情意考課とは|人事評価に情意考課を取り入れる際のポイント6つ

人事制度

情意考課を学ぶ!人事考課の基本をマスターしよう!

人事考課の大きな柱は業績考課、能力考課、情意考課の3点です。

業績考課は目標の達成度をみます。能力考課は仕事をとおして得た能力や資格を積極的に評価して数値にあらわれない面を重視します。情意考課は行動や業務態度について期待値を含めて評価の対象になります。

企業の方針を示して理解をしてもらい、評価基準をみえる化することによってやる気を引き出し、給与に反映させて適材適所の人材の確保を期待します。

業績考課

業績考課は具体的な数値に照らしあわせて結果の有無を査定します。

具体的な数値で結果をみるので評価の公平性は保たれます。年度はじめにたてた目標値や売上げに貢献しているかなどを判断材料にします。結果にたどりついた経過内容を判断に入れないため、大きく左右した事柄の影響が反映されない欠点があります。

数値とはべつに達成した経過を判断する補足資料も参考にする必要があることでしょう。

情意考課とは

情意考課という言葉を聞いたことがありますか?

人事査定をする評価科目の一つで、勤務態度や仕事に対する意欲を評価する項目です。

主観が一番強く入ってしまう評価科目ですが、本人の行動や態度に主眼をおいています。
時間に関する勤怠や職場のモラルの遵守性を判断するので、一人の目だけでなく複数の立場の人から話を聞いて総合的に判断すると正確性が高く公平感のある評価になるでしょう。

情意考課を取り入れる際のポイント7つ

情意考課を取り入れる際のポイントはどのようなことがあげられるのでしょうか。

ポイントは感謝、積極性、地域貢献、責任性、思いやり、規律性、協調性の7つあります。

もともと数値で表せるようなことではないので、会社の方針に沿った行動をしているかどうかが物差しの一つになります。

主観が入りやすくなるので全体の中の割合を少なめにして公平感を図るようにするのもよいことでしょう。

情意考課を取り入れる際のポイント1:感謝

情意考課を取り入れる際のポイントの1つめは、周囲への感謝の心が見えているかどうかです。

社内の同僚や上司をはじめ取引先だけでなく、接する人への感謝の気持ちは場をなごませ、人間関係の潤滑油になります。相手を問わず感謝の気持ちを持っていることは、業務を遂行する中で人を動かす立場になることができるでしょう。

周囲を見ることができる視界の広さが仕事にプラスになるのはいうまでもありません。

情意考課を取り入れる際のポイント2:積極性

情意考課を取り入れる際のポイントの2つめは、積極性が見えているかどうかです。

実現していることとその結果を合わせて見ることが大事です。初めてのことにも取り組めているか、結果を想定しながら行動ができているかを見逃さないようにしましょう。人との関わりを大切に自分の長短を意識して結果を出している行動を判断材料にします。

短期的だけでなく長期的な視野で見ることが成長を後押しする評価に繋がります。

情意考課を取り入れる際のポイント3:地域貢献

情意考課を取り入れる際のポイントの3つめは地域貢献に携わっているかどうかです。

企業であってもボランティア精神を持っていることが世の中で評価される時代です。人のために対価を考えることなく関わることができる気持ちを持っていることが大切です。災害支援ボランティアや特技を生かしたボランティアの行動を企業も支援していかなければなりません。

間接的に企業が地域貢献していることと同様の目で見られます。

情意考課を取り入れる際のポイント4:責任性

情意考課を取り入れる際のポイントの4つめは責任性を持っているかどうかです。

責任性とは物事を投げ出さずに最後までやり遂げているか、自分が担当していることを自分で処理しようとする気持ちを持っているかという視点です。自分がしっかりと対応しなければいけないと自負していることが大事です。

より大きな仕事を与えても成果が現れて会社に貢献するという判断が下せると、人事の割り振りに大きな影響を与えます。

情意考課を取り入れる際のポイント5:思いやり

情意考課を取り入れる際のポイントの5つめは思いやりがあるかどうかです。

仕事は100%個人で完結することはほとんどありません。周囲に気配りができ思いやりを持てる人は、仕事の効率をあげて質の高い仕事を完遂することができます。人への気配りは視野を広く持てている証です。

思いやりは仕事環境によい影響を与えて、好結果を生み出すことでしょう。会社に貢献する人材に欠かせない資質であることは間違いないです。

情意考課を取り入れる際のポイント6:規律性

情意考課を取り入れる際のポイントの6つめは規律性があるかどうかです。

規律性とは身だしなみや時間管理、TPOにあわせた服装などの外見に関することや動作や会話がハキハキしているか、言葉遣いがきちんとしているかということを指しています。ともに仕事をする仲間に不快感を与えない、企業の方向性と同じ向きにあることが大事です。

個人レベルにあてはまることが多いので主観が入りやすい点であることは否めません。

情意考課を取り入れる際のポイント7:協調性

情意考課を取り入れる際のポイントの7つめは協調性があるかどうかです。

協調性は企業の求めている方向で仕事に向き合っているか、周囲と歩調を合わせることができるかということを指しています。業務に協力的な姿勢が見えないとバランスが崩れ良い結果は生まれてきません。みんなで一つのことに向かって歩むという気持ちが大切です。

常に周囲とのバランスを考え自分を修正する能力があれば、ほころびが小さくて済みます。

情意考課を学ぶ!人事考課の基本をマスターしよう!

