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2019年08月01日

自己申告制度導入のメリット・デメリット3つ|制度の導入企業事例5選

従業員の率直な意見や希望を収集することができる、自己申告制度があります。能力開発や適正配置などで活用されていますが、一方で問題を抱えるケースも少なくありません。本記事では自己申告制度の役割や目的、導入するメリット・デメリット、導入企業の実例をご紹介します。

自己申告制度導入のメリット・デメリット3つ|制度の導入企業事例5選

自己申告制度とは

自己申告制度とは、従業員自身に現在の職務の目標、進捗状況、成果や問題点などを自己評価させて申告させる制度のことです。

また特技や専門知識を自己アピールさせて、今後の希望職種などを申告させることで、適正の見極めをして配置転換するための資料にもなります。提出は文書形式が多いですが、近年ではWEBアンケートなどを活用するケースも増えてきました。

自己申告制度の導入の目的3つ

自己申告制度を導入すると、人事管理における重要な情報を収集することができます。業務を遂行する中で、普段従業員が感じている不満や目標とする考え、仕事の状況などを従業員自身の主観的かつ客観的な意見を知ることができます。

自己申告制度において特に重要なものが「従業員の意向」、「事実調査」、「能力開発」を目的とした情報の収集です。

自己申告制度の導入の目的1:従業員の意向

自己申告制度は、従業員の意向調査をするための手段としてはとても効果的です。人事制度は複雑化しているため、従業員のキャリア志向や職種コースの選択、転勤の有無、昇給昇格に係る希望など本人の意向を常に汲み上げておかなければなりません。

従業員自身が思い描くキャリア志向を把握していないと、適材適所に人員を配置することができません。自己申告制度は人事管理において最適な情報収集手段となるでしょう。

自己申告制度の導入の目的2:事実調査

以前の日本企業では、年功序列による定期昇給制度で評価を行うことが多くありましたが、近年では年齢に関係なく、各従業員の仕事を評価する成果主義制度を導入する企業が増えています。

そのため従業員への公正で公平な評価が欠かせません。上司は部下の能力を冷静に判断することが求められますが、それだけでは直属上司の評価が適正かどうかわかりません。従業員が自分自身を評価することで、客観的に判断する材料になります。

自己申告制度の導入の目的3:能力開発

企業はジョブローテーションで従業員の能力を最大限に活かせる配置転換を行い、戦力となり得る業務能力を身につけさせる人事戦略をとることがあります。

自己申告制度によって、従業員がどのような能力を身につけているかを情報収集することは、適材適所に人材を配置するために役立ちます。

企業は従業員の能力開発の現状を知ることができ、従業員自身も目標と現状を可視化することで、さらなる能力開発を目指すことができます。

自己申告制度導入のメリット3つ

自己申告制度によってもたらされるメリットは、「情報収集ができること」「人事異動などの判断材料になること」「公平な評価を行えること」です。人事評価だけにとどまらず、さまざまな効果が期待できます。

自己申告制度導入のメリット1:情報収集

自己申告制度は仕事の進捗状況だけでなく、従業員の率直な意見や職場環境についての主観的な情報を得ることもできます。また、部下の評価を判断する管理職に対して、客観的な評価データを取得できることで多面的な評価を行うことが可能になります。

自己申告制度は主観的、客観的の両方の性質を持つ情報を集めることができます。企業としての経営戦略や、組織改革などの人事管理以外の分野でも幅広く活用できる情報を収集できます。

自己申告制度導入のメリット2:人事異動などの判断材料

自己申告制度は、従業員の現在持っているスキルや資格などの能力の把握と、将来への目標や希望を集めることができます。これらの情報は、定期的な人事異動によってさらにスキルアップをさせたい企業側からは、最も重要な情報になります。

またジョブチャレンジ制度を取り入れている企業の場合、従業員が自分の意志で難しい業務に取り組みたいという希望の後押しができます。

自己申告制度導入のメリット3:公平な評価

自己申告制度は、企業側と従業員側の認識の差を測るための効果的なツールにもなります。職場環境や企業風土の良し悪しなど、企業と従業員の間で認識のずれができやすい部分を可視化することができます。

数字などで成果の見えやすい仕事以外では、企業側に従業員の努力が伝わっていない場合もあります。自己申告制度によって、全ての従業員が公平に自己評価を行うことが可能です。

