通勤手当とは
「通勤手当」とは、自宅から会社まで通う時にかかる交通費に対する手当のことをいいます。
一口に通勤の手段と言っても、電車だけでの通勤、バスだけでの通勤、電車とバスの両方を使っての通勤、自転車での通勤、あるいはマイカー通勤など、さまざまな手段があります。
一般的に、電車や車で通勤する場合はガソリン代などが支給されますが、その場合の通勤手当は「給与の一部」として処理されます。
交通費との違い
ここでは、交通費との違いについて見て行きましょう。交通費と通勤手当の大きな違いは、交通費は、給与としては扱われないという点です。
交通費は、「仕事をする上での移動にかかる費用に対する手当」のことをいいます。たとえば、出張先に向かうため移動する場合などに支給されるのは、交通費です。交通費は「旅費」として精算されます。
さらに、給与として扱われるかどうかで税金の額が異なることも押さえておきましょう。
通勤手当の支給は義務ではない
通勤に対する手当を支給するのは、あくまで任意です。
通勤手当の支給については、会社の判断に任されていて義務ではありません。必ずしも通勤手当を支給しなければならないわけではなく、会社によっては一部支給となっているところもあります。
もちろん、全額支給してくれる会社もありますので、これから就職を考えている方は、希望する会社が、通勤手当は全額支給なのか一部支給なのか、事前に調べておきましょう。
自宅から最寄駅までのバス代支給に必要なもの3例
ここからは、バス通勤について詳しく見て行きましょう。
バス通勤における通勤手当を支給するために、必要なものを3つ挙げていきます。通勤手当としてバス代の支給を受けるには、さまざまな証明が必要になってきます。
会社としても、社員から請求されるままにバス代を支給するわけには行かず、社員側から「バス代を請求するのは正当なことである」という証明を提示してもらう必要があります。
自宅から最寄駅までのバス代支給に必要なもの1:バス会社の発行する距離証明
自宅から最寄り駅までのバス代支給のためには、バス会社の発行する距離証明が必要になります。バス会社では距離証明を発行しており、その内容は「バス停から駅までは何㎞あります」というような書式になります。
バス停から駅までの距離がわかれば、自宅から最寄り駅までの距離もだいたい判断できるので、会社側でもバス代支給が妥当なものかどうかの判断材料となります。
この類の証明書については、しっかり押さえておきましょう。
バス停から駅までの距離の距離証明
バス停から駅までの距離は、バス会社が出した証明によってすぐに分かります。バス会社が出す距離証明には、各バス停から駅までの距離が明確に書いてあるからです。
一般的に、バス代支給の対象になるのは、バス停から駅までの距離が2㎞以上としている会社が多くなっています。また、1㎞以内はバス代を支給しないという会社が多いです。
自宅から最寄駅までのバス代支給に必要なもの2:バスの定期券のコピー
自宅から最寄り駅までのバス代支給に必要なものとして、バスの定期券のコピーがあります。
バスの定期券のコピーを提出すれば、バスの乗車区間や定期代がすぐに分かります。社員にとっても会社にとっても簡単で、区間の不正などを防ぎやすい方法だと言えるでしょう。
先に手当を支給し、定期券を購入後にコピーを見せるという方法なので、支給した通勤手当を、きちんとバス定期券購入のために使いましたという証明にもなります。
自宅から最寄駅までのバス代支給に必要なもの3:バス会社の発行する3か月・6ヶ月の通勤料金と往復バス代の証明
自宅から最寄り駅までのバス代支給に必要なものとして、バス会社が発行する3か月・6ヶ月の通勤料金と往復バス代の証明があります。バスの定期は、3か月や6か月の期間で作るのが一般的です。
バス会社が発行している通勤定期代が分かれば、バス代の証明になります。
バス代の支給を自己申告のみで済ませている会社もありますが、バス会社が発行している証明書の提出を求められる会社もあります。
バス会社からの報告でも可
バス会社が発行する3か月・6ヶ月の通勤料金と往復バス代の証明は「証明書」という形でなく、バス会社からの報告でも良いとする会社もあります。
この場合は、通勤手当の支給を受ける社員を介さず、支給を担当する社員が直接バス会社に問い合わせて、通勤料金を確認するという方法が取られます。
この方法であれば、支給を受ける社員にとっても手間がかからず、バスの通勤手当の支給を受ける正当性を証明することができます。
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通勤手当に税金はかかるのか?
一般的に、通勤手当は一定の金額までは税金がかからないようになっています。
この一定の金額の算出基準として距離が使われます。また、通勤手段によっても限度額が決まっていますので、注意が必要です。
以下に、通勤手段別の具体的な金額を見て行きましょう。
交通用具(車・バイク・自転車など)の場合
マイカーや自転車通勤は、1か月あたりの限度額が片道の通勤距離で決まり、限度額を超えると税金が発生します。
具体的な限度額は以下のとおりです。
・2㎞以内なら非課税
・2㎞以上10㎞未満は4200円
・10㎞以上15㎞未満は7100円
・15㎞以上25㎞未満は12900円
・25㎞以上35㎞未満は18700円
・35㎞以上45㎞未満は24400円
・45㎞以上55㎞未満は28000円
・55㎞以上は31600円
駐車場代について
マイカー通勤をする際、会社の近くに駐車場がなければ、月極駐車場などを利用しなければならない場合があります。
この駐車料場代を負担するかどうかは、任意となっています。会社によって負担するか否かが分かれますので、注意が必要です。
会社で負担する場合には、駐車場代全額が課税対象となります。従って、非課税の通勤手当にこの駐車場代が含まれることはありません。
有料道路について
マイカー通勤の際、自宅からの距離によっては有料道路を使用することがあります。
有料道路を使用した場合、距離に応じて非課税限度額が決定され、それに有料道路の通行料金をプラスした金額が非課税の限度額になります。
電車・バスの場合
電車やバスで通勤する場合の、非課税となる限度額は、月額15万円です。これは、合理的な経路を試用した場合の限度額となっています。たとえば、グリーン車に乗って通勤する場合は、グリーン車の料金は非課税にはなりません。
電車やバスに加えて、マイカーや自転車を利用する場合も、すべて合算して月額15万円までが非課税になります。15万円を超えた分については、税金がかかりますのでご注意ください。
定期券について
定期券については、通勤に必要な走行区間であれば、全額が非課税となっています。
ただし、上限金額は月額15万円と設定されているので、注意が必要です。相当な遠距離通勤でなければ、全額非課税であると言ってよいでしょう。
交通機関+交通用具の場合
通勤の際、利用するのが交通機関のみとは限りません。たとえば、自宅から自転車で最寄り駅まで行き、その後、電車に乗って通勤するというような方も多く見られます。
そこで、交通機関と交通用具を両方使用する場合についてご説明します。
自転車の部分と電車の部分を分けて考え、それぞれの非課税限度額を合計した額になります。ただし、この場合も上限金額の設定は月額15万円で変わりません。
一般的なバス代支給の基準を踏まえておこう
本来、通勤手当は支給の義務はないため、支給していない会社、あるいは一部支給としている会社もあります。これから就職する方は、希望する会社の通勤手当についてはしっかり調べておきましょう。
バスの通勤手当についても、会社によって支給の基準がまちまちです。
支給を受けるためには、駅からバス停の距離や、駅から自宅の距離など細かく申告する必要が出てくる場合もあります。支給の仕組みをしっかりおさえておきましょう。