オファーレターとは?
オファーレターとはヘッドハンティングなどでターゲットに最終決断を促すための採用内定通知です。オファーレターは新卒でも中途採用でも求職者に対し通知するもので、出すタイミングは採用のクライマックスです。
オファーレターは企業側が欲しい人材にアプローチし自社に入社してくれるよう働きかけ、最後に決心させるための押しの一手ともいえます。ここではオファーレターに書かれた内容や返信方法や書き方などをご紹介します。
労働条件通知書とオファーレターの違い
労働条件通知書とオファーレターは同じだと考えている方は多いでしょうが、実際は内容は似て非なるものになります。労働条件通知書は労働基準法第15条を根拠に労使間の労働条件を明確にした文書で、契約期間や勤務場所や業務内容などの条件がかかれています。
しかし、オファーレターは「この会社で働きたい」という意欲を相手に起こさせるメッセージが添えられている必要があります。また好条件で迎え入れることも必要でしょう。
オファーレターの重要性3つ
オファーレターは会社がヘッドハンティングで欲しい人材に厚遇の労働条件や自社に来て欲しいというおもいを伝え自分の会社に入社するように促すための最後の一押し的役割の手紙です。そのため、オファーレターには転職後の条件など重要な事項が書かれています。ここでは、オファーレターに書かれている重要性を3つご紹介しますのでご参照ください。
1:オファーレター無しの決断は高リスク
オファーレターをまだもらっていない状態で転職を決断するのは高リスクです。なぜなら、オファーレターはただのお誘い文書ではなく、転職後の条件が詳細に書かれた労働条件提示書でもあるからです。
口約束で内定をもらっていても、正式なオファーレターがないのに職場を退職すると後から予想していた労働条件が違ったということになります。口約束しても、オファーレターは必ず受けて内容を確認してから転職するようにしましょう。
2:オファーレターに記載される理論年収とは
オファーレターには待遇条件として理論年収が記載されることが一般的です。このオファーレターに記載された理論年収とはどういった内容になるのでしょうか。また、理論年収には賞与や残業代が含まれているのでしょうか。ここでは、理論年収とはどういった年収なのかについてご説明します。
理論年収に残業代等が含まれているのか
オファーレターに記載された理論年収は転職後の予想年収になります。転職後の企業の給与体系から給与がいくらになるか、手当なども含め算出されます。では残業代は含まれるのでしょうか。一般的に理論年収は残業代を含みません。
残業代や通勤手当などそのときどきによって変動するものは理論年収に含まないことが多いです。ただし、まれに残業ありきの会社の場合は平均残業代を含め理論年収するケースもあります。
理論年収に賞与が含まれているのか
理論年収には賞与は含まれますが、一般的にその算出方法としては前年の実績からとなります。賞与は会社の業績により支給されるため、実際にはいくら支給されるかわかりません。そのため、前年実績をもとに理論年収に加算されています。理論年収が必ずしも本当の年収にならないのはこのためです。
理論年収はあくまで見込み給与と前年の実績による賞与と各種手当の合計であるため、一般的に実際の年収とは若干差異がでてきます。
3:オファーレターを断ってもOK
オファーレターをもらい転職をするという流れの中で、実際にオファーレターをもらったのに入社を辞退したくなる方もいらっしゃいます。その場合、ちょっと言い出しにくいという方は多いでしょう。しかし、そのような場合でも入社を辞退することは当然できます。
企業側もオファーレターを送った後で入社を辞退されたことは多くあるでしょうし、あまり相手のことばかり気にせずに辞退したい場合にはきちんと断りましょう。
オファーレターへの返信方法
転職をする場合に、転職する予定の企業からオファーレターをもらった場合に、どういった返信をすれば良いのでしょうか。オファーレターを受けた場合の返信方法としては、メールで返信する場合と電話で返信する場合があります。ここでは、オファーレターの返信方法についてケース別にご説明します。
1:電話
電話で採用通知の連絡を受けた場合には電話でお礼を言います。そのときには、採用してくれたことへのお礼を今後の抱負を盛りこんで応えるようにしましょう。たとえば、以下のようになります。
(例1)「たいへんうれしいです。これまでの経験を十分に発揮して、会社に貢献できるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。」
(例2)「ありがとうございます。入社後に即戦力となれるよう、もてる力を存分に発揮する所存です。」
2:メール
メールで採用通知の連絡を受けた場合はメールで返信します。メールで受けた場合には返信はなるべく早くに行い、そこには、採用してくれたことへの感謝の言葉と今後の抱負を盛りこみます。
(例)「お世話になっております。採用通知をいただいた○○です。このたび採用通知をいただき、誠にありがとうございます。光栄に感じるとともに身の引き締まるおもいです。これまでの経験を活かし会社に貢献できるよう尽力いたします。」