自己申告制度導入のデメリット3つ

ここまで自己申告制度のあらゆる効果を見てきましたが、逆に自己申告制度を導入することによってデメリットは生じるのでしょうか。

従業員の本音を吸い上げて各自が自己評価をしても、明確な目的や制度が作られていないと効果があらわれない場合もあります。ここからは想定されるデメリットを3つご紹介します。

自己申告制度導入のデメリット1:自己満足

自己申告制度によって情報収集できても、それをどのように活用するのかが決まっていないと、せっかくの貴重な情報が全く生かされず、企業側の自己満足で終わってしまう場合があります。

明確な目的を設定した上で、企業と従業員の双方がその認識を共有し、自己申告制度による情報収集を行う必要があります。

自己申告制度導入のデメリット2:不満につながる

自己申告制度によって、従業員が自分のキャリア志向や配属希望を申告しても、それが必ず実行されるわけではありません。人事管理の中でその希望が参考にされることはあっても、全員の希望を叶えることは実質的に不可能なことです。

自己申告制度で希望を出しても叶わないことが続くと、自己申告制度自体が無駄なことだと感じる従業員が生まれてしまいます。

自己申告制度導入のデメリット3:自己申告の範囲

自己申告制度を実施する目的や期待する効果を踏まえて、申告書でどのような項目を申告させるかという点で、各企業は工夫を凝らしています。

家族の状況の変更や、本人の健康状態などの直接業務と関わりのないプライベートな部分も、自己申告制度のうちに含まれます。しかし従業員のプライバシーに関わる情報の取り扱いが問題になることもあり、自己申告制度と企業への各種届け出の線引きが重要になります。

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自己申告制度の導入企業事例5選

それでは、自己申告制度は実際にどのように運用されているのでしょうか。自己申告制度を導入している企業は多く、それぞれの企業の特色があらわれています。自己申告制度で効果を上げている企業の事例をご紹介いたします。

自己申告制度の導入企業事例1:イオン

イオン株式会社(純粋持株会社)の主要事業を管轄するのが、イオンリテール株式会社です。イオンリテール株式会社では、人事教育制度として資格登用制度や社内公募制度、イオンビジネススクールなどの幅広い人材育成施策を実施しています。

また年1回の自己申告で、現在所属している職務の満足度や職場状況、今後の進路希望、家族の状況などの情報を収集して人事評価に役立てています。

自己申告制度の導入企業事例2:キャノン

キヤノン株式会社では、自己申告制度での部署や職種の変更を行える制度が導入されています。教育研修に特に力を入れており、研究開発分野での留学制度など海外トレーニー制度の活用も活発です。

入社時の研修は数ヶ月間行い、その後分野別のトレーニーとして専門研修に行く人も多く、高度な研修を受けて特定領域の専門家に育ってから配属される人もいます。配属後も必須の研修に加え、選抜型の研修や自己申告型の研修もあります。

自己申告制度の導入企業事例3:資生堂

株式会社資生堂は、資生堂グローバル人事ポリシーという指針を定めており、その中には人事施策の方針として評価処遇などについてのルールとガイドラインを定めています。

1年に1回以上従業員と評価面談を実施し、成果や業績だけでなくプロセスも重視した育成型の能力評価を行っています。また評価や昇格などの基準を従業員へ開示するとともに、評価結果を従業員にフィードバックしています。

自己申告制度の導入企業事例4:アサヒビール

アサヒビール株式会社は、自己申告制度において自分の強みと弱みを振り返り、短期から中長期に渡るキャリア形成に関して、上司と部下が認識合わせを行っています。年1回の評価面談を義務付けています。

人事評価については、対話重視のきめ細かい運用が行われており、コミュニケーションを重視した社内風土で自由に意見を出し合える環境が作られています。

自己申告制度の導入企業事例5:トヨタ

トヨタ自動車株式会社は、創業以来の「モノづくりは人づくり」という考え方を、トヨタの教育・人材育成の理念として今日に至るまで継承しています。

従業員へのキャリアパスの提示と自己申告制度による本人意思や意欲の確認を行い、業務経験を通じた育成目的のローテーションを実施します。特に優秀で意欲の高い従業員については、将来のリーダー候補として中長期的な視点で計画的に人材育成しています。

自己申告制度について正しく理解しよう

自己申告制度は企業の成長に重要な役割を果たします。自己申告制度で効果的に情報を収集するためには、情報の用途を明らかにし、どんな目的で使用するかを対象者に周知するのが大切です。

形だけの制度にならないように、運用する企業側が自己申告制度を活用できる人事制度を構築し、従業員のモチベーションを上げられるようにしましょう。

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