嘱託とは?嘱託の待遇|嘱託のメリット6つとデメリット2つを紹介

人事制度

嘱託とは

嘱託とは、辞書を引くと「仕事を頼んでまかせること」「通常の社員とは異なり、能力などを見込まれ特定の仕事をまかされた人」とあります。

嘱託社員は、法律の規定がないため、会社によって雇用条件や待遇が異なります。雇用形態は非正規雇用で、期間を定めた有期契約を結びます。一般的には、定年退職後に再雇用された労働者を「嘱託社員」と呼びます。

契約社員との違い

嘱託社員と契約社員は、どちらも法的な規定がなく、企業の雇用形態や就業規則などによって両者を使い分けて契約を結んでいます。どちらも非正規雇用で、有期契約を結ぶ点では共通しています。

同じ非正規雇用においても、契約社員は一般的にフルタイム労働であることに対し、嘱託社員は労働日数や労働時間が短い非常勤であったり、定年退職者が多いなどの違いがあります。

パートとの違い

パートも法的な規定がなく、非正規雇用で有期契約であることから嘱託と似ていると言えるでしょう。しかし、パートは1日の労働時間、月の労働日数が短いという特徴に対し、嘱託社員の中には、フルタイムで働いている人もいるという違いがあります。

一般的には、定年退職後に再雇用された社員を「嘱託」、それ以外の短時間勤務の社員を「パート」と呼ぶケースが多く見られます。

嘱託のメリット6つ

前述のとおり、多くの場合「嘱託」は定年退職後に再雇用された労働者と結ぶ契約です。ここでは、嘱託のメリットをご紹介します。

定年退職を迎える頃の社員は、長年に渡って積み上げてきた豊かな経験とスキルを持ち、企業においてもまだまだ戦力になる一方で、年齢や体力に少しずつ不安を感じる時です。そこで労使間がフレキシブルに雇用契約を結べる「嘱託」が双方にメリットがあり見直されています。

嘱託のメリット1:職探しをしなくてもいい

嘱託のメリット1つ目は、嘱託の大半は定年退職後の再雇用なので、新たな職探しをしなくてもいいということです。

定年退職後の就職活動は、年齢により求人が少なかったり、希望する職種、待遇など折り合いがつかなかったりと難航する場合があります。待遇は変わりますが、同じ職場で再雇用されるメリットは大きいと言えるでしょう。

嘱託のメリット2:収入を確保できる

定年退職後、嘱託で再雇用された場合には、一定の期間は収入を確保できるというメリットがあります。

嘱託社員の収入は、勤務時間が短縮されること、業務内容が限定されること、また役職などの重圧から解放されることなどから、正社員時代に比べれば低下するでしょう。

しかし、法的な規定がないため一概には言えません。企業によっては、業務内容により高めに設定されたり、ボーナスが支給されることもあります。

嘱託のメリット3:社会との関わりがある

定年退職後、嘱託社員として継続して働くことは、社会との関わりを持ち続けるというメリットがあります。

定年退職後、何か生きがいを見つけ社会に出て活動する人もいるでしょう。しかし、職を離れた途端に社会との関わりが薄れ、気力を失ってしまう場合もあります。

職場での立場は変わりますが、社会との関わりの中であらゆる人とコミュニケーションを持ち続けることは人間関係を豊かにするうえで大切なことと言えるでしょう。

嘱託のメリット4:同じ会社で勤務することができる

定年退職後の再雇用は、同じ会社で勤務することができるというメリットがあります。企業としては、再雇用後も即戦力として期待しているので、それまで勤務していた部署に配属される可能性が高いでしょう。

一方で、定年退職後新たな就職先を見つけた場合、すべて1から慣れていかなければなりません。嘱託の配属先が、関連会社や子会社であったとしても、業務のつながりや人脈などもあるため比較的スムーズに溶け込めるでしょう。

嘱託のメリット5:労働日数や時間を調整できる

嘱託としての再雇用は、労働日数や時間を調整できるというメリットがあります。嘱託社員の大半が定年退職後に再雇用された社員であるため、年齢や体力、その他ライフスタイルなどを考慮し、労働条件を調整することが可能です。

