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2019年08月07日

人件費内訳の勘定科目は?人件費の運用に困ったときの5つの対処法

企業の経営において、必要不可欠な人件費の運用。一言で人件費といってもその内訳は幅広く、奥が深いです。人件費の内訳を理解し、正しくコントロールすることで企業の生産性を向上させることができます。そこで人件費の内訳についてしっかり学びましょう。

人件費内訳の勘定科目は?人件費の運用に困ったときの5つの対処法

人件費とは

人件費とは、企業の経費の中で支払われる「人」に関わる費用全般のことをいいます。

人件費と言っても、その内訳は従業員の労働に対して支払われる給与や社会保険料などの法定福利費、出勤に必要な交通費などの各種手当などその範囲は幅広く、人件費についてしっかり理解しておかなければ経営判断に誤りが生じることがあります。

そうならないためにも人件費の内訳を把握し、人件費の運用に困らないように対処しておきましょう。

労務費との違い

労務費とは、商品の生産にかかる総原価のうち、製造原価における労働力の消費によって発生する原価のことを指します。

人件費は目的によって複数の項目にわけられ、労務費は人件費の中の一部と考えるのが適切です。

商品の生産で労働力を消費する人の人件費を「労務費」、商品の販売に使用される人件費を「販売費」、総務などに従事する人の人件費を「一般管理費」といい、人件費はそれぞれ使用される目的によって項目が違います。

人件費に困っている企業は多い?

昨今、人手不足により人件費が高騰し、利益を圧迫されている企業は珍しくありません。辞められないように給与をアップしたり、生産性を向上するために新たに人を採用したりなど、これらの対処を繰り返していると、人件費はみるみる膨れ上がっていきます。

しかし、労働分配率を考えずに人件費を上げていくと、利益のほとんどが人件費に取られ、経営困難に陥る恐れがあります。

人件費の運用は、経営において特に重要といえます。

人件費内訳の勘定科目5つ

企業の生産性や収益性を向上するための損益計算書では、人件費は具体的な内訳で記載します。

また、人件費は生産性の指標となる労働分配率や、収益性の指標となる売上高人件費率を計算するうえで必要になります。経営者は人件費内訳の勘定科目を把握しておく必要があります。

ここでは、人件費内訳の勘定科目のうち、代表的な内訳を紹介します。

人件費内訳の勘定科目1:給与手当

人件費内訳の勘定科目「給与手当」とは、従業員の労働の対価として支払われる給与および諸手当のことを指します。

内訳としては「基本給」、残業をした際に発生する「残業手当」「時間外手当」、扶養家族に応じて支払われる「扶養家族手当」、歩合によって支払われる「歩合給」、賞与や社宅などの現物給付も含まれます。

パートやアルバイトの給与は「雑給」として処理する場合もありますが、給与手当に含めても問題ありません。

人件費内訳の勘定科目2:役員報酬

人件費内訳の勘定科目「役員報酬」とは、役員に対して支払われる報酬のことを指します。報酬額は定款による規定や株主総会による承認が必要です。

役員報酬は従業員に支払われる給与手当とは別に区別します。なぜなら、「損金」という収益から差し引くことのできる費用になるかどうかで、支払う税金が異なるからです。

役員は残業手当や諸手当などは支給されません。また、役員に対する賞与は「役員賞与」という内訳になります。

人件費内訳の勘定科目3:法定福利費・福利厚生費

人件費内訳の勘定科目「法定福利費・福利厚生費」とは、福利厚生を目的として全員に支払われる費用の総称を福利厚生費といい、法定福利費はその一部です。

法定福利費は、法律に基づいて企業が負担する福利厚生費を指し、内訳は健康保険や厚生年金保険といった社会保険と労災保険や雇用保険といった労働保険になります。

社員の慰労、冠婚葬祭、出産祝い金、社員旅行費などの福利厚生に用いる費用は福利厚生費です。

人件費内訳の勘定科目4:退職金

人件費内訳の勘定科目「退職金」とは、従業員や役員が退職する際に「過去の労働に対する対価」と「過去の労働に対する功労金」として支払われる金額のことです。

退職金の内訳は、退職時に一括で支払う「退職一時金」と年金として支払う「退職年金」で、損金として処理できますが、従業員と役員では算入する時期が異なります。

また、従業員は退職金の規程に準拠しますが、役員は株主総会の決議によって別途定める必要があります。

人件費内訳の勘定科目5:交通費

人件費内訳の勘定科目「交通費」とは、仕事または業務を遂行する上で発生する交通に関する費用のことを指します。

注意すべきなのは「通勤手当」との違いです。通勤手当は「通勤に対する費用」で、自宅から会社までの電車賃やガソリン代を指します。そして、この費用は給与に含まれるため課税対象となります。

