福利厚生について知りたい人必見!17の種類や目的を詳しく解説!

人事制度

福利厚生の意味

福利厚生とは、企業が従業員に毎月支払う給与以外に提供する報酬の総称です。

福利厚生には、法律で定められたものと企業独自で導入しているものがあり、それぞれの中にも多くの種類があります。

また、法定外福利厚生の種類や最近のトレンドについても詳しくご紹介します。法定外福利厚生制度を充実させることは、従業員のモチベーションを上げることにも繋がります。

福利厚生の種類や目的についてしっかりと把握し、ぜひ取り入れましょう。

福利厚生の目的

企業が福利厚生を取り入れる目的は、従業員の生活の向上と職場環境の充実のためといえます。

福利厚生は従業員が心身ともに健康に働くためにも、必要不可欠な存在です。福利厚生がいかに充実しているかは、従業員にとって会社を選ぶ際に重視すべき点の一つです。

福利厚生に力を入れるべき理由

企業が福利厚生に力を入れるべき理由とは、福利厚生の充実が優秀な人材の確保や従業員の定着、成長に大きくつながるためです。

転職が当たり前になった昨今、優秀な人材の確保と従業員離職率を下げることは企業にとって重要な課題です。給与の金額の差よりも福利厚生の充実の差の方が、従業員にとって大きな場合もあります。

社員満足度を向上させるためにも、福利厚生は欠かせない存在といえます。

法定福利厚生・法定外福利厚生の違い

福利厚生は、大きく法定福利厚生と法定外福利厚生の二つに分けられます。

法定福利厚生とは、法律で定められており、企業が自社の従業員に対し必ず提供しなければなりません。

一方で、法定外福利厚生は、法律で定められておらず、企業が独自で採用します。そのため、各企業で取り入れる福利厚生には差があり、取り入れている種類もさまざまです。

法定福利厚生の種類6個

法定福利厚生の種類6個を詳しく解説します。

法定福利厚生は、企業が従業員や家族に対して提供する義務がある福利厚生です。また、従業員も企業から法定福利厚生を受ける権利があります。

法定福利厚生は、法律で定められた社会保険制度が主です。法定福利厚生の種類とその内容についてご紹介します。

  • 健康保険
  • 介護保険
  • 厚生年金保険
  • 雇用保険
  • 労災保険
  • こども・子育て拠出金

法定福利厚生の種類1:健康保険

法定福利厚生の種類の1つ目は、社会保険の一つである健康保険です。

健康保険とは従業員やその家族が怪我や病気、入院をした際に、必要に応じて医療費の一部が支給される制度です。怪我や病気だけでなく、出産時の費用なども一部支給されます。

健康保険は、企業に入社した時点で必ず加入します。社会保険の中でも、健康保険料は企業と従業員で折半して支払います。

法定福利厚生の種類2:介護保険

法定福利厚生の種類の2つ目は、40歳以上の従業員が加入する義務がある介護保険です。

介護保険とは、老化や疾病が原因で介護サービスが必要になった際に、費用の一部が介護保険給付金として支給される制度です。介護保険は、全従業員が加入する健康保険や雇用保険とは違い、40歳以上の従業員が加入する義務のある社会保険です。

また、介護保険の保険料は、企業と従業員が折半して支払います。

法定福利厚生の種類3:厚生年金保険

法定福利厚生の種類の3つ目は、社会保険の一つである厚生年金保険です。

厚生年金保険とは、65歳以降になると、国民年金に上乗せされて年金が支給される制度です。

国民年金は日本に住む全員に支払い義務がありますが、厚生年金は働く人のみ加入する義務があります。また、厚生年金の保険料は企業と従業員が折半して支払います。

法定福利厚生の種類4:雇用保険

法定福利厚生の種類の4つ目は、一般的に失業保険と呼ばれる雇用保険です。

雇用保険とは、失業時に失業給付金の給付を受けることができる制度で、失業保険とも呼ばれます。また、失業時だけでなく、就職促進給付や教育訓練給付などのさまざまな制度があります。

