通勤手当とは?
通勤手当とは、従業員の通勤にかかった費用を補助するために、会社が個人に支払う賃金のことです。
通勤手当は賃金の一部になり、本来であれば所得税や住民税の対象になるのですが、1ヶ月150,000円までであれば、非課税額と定められています。
また通勤手当であっても非課税額分の金額を超えてしまうと、賃金の課税対象となります。
交通費との違い
混同して考えている人も多いですが、交通費と通勤手当の違いを説明します。交通費とは、従業員が営業や出張などの移動の際に使用した費用のことをいいます。
社員が移動にかかる費用を立て替えた場合などには、あとから会社に立て替えた費用を請求して精算できます。
また課税か非課税かの違いもありますので、従業員に支払っている金額は交通費なのか、通勤手当なのをしっかり把握しておくことも必要です。
通勤手当の支払い義務
今では多くの会社で当たり前のように、従業員に通勤手当を支給しています。そのため、支給されて当たり前だと考えている従業員も多くいるでしょう。
しかし、通勤手当は、労働基準法の法律で支給が義務付けられてはいませんので、支給金額は会社が任意で決定することができます。
通勤手当を払う理由
通勤手当の全額支給は、人材獲得のために企業においての、重要な福利厚生と認識されていることが多いです。
また、就業規則の中に・給与規定・雇用契約書に通勤手当の支給の事項が明記されている場合には、企業は従業員への通勤手当の支給義務が発生します。
通勤手当を支給する際の注意点4つ
通勤手当を非課税対象にするためには、合理的で経済的な経路を選ぶことが条件にあります。
通勤手当は社会保険料での計算にも含まれますので、さまざな手続きにおいても非課税対象である通勤手当の考慮をしなくてはなりません。
通勤手当の支給では、初めから就業規則や賃金規程を考えておくことが必要になります。
通勤手当を支給する際の注意点1:明確に就業規則へ規定する
通勤手当の支給基準を作成するために、支給の有無についての規定と最低限の支払い金額を決めておくことが大切です。
まずは、企業の就業規定や労働契約など、協定で通勤交通費に関する規則を定めておくといいでしょう。
通勤手当を支給する際の注意点2:どの交通機関を使用するかを規定
通勤手当を支給するためには、交通機関の利用者・マイカー通勤者・バイクや自転車通勤者など、それぞれを利用したときに支給をどうするかについて支給の有無の規定を定めましょう。
つまり、企業で通勤手当を支給する交通機関を明確にしておくことが必要です。
所得税・住民税などの税金を計算する場合、通勤手当は、一定の条件を満たしていれば非課税となります。
通勤手当を支給する際の注意点3:最も理にかなった経路を選択しているか
最短経路であっても高くつく経路、迂回経路であっても安くすむ経路がある場合はどちらを選ぶべきなのでしょう。これは企業で選ぶことができます。
・鉄道の経路の場合では、最も経済的な経路である
・バスの経路の場合では、届出のバス停から接続する駅に近い経路である
費用や時間などの距離が最も経済的で合理的とされる普通の通勤方法を選択してもらいます。またその通路が企業で調べたものと明らかに違う場合は変更が必要です。
通勤手当を支給する際の注意点4:非課税となる上限額を考慮しているか
通勤手当は本来会社が支給するとは、義務付けられていません。まず、通勤手当の規定をしっかりと決めておく必要があります、そうしなければ、会社としても課税非課税の扱いを知らずに通勤手当を支給してしまう可能性も否めません。
非課税とは、所得税計算をする時に所得税計算は通勤手当分の金額を抜いて計算することです。
通勤手段が変更されている場合もありますので、定期的に金額を確認することはとても大切なことです。
通勤手当の支給額を変更する際のポイント4つ
通勤交通費は、本来企業が支給すると義務付けられているものではありません。
また、新たに通勤交通費規定を定める際などの規定を改定する際に、チェックしなくてはならない記載項目と注意点を説明します。
通勤手当の支給額を変更する際のポイント1:変更する理由を明確にする
企業のコスト削減のため通勤手当を見直したいと考えているほとんどの企業でも、通勤手当として交通費の定期額を出勤手当として支給している場合が多いです。