交通費の内訳は、出張などの新幹線代なども含まれるため「旅費交通費」「出張旅費」として扱われ、給与には含まれません。

人件費の運用に困ったときの対処法5つ

人件費の運用に困ったときの対処法1:管理部門の配置転換

企業は大きく分けると、利益に直結する商品開発や製造、営業などの「直接部門」と、給与計算など利益に直結しないが重要な役割を持つ「間接部門」に分けられます。管理部門は間接部門に含まれます。

この間接部門の業務をいかに効率化させ、適材適所に配置転換することが人件費削減のカギとなります。たとえば、給与計算にITを導入すれば作業が効率化され、これらに割く人数を減らすことができ、人件費の削減に繋がります。

人件費の運用に困ったときの対処法2:社員補充の抑制

適材適所に人員を配置することは、人件費の運用において大変重要なことです。そして、そのためには経営者や管理者が業務に必要な人員をしっかり把握することが大切です。

人手が足りていないからといって、新たに社員の補充を続けることは極めて危険です。業務内容に合った人員を配置できているかを見直し、人手が足りていない部門には過剰配置している人員を配置転換すれば、新たに人を雇わずに済みます。

人件費の運用に困ったときの対処法3:生産性の向上

生産性を図るために重要な指標として「一人当たりの付加価値」があります。付加価値は企業が経営活動から生み出した経済的な価値で、売上高から売上原価に含まれる外部からの経費を差し引くことで計算します。

一人当たりの付加価値、すなわち一人当たりの稼ぐ力が高くなるということは、生産性が向上するということになります。生産性が向上すれば企業の利益も発生するので、人件費に割く割合もある程度見込めるようになります。

人件費の運用に困ったときの対処法4:決算賞与制度の導入

決算賞与制度とは、企業の業績に連動して決算の前後に賞与を支払う制度のことです。

決算賞与の費用は税務上の損金に算入できるため、費用の増加によって利益額が減ったことになり、結果として法人税を減らすことができます。納税額が減ることで、その分人件費の運用に回すことが可能になります。

また、決算賞与は業績とダイレクトに繋がりがあるため、従業員のモチベーションアップにもなり、企業にとっては一石二鳥です。

人件費の運用に困ったときの対処法5:昇給率の低減

人件費運用の対処法に昇給率の低減がありますが、これは極めて判断が難しい方法といえます。

なぜなら、従業員の生活に関わる方法は従業員のモチベーションを下げかねないからです。モチベーションが下がると、製品の質が落ちる可能性が高くなります。

最も避けたいのが仕事のできる社員から辞めてしまい、新たに人を雇う必要が出ることです。結果的に人件費削減よりも大きな損失になる可能性もありますので、注意が必要です。

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人件費の計算方法

人件費を計算するには、賃金に対して企業が負担する法定福利費を計算します。法定福利費の内訳は「健康保険料」「介護保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」「労災保険料」「児童手当拠出金」の6項目になります。

法定福利費と給与を足した額が一人当たりの人件費になります。給与は、「基本給」「扶養手当」「通勤手当」「残業手当」などの総額です。

なお、ざっくりと人件費を計算するには、給料×1.16で計算します。

人件費率の計算方法

人件費率とは、売上高のうちどれくらいの金額を人件費が占めているかという割合の指標です。この指標を出すことによって、企業の経営に対して人件費がかけている負担の程度を知ることができます。

売上に対してかかっている人件費率が高い場合は、無駄な外注の使用や人材配置が適切でない、または給与額が労働に対して見合っていないということになります。

逆に人件費率が低い場合は、従業員への還元が十分でない可能性があります。

人件費率の目安

飲食業30~40%
宿泊業約30%
サービス業40~60%
建設業15~30%
製造業10~50%
卸売業5~20%
小売業10~30%
上記の表にあるとおり、人件費率の目安は業種や取り扱っている商品によって変わります。同じサービス業であっても、接客をメインとしないサービス業であれば5%まで下がります。

経営方法やサービスを工夫することで人件費率を低くすることや、原価率を下げて人件費率を上げ他と差別化するなど、人件費率は経営者のやり方によって大きく変化します。

ただし、大企業と中小企業では人件費や原価率が異なりますので注意が必要です。

企業の生産性を考慮しながら人件費を決めよう

企業の経営にかかる費用のうち、人件費の占める割合は非常に大きいです。そのため経営者は人件費の内訳について深い知識を持っている必要があります。

運用を誤ると、生産性の低下や社員離れ、品質の低下に繋がる恐れがあります。

人件費は金銭に換金できない労働という対価に対して支払う費用です。内訳を知り、対価に見合った人件費を計算してうまく運用することで、企業の生産性を向上することができます。

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