例えば、「体力面で不安があるので短時間勤務にしたい」「自分の時間も持ちたいので週3日の勤務にしたい」といった希望を、労使間で調整し契約を結ぶことが可能です。

嘱託のメリット6:今までの経験を活かせる

嘱託での再雇用は、今までの経験を活かせるというメリットがあります。嘱託社員は、正社員時代と同じ環境、もしくは関連会社で働くことができるため、知識、人脈、経験をそのまま活かすことができます。

数十年にわたって培ってきた知識や人脈を活かしたい方には、嘱託という選択は有力候補の1つと言えるでしょう。

嘱託のデメリット2つ

嘱託には、前述したメリットが多くある一方でデメリットもあります。会社が求めているものとあなたの希望を総合的に判断し、納得した上で契約を結びましょう。

ここでは、嘱託のデメリットを2つ挙げて紹介します。

嘱託のデメリット1:契約期間がある

嘱託のデメリットの1つは、契約期間があることです。嘱託は、正社員とは異なり期間が定められた有期雇用契約です。仮に長期の雇用を希望しても、契約が更新されなければ職場に留まることはできません。

雇用形態としては、正社員と比べて期間に保証がない不安定な環境に置かれていることを留意しておきましょう。

嘱託のデメリット2:仕事内容が変わることがある

定年退職後の嘱託社員には、正社員の時と仕事の内容が変わるというデメリットがあります。

嘱託の仕事は、責任も軽減され、業務内容や待遇も正社員のものには及ばないケースがほとんどです。昇進などの機会もなくなることから、他の正社員との間に疎外感を感じたり、新たな位置づけを受け入れられず、働く意欲を失う場合もあるでしょう。

嘱託の待遇

正社員から嘱託になると待遇がいっきに悪くなるというイメージがありますが、一概にそうはいえません。一定の条件をクリアすれば、社会保険の加入や有給休暇の取得もできます。給与は、労働日数、業務内容、仕事上の立場を考慮し、柔軟に決定できるのが嘱託です。

ここでは、嘱託の待遇をご紹介しますので判断する際の参考にして下さい。

給与

嘱託社員の給与は、現役時代の7割程度になることが一般的です。それは、仕事の内容が現役時代に比べて簡易化され責任という重圧から解放されていることが挙げられます。

嘱託の給与は企業によってさまざまですが、仮に正社員と同じ分量の仕事内容であれば同等の賃金が支払われるべきなので注意する必要があります。契約の際には、仕事内容や労働時間などを総合的に判断したうえで給与額を決定することが重要です。

社会保険

嘱託社員は、勤務日数など一定の条件を満たしていれば、社会保険への加入が必要になります。

ここで注意が必要なのが、定年退職後、再雇用で嘱託社員となり給与が減額された場合です。再雇用後、何も手続きをしないと、正社員の頃と同じ社会保険料を払うことになってしまいます。再雇用後条件が変わったら忘れずに年金事務所で手続きを行いましょう。

有給休暇

嘱託社員の有給休暇は、入社6ヵ月で発生し、週の所定労働時間に応じた日数が付与されます。正社員と同じ有給休暇を希望する場合は、週の所定労働日数が4日以上、もしくは週の所定労働時間が30時間以上の条件をクリアする必要があります。

定年退職後、嘱託社員で再雇用された場合は、有給休暇の計算では「継続勤務」とみなされ、それに応じた日数が付与されます。また、定年退職前の未消化分有給休暇を使うことができます。

嘱託について理解して納得した上で働こう

人生100年時代と言われている中、日本では定年退職した社員を「嘱託社員」として再雇用している企業が増えています。定年退職者は、現役時代の能力や経験を活かし、比較的条件のいい環境で定年後も働くことが可能です。

人手不足の企業にとっても即戦力になる人材は必要です。雇用契約の際は、「嘱託」についてしっかり理解し納得した上で総合的に判断しましょう。

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