配置転換をすることの目的や理由4つ|メリット・デメリットも解説!

人事制度

配置転換とは?

配置転換とは、同一企業内において職種や職務内容、あるいは就業場所などの勤務地を長期間にわたり変更することを言います。

配置転換は会社などの経営方針や経営計画に基づき実施されるものも多く、多くの会社において、必要に応じて勤務地や業務の変更をすることがある旨を就業規則などにおいて規定しています。

また配置転換は、長期雇用が前提となっている日本企業だけでなく、外資系企業などでも行われることがあります。

企業内と企業外の配置転換

企業内の配置転換は、職種や職務内容あるいは就業場所や就業する事業所の変更があり、前者は一般的には異動と呼ばれ、企業外への配置転換には出向あるいは転籍と呼ばれるものがあります。

企業外への配置転換には、労働契約が自社のものと他社のものが適用される場合と、他社のもののみが適用される場合がありますが、いずれの場合も指示命令については実際に働く方の会社のものに従います。

転勤・出向・転籍との違い

配置転換と転勤、あるいは出向と転籍では、就業場所や労働契約により違いがあります。

狭義の意味において、配置転換は同じ事業所内で職務内容や勤務先が変わることを言い、転勤は現在いる所とは違う事業所に勤務先が変わることを言います。

また出向と転籍は、いずれも現在所属する会社とは違う会社で働くことを指しますが、出向は自社と他社の労働契約が、転籍は他社の労働契約のみがそれぞれ適用されます。

配置転換をすることの目的や理由4つ

会社などの企業が配置転換を行うのは、事業計画に基づいた人材の育成や組織の活性化、あるいは人事計画などさまざまな目的が挙げられます。

いずれの場合も直属の上司からの報告や勤務状況であったり、適性や本人の就業に対する希望などから判断することが多くあります。

この項では、会社が行う配置転換の目的や理由4つについて解説します。

配置転換をすることの目的や理由1:様々な経験を積ませる

まずひとつめに挙げられるのが、さまざまな経験を積ませる目的です。

例えば、将来の会社組織の幹部候補にと考えている人材には、ひとつの部署だけでなく、なるべく多くの部署を経験させることにより、スキルアップや視野を広げさせ多用な角度から会社を捉えることができるようにする必要があります。

また、営業職の人が経理や財務の経験を積むことにより、資金繰りを考えた営業活動が可能となり、仕事の幅が広がります。

配置転換をすることの目的や理由2:適性を発見するため

次に挙げられるのが、適性の発見です。これは、特に新卒者などの新人に対して多く行われる場合があり、学歴や特技など履歴書に記載された項目以外の新しいスキルの発掘という目的もあります。

また、入社後数年経った若手社員も同じように、適性を発見するために配置転換が行われる場合があり、この場合は会社の人事計画などに基づいて行われることも、少なくありません。

配置転換をすることの目的や理由3:社内での人脈を広げるため

企業などの会社組織にはさまざまな部署があり、その部署の中で多くの人が働いています。会社の有数から従業員、あるいは一つの部署内での上司から部下への上下の繋がりも重要ですが、違う部署間の連携も会社にとっては重要です。

配置転換には、違う部署への人脈を広げるためのいい機会であるとも言えます。違う部署の仕事を知ることは、新しいスキルを身に付けるだけでなく、人脈を拡げ、違う部署間の連携にも効果的です。

配置転換をすることの目的や理由4:会社全体の活性化のため

同じメンバーで同じ仕事を続けることは、スペシャリストの育成に繋がる反面、メンバー同士のなれ合いや組織全体のマンネリ化、場合によっては不正の温床となる可能性も考えられます。

配置転換によるメンバーの入れ替えは、会社組織全体を活性化し、なれ合いやマンネリ化といった、働く上でマイナスになる要因を解消する目的もあります。

配置転換のメリット5つ

前述のようにさまざまな目的や理由があり行われる配置転換ですが、会社の都合だけでなく、配置転換により新しい環境で働く人も、メリットを受けることもあります。

組織から見た場合の、人材の育成やキャリアアップ、従業員から見た場合のモチベーションの維持や、適性のある仕事へ付くことで生じるやりがいなど、さまざまなメリットが考えられます。

配置転換にはどのようなメリットが考えられるのか、5つの例を挙げ解説します。

配置転換のメリット1:組織の活性化

配置転換をする目的や理由でも解説した組織の活性化は、配置転換によるメリットのひとつとしても挙げることができます。

社員同士の馴れ合い防止などのような会社側にとってのメリットだけでなく、新しい人材が加わることによる、競争の発生やモチベーションや緊張感の発生など、社員個人に対するメリットの発生もあります。

中には、ムードメーカ的な人を敢えて配置転換させ、その部署を活性化させるといった例も存在します。

配置転換のメリット2:キャリア形成、人材育成

特に入社して数年というキャリアの社員の配置転換には、キャリア形成や人材育成といったメリットも期待できます。

さまざまな業務を身に付けることによる、スキルアップやステップアップであったり、将来の幹部候補の場合ならば、さまざまなな部署の業務を知ることで、5年後あるいは10年後の業務へと繋がる事も考えられます。