オファーレターの書き方と例
オファーレターとはどんなものなのか、またオファーレターを受けた場合の返信方法などをみてきましたが、実際にオファーレターを書く場合にはどのように書けば良いのでしょうか。ここではオファーレターの書き方についてご説明します。
1:内定通知の案内
オファーレターとは採用通知書ですので、もちろん内定通知の案内を記載します。しかし、内定通知といっても一言「内定決定しました」のみではなく、季節の挨拶にはじまり採用決定通知という文章が一般的です。また、採用内定の場合には労働条件が提示されますが、その内容は同じ用紙というよりも別紙として同封されることが多いです。
2:ポジションや役職
オファーレターにおいては、内定通知の案内と労働条件が必ず通知されますが、特に会社に欲しい人材への通知であることから、転職後のポジションや役職まで詳細に記載されていることが多いです。
いわゆる転職後の待遇ですが、このポジションや役職に魅力を感じて転職を決意することもあるでしょうから、オファーレターにおいてはポジションや役職の記載はとても重要になります。
3:入社日
オファーレターには採用を受け入れた場合の入社日が記載されます。オファーレターを受け入れる場合は前職を退職しなければなりませんので入社日を記載し、相手がその期日までに退職など身の回りのことを整理できるようはっきりとした日程を提示します。
オファーレターに書く入社日には、相手が十分に前職の退職や新たな門出に向けての準備ができるように余裕をもった日程とする方が良いでしょう。
4:労働条件の詳細
オファーレターには、詳細な労働条件を必ず書きます。労働条件とは、労働時間や業務内容など詳細な内容がわかるように記載します。この内容が曖昧であると、内定通知をもらった方も不安になり、辞退される可能性もあります。
きちんとした労働条件を提示することは、転職後のトラブルを防ぐためにも重要です。また、人材が欲しいあまり、できもしない条件を記載しないように気を付けましょう。
5:賃金支払いの内容
オファーレターには賃金支払いの内容を書きます。賃金支払いの内容とは、控除などを含めたもので、その内容を確認することで実際にどの程度の手取り額がもらえるのかがわかります。
優秀で会社として欲しい人材である相手に来て欲しいのですから、オファーレターはその内容を見て具体的にこころが動くような魅力的な内容である必要があります。賃金支払いの内容もそういった意味があります。
6:契約期間
オファーレターには契約期間の記載も行います。契約期間がどのくらいなのかがわからなければ、転職後もいつ職を失うか不安で相手も転職をやめる可能性があります。はじめにきちんと契約期間を提示することで、安心して転職を決意することができます。
また、契約期間の提示をすることで、その契約期間に成果をだそうというある程度のプレッシャーを与えることもできますので、オファーレターでしっかりと契約期間の提示を行います。
7:解雇や退社について
オファーレターには解雇や退社についてのこともきちんと書きます。労働条件やその他のことをきちんと提示しておかないと、転職後にもめることもあり得ます。最初からどういったことをすれば解雇になるのかのルールなどをきちんと提示しましょう。
オファーレターを送る場合はそれだけ優秀な人材ですから、他の会社からもヘッドハンティングを受けることも考えられます。はじめから、退社する場合のルールも提示しておくと良いです。
8:福利厚生や休暇
オファーレターには福利厚生や休暇についても書きます。福利厚生は転職の決定的理由にはならないでしょうが、福利厚生が充実していることは大変魅力的です。
例えば、家族を含め福利厚生が整っている、休暇もとりやすく有給についても毎年必ず何日かとることが決まっているというように、その会社の福利厚生や休暇についての規定を書きます。福利厚生は各会社によって異なることから、最初にきちんと提示しておくことが必要です。
9:必要書類
オファーレターには転職する際に必要な書類についても書きます。今後、退職し新たな会社へ転職に向けて準備する場合に、あらかじめ必要な書類をきちんと提示しておくことは重要です。オファーレターで事前に必要書類についてきちんと提示しておくことで、スムーズな手続きを行うことができます。
入社するにあたり手続きに必要な書類を書きます。もし段階的に必要な書類であれば、日程も合わせて書くと相手にわかりやすいでしょう。
オファーレターの内容を理解することが大事!
いかがでしたか。オファーレターとはヘッドハンティングで優秀な人材を中途採用するための最後の押しの一手であり、相手もそのオファーレターをもとに転職を決意するという役割があります。オファーレターを受けた場合はどのように返信するか、オファーレターを書く場合にはどのような項目を書くかがわかっていただけたでしょう。
今後転職活動をする方は、オファーレターの内容をしっかりと理解して転職活動を成功させましょう。