例えば、最初は1ヶ月ごとに支給していた金額を、コストの少ない6ヶ月に変更すると割引率も違ってきます。社員が納得できるような明確な説明をすることが大切です。
就業規則で支給基準が決められている通勤手当は、賃金ですので社員にとって不利益変更となる問題も出てきます。
通勤手当の支給額を変更する際のポイント2:限度額を決定する
企業において、社員が必要とする通勤手当のコストを抑えるために変更する時でも、通勤手当に変更の上限を設けておくこととても大切です。
気をつけておかなければならないことに、変更する前の就業規則で「非課税限度額を上限とする」と記載されている場合は、非課税限度額は徐々に引き上げられてきているので、コスト抑制策の変更は難しくなります。
まず通勤手当のコストを、企業に見合った上限額に変更するよう見直さなければなりません。
通勤手当の支給額を変更する際のポイント3:時間と費用の優先度を決めておく
通勤手当とは、明確な通勤経路を使用する交通手段を、従業員に申請してもらう事から始まります。
日々同じ経路を通るための所要時間や手当の費用面において、適切か否かを会社でも事前チェックが非常に重要です。今はネットからすぐに検索して変更を提示するのも可能です。
ただ最短距離を優先するのか、費用を優先するべきかは、通勤事情などが従業員の居住場所によっても違ってくることを考慮して変更を判断しなければなりません。
通勤手当の支給額を変更する際のポイント4:最終的な決定
ネット上の検索ツールを使うことで、通勤定期料金の確認をしておくことが大切です。申請の内容ルートや金額が企業の検索方法でのチェックと違う場合には、社員に説明を求めて、最終的に会社が支給額を決定しましょう。
・支給額の基準
・上限額を××万円までと決める
・申請手続きする
・総務などによる経路・金額の確認欄を設け、検証の上承認を取る
・購入した定期券のコピーを添付させる
このような規定をしっかりと決めましょう。
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通勤手当が不公平?不公平とされる理由3つ
「通勤手当が不公平」という言葉がでてくる理由の1つには、通勤手当対象外の社員からの不満があるのではないでしょうか。
ただ通勤手当というものは、企業の福利厚生であるという理由から「会社が通勤手当を出すことは当然の義務である」という社員からの意見もあります。
通勤手当が不公平な理由1:徒歩の人はもらえない
福利厚生があるから通勤手当が出るのは、企業のほとんどで一般的になっています。しかし徒歩の人や自転車の人にはその手当が出ないとなれば、電車を利用しているうえに通勤手当が出るのことを不公平に感じる人もいるでしょう。
なかなか難しいことですが、不平不満の対処として、企業内の社員で分配する公平性などをふまえた変更が必要になることがあります。また、変更した場合に社員が納得できるかどうかも考慮しましょう。
通勤手当が不公平な理由2:家賃補助がないときに損する
通勤手当は出るけれど家族手当がない場合は、通勤手当を支給されない社員が損をしてしまう場合があります。企業にとって負担の大きい家賃手当がない場合もあります。
通勤手当も家賃手当も同じ給与所得として加算されますが、通勤手当は非課税率が高いという違いがあります。
支給したものが原因で税金が大幅にアップすると、従業員にとってもマイナスの結果となります。できれば税金関係でも不満が出ない手当の変更支給が必要です。
通勤手当が不公平な理由3:申請に時間がかかる
ネット上での検索ツール使い、コストを考えて担当がある程度のルートや所要時間の妥当性、通勤定期料金の確認ができるまでに時間がかかってしまう場合もあります。
また、社員が提出したルートと方法でチェックが異なる場合には、説明を求められることもあります。
その場合は、最終的に会社が支給額を決定するまでに、通勤手当の申請に時間がかかることになります。
通勤手当の変更時のポイントを押さえましょう
手当は、導入すると「不利益変更の禁止」の原則があるため簡単には変更することはできません。手当の変更をしたいと言った場合には、理由と合理性が必要になります。
・手当の目的や運用方法
・支給基準の明確化
・社員間での不公平感はないか
手当にはたくさんの種類がありますので、手当の種類によって課税の有無の違いや社会保障料の負担も変わってくることになるので、しっかりとした変更の詳細が必要になってきます。