行動特性の対象となる領域10個|行動特性の考察対象の分類4つ

人事制度

そもそも行動特性とは何か

行動特性とは、高い業績を出している人が特徴的に持っている行動・思考・態度などの行動パターンのことです。別名、コンピテンシーと呼ばれています。

行動特性という考え方は1970年代のアメリカで誕生しました。現在は、日本のビジネス社会においても、人事評価や人材育成、採用活動をするときに行動特性という考え方を取り入れています。

今回は、行動特性の領域、職種別の行動特性について解説します。

行動特性の対象となる領域10個

行動特性は10個の領域に分けることができます。

10個の領域とは、達成・行動、援助・対人支援、インパクト・対人影響力、管理領域、知的領域、個人の効果性、変化行動・意思決定、自己成熟性、情報領域、組織・チームワークの以上になります。さらに、それぞれの領域の中には細かく分類した行動特性が設けられています。

10個の領域について解説していきましょう。

行動特性の対象となる領域1:達成・行動

達成・行動の領域では、どのような行動特性があるのでしょうか。

達成・行動の領域には、達成思考、秩序・品質・正確性への関心、イニシアチブ、情報取集といった行動特性があります。

達成・行動の領域の行動特性が高い人は、秩序を大切にしながら高い品質のものを必ず作ろうとするでしょう。あるいは、任された仕事を期待上のレベルで完成しようと取り組みます。

行動特性の対象となる領域2:援助・対人支援

援助・対人支援の領域とは、自分以外の人の要望やニーズに応えるときに必要な行動特性のことを指します。援助・対人支援の領域では、対人理解、顧客支援志向という行動特性があげられます。

援助・対人支援の行動特性が高い人は、顧客が求めている要望を的確に把握した上で、サービスを提供することができます。顧客からの評価が高い人は対人理解と顧客支援志向が優れているといえるでしょう。

行動特性の対象となる領域3:インパクト・対人影響力

インパクト・対人影響力の領域とは、組織内である一定の印象や効果を与える行動特性のことをいいます。

インパクト・対人影響力の領域で必要な行動特性には、インパクト・影響力、組織感覚、関係構築といったものがあげられます。

例えば、インパクト・対人影響力の行動特性が高い人は、各スタッフと信頼し合える関係を構築した上で、スタッフが仕事に取り組めるよう適切な影響力を与えることができます。

行動特性の対象となる領域4:管理領域

管理領域とは、メンバーを育成・指導したり、リーダーシップを発揮したりするときに必要な行動特性のことです。

他者育成、指導、チームワークと協力、チームリーダーシップという行動特性があげられます。

例えば、スタッフを管理するとき、スタッフを適切に指導・育成する行動特性が必要になるでしょう。あるいは、リーダーシップを発揮しながらスタッフを導く力も必要となります。

行動特性の対象となる領域5:知的領域

知的領域に必要な行動特性にはどのようなものがあるのでしょうか。

知的領域に含まれる行動特性には、分析的志向、概念的志向、技術的・専門職的・管理的専門性があります。

例えば、知的領域の行動特性が高い人は、ミスが発生したときに原因と結果を正確に把握し分析することができるでしょう。あるいは、仕事に関する深い知識や技術を身に付けることも可能です。