また同じ業務で働く部署が変わる場合でも、業務の幅が広がり、キャリア形成にプラスとなります。

配置転換のメリット3:適性の発見

配置転換によるメリットのひとつに適性の発見がありますが、これは新入社員だけに限ったことではありません。

社員の中には、自分の適性とは合わない部署で働いているために、能力を発揮できず、評価や会社に対する貢献度も今一つに思われている人も少なくありません。このことは、周りよりも本人が一番感じていることでもあります。

配置転換には、そのような社員の適性の発見や、新しい能力の発揮などのメリットも考えられます。

配置転換のメリット4:マンネリ化防止

同じ仕事を何年も続けることや、同じ部署で何年も働き続けることは、スキルの専門化へ繋がる反面、同じ環境に居続けることによる油断やなれ合いといったことも考えられます。

配置転換は、それまでとは違う環境へ社員を置くことによるマンネリ化の防止という目的もあり、配置転換によっていい意味での緊張感や、働くことに対する意識の再発見などの効果が生じます。

配置転換のメリット5:モチベーションの維持

新しい環境に身を置くことには、心機一転新たな環境で頑張ろうと言う気持ちにさせてくれます。また自分自身が異動しない場合であっても、新しい人が加入することによって、後輩には負けていられないという気持ちも発生します。

配置転換を行うことによって、働く社員のモチベーションを維持させる目的もあり、実際にモチベーションが維持されて、業績が上がったという例も少なくありません。

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配置転換のデメリット4つ

会社の活性化などを目的に行われる配置転換によって生じるのは、必ずしもメリットばかりではありません。

仕事をよく知っている社員の放出による部署の戦力ダウン、あるいは新しい環境へ馴染むのに時間の掛かるタイプの人ならば、慣れない環境に対するストレスなどといったデメリットの発生も考えられます。

配置転換によって生じるデメリットには、前述のような部署の戦力ダウンの他にも、次にあげるようなことも考えられます。

配置転換のデメリット1:専門性を磨けない

配置転換は、職種や職務内容の変更を伴うため、状況によっては、それまでやって来た仕事とは全く違う仕事をする場合もあります。その結果、配置転換によって専門性を磨くという点においてデメリットとなることも考えられます。

中でも、高い専門性や経験がものを言う職種や業務を希望している時に、違う職種への配置転換となった場合、過去の経験はプラスにはなりますが、キャリア形成ではデメリットになることが考えられます。

配置転換のデメリット2:勤務地変更による負担

勤務地の変更を伴う配置転換の場合、通勤経路や通勤手段、あるいは通勤時間が変更となるため、時間的な負担や金銭的な負担を伴うことが考えられます。

就業規則などで通勤手当が規定されている場合であっても、異動直後から実際に手当が付与されるまでは、自己負担をしなくてはなりませんし、通勤時間が長くなった場合は、それまである程度自由にできた時間を削る必要も出て来ます。

配置転換のデメリット3:精神的な負担

労働環境の変化を意味する配置転換には、それまで慣れ親しんできた環境が変わることによる、精神的な負担の発生というデメリットも考えられます。

就業場所が変わることで、通勤時間や職場環境が変化する事は元より、同じ就業場所であっても、今までとは違う業務への従事することへの戸惑いや不慣れがストレスとなり、配置転換された本人だけでなく、他の従業員への負担へと繋がることもあり得ます。

配置転換のデメリット4:今までの経験やスキルを活かせない

必ずそうであるとは限りませんが、配置転換の内容によっては、今までの経験やスキルを活かす事ができなくなるのも、デメリットのひとつとして考えられます。

会社が行う配置転換には、目的があることが多く、その目的は経営計画に基づいた場合がほとんどです。経営計画に中には、社員にとって有利になる場合もあれば、中には不利になる場合もあります。

特に配置転換の目的が後者の時は、経験やスキルを活かすことが難しくなります。

配置転換を拒否できるのか

配置転換は、会社側の事業計画に基づいた目的のもとに実施されるため、業務命令の一環であることには変わりがありません。

日本の会社の多くは、就業規則において業務命令に従わない場合は懲戒処分とする規定を設けているため、原則として配置転換の拒否は不可能と言えます。

しかし、その配置転換が不当である場合や賃金が下がる場合、労働者に極めて大きな不利益が発生する場合などは、拒否できることもあります。

配置転換の目的を知ろう!

営利目的の法人である会社は、実績を出すためにさまざまな経営目標を立て、その目標を達成する目的のもと、数多くの経営計画を立てます。

配置転換は、そのような経営計画や経営目標を達成する目的の一環として行われることも少なくなく、また経営計画にないイレギュラーの発生した場合にも、配置転換が行われ、その場合は損失のカバーなどの目的が含まれます。

配置転換には、会社にどのような目的があるのかを知りましょう。

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