雇用保険料は従業員と企業の両者が支払いますが、他の社会保険料とは違い、企業側が多く支払います。

法定福利厚生の種類5:労災保険

法定福利厚生の種類の5つ目は、労災保険(労働者災害補償保険)です。

労災保険とは、従業員が業務中や通勤中に怪我をした際に支給される制度です。業務中や通勤中の怪我や病気だけでなく、怪我が原因での後遺症が残った場合や万が一の場合にも給付金が支給されます。

労災保険は、健康保険や介護保険とは違い、保険料を企業が全額負担します。

法定福利厚生の種類6:こども・子育て拠出金

法定福利厚生の種類の6つ目は、児童手当の財源の一部となるこども・子育て拠出金です。

こども・子育て拠出金は、国や地方公共団体から子育て世帯に支給される児童手当の財源となります。従業員に子供がいるか否かは関係なく、給料の0.15%を児童手当の財源として収める必要があります。

また、こども・子育て拠出金は従業員は負担せず、企業が全額負担します。

法定外福利厚生の種類11個

企業が独自で採用している法定外福利厚生には、さまざまな種類があります。

法律で義務づけられている法定福利厚生とは違い、法定外福利厚生は企業がそれぞれ独自に採用することができます。法定外福利厚生の充実度は従業員のモチベーションにも繋がります。

法定外福利厚生の主な種類、11種類をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

  • 住宅・家賃手当
  • 交通費
  • 医療・健康
  • 慶弔・災害
  • 育児・介護
  • 自己啓発
  • 業務・職場環境
  • 特別休暇
  • 文化・体育・レクリエーション
  • 財産形成
  • 食事

法定外福利厚生の種類1:住宅・家賃手当

法定外福利厚生の主な種類1つ目は、家賃の一部や全額が補助される住宅・家賃手当です。

住宅・家賃手当を採用している企業の場合、企業に勤務する従業員やその家族の住居のために、家賃の一部や全額が補助されます。また、企業によっては家賃だけでなく、持ち家の場合の住宅ローンの一部を負担してくれる場合もあります。

他にも、企業によっては従業員が住むことができる社宅や寮を完備している場合もあります。

家計にとって家賃や住宅ローンが占める割合は多く、住宅・家賃手当があるかないかは、とても重要なポイントになります。

法定外福利厚生の種類2:交通費

法定外福利厚生の種類の2つ目は、通勤時にかかる費用を負担してくれる交通費支給制度です。

法定外福利厚生の1つである交通費支給制度を導入している企業は、とても多い傾向にあります。通勤時に使う公共交通機関の代金や定期券代の一部や全額を負担してくれます。

また、バイクや自家用車で通勤する場合、企業によっては交通費としてガソリン代が支給される場合もあります。

法定外福利厚生の種類3:医療・健康

法定外福利厚生の種類の3つ目は、社会保険で保証されている以外の医療・健康にかかる費用の補助です。

法定外福利厚生の医療・健康にかかる補助は、保険診療以外の医療費や人間ドック代、健康診断代などの一部、または全額支給してくれる制度です。また、近年ではストレスチェックに関する補助も多くなっています。

法定外福利厚生の種類4:慶弔・災害

法定外福利厚生の種類の4つ目は、慶弔・災害に関する制度です。

慶弔に関する制度を採用している企業はとても多く、結婚祝い金や、出産祝い金などが支給される場合が多いです。また、企業に勤める従業員や親族に、不幸があった場合に見舞金が支給されたり、弔電が届いたりします。

企業によっては、災害時にも見舞金が支給される場合があります。

法定外福利厚生の種類5:育児・介護

法定外福利厚生の種類の5つ目は、育児や介護に関する制度です。

従業員に子供がいる場合、一定額の補助金が支給される場合があります。また、配偶者手当が支給される企業もあります。企業によっては補助金だけでなく、企業内に保育施設があったり、法律で定められた以外の産休や育休の制度がある場合もあります。

