介護離職とは
介護離職とは、家族のケアのために仕事を辞めることを指します。日本では高齢化が進んでいるので、介護離職の対策をしないといけないという声が上がっています。身近な人で介護離職した人がいる場合もあるでしょう。
介護離職は、誰しもが悩む可能性のあることです。今は関係ないと考えていても、いつ親の介護が必要になるかは誰にも分かりません。対策を立てるためにも、その実態を知っておくことは大事です。
介護離職の実態
ここからは、介護離職の実態について紹介していきます。介護離職は近年増えつつあると言われています。今のうちから対策を取らないと、将来日本経済に大きな影響を与えると予想できます。
さらに介護離職した人の多くは、後悔しているという統計も有名です。介護離職を決めた時には、親のために時間を使えるということで一時的に満足することが少なくありません。しかし、親を看取った後は金銭的にも苦労することが多いです。
介護離職者数
介護離職者数は、2017年で10万人程度です。その後も毎年のこの程度の人数が介護離職していると言われています。介護離職者数は、高止まりしていという指摘もありますが、何らかの対策が必要であることは明らかです。
安倍晋三首相は、2015年時点で介護離職する人を0にしたいという目標を掲げられました。しかし、現在のところ対策の効果が見られていない現状があります。何らかの対策を取らないといけません。
介護離職者が増加する背景
介護離職者が増加する背景は、家族の介護の負担が大きいからと言われています。なかなか他に助けを求めることができずに、家族だけで介護しようとしてしまう人が少なくありません。
さらに職場で介護に関する理解が進まないことも、介護離職者が増えている理由とも言えます。たびたび介護が理由で会社を休み気まずい思いをする人も少なくありません。そして精神的に追い詰められてしまうケースも多いです。
介護離職者を出さないために企業が取り組むべき4つの対策
ここからは、介護離職者を出さないために企業が取り組むべき4つの対策について紹介していきます。企業といても優秀な人材が介護離職してしまうことは、大きな痛手です。
さらに介護離職者側としても、一度会社を辞めてしまうと再就職が難しいと言われています。企業側も介護離職しようか悩んでいる人も何らかの対策をお互いに取る必要があります。対策を取ったうえで、お互いに働きやすい環境を作ると良いでしょう。
介護離職者対策1:介護をオープンにできる職場環境の整備
介護離職者対策として有効なのは、介護をオープンにできる職場環境の整備です。なかなか介護の話をしにくいなと感じる人も多いですが、介護をオープンにすることが大事と言えるでしょう。
具体的には、介護などに縁のない人でも介護の大変さを理解できるように研修などを取り入れても良いです。さらに上席に当たる人は、部下に介護離職を相談された時に正しい知識で対応できるようにしておくこともおすすめです。
介護離職者対策2:人員増など休みを取りやすい環境の構築
おすすめの介護離職者対策は、休みを取りやすい環境をつくっておくことです。これは介護だけに関わらず、育児のために離職する人を防ぐことにも繋がるでしょう。
具体的には、人員を増やしたり、誰もが休めるような職場づくりを目指すことです。介護している人が働きやすい職場は、その他の立場の人にとってもホワイトな職場になるでしょう。働きやすさ改革などにも繋がるので、長く続けてくれる人も増えます。
介護離職者対策3:利用できる介護制度や措置の周知
介護離職者対策として大切だと言われることは、利用できる介護制度や措置の周知です。会社を辞めなくても介護が続けられる状況にあるのに、制度や措置を知らないために離職してしまってはもったいないです。
さらに介護離職をしようと考えている人だけでなく、職場の人がみな利用できる介護制度や措置を知っておくことが大事です。周りの理解があってこそ制度も使いやすので、会社としては全員に対してアプローチしていきましょう。
介護離職者対策4:介護制度利用のハードルを下げる
介護制度利用のハードルを下げることは、介護離職者対策にとって大事なことです。素晴らしい制度があっても、使うことが難しいなと感じるようでは活用できないでしょう。
さらに身近に介護制度を使っている人がいなければ、なかなか利用したいと声をあげることも難しいです。まずは、上席から実例を作っていく勇気を持つことも大事でしょう。積極的に利用できるように会社も努力していくと良いでしょう。
行政が取り組みしている5つの介護離職対策
ここからは、行政が取り組みしている5つの介護離職対策を紹介していきます。企業でけでは、介護離職対策を完璧に行うことは難しいです。そのため、行政も積極的に対策を取っていく必要があります。
行政がしっかりした対策を取って行かないと、介護離職を減少させることは難しいでしょう。ここでは、現在行政が取っている主な対策方法を紹介していきます。もし働いている会社で実績が無い場合は、参考にしてみましょう。
行政が取り組みしている介護離職対策1:介護休業制度
行政が取り組みしている介護離職対策の1つ目は、介護休業制度です。介護休業制度は、2週間以上介護に専念するために休みを取ることができます。正社員、契約社員、派遣労働者などが対象になるので、取得を検討しても良いでしょう。
