面接の評価基準の重要性
面接の時間内で自社にマッチした候補者を見極めるためには、事前に面接の評価基準を設定しておくことが必要です。
例えば、「長期的に働いてくれる人が欲しい」という希望を持っていても、個人で能動的に動く人と、チームプレーが得意な人、どちらが会社にマッチし長期的に働いてくれるかは企業によって違います。
求める人物像を明確にし、事前に面接の評価基準を設定しておくと、ミスマッチが起こりにくくなります。
面接での質問例7選
設定した評価基準に対する答えを面接の短時間で見極めるには、効果的な質問が必要となります。ここでは、候補者のスキルや適性を見つけるための、さまざまな質問例をご紹介します。
面接での質問例1:コミュニケーションスキルを見る質問
面接内で候補者のコミュニケーションスキルを確認するには、「はい/いいえ」では答えることのできない、以下のようなオープンクエスチョンが適しています。
(1)自己紹介をしてください。
(2)当社があなたを採用するメリットはなんですか?
(3)あなたにとって仕事とは?
(1)は会話の構成力、(2)は会話の説得力、(3)は抽象的な質問にも自分なりの考えを述べられるか、を確認することができます。
面接での質問例2:志向性に関する質問
面接での志向性とは「キャリア志向」「挑戦志向」「安定志向」など、「希望する働き方」を指します。候補者の志向性を見極めるには、以下のような質問をしてみましょう。
(1)当社でどのように活躍したいですか?
(2)5年後、当社でどのように成長していたいですか?
(3)理想の働き方は?
回答と「どんな人材に育ってほしいか」という会社の理念を照らし合わせましょう。
面接での質問例3:カルチャーマッチを見る質問
カルチャーマッチとは、社風や企業理念に応募者が適するかどうかを指します。以下のような質問で、カルチャーマッチを確認しましょう。
(1)あなたの長所と短所を教えてください
(2)前職の退職理由は
(3)どんなときにやりがいを感じますか
(1)候補者の性質が社風に合っているか、(2)前職でのミスマッチが自社で発生しないか、(3)候補者が自社でやりがいを持って働くことができるか、を見極めることができます。
面接での質問例4:ストレス耐性に関する質問
仕事をしていくうえで、ストレス耐性は重要なポイントとなります。以下のような質問をしてみましょう。
(1)これまでで一番辛かった仕事を教えてください。
(2)これまでの仕事で、一番の失敗はなんですか。どのようにリカバリーしましたか。
(1)どのようなときにプレッシャーを感じるか、(2)仕事でプレッシャーがかかった際に冷静に対応できるかを確認し、自社とのミスマッチが発生しないようにしましょう。
面接での質問例5:スキルマッチを見る質問
履歴書や職務経歴書に書かれている以上のスキルマッチを確認するには、以下のような質問が適しています。
(1)○○(英語、エクセルなど)をどのような業務で使用されていましたか。
(2)採用されたら、会社にどのように貢献してくれますか。
(3)○○(マネジメント、採用など)の業務で気を付けていたことはなんですか。
(1)は実務経験、(2)と(3)は業務への理解度を確認できます。
面接での質問例6:仕事の進め方を見る質問
候補者の仕事の進め方はさまざまですが、自社とマッチしているか、以下の質問で確認してみましょう。
(1)慎重派ですか?スピード派ですか。
(2)個人プレーとチームプレー、どちらが得意ですか。
(3)前職ではどんな人物だと評価されましたか。
質問への回答を現在活躍している従業員の特性と比較すると、会社との適性を確認できます。
面接での質問例7:志望度を探る質問
長期的に働いてもらうためにも、以下のような質問で志望度を見極めましょう。
(1)なぜ同業他社ではなく当社を希望するのですか。
(2)当社の魅力を教えてください。
(3)当社に足りないものはなんですか。
(1)(2)は企業理解度を確認する質問です。(3)ではさらに深く、企業のネガティブな面まで理解し改善案を提案することができるかを見ることができます。
面接評価コメントシートの使い方のポイント3つ
採用担当者の評価基準を擦り合わせるには「面接評価コメントシート」が有効です。
面接評価コメントシートには、身だしなみや言葉遣い、志望動機やスキルマッチ度などのチェック項目が記載されています。採用担当者はコメントシートに沿って面接を行い、足りない点はフリーコメントで補足します。
