給与台帳の作成方法|月別/必要事項/自動計算/領収印・注意点

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労働基準法とは?

正社員だけでなくパートタイマーやアルバイトも含めて全ての人が働く上で知っておきたい法律の一つとして「労働基準法」があります。この法律は、1947年に制定された労働者を守るための法律で、「労働組合法」や「労働関係調整法」と並んで労働三法と呼ばれています。

主な内容として、時間外労働規制の強化や週休制やその他に最低賃金など従業員の体調やワークバランスを整るのに必要なことが記されています。

時間外労働とは?

労働人口の減とやサービス業や運送業の増加仕事量の増加など、長時間の労働により心身のバランスを崩す人が多くなりました。その流れを改善しようと現在行われているのが、働き方改革による時間外労働の見直しや有給休暇の取得への促しです。

原則として、労働は1日8時間で週に40時間と定められていて、その時間を超える場合は割増しで賃金を支払う必要があります。割増し賃金は他にも、休日出勤や夜10時~朝5時まで働いた場合に通常の労働賃金の2割り5部を掛けた金額が支払われます。

正社員や契約社員など月給制の場合は、所定の労働時間数を超えた場合に割増し賃金の支給となります。

有給休暇とは?

有給休暇(年次有給休暇)は労働者のリフレッシュや労災防止のために設けられた休暇制度です。基本的には雇い入れられて6カ月以上経っていることと、算入期間の8割以上を出勤していると1年ごとに有給休暇が付与されます。

日数は一般の労働者とパートタイマーでは異なっていて、一般の労働者が6カ月で10日もらえるのに対し、パートタイマーは7日となっています。パートタイマーに関しては条件があり、週の所定労働時間が30時間未満で、週の労働日数が4日以上となっています。

有給休暇の期限は?

有給休暇の請求の時効は2年となっているので、2年以上経つと自動的に消滅してしまいます。退職や2年で取得きなかった有給休暇については、会社が買い取ってくれる場合があります。

給与台帳とは?

給与台帳は給与計算分の記載のみの書類となっています。そのため、労働基準法で給与計算以外にも賃金台帳の記入が必要となります。

賃金台帳の中の項目に給与台帳の内容が含まれているため、給与台帳ではなく賃金台帳のみ作成している会社が多くあります。また、給与台帳と賃金台帳を同じように捉えられている方も多くいます。

給与台帳との違いは?

賃金台帳

賃金台帳は従業員の賃金計算の基礎と賃金の額が記載されていて従業員にとって大事な書類の一つで、労働基準法第108条に基づいて、事業者ごとに作成と保管を必ずしなければならない書類です。

厳重に管理されているため、人事労務や税務署など税金や書類作成に関わる仕事をされている以外の従業員が目にすることは少ないでしょう。また、賃金台帳は法定三帳簿と言われており、賃金台帳の他に労働者名簿と出勤簿があり、この3点は労働基準監督の調査で必ず確認される書類となっています。

給与明細

給与明細には、4つの項目があります。1つ目が勤務日数や勤務時間などの勤務に関することで、2つ目が残業代や支給総額に関することそして、3つ目が所得税や社会保険料などの控除に関することで、最後4つ目が年末調整や還付金に関することとなっています。

給与台帳と給与明細は名前が似ていますが、大きく異なることろが2つあります。1つ目が法律で義務化されている給与台帳に対して、給与明細は義務ではないところです。そして、2つ目が労働監督署に提出する給与台帳に対して、給与明細は従業員が自分の給与を確認するものであるというところです。

労働者名簿とは?

労働者名簿はパートタイマーやアルバイトも含めた従業員の氏名や住所や採用した日にちが記載された書類です。

会社の規模は問われてなく、大企業だけでなく中小企業も従業員を雇っている会社は必ず労働基準法第107条によって名簿の作成と保管をする必要があります。ただし、日雇い派遣の人は別で賃金台帳は必要ですが、名簿作成の義務はありません。

労働者名簿の記入項目は?

