みなし残業手当を廃止するべき理由3つ |みなし残業手当廃止による影響

人事制度

みなし残業手当とは?

残業代の未払いを避けるためにみなし残業手当という制度を導入している企業があります。みなし残業手当とは、あらかじめ一定時間分の残業代を賃金や手当に含ませておく制度のことです。

あらかじめ一定時間分の残業代が固定して支払われるようになっている制度のため、固定残業制度と呼ばれることもあります。みなし残業手当は残業代の未払いを防ぐことはできますが、いくつか注意すべき点があります。

みなし残業手当を廃止する手続きとは?

みなし残業手当の制度にはいくつか注意すべき点がいくつかあります。そのため、みなし残業手当を採用している企業が、みなし残業手当の制度を廃止したいと考えることもあります。

このような場合、みなし残業手当を廃止して、個別に実質残業制に変更することはできます。ただし、雇用契約の条件や、就業規則、労働契約法10条などの関係もあるため、手続きなどに関しては、まずは弁護士に相談してみると良いでしょう。

みなし残業手当を廃止するべき理由3つ

先に述べた通り、みなし残業手当の廃止を検討する企業もあります。これはみなし残業手当の制度にはいくつかの注意点があったり、みなし残業手当を廃止することで得られるメリットがあるためです。

みなし残業手当を廃止することで得られるメリットは、みなし残業手当を廃止する理由にもなります。なので、みなし残業手当を廃止することで得られるメリットが大きいと感じた企業は、みなし残業手当の廃止を検討しても良いでしょう。

みなし残業手当を廃止するべき理由1:コストの無駄が減らせる

みなし残業手当の制度を導入している企業は、賃金や手当の中に残業代がすでに含まれています。また、その残業代の金額は固定されています。

そのため、残業の少ない月があっても、毎月同じ額の残業代を支払わないといけないため、本来よりも多く残業代を支払ってしまっている場合があります。また、社員が多いほど、会社が閑散期に入った際には、それだけ無駄な残業代のコストがかかってしまうということになります。

みなし残業手当を廃止するべき理由2:長時間労働の改善できる

みなし残業手当では、月にどれだけ残業をしても残業代が固定となっていることが多いです。

そのため、企業側はどれだけ残業をしても支払う残業代が同じということで、無意識のうちに従業員の仕事を増やしてしまうことがあります。悪質な場合には、わざと仕事を増やしたりなどしてしまうこともあります。

みなし残業を廃止することで、企業は残業をしてもらった時間だけ残業代が発生するため、長時間労働を改善できる場合もあります。

みなし残業手当を廃止するべき理由3:労働の実態に沿った賃金になる

みなし残業手当を廃止することで、実際に残業をした時間によって残業代を支払うことになります。

そのため、繁忙期と閑散期で残業の多い月や、少ない月があっても、残業時間によって残業代が決まるため、残業代を無駄に多く支払ったり、残業が多かったのに従業員が受け取る残業代が少なくなったりなどの問題がなくなります。

ただし、個別に残業代を計算しなければならないという手間とコストは発生してしまうことになります。

違法みなし残業とは?具体例5つ

みなし残業手当の制度を採用することで残業代の未払いを防ぐことができます。しかし、みなし残業手当は残業した分だけ残業代が発生しないことで、働いている側がその仕組みを理解しにくいこともあります。

そのため、わかりにくい仕組みを利用して、違法みなし残業を行う悪質な企業もあります。なので、働く側もみなし残業手当については、正しい知識を持っておく必要があります。

違法みなし残業の具体例1:みなし残業手当の金額や時間がはっきりしない

みなし残業手当は賃金に含まれてしまっていることがあります。そのため、給料のうち、どのくらいの金額が残業代として当てられているのか、正確に把握できないことがあります。

また、みなし残業手当では、残業代が固定されていることが多いため、毎月の残業時間から残業代を計算する必要がありません。そのため、従業員が毎月どのくらい残業をしているかを会社側が把握できていない場合もあります。