さらにこの対策方法は、通算93日まで取得することができます。介護が必要な家族がと悔いのない時間を過ごしたいと考える人にとっては、利用してみるべき制度と言えるでしょう。
行政が取り組みしている介護離職対策2:介護休暇制度
介護休暇制度は、育児・介護休業法に基づいた対策方法です。介護休暇は1年で5日間取得することができて、経済の面で苦労しないように考慮されている制度と言えるでしょう。
さらにこの対策方法は、有給休暇のように気軽に取れる点も魅力的です。休業まではいかなくても家族の介護を集中的に見たいと考える人は、試してみると良いでしょう。多くの会社では、上司に取得したいと気軽に言える場合が多いです。
行政が取り組みしている介護離職対策3:勤務時間の短縮
行政が取り組みしている介護離職対策としては、勤務時間の短縮も導入しています。この対策方法は、育児休業・介護休業法などでしっかり定まっています。働いている人にとっても、利用しやすい制度と言えるでしょう。
さらにこの制度を使えば、経済的な余裕を残しつつ介護に集中できるケースが多いです。ただ
短時間勤務になったことでやや給料などは下がる危険性があります。しかし、完全に離職して給料が0になるよりはましです。
行政が取り組みしている介護離職対策4:労働時間の制限に関する制度
さらに労働時間の制限に関する制度は、行政が取り組みしている介護離職対策とも言えます。労働時間に制限が設けられることで、介護に時間を割くことができるでしょう。
労働時間の制限に関する制度は、介護離職をすることでハラスメントの防止に繋がります。さらに介護する人だけでなく、今話題になっている働き過ぎで疲れてしまうという事態を防ぐこともできます。働いている人全てが、知っておくと良いでしょう。
所定労働時間を制限する制度
所定労働時間を制限する制度は、所定労働時間以外に働かないということを請求することです。例えば9時から5時までが労働時間の人は、これ以外の時間は働かないということを求めることができます。
さらに、この請求は就業規則などにこの制度が記載されていない場合でも使うことができます。知っておかないと介護離職に繋がってしまう可能性があるので、頭に入れておくと良いでしょう。
時差出勤制度
時差出勤制度は、介護休業と合わせて93日間提供できる制度です。フレキシブルな働き方できるので、介護が必要な人を病院に送り届けてから出勤することもできます。
この制度は、介護以外にも育児などで奮闘する人にも使えます。要介護状態にある事実を証明できる書類などがあれば、申請とおりやすいでしょう。会社や家族の主治医と相談して、この制度を有効活用していきましょう。仕事と介護の両立が、容易になります。
深夜業務に関する制度
深夜業務に関する制度は、介護休業や介護のために深夜業務を避けて欲しいと申請できる制度です。日中は、ヘルパーなどの手助けを借りて介護している人も、深夜になると家族だけで介護しないといけないケースも多いです。
この制度は、介護だけでなく育児などをしている人も請求することができます。要介護状態かどうかが大事なポイントになってくれるので、深夜労働の制限申請ができる状態かも事前に確認しておきましょう。
行政が取り組みしている介護離職対策5:両立支援等助成金
行政が取り組みしている介護離職対策で助成金が出ることで有名なのが、両立支援等助成金です。介護休業と介護制度に対応している制度なので、しっかり確認しておくことが大事です。
中小企業か中小企業以外かで支援金が変ってきます。中小企業で勤務しているので、介護休暇などが取りにくいなと感じている人は詳しく調べてみると良いでしょう。
あなたの会社に仕事の生産性をあげる「働き方改革」を起こしませんか?
名刺が多すぎて管理できない…社員が個人で管理していて有効活用ができていない…そんな悩みは「連絡とれるくん」で解決しましょう!まずはこちらからお気軽に資料請求してみてください。
介護離職によるデメリット
ここからは、介護離職によるデメリットを紹介していきます。介護離職は、高齢化が進む日本で人手不足を加速させるというデメリットもあります。そのため、企業側と従業員側だけでなく日本経済にとっても解決すべき問題と言えます。
企業側のデメリット
介護離職による企業側のデメリットは、働き盛りのベテランの社員を失ってしまうということです。介護離職をする世代は、役職についていたり、社歴の長い社員であることも少なくありません。
会社にとっては、有能な人材が介護で流出してしまうことは大きな意図でと言えるでしょう。
従業員側のデメリット
従業員側のデメリットは、経済的に窮地に陥るということです。離職する前も精神的に疲れている人が多いですが、辞めてしまうことで逃げ場がなくなってしまいます。
さらに介護している家族を見送った後は、生活が成り立たないという人もいます。さらに再就職しようと考えても難しいケースもあります。
介護離職の対策をおこない人材の確保・定着を図りましょう!
介護離職の対策をおこなうことは、人材の定着に繋がります。企業は行政だけでなく、社内でのしっかり対策を行う必要があるでしょう。優秀な人材を介護離職で失わないためにも、介護に関する理解を進めることも大事です。
介護離職者を出さない努力をする必要が、企業、従業員、行政とますます必要になってくるでしょう。