- 調理師はイメージよりも過酷な業務内容や待遇が問題になっている
- ブラックだと感じる人も多いが、得られるメリットもある
- 自分の理想の働き方に近い企業探しが重要なポイント
料理をするのが好きで調理師を目指す人は多いですが、現実的な問題として働き方の大変さがデメリットになっている部分が多いです。
働きやすい企業に勤めたいのなら、どんな条件で働けるのか、実情としてどんな企業なのかを知ることが大切です。
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調理師のイメージとは
調理師を目指す人の多くは、料理が好き、食べることが好きという人がほとんどでしょう。いずれは自分だけの店を持ったり、家業として料理店を営んている親の後を継ぐための、修行だったりと具体的な夢や目標を持っている人も多くいます。
そんな調理師という仕事には、どのようなイメージを持たれているのでしょうか。
毎日充実してそう
好きなことを職業としているということや、自分の夢のために調理師として頑張っているため、まったく興味のない業務を淡々とこなす人からはとてもうらやましい存在でしょう。
憧れている料理店に入店して懸命に修行することが叶うと、大変ではあるけれど、心は満たされているから頑張れるという、毎日がとても充実してそうなイメージを持たれます。
やりがいのある仕事
調理師には、料理人を目指している人が多く、先輩からその技術やコツを習得しながら、長い下積みを経て達成されると言われています。朝から夜遅くまでひたすら料理に関わる業務をしています。
そのため集中力が必要であり、ぼんやりしている暇はありません。ブラックだと言われることも多い職種ですが、とてもやりがいのある仕事だと言えるでしょう。
調理師がブラックだと感じた理由9個
なりたくて目指した調理師であっても、その内容は過酷な部分が多く、働き始めて3年程度で約5割の人が辞めてしまうという厳しい世界です。
そんな調理師は「ブラック業種」なのではないかという意見もあり、そう言われてしまうのは次の9つの理由が挙げられます。
理由1:労働時間が長い
調理師が携わる飲食業界は、実際に店がお客のために稼働している以外の勤務時間が、たっぷりと必要です。朝早くからの仕込みや食材の管理をはじめ、業務が終われば翌日の準備や売り上げ管理、掃除もあります。
それらを営業時間と合計すると8時間で帰宅できることはまずなく、12~16時間労働という人も普通にいます。そして勤務時間が長いのは、ブラック企業に多くみられます。
理由2:休憩時間がほとんどない
調理師の仕事は、事務仕事などと違いスープや出汁をずっと火にかけ続けていたり、洗い物や掃除、営業時間外でも仕込みがあったりと、休憩時間との境目がはっきりしないところがブラックです。
しかも下積みの数年は休憩が取りにくく、休憩自体がほとんどない状態で働くのが、あたり前の空気が流れています。先輩が座って休んでいても見習いは立ちっぱなしで、休憩時間さえも、何ができるのかを考えながらやっていく世界です。
理由3:給料が安い
調理師に限らず、飲食業全般に言えることですが給料が安めです。そのため飲食業にはブラック企業が多いとも言われています。そして、調理師免許自体は比較的簡単に取得できるため、手当などが付く訳ではありません。
拘束時間の長さからしても賃金はかなり低いという、まさにブラックその物です。しかしそれは、真の料理人を目指し地道に頑張ってほしいという経営者の思いから、下積み時代をあえて薄給にするとも言われています。
理由4:残業代がつかない
料理店は、個人で経営している小さな店も多く、一般企業のように残業時間などの管理も整っていません。残業という線引きがないことがほとんどです。
しかも、有名ホテルや有名老舗店、大手飲食店もあまりその待遇は変わりません。下積み時代は苦労して当たり前という古い考えが根底にあるため、残業代はつかないところがほとんどです。
残業代を始め保障はしっかり欲しいという人にとっては、ブラックな職場ということになります。
理由5:賞与がない
料理店の内部は、ポジションが細かく分かれており、一番下の頃は賞与・ボーナスは付かないのは普通のことです。例えば日本料理の一番下「追いまわし」ではボーナスは付かず、焼き方からはボーナスが年2回出ると言った具合です。
一般企業としてはブラックですが、ステップアップする前に脱落してしまう見習いも多い業界です。他の企業のように半年程度で賞与を出していては、割に合わないというのも理由の一つでしょう。
理由6:休みが取れない
調理師は休みが取りづらいと言われる職種です。飲食はサービス業でもあることから、土日は休めない店がほとんどです。休めても週に1日程度、それでも毎週休めれば良い方でしょう。
