業績給とは?|業績給の5つのメリット・デメリット|業績給の設定事例2例

人事制度

業績給とは?

営業職などの求人を見ていると、「業績給」という言葉をよく目にします。

業績給とは、多くの方が持つイメージのとおり、目標に対する達成度に応じて支払われる給与を意味します。現在、労働基準法によって正社員や契約社員への「完全歩合制」は禁止されているため、業績給とは別途、固定給の支給が義務付けられています。

上手く活用すれば社員のモチベーションアップに繋がる業績給について、詳しく見ていきましょう。

業績給と歩合給の違い

業績給と歩合給には、一般的に以下のような違いがあります。

◆歩合給=労働者個人の販売数、生産量などに比例して支払われる給与。単純に数量に比例する場合と、一定の目標を超えると単価をあげる場合がある。
◆業績給=目標に対する達成度に応じて支払われる給与。会社全体やチームの業績が加味される場合もある。

ただし、会社によっては歩合給を業績給と呼んでいる場合も多いため、条件の確認は慎重に行いましょう。

業績給の賞与について

業績給を取り入れている会社でも、賞与の計算方法はさまざまです。

毎月の給与と同じく、個人や会社の業績に応じて金額が変動する「業績連動型賞与」を取り入れている会社もありますが、月給とは別の支給方法を採用し、固定給×2ヶ月分で計算する会社、そこに加えて決算賞与が支給されるケースなどがあります。

認識の齟齬がないよう、給与規定をしっかりと確認しましょう。

業績給の5つのメリット・デメリット

上手に活用すればコスト削減や社員のモチベーションアップに繋がる業績給ですが、実際にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

業績給の導入を検討する際に知っておくべきポイントを見てみましょう。

業績給導入のメリット

まずは業績給導入のメリット5つ確認しましょう。業績給を取り入れている企業には、どのような狙いがあるのでしょうか。また、社員にとってはどのような魅力があるのでしょうか。

業績給導入のメリット1:業績給支給の根拠が明確

業績給のメリットとして、支給の根拠が明確な点が挙げられます。

通常の昇給制度では、上司や人事担当者の不透明な評価で金額が決まることも多く、社員が不満を抱くケースがあります。業績給であらかじめ評価基準を明確にし社員と合意を取ることにより、そのような不満を減らし、会社・社員の双方が給与額に納得することができます。

業績給導入のメリット2:生産性の向上

仕事の成果がダイレクトに給与に反映される業績給は、社員の生産性アップに効果があります。

業績にかかわらず毎月同じ給与が支給される従来の給与制度と比較すると、成果がきちんと評価され、目に見える形で自身の利益となる業績給制度では、能動的に動く人材を育成できます。

社員の意欲を刺激し、生産性を上げるために効果的な制度といえます。

業績給導入のメリット3:採用コストの削減

業績給を上手く活用すると、採用コストの削減に繋がります。

業績給を導入すると、仕事で成果をあげる社員ほど給与に納得感を持つため、優秀な人材を会社に留めることができます。良い人材の流出を防ぎ、新たな求人でも基本給+業績給と記載し入社後の能力に応じて給与を支給できるので、採用コストを効率的に削減できます。

また、業績給を求人に記載することで、スキルに自信を持った求職者を募集することができます。

業績給導入のメリット4:評価コストの削減

評価を数値化できる業績給を導入すると、評価コストを削減することができます。

社員の評価方法は会社によりさまざまですが、役員や社員の上司、人事、経理など多くの人件費が掛かる業務です。

あらかじめ成果が数値化される業績給が導入されていれば、一定の基準を満たすか否かなど、支給額の判断基準を明確にしてスムーズに支給額を決定できるため、評価業務に関わる人件費を削減することができます。

業績給導入のメリット5:公正な評価

年功序列型の給与制度を導入している企業では「自分のほうが成果をあげているのに、年長者より給与が低い」「同じ業務なのに、仕事の効率が悪く残業している社員の方が給与が多く、納得できない」という不満が発生することがあります。

