30代の派遣社員の待遇について
30代の派遣社員は、会社・組織内でどんな待遇を受けているかご存知でしょうか。ここでは、給与や業務内容、福利厚生などに注目してその実態についてご紹介していきます。そもそも30代で派遣社員になった方は、大学新卒であれば10年近い会社員または組織に属した経験があるはずです。よって、会社では基礎的なビジネスマナーなどの教育の必要がなく、多くの業務の即戦力になります。
30代派遣社員の待遇・給与
平成27年の人事院の調査によれば、派遣社員全体の平均年収は約330万円です。月収にすれば27~28万円ですが、首都圏は高く地方が安いというのは、正社員と変わりません。また、派遣社員は賞与付与がない場合が多いです。但し、契約内容や雇用形態・勤続年数、またはインセンティブなどにより加算額がある場合もあります。
30代の派遣社員の全国平均年収ですが、約320万円で、月収26~27万円という統計が出ています。この数字は、派遣社員全体とほぼ変わらず、30代派遣社員の給与は高くも安くもありません。但しこの統計は、業種職種などでも変わります。
必ずというわけではありませんが、資格が必要だったり専門性が高い業種や仕事は給与水準が高いですし、逆にメーカーの工場等製造業やサービス業など比較的社員の出入りが多いところは給与が低い傾向にあります。
30代派遣社員の待遇・給与(男女差)
雇用機会の均等、性別や年齢問わず多才な人材を登用しようというダイバーシティが広がりをみせるなか、30代派遣社員の給与は性別で差があるのでしょうか。結論から言うと、男性の平均給与が350~360万円、女性が300万円と年収で50万円ほど開きがあります。ちなみに正社員の平均給与が400~500万円位ですので2割程度安い傾向にあります。
男女格差という言葉は適切ではありませんが、男性向きの仕事は時給も高かったり、業務ポストで差が出ています。また、派遣社員、特に30代女性では、幼い子供がいて主婦を兼任している方が少なくありません。その場合労働時間が短かったり、時間外労働をしない場合があるため、統計的に男性の給与水準が上がっています。
30代派遣社員の待遇 給与 高収入と低賃金
30代派遣社員でも、正社員並みにあるいは正社員以上に、また平均より高い給与を得ている方がいます。まず高水準で代表的なのが、職種を問わず外資系企業です。これは最低限英語や外国語を使えるスキルをもち、また、実力主義(インセンティブ)であることに起因します。
また、SEやプログラマー、技術系で言えば医療関係の技師なども平均給与が高いです。その他、高いコミュニケーション能力と臨機応変な対応が求められるテレフォンオペレーターやコールセンター社員も、給与が高い傾向にあります。
いずれにしても、専門性が高い知識やスキルをもっていること、経験豊富であることが高収入につながっています。
一方、30代派遣社員の中で低収入な方は、どんな業種職種についているのでしょうか。もちろん地域差等は加味しなければなりませんがご紹介します。まず挙げられるのが、デスクワークで専門性が低い一般事務職です。部署によっては多忙を極める場合もありますが、派遣社員を登用しやすいという意味で賃金が下がります。
また、パート・アルバイトと同じように、飲食店をはじめとするサービス業も給与水準が低いです。なお、飲食業の賃金が安い傾向なのは、様々な議論や理由があります。例えば、商品単価が安く会社の純利益が低ければ、必然的に人件費は抑えられるという理屈です。
30代派遣社員の待遇 賞与や歩合
正社員や公務員のほとんどは、会社の業績如何で賞与やボーナスが支給されます。また、パートやアルバイトでも、業績良好をねぎらう意味で酒肴料(しゅこうりょう)や特別手当などが支給される場合があります。これは30代など年齢は関係ありません。
では、派遣社員の場合はどうなのでしょうか。一般的に、派遣社員も賞与支給はあります。ただし、給与同様に、賞与は登録している派遣会社から支払われます。賞与を受けるには、派遣先の条件と派遣会社との労働契約により変わるので契約時に注意が必要です。また、登録型派遣と呼ばれる、雇用期間御定めがある雇用の場合、賞与なしのケースがほとんどである点も覚えておきましょう。
ここで歩合制度について紹介します。即戦力となる中途採用で正社員の営業などは、売上如何で手当てがついたり、逆に下がったりというものが歩合・インセンティブ制です。では、30代派遣社員の場合で、歩合をとるケースはあるのでしょうか。
結論から言えば、大いにあります。営業や販売などの派遣の場合、売上や販売ノルマを科せられることがあります。このノルマをクリアしたうえで、契約件数や販売数に応じて手当てをアップするという雇用形態があります。