労働者名簿の他の項目として、業務の種類や退職年月日や死亡年月日そして、死亡に至った原因を記載します。死亡年月日は従業員が在職中に、万が一病気や怪我で亡くなってしまった場合に労災判定をするために必要となります。

また、異動や昇進など変更があった場合は名簿の情報を更新をし、新しくしておくことが求められます。労働者名簿は従業員の退職や死亡した日から3年間保管します。

出席簿とは?

出席簿は労働基準法第4条に基づいて書類を作成し、従業員の勤務日数や始業や終了時間などを記入します。出席簿に近いものとしてタイムカードがあります。

給与台帳の作成方法は?

必要事項

給与台帳の必要事項は、労働者別に記入をする項目が8点あります。氏名と性別と賃金(賞与や諸手当)の計算期間です。その他に労働日数や労働時間数それに時間外労働(休日出勤や深夜労働)があります。

そして、あと2つは賃金の種類の金額(基本給や諸手当の)で、最後は何か控除したものがあった場合にその項目を記載をします。用紙の形式に決まりはありませんが、上記の項目を漏れのないように書くことが求められます。

自動計算

給与台帳を作成するときに自作で作る会社もありますが、形式が特に決まていないので、インターネット上にあるa4で横長のexcel形式の給与台帳が人気となっています。excelに給与や控除などを入力するだけで、自動的に計算をしてくれるので、大企業や人数多い企業では重宝されています。

月別

給与台帳は、12カ月分を一覧にすることでその人の情報が1枚にまとまり見やすくなります。また、控除ごとに色を分けて作ることで入力間違えを減らせたりチェックをしやすくなります。

領収印

給与台帳の領収印は毎月押してもらう必要があります。パソコンを使って給与台帳を作っている会社は別紙を用意して領収印を押してもらうと、仕事がスムーズにいくでしょう。

給与台帳での注意点は?

保存期間

給与台帳の保存期間は最後の記入日から3年間となっています。その他従業員が退職したあとに生活をサポートしてくれる雇用保険の被保険者の資格取得や喪失関係の書類は保存期間が4年となっていて、社会保険料関係の書類は2年間の保存義務があります。

退職

退職手当の請求が5年が時効となっているため、従業員が退職したあとも、給与台帳も5年間は破棄せず保管すると良いでしょう。

また、退職するときに必要な書類がいくつかあります。社会保険に関するものとして、まず健康保険や厚生保険の返納や雇用保険の提出をすることそして、税関係の書類として源泉所得税や住民税の書類交付と退職金に発生する住民税や所得税の控除計算をして渡されます。

源泉調整の書類は1カ月間の猶予がありますが、他の手続きは一週間以内のものがほとんどなので、早めに行うことが求められます。退職者自身も新しい職場に入社が決まったときや雇用保険を利用するときに書類を作成するなどの手続きが必要となっています。

給与台帳を怠るとどうなるの?

給与台帳は労働基準法に基づいて、労働基準法108条の賃金台帳の調整や給与台帳の記入漏れなどがあった場合や、労働基準法の109条の3年間の保管が守られていなかった場合は30万円以下の罰金が課されることがあるので、注意が必要です。

労働の法律について知りましょう

普段あまり目に触れることが少ない給与台帳ですが、知っておくと将来会社を立ち上げたり、税金関係の仕事に就くときに大変役に立つでしょう。

また、労働三法の「労働基準法」と「労働組合法」や「労働調整法」は必修科目なので、学校で勉強しますが、その3つは会社の経営者だけでなく、仕事をする人全員が知っておくと良い法律となっているので、この機会にさらに詳しく知ることをおすすめします。

内容が給与や有給休暇など自分自身の生活に関することなので、身近に感じられ、勉強が苦手な方も苦に感じにくいことでしょう。

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