違法みなし残業の具体例2:みなし残業を超過した分の賃金が支払われていない

みなし残業手当はでは毎月の残業代が固定で支払われます。しかし、契約時などに月に20時間や30時間など、残業時間の範囲も残業代の金額と共に決められているはずです。

もし、その決めた範囲の残業時間を超える場合には、その範囲を超えた分の時間は別で残業代として会社は労働者に対して支払いをしなければなりません。ですが、悪質な企業の場合、その超過した残業代を支払っていないということもあります。

違法みなし残業の具体例3:最低賃金を下回る

みなし残業手当が給料に含まれている場合があります。そのため、給料の金額は多くなっているように感じてしまうことがありますが、実際には給料から、みなし残業手当の金額を差し引いた金額が基本給となります。

なので、給料はそれほど低くないと思っていても、みなし残業手当を差し引いて、基本給で考えると給料が低くなっており、悪質な場合には労働時間から時給計算すると、最低賃金を下回ってしまうというケースもあります。

違法みなし残業の具体例4:みなし残業時間の残業をしないと支払われない

みなし残業手当は契約時などに、残業代と残業時間の範囲を決めています。残業時間を月に30時間とした場合、月の残業時間が30時間未満であっても、あらかじめ決められた固定の残業代を支払う必要があります。

しかし、会社からすると、残業代をすべて使われていない場合は損をしていることになります。なので、悪質な会社は決められた時間分以上は残業しないと残業代を支払わないとということもあります。

違法みなし残業の具体例5:労働者にみなし残業が周知されていない

みなし残業手当の制度を採用する際には、会社は従業員に対して契約書などで残業時間や金額などの残業に関する情報を伝える必要があります。しかし、悪質な会社では、「残業代は基本給と合わせている」などのように詳細についてまで説明をしません。

みなし残業手当について詳しく説明しないことで、従業員に誤った認識を持たせておき、どれだけ残業をしても、残業代は固定されていると思わせておきます。

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みなし残業手当の廃止による影響3つ

みなし残業手当の制度をうまく活用して、メリットを得ている会社もあります。しかし、みなし残業手当の制度を悪用してしまう会社もあります。

また、みなし残業手当の制度を採用しているが、あまりメリットが得られていないと感じ会社がみなし残業手当の廃止を検討するという場合もあります。ただし、残業手当を廃止することで、いろいろな面に影響が出ることも把握しておかないといけません。

みなし残業手当の廃止による影響1:残業代の計算

みなし残業手当を採用している場合、決められた残業時間を超えない限りは残業代が固定となっています。そのため、給与計算をする際に、残業時間を計算するという手間がかかりません。

しかし、みなし残業手当を廃止する場合は、個別に残業時間から残業時間を計算する必要があります。そのため、毎月の残業代を計算するだけでも大きな手間とコストがかかってしまうことになります。

みなし残業手当の廃止による影響2:給料が減る社員がいる

みなし残業手当では残業代が基本的に固定となっています。しかし、仕事内容によっては残業がほぼ必要ないという人もいます。

そのような人は残業時間が少ないことで、今まで固定でもらっていた残業代よりも減ってしまうことがあります。なので、みなし残業手当を廃止する場合には、このような従業員からの納得も必要となります。

みなし残業手当の廃止による影響3:就業規則の変更

みなし残業手当を導入する際や、廃止にする場合でも、残業代については就業規則などで従業員に周知しておく必要があります。ただし、就業規則は単に書き直せばそれで良いという物ではありません。

就業規則を変更する場合には所轄の労働基準監督署に届けを出す必要があります。また、その手続きもややこしい部分もあります。なので、みなし残業手当を廃止するためには、大変な労力が必要となってしまいます。

みなし残業手当の廃止について理解しよう

みなし残業手当の廃止を検討する会社もあります。しかし、みなし残業手当を廃止する際には、いろいろな影響が出ることも理解しておきましょう。

また、みなし残業手当は従業員からすると、よくわからない仕組みと感じてしまうこともあります。ですが、その仕組みを理解しておかないとトラブルになってしまうこともあります。なので、みなし残業手当は会社も従業員も両方が理解しておくようにしましょう。

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