行動特性の対象となる領域6:個人の効果性

個人の効果性の領域に求められる行動特性には、どのようなものがあるのでしょうか。

個人の効果性では、自己管理・自信・柔軟性や・組織コミットメントといった行動特性が求められています。

高い業績を出す人がもっている行動特性といえるでしょう。

行動特性の対象となる領域7:変化行動・意思決定

変化行動・意思決定の領域にはどのような行動特性があるのでしょうか。

変化行動・意思決定には、反転志向、チャレンジ性、行動志向、自立志向、リステイクといった行動特性があります。

反転志向とは効果を引き出すため意図的に逆の行動をとることです。リステイクとは失敗の可能性があっても挑戦する精神のことです。

その他、目標達成への執着、自己革新、柔軟思考、素直さ、タイムリーな決断といった行動特性もあります。

行動特性の対象となる領域8:自己成熟性

自己成熟性には10項目の行動特性があります。

10項目とは、冷静さ・誠実さ・几帳面さ・慎重さ・ストレス耐性・徹底性・率直性・自己理解・思いやり・ビジネスマナーのことです。

自己成熟性の高い人はいつも誠実に仕事に取組みます。また、顧客や社内のスタッフなど、相手の立場や気持ちを尊重し思いやりをもって接してくれるでしょう。

仕事のできる人がもつ大切な行動特性です。

行動特性の対象となる領域9:情報領域

情報領域にはどのような行動特性が必要なのでしょうか。

実は、情報領域には5つの行動特性があります。5つの行動特性とは、情報の発信・情報の整理・情報の伝達・情報の収集・情報の活用と共有化になります。

行動特性の対象となる領域10:組織・チームワーク

組織・チームワークの領域には5つの行動特性があります。

5つの行動特性とは、ムードメーカー性、マンパワーの結集、政治力、チーム精神の発揮、上司・先輩との関係の以上になります。

組織やチームの中で高い成果を発揮している人は、このような行動特性を身に付けているといえるでしょう。

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行動特性の考察対象の分類4つ

仕事で成果を出すためには、どのような行動特性を身に付ければ良いのでしょうか。

自分の仕事に最適な行動特性を理解していれば、高い成果を出す可能性が高まります。

今回は、営業関連職、管理関連職、企画・クリエイティブ職種、役職という4つの仕事に必要な行動特性について解説しましょう。

行動特性の考察対象の分類1:営業関連職向け

営業関連職は、売上や獲得数といった明確な数値目標を達成するための行動が求められています。

営業関連職に特化した行動特性には、目標達成への執着・リステイク・ストレス耐性・徹底性・顧客支援志向があげられるでしょう。

営業関連職は、数値目標というプレッシャーがあるため、ストレスに強くなければなりません。また、顧客のニーズを的確に把握することも必要になります。

行動特性の考察対象の分類2:管理関連職向け

管理関連職は、業務をスムーズに進め、進捗状況を正確に管理する役割が求められています。

管理関連職に必要な行動特性には、誠実さ・几帳面さ・チームワークと協力・他者育成・指導があげられます。

管理関連職が率先して誠実に働くことで、他のスタッフへも良い影響を与えることができます。また、仕事の状況を細かく把握しておく几帳面さも必要です。仕事の品質やスピードを上げるため、スタッフの育成や指導も大切な役割です。

行動特性の考察対象の分類3:企画・クリエイティブ職種向け

企画・クリエイティブ職種では、新しい発想や創造力、論理的な思考などが求められます。

企画・クリエイティブ職種に特化した行動特性には、アイデア思考や論理思考、状況分析や解決策の立案などがあげられます。

企画・クリエイティブ職種に必要な行動特性を身に付けることで、今までにない新しい発想の企画を生み出すことにつなげましょう。

行動特性の考察対象の分類4:役職向け

役職者は組織の目標を達成するため強いリーダーシップを持ってスタッフを統率しなければなりません。

役職者に必要な行動特性には、他者育成・指導・マンパワーの結集・政治力・影響力があります。

目標を達成するためには部下や後輩の育成は欠かせません。役職者は常に部下の力量を把握し育成する必要があります。また、組織を統率するためには自らの影響力を高め、スタッフの知恵や力をまとめることも大切です。

行動特性について詳しくなりましょう

行動特性の領域、職種別に必要な行動特性について解説しました。

行動特性とは「高い業績を出している人」の特徴的な行動パターンのことです。「高い業績を出している人」の行動特性を抽出し、その行動特性を学ぶことは大切です。

行動特性を活用することで、人材育成や人事評価、採用活動も効果的に進めることが可能となります。

行動特性を深く理解し、仕事に活用していきましょう。

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