契約社員に定年はあるのか?契約社員のメリット3つ・デメリット3つ

人事制度

契約社員とは?

契約社員とは、会社などと期間を決めて労働契約した社員のことをいいます。期間契約社員、期間社員、有期間社員、期間従業員、臨時社員、準社員、派遣社員などともいい、非正規雇用のひとつとされています。

ここでは、契約社員の定義を明らかにしたうえで、「契約社員の定年」「契約社員のメリット・デメリット」「約社員の無期転換ルール」について解説していきます。

正社員との違い

正社員と契約社員との違いは、正社員の雇用期間は限定されていないのに対し、契約社員の雇用期間が限定されている点にあります。そのため、正社員は特別なことがない限り定年まで働くことができますが、契約社員は契約期間ごとに契約を更新しなければいけません。

このように、正社員と契約社員は雇用契約が違うため、正社員であれば転勤などを伴う人事異動がありますが、契約社員には転勤がないというケースが多くなっています。

アルバイト・派遣との違い

アルバイトは「週2日」「1日5時間」「1カ月期間」など、曜日や勤務時間・勤務期間を自分で選ぶことができます。派遣の多くはフルタイムと同程度の勤務時間で働いていますが、「1日3時間」「週3日」など、短時間・短日数の場合もあります。アルバイト・派遣ともに時給制です。

それに対し、契約社員は働く期間が決まっていること、月給制であること、アルバイト・派遣と比べて勤務時間に柔軟性がないなどの違いがあります。

契約社員に定年はあるのか?

会社の就業規則で定年制が契約社員も対象となっているのであれば、通常は契約期間満了前でも定年退職になります。

就業規則については契約時に確認してください。特に契約期間内に定年を迎える予定のある場合は、トラブルを避けるためにも契約更新時に定年について確認してください。その際、双方とも文書で内容を確認してください。

ただし、後述する「無期転換ルール」の申込みにより無期労働契約に転換できることを申し添えおきます。

定年年齢で一旦定年退職とし継続雇用にする

就業規則で定年退職となった契約社員が雇用更新を希望した場合、会社は継続雇用しなければなりません。それは、60歳以降は雇用しないとなると、60歳以後の継続雇用義務を定めた高年齢者雇用安定法の主旨に反することになるからです。

会社は、契約更新の年齢上限を少なくとも65歳としなければなりません。また、定年を適用すると定年に達するまでの契約の反復更新となるので、無期雇用と判断され、雇い止めは認められません。

定年年齢と関係なく継続雇用にする

就業規則で契約社員が定年制の対象になっていないのであれば、定年年齢と関係なく継続雇用することができます。

厚生労働省の解釈では、(有期雇用)契約社員であっても、契約を反復更新していて、定年制を定めていない契約をしている場合だと、再雇用の義務が生じるものとされています。

したがって、再雇用しない場合、会社は入社時に契約回数の上限を設定するなど、有期雇用契約として契約を締結する必要があります。

契約社員のメリット3つ

契約社員のメリットとして、「自分のスキルを活かせる」「副業が可能」「自由な時間を増やせる」があげられます。これらは全て就業規則や契約条件との関わりが大きいので留意してください。

メリット1:自分のスキルを活かせる

契約社員は、専門能力とスキルを期待されて雇用されるため、得意分野の知識と技術を最大限に活かした仕事ができます。実力に応じた報酬を提示されるので、実力のある人ほど多くの報酬を得ることができます。

また、契約社員は、契約で仕事内容が決められていることが多いので、自身が持つ経験や技術を発揮しやすくスキルアップが可能です。自らが望む勤務地・環境で腰を据えて働き、自分のキャリアプランが描くことができます。

メリット2:副業が可能

契約社員の副業を許可するかどうかは、会社の就業規則によって異るため確認が必要です。副業が許可されている場合は、条件さえ合えば別の会社でも契約社員やアルバイトとして働くことができます。

