勤務形態別の定義
正社員やアルバイト・契約社員・パートタイム・業務委託など、さまざまな勤務形態にはそれぞれに定義があります。
正社員の定義は多くの企業では、労働契約に期間の定めがなく、所定労働時間がフルタイムで直接雇用の従業員となっています。
今回のテーマである契約社員とアルバイトでは、契約社員はアルバイトと違い、契約期間に期限があることが特徴です。契約社員には社会保険・月給制・日給制なども取り入れられています。
アルバイト
アルバイトは短期間だけ就業する場合に使われる雇用の形態です。
フルタイムではなく、週数日だけや1日数時間・数か月の短期間だけの就業の従業員で、働く時間を自分で指定できる正規ではない社員がアルバイトと呼ばれます。
アルバイトはドイツ語で仕事という意味です。旧制高等学校の学生が使っていた誤った隠語で、勉強の合い間にする仕事をこのように呼んでいました。ドイツ語のアルバイトは本来はジョブと呼ばれます。
パート
パートとは同じ事業所に雇用されている正社員よりも、短い仕事時間の労働者に対して使われる呼称です。
パートとはパートタイムの略称です。パートもアルバイトも法律上の違いはなく、労働基準法からすると同じ労働者として扱われています。
派遣社員
派遣社員とは主に、人材派遣会社を通して企業に雇われる従業員の呼称です。
1986年の労働者派遣法施行から、我が国の派遣社員の歴史が始まりました。派遣社員も正社員やパート・アルバイトと同じく労働者として扱われています。パート・アルバイトと同様に、時給制で雇用されていることも大きな特徴です。
派遣社員が法律上の契約を結ぶのは人材派遣会社です。事故やトラブルの対処には人材派遣会社が対処してくれます。
契約社員
期間工などが代表例である契約社員は、限られた期限内で働く雇用形態です。
契約社員とは、契約で定められた雇用内容で働く従業員に対する呼称です。会社によっても違いますが、1つの雇用主に対して働ける年数は最長で3年以下までです。勤務先によっては更新できる場合もあります。
契約社員はアルバイトと違い月給制・日給制です。アルバイトのように勤務時間を自分で選ぶことができないなど、正社員に準じた部分が大きいです。
契約社員とアルバイトの違い2つ
契約社員とアルバイトの大きな違いを2つ、ご紹介していきます。
契約社員とアルバイトの違いは外からではわかりにくいですが、労働時間や給与・待遇などに大きな違いがあります。契約社員の方が社員に近い雇用形態です。
労働契約法・派遣法が修正されたことにより、契約社員で有期労働契約が5年を越えて更新された人は、労働期間に決まりのない無期労働契約への変更が可能となっています。
契約社員とアルバイトの違い1:労働時間
正社員のようにフルに働くことが主である契約社員と違い、アルバイトは週3日を短時間など、好きな時間に働ける点が大きく違います。
また、契約社員は3年など、期限のある契約方法で仕事をしています。
契約社員とアルバイトの違い2:給与
契約社員は月給制や日給制が多いですが、アルバイトは時給制なので、その点が大きく違います。
また、契約社員は昇給のチャンスがあったり残業代の加算や福利厚生があったりと、正社員のような扱いをされる部分がありますが、アルバイトは条件がそろわないと福利厚生も受けることができません。
契約社員とアルバイトの共通点3つ
契約社員とアルバイトに違いがあることがわかったところで、共通点にも目を向けてみましょう。
契約社員とアルバイトには法律上の規定に大きな違いはありません。似たような部分もたくさんありますので、その点も覚えておくと便利でしょう。
契約社員とアルバイトの共通点1:契約期間を定めた雇用契約
契約社員とアルバイトは正社員と違い、契約期間が決まっています。
そのため、景気が悪くなったり企業の売上が減った場合に真っ先に契約を切られる可能性が高いのが、契約社員やアルバイトです。
契約社員とアルバイトの共通点2:保険への加入制度
アルバイトも就業時間の一定の条件を満たした場合は、契約社員のように保険に加入する必要があります。
501人以上の従業員がいる企業で1年以上の勤務をしているアルバイトが、月額88,000円以上を稼いでいて、1週間に20時間以上働いている場合は、健康・介護・厚生年金・労災・雇用保険の加入が義務付けられています。
契約社員とアルバイトの共通点3:仕事内容や責任
契約社員とアルバイトの仕事内容や責任能力は同じです。
アルバイトだからこの仕事はできないという決まりはありません。契約社員、アルバイト個々に責任を持って業務に従事しています。
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給与や雇用制度を知るための本6選
契約社員とアルバイトの違いや給与や雇用制度を知るためには、本を読むのがいちばんわかりやすいです。
契約社員とアルバイトの違いを知りたい方は、以下にご紹介する本を参考にしてみてはいかがでしょうか。わかりやすく丁寧に、雇用形態について説明が書かれています。