業績給では個人の能力や成績に応じて給与を支給できるため、優秀な人材にコストを割くことができます。業績給での公正な評価は、優秀な人材を留めることにも繋がります。

業績給導入のデメリット

ここまでは、業績給のメリットを5つ見てきました。大きな利点のある業績給ですが、導入する際はデメリットもよく知り慎重な検討が必要です。

業績給について、知っておきたい5つのデメリットをご紹介します。

業績給導入のデメリット1:条件の均一化

能力が重視される業績給では、勤続20年の40代社員よりも、入社2年目の20代社員の方が給与が高いというケースもあり得ます。年功序列制度に慣れている社員からは不満が出る可能性もあります。

業績給を取り入れる際は、どのような数値設定をするかだけではなく、どのように社員をフォローするかについても、あらかじめ検討しましょう。

業績給導入のデメリット2:ハイリスク・ハイリターン

業績給には、社員が成果をだすことに意欲的になるという大きなメリットがありますが、その分リスクも大きいです。

例えば、成果を追うあまり社内の雰囲気が悪い方向へ変わってしまう、成果を出せず給与が安定しない社員が退職してしまう、など社風まで変わってしまう可能性があります。

業績給を導入する際は、成果主義に振り切るのか、基本給を充実させ業績給は評価軸の一部とするのか、社風にあった方法を選択しましょう。

業績給導入のデメリット3:業績に関与しない業務活動

業績給を取り入れた場合、業績に繋がらない業務を社員が押し付けあい、積極的に対応しないという問題が起こり得ます。例えば、社内行事を頻繁に行っている会社の場合、その運営を誰が行うのか、という点で諍いが起こる可能性があります。

業績給の成果として加味されない業務を、どのように割り振り、評価するかがポイントとなります。

業績給導入のデメリット4:人材育成が課題

業績給を導入すると、成果を求めるあまり社員が個人プレーに走る場合があります。そのため、「個人の得たナレッジが共有されにくい」「後進育成に社員が消極的になる」などの課題が発生します。

業績給は歩合給とは違い、チーム目標の達成度や会社の業績も評価基準にできるため、個人目標以外の評価基準を取り入れることも検討しましょう。

業績給導入のデメリット5:質の低下

業績給により社員が目先の成果を求めると、「成果につながりにくい商品や顧客を、社員が倦厭する」「社内の課題改善よりも、個人の数字を追ってしまう」などの課題が発生します。

企業全体の質の低下にも繋がりかねないので、こちらも個人目標以外の評価軸をどのように取り入れるかが重要です。

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業績給の設定事例2例

業績給のメリット・デメリットを見てきましたが、実際にどのような業績給の設定事例があるのでしょうか。

営業職などの成果を数値化しやすい職種と、事務職などの数値化しにくい職種の2つに分けて見ていきましょう。

業績給の設定事例1:営業職など計量化の図りやすい職種

営業職などは、数字で管理されている日頃の成果をそのまま評価に落とし込めばよいので、業績給への移行がスムーズです。業績給には、以下のような事例がありますので、社風に合った支給方法を検討しましょう。

◆毎月の数値(販売数、生産高など)×一件当たりのインセンティブ
◆半年ごとの成績でA~Eなどのランクを付け、それに応じて次の半年の給与を決定
◆目標に対する達成度で決定(例:売上30~100万円で業績給5万円)

業績給の設定事例2:事務職など計量化の図りにくい職種

事務職や秘書、総務などのバックオフィス系の職種に業績給を取り入れる場合、まずは業務の数値化から始めなければなりません。

例えば、事務のマネジメント担当者であれば、部署の残業削減や、従業員定着率の半期目標を設定し、その達成率で次の半期の業績給を決定するなどの工夫が必要です。

計量化しにくい職種の場合、どこまでを固定給の範囲とみなし、どこからを業績給の支給範囲とするか見極めが重要です。

業績給の導入を検討してみましょう!

業績給について見てきましたが、いかがでしたか。業績給を上手く使えば社員のモチベーションアップに繋がるため、メリット・デメリットを考慮し導入を検討してみましょう。

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