本業とは関係のない分野の副業をすることで、新たな知識や経験を広げることもできます。

ただし、本業に不利益が生じる場合・情報が漏れてしまう場合・社会的信用がなくなる仕事の場合は、懲戒処分になり得ますので注意が必要です。

メリット3:自由な時間を増やせる

契約社員の労働条件は契約によって定められます。労働時間、勤務地、仕事内容などは使用者との話し合いで決まりますから、交渉次第では残業しない契約を結ぶこともできます。

契約社員は雇用更新で条件が刷新されます。子育て期には時短勤務をするなどフレキシブルな時間設定で働くことができます。雇用側との契約条件次第で自分に合った勤務時間を選ぶことができます。そして、その結果として自分の自由な時間が増やせます。

契約社員のデメリット3つ

契約社員のデメリットとして、「昇進が困難」「退職金がない・賞与も少ない」「福利厚生が不十分」があげられます。これらも全て就業規則や契約条件との関わりが大きいので留意してください。

デメリット1:昇進が困難

正社員登用への試験がある会社などもありますが、幹部クラスまで出世する事は基本的には難しいです。さらに、法改正により、5年を超えた場合は無期契約に更新が可能になったため、会社に必要ないと判断された場合には5年経過前に雇い止めにされる場合もあります。

そのまま働きたい場合は5年以内に仕事で結果を出すしかありません。今の仕事に満足できなければ、契約満了を機に転職し、ステップアップする必要があります。

デメリット2:退職金がない・賞与も少ない

退職金は、勤続年数に対して金額が変動するパターンが代表的です。退職金や賞与の支払いは会社の裁量に任されています。

契約社員の場合、再契約時に条件の見直しはあるものの、契約期間中に昇給することはありません。また、契約社員には賞与が出ないケースも多くあります。退職金や賞与は就業規則の内容によっては支払われる可能性もあるため、貰えるか気になる場合は規則を確認すると良いでしょう。

デメリット3:福利厚生が不十分

正社員と契約社員では契約条件に差が出ます。例えば交通費、住宅手当などの各種手当など、正社員と差があることがあります。これは会社の制度にもよりますが、契約社員が利用できる福利厚生の種類は正社員よりも少ないのが一般的です。

福利厚生が全く利用できないわけではありませんが、正社員に比べて利用できる範囲は非常に狭いです。例えば、2年の雇用契約で途中に1年の育児休暇を挟むなどというのは、非常に難しいことです。

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契約社員の無期転換ルールとは

無期転換ルールとは、同一の使用者との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、 有期契約労働者(契約社員、アルバイトなど)からの申込みにより、無期労働契約に転換されるルールのことです。

無期転換の申込権は、契約期間が1年の場合は5回目の更新後の1年間に、契約期間が3年の場合は1回目の更新後の3年間にそれぞれ発生します。無期労働契約は、有期契約労働者が無期転換の申込みをしたときに成立します 。

5年経てば無期限の雇用契約に変更される

契約期間が通算5年を超えた労働者が「申込み」をした場合に、無期労働契約が成立します。そのため、無期労働契約へ転換するためには、本人が「申込み」を行う必要があります。なお、会社によっては自動的に無期転換される制度を設けている場合もあります。

契約社員が無期転換の申込みをした申込みの時点で無期労働契約が既に成立していることになります。したがって、会社は無期転換を拒否することはできません。

定年がなくなる

無期転換ルールにより無期雇用となった契約社員が高齢となった場合、無期雇用になったのですから、65歳定年制を定めている会社であれば65歳で定年になります。継続雇用制度を採用している会社であれば65歳までの継続雇用が認められます。

会社が無期転換を認めなかったとしても、無期転換申込権の行使により成立した無期労働契約を解約(解雇)することはできず、無期労働契約は終了しません。そういった意味では定年はないとも言えます。

契約社員のメリット・デメリットを理解して定年後も働こう

「契約社員とは?」から始まり「契約社員の定年」「契約社員のメリット・デメリット」「約社員の無期転換ルール」について解説してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

昨今では、働き方改革が進み定年年齢も段階的に上がってきています。また前述のとおり、契約社員などに対する法的整備が進み、無期労働契約が可能になりました。それぞれの生活スタイルに合った働き方を選択し、定年後の姿もデザインしてみませんか。

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