30代派遣社員の待遇 福利厚生など
昨今、派遣社員は正社員同様に社会保障や福利厚生を受けられる状況です。派遣社員は、元来派遣会社と契約を結んでいるため、派遣会社の厚生年金や社会保険に加入することが出来ます。また、業務中に怪我をしたり事故にあった際の労働保険を準備している派遣会社もほとんどです。
仕事をしている以上、健康面に気を使わなければなりませんが、派遣会社が健康診断を受けさせるケースもあります。これは、30代など年齢問わず実施されることです。また、育児休暇制度を設けるなど、少子化対策に取り組んでいる派遣会社もあります。
現在、ストレスレスやリフレッシュ対策に取り組んでいる会社が沢山あります。会社内にフィットネスジムを設けたり、カフェスペースを置いたり、働きやすい環境づくりが進んでいます。派遣社員でも、特に決まりがない限りは派遣先のリフレッシュスペースを使うことが出来ます。
一方、派遣会社ではハイスキルをもった人材育成に取り組んでいる企業があります。このため、言語やPCスキルなど、講習会を開いたり、教育のための補助金を出したりする派遣会社が多くあります。
30代派遣社員の実態
預貯金やお金事情
先に述べたように、30代派遣社員の平均給与は正社員に比べ2割程度安いことをご紹介しました。そんな中、派遣社員が預貯金をする余裕はあるのでしょうか。こればかりは個人差がありますが、工夫や努力次第です。正社員でも浪費家の方はお金が出る一方ですし、派遣社員でも倹約家の方は預貯金可能です。
但し、派遣社員の出費で辛いのが、食費や交際費ではないでしょうか。派遣先とはいえ、会社組織に属している以上、正社員と会食に行ったり、懇親会など宴席に出席する場合が少なくありません。同僚とコミュニケーションがとれるというメリットがありますが、会費などは正社員と同額なのが普通なのでその点は痛いかもしれません。
結婚事情
30代派遣社員の既婚率はどの程度でしょうか。あるデータによれば、30代派遣社員の未婚率は正社員で約3割、派遣社員(非正規雇用)で約7割です。総合的に考えて、結婚するためには、やはり安定した収入と貯蓄が必要です。収入など関係ないという感情論を除けば、結婚候補が派遣社員であれば、やはり気になるのがお金です。そうなれば、必然的に派遣社員は未婚状態が続かざるを得ないのが現状です。
30代で派遣社員から正社員に転職することは可能?
派遣社員の中には、正社員を目指している方がいるでしょう。一定期間派遣先で働いて、勤務状況がよかったりノルマを平均的にクリアするなど、条件を満たせば正社員に登用されるというケースが多々あります。もちろんこれは、「紹介予定派遣」のように派遣先、本人と派遣会社の合意が必要です。
ところで、派遣社員の経験を活かし、正社員に転職は出来るのでしょうか。勿論出来ます。30代派遣社員が正社員になるケースは、数多あります。派遣社員は、ある意味では、仕事のスペシャリストです。決められた仕事をきちんとこなせなければ、派遣先から契約を打ち切られることがあります。一方、派遣社員として長続きしている人は、それだけ派遣先に貢献していると言えます。そういう方こそ、会社に必要な人材なのです。
長続きした派遣社員こそ転職に有利!?
会社組織で30代正社員ともなれば、多くの方は中間管理職級のポストに着くことが多いでしょう。他方30代派遣社員は、ポストこそないにしろ、仕事経験が豊富です。一定の経験やスキルがあれば、それだけ転職に有利になります。30代ともなれば、転職先が求めるのは即戦力であり、かつハイスキルをもった方です。さらに言えば、派遣先で実績を上げてきたことをアピール出来れば、転職の成功率が上がるでしょう。
30代向けのおすすめの派遣サイト紹介
以下、30代向けの派遣会社のサイトを紹介します。派遣会社は多くありますが、男性向きの仕事を中心に斡旋したり、女性におすすめの仕事を中心にしている所があります。男女別におすすめのサイトを紹介しますので、転職や派遣登録の参考になさって下さい。
男性向け エン派遣
男性向け タウンワーク
女性向け とらばーゆ
女性向け スタッフサービス
即戦力で将来性ある30代こそ、企業が求め、期待している存在です
いかがでしたでしょうか。30代派遣社員の現状について、理解を深めて頂けたでしょうか。待遇に個人差こそあれ、決して悪いばかりだけではありません。転職もまたしかりです。繰り返しになりますが、30代は企業にとって重宝される年代です。皆さんのご活躍を期待すると共に、30代に期待を持たれることを切に望みます。