ここからは、コメントシートの活用法を見ていきましょう。
コメントシートのポイント1:客観的な数値評価
コメントシートの主な役割の一つに、面接で得た情報を客観的な数値評価に落とし込むことがあります。採用担当者は、「社会的な常識がある」「適切な身だしなみ」「理論立てて話すことができる」などの確認事項に対し、1~5やA~Eなどの採点を行います。
数値評価を照らし合わせることで、候補者の比較を公平に行うことができます。
コメントシートのポイント2:補足コメントを入れる
候補者の志望度やカルチャーマッチなど、数値に落とし込みにくい質問事項は、補足コメントで補います。また、「理論立てて話すのは苦手なようだが、質問に熟考しており誠実さがあった」など、採用担当者にしか分からない候補者の魅力をコメントで補足することができます。
コメントシートのポイント3:足りない箇所を選考で確認
履歴書や職務経歴書では分からない部分を面接で確認し、コメントシートに記入することもできます。
例えば、履歴書に英語の実務経験ありと書かれていても、使用頻度やシチュエーションはさまざまです。具体的にどのような実務経験があるのかなどを確認し、コメントシートに書き込むことで、採用担当者内で情報共有することができます。
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面接評価基準を作るポイント5つ
ここまでは、面接評価基準の重要性について確認していきました。それでは、どのように評価基準を設定すれば会社と候補者のマッチングに繋がるのでしょうか?ポイントを5つ見ていきましょう。
面接評価基準を作るポイント1:面接評価項目を可視化する
まずは求める人物像について、社内で擦り合わせてみましょう。「自主性」「ストレス耐性」「志望度」などの必要項目が決まったら、候補者がそれらの項目にマッチしているか見極められるよう、面接評価コメントシートに落とし込みます。
1~5などの点数制にすると候補者の比較をしやすいですが、志望動機・自己アピールなどの重要な項目については、フリーコメントが適しています。
面接評価基準を作るポイント2:評価基準をマニュアル化して共有する
せっかく面接評価コメントシートを作成しても、面接官によって使い方が違っては、評価にバラつきが出てしまいます。
同じ候補者のコミュニケーションスキルを、面接官Aさんは2点、面接官Bさんは5点と採点してしまったら、最終的に誰を採用していいのか分からなくなってしまいます。
それぞれの項目について、どんな人物なら何点なのか、という所までしっかりとマニュアルに落とし込み、面接官の認識を擦り合わせましょう。
面接評価基準を作るポイント3:面接評価に関するフィードバックを行う
採用面接が面接官の独断の場とならないよう、人事部などから定期的にフィードバックを行いましょう。
例えば、コメントシートに「自信がなさそうに見えた」という記述のみがあった場合、なぜそのように感じたのか他の採用担当者には分かりません。コメントシートの書き方について再度認識を擦り合わせましょう。
また、フィードバックのなかで面接官の声を吸い上げ、評価基準やコメントシートをブラッシュアップすることもできます。
面接評価基準を作るポイント4:求める人物像を最重要項目に
面接の際はさまざまな面から候補者の適性を見ますが、最終的にどのような人物像を重視するか事前に評価基準として設定しましょう。
慎重派とスピード派、個人プレーとチームプレーなど、相反する特性でもそれぞれに長所となる面があります。
過去の採用の成功事例を考慮し、どのような人物像を重視するかコメントシートに落とし込みましょう。
面接評価基準を作るポイント5:社内グループワークを行う
会社の規模が大きくなると、人事部が策定した評価基準と、現場の欲しい人物像に差ができてしまうこともあります。そのような齟齬が起こらないよう、各部署の面接担当者と人事部で定期的に評価基準を見直す場を設けましょう。
グループワークで会社にとって必要な人物像を擦り合わせ、コメントシートを改善することもできます。
面接の評価基準は具体的に設定しよう
面接の評価基準や質問例、コメントシートについて見てきましたが、いかがでしょうか?面接は、会社の未来を決定する場と言っても過言ではありません。
面接の評価基準を社内で具体的に策定し、会社にマッチした候補者を見極めましょう。