有給休暇の買取金額とは?|計算方法3つと請求する方法を紹介!

人事制度

有給休暇のしくみ

有給休暇とは給与支払いの対象となる休暇を指し、一年ごとに取得可能な日数が付与されるので「年次有給休暇」とも呼ばれます。しかし、有給休暇を満足に取得できているケースは現在の日本の会社では少ないのが実態です。

そして、取得できないまま溜まった有給休暇に対して賃金による買取を実施している会社も存在しています。

取得できない有給休暇の買取に関して金額や実際の買取請求の方法などに関して詳しく解説します。

有給の買取金額とは?

有給休暇の買取は原則として法律では禁止されています。

しかし、日本での労働者の有給休暇取得率は2016年に厚生労働省発行の「就労条件総合調査」では、平均付与日数18.2日に対して取得日数は9日となり、取得率は49.8%にとどまっています。

このような実態から、実際には買取が実施されている企業も少なくありません。有給休暇の買取に関しての金額や手続方法などに関して詳しく解説します。

有給の買取は基本的にはNG

有給休暇とは、休養のために非労働日を設けることが目的です。安易な有給休暇の買取は本来の趣旨から逸脱することなり、NG行為となっています。

しかし以下の要件では買取も容認されています。

1.法律で定められた基準日数を超えた分は買取が可能
2.2年間の有効期限を超えた分は買取が可能
3.退職する際に消化されていない分は買取が可能

それでは、有給休暇の買取金額は具体的にどのように計算されるのでしょうか。

有給買取金額の計算方法

有給休暇を買取る際には主に、「平均賃金を適用する」、「一定の価格で買い取る」、「失業手当の日額を適用する」といった3種類の方法で金額が算出されます。

それぞれの金額の算出方法は以下のとおりです。

有給買取金額の計算方法1:平均賃金

労働基準法第十二条に定められた平均賃金の算出方法に基づいて買取金額を決定します。

計算は、「直近3ヶ月の給与総額を休日も含めた勤務日数で割った金額」と、「同様の給与総額を直近3ヶ月の休日を除く日数で割った額の6割の金額」の高いほうを金額として採用するという方法がなされます。

有給買取金額の計算方法2:固定給のように一定価格

給与額に比例させずに、例えば、「一律5,000円」といった形で金額を決定します。一定の金額で買取りを行います。この場合は、就業規則に買取金額を明記するなどの方法で労働者と雇用者の間で合意が得られていることが前提となります。

有給買取金額の計算方法3:失業手当の日額

算出方法は、直近6ヶ月の給与総額から平均金額を算出し、その金額に「給付率」を係数として考慮して計算されます。給付率とは、退職時の年齢や退職事由などによって規定されています。また、この計算の際の金額には残業代は含まれますが賞与は含まれません。

税金の計算方法

在職中の超過分や期限切れの買取は通常の給与所得と見なされて、買取金額は所得税の源泉徴収対象となります。また、退職時の買取金額は退職金と同様の「退職所得」として扱われます。

退職所得の場合は、1年あたり40万円までの非課税枠が存在していますので、買取金額に対して税金の負担が発生しないケースも考えられます。

有給の買取を請求する方法

有給休暇は付与されていいても、自由に取得できない状況が現在の日本では一般的です。

それでは、取得できていない有給休暇に関して労働者側から雇用者側に買取を請求することは可能でしょうか。

会社は買取の義務がない

雇用者である会社側には、原則として有給休暇の買取義務はありません。有給休暇は労働者に休養を与えることが基本理念であるために安易な買取は法令違反となります。

逆に、有給休暇の取得を阻害した場合には、「6箇月以下の懲役または30万円以下の罰金」という刑事罰が規定されています。

例外として認められる場合

有給休暇は付与されてから2年間が有効期限です。せっかく付与された有給休暇も満足に取得できないまま失効してしまうのが実態ではないでしょうか。

労働者であれば、そのまま消えてしまうくらいなら賃金に振り替えられないかと考えてしまいます。原則として禁止されている有給休暇の買取にはいくつかの例外も存在しています。

例外として認められる場合1:法定有給休暇を超えた分

有給休暇は、週30時間以上の労働をしている者が6ヶ月以上継続勤務した場合に10日間以上の日数が付与されます。また、週30時間以下のパート労働者などでも6ヶ月以上継続勤務した場合は、最低1日以上の有給休暇が付与されます。

この、基準となる有給休暇の付与日数を超過している分に関しては、一定の金額での買取が認められます。

例外として認められる場合2:時効消滅した

有給休暇には2年間という有効期間が労働基準法で定められています。付与されてから2年間行使されていない有給休暇は時効消滅となりますので、消滅した分の買取は認められています。

例外として認められる場合3:退職時に未消化

退職をする際に、未消化の有給休暇が存在している場合は雇用者側に買取を請求することが可能です。その場合には、就業規則などで規定された基準によって金額が算出されます。

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有給が取れない場合の対処法4つ

有給休暇の買取に関しては会社側に義務はありません。しかし、有給休暇の取得に関しては付与する義務があります。

付与された日数に対して取得率は50%弱であるといわれています。取得率が低いのは日本人特有の仕事を優先する思いや、人手不足などにより休暇を取得することによる周囲への業務負担への後ろめたさなどが起因しています。

有給休暇が思い通りに取得できない場合の対処法をいくつかご紹介します。

有給が取れない場合の対処法1:上司に相談する

直属の上司に有給休暇の取得に関してストレートに相談することも方法の一つです。家庭の事情など有給休暇の取得理由を明確にした上で申請してみてはいかがでしょうか。

しかし、その際には所属する部署の業務状況や有休を取得することによる周囲への影響ななども考慮する必要があります。

また、そもそも相談相手の上司が有給休暇を取得していない場合が多く、共感を得る場合はありますが、解決に向かうとは限りません。

有給が取れない場合の対処法2:労働基準監督署に連絡する

労働基準監督署とは、労働関係の法令を管理監督する機関です。有給休暇取得を阻害された場合には申告し、会社側に是正を促すことは可能です。申告を受けた労働基準監督署は審査した上で是正勧告を行い、場合によっては法令に基づいて処罰をします。

しかし実際には申告は会社側と明確な対立構造を作り上げることになり、会社との関係悪化を望まないのであれば労働基準監督署への申告は慎重に検討した上で行うことをお勧めします。

有給が取れない場合の対処法3:労働組合に相談する

労働組合とは、労働条件の維持向上や改善を目的として労働者で組織された団体です。一定規模以上の企業には労働組合が多くの場合は存在しています。

また、中小企業の場合でもその企業が属している協会や団体ごとに労働組合は結成されているので、この労働組合に改善を相談することも方法の一つです。

有給が取れない場合の対処法4:会社を訴える

有給休暇の取得は労働者の権利です。取得を拒否されたという具体的な事実や、取得を妨害するような行為が会社側に会ったことを証明できる場合には民事事件として損害賠償を法廷に告訴することも可能です。

しかし、この場合は会社側とは完全な対立関係となりますので、さまざまな方法や相談を行った上でも改善されない場合の最終手段として考えるべき方法です。

会社の規定をよく調べてから有給の買取請求をしよう

有給休暇の買取義務は雇用者側にはありません。しかしモチベーションの向上や、労使の良好な関係の維持などを目的に救済措置として買取を行っている企業も少なくはありません。

有給休暇の買取を請求する際には、一方的な権利主張と解釈されないようにまずは社内規定を確認し、会社との良好な関係を崩さないように配慮することも重要です。

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