人事評価制度の重要なポイントと評価の手順5つ|人事評価項目3つ

人事制度

人事評価制度

人事評価制度の目的は、会社としての行動理念や活動目標を明確にした上で、社員とのベクトルを共有するツールとして生産性向上や業績向上を目指すことです。

なお、人事評価制度を適切に運用するポイントは、以下のとおりです

ポイント1
人事処遇の公正性と公正性を担保する

ポイント2
人材育成に資する教育訓練の有効性を高める

ポイント3
人事評価システムの合理性や客観性を高めるための透明性(見える化)を図る

人事評価の目的

人事評価制度を導入する目的は、大きく人材の育成・モチベーションアップ・生産性の向上の3つのポイントが上げられます。

人事評価制度のキーポイントは、社員の業績を評価することによって人材育成や能力開発を通した人材育成につなげることです。また評価結果に基づいて昇職級・昇給・人材配置や評価システムの信頼性によって士気高揚につなげる、などの効果を期待して実施します。

人事評価の必要性

日本企業の人事評価制度は、時代や社会構造の変化と共にさまざまな変遷を経ていますが、世界経済のグローバル化が進展する限り、人事評価制度が不要となることはありません。

多くの会社は、企業理念として持続的な成長を通し社会貢献を果たすことを掲げています。その意味から、人事評価制度は企業理念を実現するために必須のマネジメントツールとして、ますます重要性が高まってくると考えられます。

人事評価制度の重要なポイント5つ

企業が導入する人事評価制度は、そもそも自らが求める行動規範や行動基準に基づいたシステム設計を行いますが、以下のような事項が重要なポイントです。

ポイント1:明確性
評価項目と基準および評価方法と評価期間を明示すること。

ポイント2:具体性
評価方法や基準の理由付けや根拠を可視化すること。

ポイント3:プロセス重視
成果や達成度のみならず実行プロセス重視を宣言すること。

人事評価制度の重要なポイント1:評価期間内のみで評価

人事評価制度を採用するにあたって、評価期間を設定することが重要なポイントです。

人事評価制度で対象とするのは、賃金改定(定期昇給)と年2回のボーナスであり、会社の事業年度に合わせて評価期間を設定するのが一般的です。

例えば、定期昇給の評価期間は4月1日~翌年3月31日、冬期ボーナスの評価期間は4月1日~9月30日、夏期ボーナスの評価期間は10月1日~翌年3月31日などです。

人事評価制度の重要なポイント2:職務行動のみを評価

人事評価制度を適切に運用するためには、職務行動に焦点を当てて評価することが重要なポイントです。

人事評価を行う管理者(評価者)は、部下(被評価者)の職務行動を観察する際、定性的な印象や感想に流されると客観的な評価ができないので、具体的かつ定量的な尺度で評価することが求められます。