そのため、疲れが酷く続けられないというブラック要素は高くなります。調理師の多くが、月2~3日の休みしか取れず、大量の予約やパーティーなどのイベント時には、朝から夜まで働いて、夜中も仕込みという生活になることもあります。
理由7:社会保険が完備されていない
個人経営の飲食店などでは、社会保険は付かないところも多くあります。職人と呼ばれる料理人の世界では保険や休みなどの保障より、本気で料理を身に着けたいという意気込みの方が重視された、昔のスタイルが健在だからです。
店の味や技術を習得したいとなれば、社会保険完備かどうかは二の次と考える調理師も多いでしょう。しかし、ブラック企業でも社会保険は完備されているところが多いを考えると、かなり特殊な世界でしょう。
理由8:パワハラが多い
調理師が働く料理人の世界は、過酷な下積み時代を乗り越えてきたタフな人が上司になります。そのため、仕事は見て覚える、暴言を吐かれても抵抗するなという上から目線の人が多くいます。
怒号や罵声が飛び交う、場合によっては暴力なのでないかと感じられるほどの体罰を受ける場合もあると言われています。よく言えば体育会系ですが、悪く言えばブラック企業です。動画サイトに暴力動画が投稿されるなど、問題視されています。
理由9:雑用業務が多い
料理がしたくて飲食店に入っても、実際には雑用業務の比率が多いのも調理師の特徴です。仕込み用の食材の買い出しならまだしも、先輩などに使い走りをさせられることも多いと言われています。
また、調理場の清掃は入りたての人の仕事のため、ほとんど掃除をして一日が終わってしまうということもあります。数日ならまだしも、数か月、一年経ってもほとんど雑用業務ばかりなのだとすれば、修行とは言えブラックな店だと感じるでしょう。
ブラックでも良いところもある
他業種のブラック企業と違い、まだまだ昔ながらの風習が残っており、そんな環境だからこそ、得られるものも大きいのが調理師の仕事です。
労働条件から考えるとブラックだとしても、それでも夢のために頑張りたくなる良い面もいくつかあります。
スキルアップ
調理師になるために、調理師専門学校などを卒業してもいきなり調理を任されることはまずありません。そして、決まったマニュアルなどほとんど存在しないのが料理人の世界です。調理師免許を取得していない「経験豊富」な職人もいます。
そこには、画一化されたものではなく、すべてが貴重な経験となる「現場」に入ってみないと学べないことがたくさん得られます。それは確実に料理人としてのスキルアップにつながって行くでしょう。
お客さんに喜んでもらえる
自分が作った料理を美味しいと喜んで食べてもらえた時、調理師にとってこれほどの幸せはないでしょう。この喜びが積み重なって、調理の仕事を続けられているという人も多いからです。
たとえブラックだと感じられる要素満載の職場だったとしても、お客さんの笑顔で疲れも吹き飛びます。もっと喜んでもらえるように、また食べに来てもらえるようにと、さらなる努力の元になるモチベーションアップにつながります。
自分で考えた料理を形にできる
調理師の下積みを乗り越え、店の店主や料理長などに認められると、自分の料理をいよいよ店に出すことを許可されるようになります。夜明けの見えないブラックな労働条件に耐え、自分の夢のためにコツコツ頑張ってきた甲斐があったと感じられるでしょう。
そしてブラックな環境を抜け出すために独立を考え始めるのも、自分の料理を形にすることが認められた時期が多いと言われています。
自分のここだけは譲れないというこだわりを持っているなら、その理想に近い求人を探してみましょう。まずは希望の条件を「マイナビエージェント」に相談してみましょう。
調理師の仕事がブラックだと感じたら転職を考えよう
- 調理師はイメージよりも過酷な業務内容や待遇が問題になっている
- ブラックだと感じる人も多いが、得られるメリットもある
- 自分の理想の働き方に近い企業探しが重要なポイント
調理師として働いているけれど、ブラックな面ばかりが目に付いて挫けそうになったり、体力面でも限界、パワハラにはとても我慢できないという人は少なくありません。どうしても調理師という職業は、ブラック要素が高いからです。
夢のためにブラックでも頑張る、乗り越えて見せるという人は別として、保証や休暇などの待遇が整った職場に転職し、新しいスタートを切るのも前向きな選択と言えるでしょう。
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ブラックなのは調理師の仕事だけではありません。同じくらいにハードで身も心もすり減ってしまいそうな職業はほかにもあります。
調理師の仕事が合わないと感じて、転職を考える時には、他業種のことについてもチェックしておくと役立ちます。