、定性評価ではチームとして目標に挑むという体制を作りやすいのが特徴です。こちらもまた、定性評価のメリットと言えるのではないでしょうか。
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定量評価との違い
ここからは、定量評価と定性評価の評価方法の違いについてより詳しく解説していきます。定量評価と定性評価の違いを把握してどのような評価方法をとることにするのか、そのメリットやデメリットを踏まえておくのは大切なことでしょう。
目に見える分かりやすさ
目に見える分かりやすさ、という面では定性評価よりも定量評価の方が格段に優秀であると言えるでしょう。数字、という分かりやすい基準があることで定量評価における評価は誰が見ても納得できる、分かりやすい評価ということになります。
その反面、目に見えない部分である数字以外の要素は評価しきれないのが定量評価のデメリットであり、目に見えない分かりにくい部分を評価するのに向いているのが定性評価となります。
具体性
明確な数字を基準にしていない定性評価とは違い、具体的な数値を目標として設定する定量評価の方が具体性はあると言えるでしょう。定量評価では売上目標、などの具体的な数字を目標として設定していることが多いのですが、定性評価では組織目標から職位目標を設定することになります。
従業員の納得度
従業員の不公平感を生まない、より納得度の高い評価方法は定量評価よりも定性評価ということになります。
定量評価では数字目標を達成したことやその人のみが評価の対象となることが多く、場合によっては他の従業員の不満が貯まったり、不公平感が生まれるというデメリットがあるでしょう。定性評価の方が従業員の不公平感が生まれにくいというメリットがあります。
定性評価の方法を正しく知り人事に役立てよう
定量評価とはちょっと違う定性評価の評価方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。目に見えて分かりやすい数字による定量評価と定性評価との違い、定性評価をする方法について紹介してきました。
定量評価も定性評価もメリットやデメリットがありますので、両方の評価方法を上手く組み合わせていくことができれば、人事評価におけるデメリットを解消していくことができるでしょう。