例えば、残業する部下は「頑張っている」と良い印象を受け、残業なし成果を出す部下は「非協力的」と悪い印象が残ります。

人事評価制度の重要なポイント3:企業にとって必要とされる評価基準

人事評価制度において、社員全員が同じ目標に向かって進むためには、企業の経営理念や行動原理を反映することが重要なポイントです。

つまり、企業が全社員に共通して求める行動様式や行動規範を明らかにすることで、「評価される人物像」をイメージさせる必要があります。

逆説的には、部門や部署ごとに独自・個別的な評価基準が横行すると、人事評価制度の整合性が喪失します。

人事評価制度の重要なポイント4:一律の評価基準

人事評価制度において、全ての被評価者に対し一律の評価基準で評価することがなにより重要なポイントです。

感情的に評価に手心を加えたり、性格によって甘辛の評価傾向が著しいなどの場合は、評価者としての資質や適格性が疑われることになります。

いずれの人事評価制度を採用しても、評価者が過ちを犯すことは避けられません。多少手間が掛かっても、多面式や多層式の評価システムを構築することが重要なポイントです。

人事評価制度の重要なポイント5:先入観や偏見は除外

人事評価制度の運用において、評価者が犯す先入観や偏見などの評価者誤差(エラー)ですが、それを防ぐために繰り返し評価者訓練を行うことが重要なポイントです。

主な評価者エラーには、以下のような種類があります。

1.ハロー効果
学歴や過去の実績などの影響を受ける

2.寛大化(厳格化)
私情や主観が入り込む

3.中心化傾向
部下の感情を意識し、あまり差を付けない

人事評価の評価項目3つ

人事評価制度においては、業務を通して得た結果や程度、業務に応用した知識や技術、業務に対する意欲や姿勢などの3つの評価項目を測定するのが一般的です。

なお、人事評価を行う際に注意すべきポイントは、あくまでも「顕在化された事実と到達した程度」を評価基準に対比して客観的に評価することが重要です。

人事評価の評価項目1:成果評価

評価項目の1つ目は、あらかじめ設定していた目標に対してどの程度達成したかを測定する「成果評価(業績評価)」です。

例えば、事務部門や研究部門のように達成度の評価が難しい部門においては、あらかじめ定性的な表現ではなく数値化した表現に変換しておくことが大事なポイントです。

人事評価の評価項目2:能力評価

評価項目の2つ目は、職務を遂行するために必要とされる技術や知識などをいかに効果的に活用したかを測定する「能力評価」です。

例えば、TOEICスコアで700点クリアしたとしても、現在与えられている職務に必要とされない能力であればもちろん評価に結びつきません。

人事評価の評価項目3:態度評価

評価項目の3つめは、仕事を遂行する際の周囲に与える姿勢や勤務態度の影響力を測定する「態度評価(情意評価)」です。

例えば、いくら業績や能力評価が良くても、正当な理由がなく遅刻・早退が多いとか、ましてや上司や同僚との協調性が欠けるのも大きな減点対象になります。

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人事評価の手順5つ

どんな仕事においても「PDCAサイクル」を回すことが重要であるように、人事評価においても定められた業務フローに従って行うことが重要なポイントです。

つまり、人事評価の結果を出しておしまいなのではなく、あくまで一連の業務フローの通過点であることを認識しておく必要があります。

人事評価の手順1:評価基準の決定

人事評価の第1ステップは評価基準を設定することですが、期待される「業績」や必要とされる「能力」の妥当性を担保することが不可欠です。

一般社員・主任・係長などの職責に応じた評価基準を設定しなければ、実効性が上がらないばかりか不満感や不信感が残ります。

人事評価の手順2:目標の設定

人事評価の目標設定は、部下との話し合いで決めることが重要です。上司の一方的な都合で押し付けると部下の不満や不信感が残るだけで、期待した成果に繫がることはありません。

ただ、仕事がよくできる係長に課長レベルの目標を設定したり、成績不振の部下に低い目標を設定するのは大きな誤りです。

人事評価の手順3:進捗の確認

人事評価において、部下の仕事の進捗度を定期的に把握し必要に応じて適宜適切に助言したりサポートすることは、上司としての最も大切な役割です。

仕事の進捗度やトラブルを部下に報告させるばかりではなく、上司が進んで問いかけたりあるいは定期的なグループミーティングするなどして進捗確認することが重要です。

人事評価の手順4:評価

人事評価において、達成度評価はあくまで「事実に基づくこと」が重要であり、仕事に向き合う部下の意欲や態度などの印象で判断することは厳禁です。

なお、態度(情意)評価において意欲や態度に問題があればその旨を部下に伝え、率直に事情や理由を聞き出すことも上司としての大事な任務です。

人事評価の手順5:フィードバック

人事評価において、評価結果が出たらできるだけタイムリーに部下にフードバックすることが重要です。

その際は、上司として評価できたポイントや評価できなかったポイントについて、明確に伝えることが大事です。

なお、良かった点はさらに伸ばすように、悪かった点は改善するようはっきり伝え、今後の仕事に反映するように促してください。

人事評価制度の重要なポイントについての理解を深めよう!

人事評価の評価者は、常に部下の育成や能力開発の観点から公平公正な評価を行えるように、弛むことなく自己研鑽に励むことが大事なことです。

人事評価制度が効果的に機能するためには、上司(評価者)と部下(被評価者)の相互信頼関係がなければ成り立ちません。

チームとしての業績を伸ばすためには、メンバー相互の補完効果と相乗効果を引き出す優れたリーダーシップ力に掛かっています。

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