給与や雇用制度を知るための本1:こんなときどうする!?社会保険・給与計算 ミスしたときの対処法と防止策30
「こんなときどうする!?社会保険・給与計算 ミスしたときの対処法と防止策30」は、社会保険労務士のプロのカウンセラーが教える、困る前に読んでおくと便利な1冊です。
ベテランが扱う社会保険・給与計算業務でよくある失敗例を参考にして、ミスの防止や間違えたときの対処方法などが説明されています。ミスの疑似体験をすることで、契約社員とアルバイトの違いなど、さまざまな知識を学ぶことができるおすすめ本です。
従業員へのお詫びや通知文のサンプルもありミスし易い事例を分かり易く纏められていて使い易いです。
給与や雇用制度を知るための本2:雇用形態・就業形態別で示す 就業規則整備のポイントと対応策
「雇用形態・就業形態別で示す 就業規則整備のポイントと対応策」は、社会保険労務士のプロが教えてくれる、ベストな就業規則の作り方です。
トラブル予防チェックリストが各セクションに載せられていて、注意すべきポイントがわかりやすい仕組みになっています。契約社員・アルバイト・パート・正社員など、雇用形態ごとのモデル就業規則も数多く登載されています。社会保険関係の仕事に大いに役立つ1冊です。
条項ごとに「トラブル予防チェックリスト」ついているので、社内の状況把握と問題点の洗い出しに役立ち、モデル規定例も豊富です(#^.^#)。ことに、雇用形態(正社員、契約社員、パートタイマー等)ごとに分かれているので、会社の実情に合わせて取り入れていくことが出来ます。また、単に就業規則というくくりだけではなく、例えば最も揉めやすい退職においては退職合意書、あるいは誓約書のサンプル、従業員を注意する場合の警告書などのサンプルもあり、汎用性が高い良書です。
給与や雇用制度を知るための本3:社労士&弁護士が規定をグレードアップ! 就業規則の見直しと運用の実務
「社労士&弁護士が規定をグレードアップ! 就業規則の見直しと運用の実務」は、就業規則作成方法を会話形式でわかりやすく教えてくれるおすすめの1冊です。
就業規則のプロである7人の社会保険労務士と弁護士たちが、実務上の問題を明らかにしながらベストモデルを提示していきます。ポイントを指摘しながら問題の原因をはっきりとさせていきます。
すべての項目ではありませんが、ポイントとなる部分では会話形式で解説が進められているので分かり易かったです。問題となりそうな規定については「規定例」と「修正後の規定例」が示されていて、修正に至る過程や背景も丁寧に解説されていますので、現役の社労士の方も含め、実務に携わる方にはおススメだと思います。なので社労士合格を目指す方など、これから勉強を始める方向けではありませんのご注意を。そこを差し引いて☆4つです。
給与や雇用制度を知るための本4:Q&A 有期契約労働者の無期転換ルール
平成30年4月から本格化する新しい労働契約のルールを理解するために「Q&A 有期契約労働者の無期転換ルール」がおすすめです。
契約社員が3年より短い期間の有期契約労働者から無期転換へ申込みをする場合のポイントや実務での対応を、労務管理のプロが質問形式で解説しています。就業規則のモデルケースが掲載されているので、たいへんわかりやすい内容となっています。
理解を進めるのに、わかり易く編集されていました。もう少し欲をいえば、実務上の事案ごとのチェックポイントも簡単に記載してほしいです。
給与や雇用制度を知るための本5:実務に活かす就業規則運用の勘どころ
「実務に活かす就業規則運用の勘どころ」とは、質問形式で社会保険労務士と弁護士の両サイドから就業規則を分析して、問題点の解決策を探っていくおすすめの1冊です。
実務を担当する社会保険労務士と理論の弁護士には、明らかな考え方の違いがあります。会社からの質問に社労士・弁護士が回答する形式で、わかりやすく解説されています。就業規則に関する問題点をほぼ網羅している、中小企業の弁護士・社労士必見の1冊です。
給与や雇用制度を知るための本6:社員の給料を正しく決める本—正社員・パート・契約社員など雇用形態別
「社員の給料を正しく決める本—正社員・パート・契約社員など雇用形態別」は、アルバイトや契約社員などの雇用多角化時代に、賃金体系を決定づけるおすすめのマニュアル本です。
これ1冊で、新入社員から契約社員・アルバイトまで、雇用の違いによる給料の算定方法を詳しく理解することができます。
自分の会社の就業規則と労働契約書をもう一度よく確認しよう
契約社員とアルバイトの違いについてご説明してきましたが、あらためて自分の会社の就業規則と労働契約書をもう一度よく確認しておきましょう。
事故やトラブルが起きたときは、会社の就業規則と労働契約書の内容が重要視されます。いざというときや退職のときのために、雇用制度をしっかりと理解しておくことが大切です。
自身が把握していなかった制度が含まれている場合もあるので、福利厚生などの確認も確実に行ってください。