人事考課の大きな柱は業績考課、能力考課、情意考課の3つがあげられます。

業績考課は目標値の達成度を数値で査定します。能力考課は業務でえたスキルや自習して取得した資格などを積極的に評価します。情意考課は勤務姿勢や行動を公平に判断します。

企業側は企業の方針を示して、個人の能力や貢献度を適正に評価する材料にします。社員のやる気を引きだして給与に反映させることで、良い人材を確保することを期待しています。

業績考課

業績考課は目標とした数値の達成度を査定します。

年度はじめに立てた目標値に対して達成の有無で評価するので公平性が保たれます。具体的な数値で判断されるが、達成までの過程は重視されない傾向にあります。結果が社会情勢や経済状況に影響される場合には適切な評価にならず公平性が保たれません。

過程を含む判断が必要な場合は補足資料を考慮し、参照している内容を公開して判断基準のみえる化を図ることが大事です。

能力考課

能力考課は業務や自己学習で得た知識や資格を積極的に評価します。

結果がすぐにでない業務では数字に反映しにくい事柄を評価対象にします。数字に表れない裏が存在するので、見方を変えて査定する必要があります。データを積み上げていく地道な作業や自分の時間を使って取得した資格なども対象になるでしょう。

人の様子をしっかりと把握していないとわからないので、査定する側はコミュニケーションを大切にする必要があります。

情意考課

情意考課は仕事に対する行動や態度に視点を向けます。

仕事に対する意欲は行動や態度に無意識に出てきます。出勤時間が早いとか物事に取り組むスピードが速くなったとか具体的なことが伴ってくることが多くため、勤務態度や言葉遣いなどに目を向けて現在ではなく未来に期待することも含めて査定します。

期待値が入っているので客観性が薄れてしまう点に注意が必要で、周囲の人の目も判断材料として参考するとよいでしょう。

情意考課など評価における注意点

情意考課など評価における注意点を取り上げます。

ハロー効果、寛大化傾向、中心化傾向、360°評価(多面評価)の4点です。

評価する側の判断の癖や考え方で意識していない点が過ちを見過ごしがちです。評価される側の結果に繋がってしまうので、自分自身を客観的に見直す時間をとる必要があります。

主観の入った見方をしないためにも人をみながら我が身を振り返ることで自省することができるでしょう。

ハロー効果

ハロー効果とは、自分の知っている知識を基準にして人を評価してしまうことを言います。

ハローとは「後光」という意味があり、一つの側面の評価が他の評価に影響してしまうということを表しています。判断の結果を良い印象に引きずられることで、個別の判断を下す障害になります。

評価をしたら一度自分の中でリセットして、別の面を判断して公平な結果を出しましょう。プラススにもマイナスにも作用するので注意してくださいませ。

寛大化傾向

寛大化傾向とは、誰に対しても甘い評価をすることを言います。

社員の気持ちに寄り添いすぎてしまい全体に評価が甘くなってしまいます。自分自身に対しても厳しい目線持つことができない甘さが要因です。

客観的に物事を見る目が足りず感情が混じってしまい適正な評価がおこなわれません。評価者が相手の業務状況をよく把握していない場合にも寛大化傾向が強くなります。評価者としての責任を自覚する必要があります。

中心化傾向

中心化傾向とは結果や期待値に関わらず、標準値に近い評価に偏ることを言います。

実際の結果を客観的に見ずに一律的に標準値をつける心理が働きます。評価者自身が標準から外れることを嫌うからです。

成果を残した者を過小評価し、反省や改善が必要な者に対して過大評価を行う結果になります。結果が公平ではなく、継続すると企業にとって信用の失墜となる恐れが出てきます。日本人の欠点となる心理動向です。

360°評価(多面評価)

360°評価(多面評価)とは複数の立場の人がそれぞれの立場から一人の従業員の評価を行うことを言います。

直属の上司が気づかないことを他の人の意見を取り入れることによって多面的に評価することができます。同じ意見が複数集まれば特性とみることができ、気づかなかった点の指摘があれば評価の公平性に役立ちます。

評価する人の選定や内容のとりまとめに時間がかかることが難点ですが、客観的評価により近づくでしょう。

情意考課を適切に取り入れよう

人事考課の中でも情意考課の特徴を述べてきましたがいかがでしたでしょうか。

情意考課を適切に取り入れることが人材育成の上で大事なことです。

情意考課のポイントを押さえながら、客観的評価になるよう評価する側も自己研鑽をすることが必要です。良かった点と改善すべき点をきちんと伝えて個人のやる気と能力を最大限に引き出せるようにしましょう。

情意考課を積極的に活用して企業の未来を切り開いていきましょう。

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