従業員の家族を介護する必要がある場合に、補助金が支給されたり介護休暇を取得できる制度を導入している企業もあります。

法定外福利厚生の種類6:自己啓発

法定外福利厚生の種類の6つ目は、従業員の自己啓発に関わる制度です。

企業によっては、従業員が自己啓発のために受講するセミナーや通信講座、資格試験の受講料などを企業が負担してくれる制度があります。負担する範囲や金額などは、企業によってさまざまなので、確認が必要です。

法定外福利厚生の種類7:業務・職場環境

法定外福利厚生の種類の7つ目は、業務・職場環境に関わる制度です。

業務や職場環境に関わる法定外福利厚生制度を導入している企業も多くなっています。例としては、業務に使用する携帯電話やスマートフォンの支給やユニフォームや制服の支給などが多いです。また、クリーニング代が支給される企業もあります。

グローバル化が進む近年では、英会話のレッスン費用などを負担してくれる企業もあります。

法定外福利厚生の種類8:特別休暇

法定外福利厚生の種類の8つ目は、特別休暇の採用です。

企業によっては、独自で定めている休暇を従業員が取得することができる制度を導入しています。慶弔時の休暇だけでなく、近年では記念日や誕生日などにアニバーサリー休暇を取得することができる企業も増えています。

法定外福利厚生の種類9:文化・体育・レクリエーション

法定外福利厚生の種類の9つ目は、文化・体育・レクリエーションに関する制度です。

法定外福利厚生の一環として、従業員が参加する文化や体育関連の行事やレクリエーションを採用している企業もあります。運動会や発表会、スポーツ大会などがあります。また、従業員が参加する懇親会などの費用の一部を支給する企業もあります。

法定外福利厚生の種類10:財産形成

法定外福利厚生の中には、企業が財産形成の一部を補助してくれる制度もあります。

企業によっては、従業員の財産形成の補助の一環として法定外福利厚生を導入しています。主なものは、従業員のみが加入することができる持株会制度や財形貯蓄制度などがあります。

また、企業によっては従業員が加入する個人年金保険への補助が支給される場合もあります。

法定外福利厚生の種類11:食事

法定外福利厚生の種類のご紹介の最後は、従業員の食事に関する福利厚生です。

従業員の食事に関する福利厚生で代表的なものは、従業員が使用することができる社員食堂の導入です。社員食堂がない場合も、お弁当の支給や昼食代の一部が支給される企業もあります。

近年では、従業員が朝からしっかりと働けるように、おにぎりやパンなど朝食の支給制度がある企業もあります。

福利厚生のトレンドとは?

近年では、企業独自に採用する法定外福利厚生の充実がトレンドとなっています。

福利厚生といえば、社会保険等の法定福利厚生と家賃補助などが主でした。しかし、近年では優秀な人材の確保や従業員の労働環境の充実のため、法定外福利厚生を充実させることが必要不可欠になっています。

ユニークな福利厚生を導入する企業が増えている

最近では、ユニークな福利厚生を導入する企業が増えてきています。

企業によっては、従業員が自由に飲むことができる飲料水やコーヒーを常備していたり、自由に食べることができる朝食や昼食だけでなく、フルーツや軽食を準備することもあります。

また、勤務中にお昼寝ができたり、失恋休暇やずる休み休暇などユニークな特別休暇制度がある場合もあります。

福利厚生と一口に言ってもさまざまな種類がある!

福利厚生と一口に言っても、企業によってさまざまな種類があります。

法律で定められている法定福利厚生にも、多くの種類があります。また、企業が独自に採用することができる法定外福利厚生には、企業の特色が現れます。

企業にとって、優秀な人材の確保や従業員の長期雇用のためにも、福利厚生の充実は必要不可欠です。自分の勤める会社にはどのような福利厚生があるのかしっかりと把握し、上手に利用しましょう。

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