採用ミスとは?
「採用ミス」という言葉を聞くことがありますが、これは企業が新卒や中途で採用した人物が期待どおりの人物ではなく、期待ハズレだったという意味で使われている言葉です。
企業側は複数面接を行ったり、厳格な書類審査などの採用試験を行ったうえで採用を決定しているのですが、それでも「思ったとおりの人物ではなかった」という採用ミスが起こる可能性はありますし、ほとんどの企業が採用ミスの経験があるでしょう。
採用ミスのパターン10こ
採用ミスと言っても、実際にはどのように採用ミスだったのかはそれぞれ違っています。ここからは比較的多いタイプの採用ミスのパターンを10個紹介していきます。
採用ミスのパターン1:カルチャーフィットしていない
カルチャーフィットとは「企業文化」のことを指しており、簡単に言うなら「社風」とも言いかえることができます。カルチャーフィットしていない、自社の社風に合わない社員を採用してしまった、という採用ミスのパターンです。
採用の際に自社に向いている人材かどうかチェックはしているはずなのですが、実際に入社させてみると自社の社風にそぐわない社員だった、ということで採用ミスとなってしまいます。
採用ミスのパターン2:スキル習熟が遅い
いわゆる新卒を採用したときに起こる採用ミスのパターンの1つが、採用した人員のスキル習熟速度が遅い、というパターンです。
新卒で採用するのですから、企業側も相手が未経験であることを納得しておりこれからさまざまな経験を積ませ、スキルを学ばせていくつもりで採用してはいます。しかし、考えていたよりスキル習熟が遅いと予定どおりには進まなくなり、実際に戦力となるのが遅れてしまいます。
採用ミスのパターン3:ビジネスパーソンとしての基礎が育っていない
ビジネスパーソンの基礎とは、社会人として必要なマナーと言い換えてもよいでしょう。社会人として働く基礎のマナーを身に着けていない、またビジネスマンとしての意識が育っていないような人を採用してしまった場合の、採用ミスのパターンです。
こちらも中途採用ではなく、新卒採用時に起こりがちな採用ミスのパターンです。基本的なナーや常識が育っていないと、新入社員の中ですら浮いてしまいかねません。
採用ミスのパターン4:何度も同じミスをしている
何度も同じミスをする人というのは、本人の注意力が足りないか本人の努力が足りない、といった原因が考えられます。採用ミスでそういった人を採用してしまった場合、企業側はその人に対して特別に教育をしたりする必要がでてくるため、余計なコストがかかることになります。
実際に仕事をさせてみて初めて気づく、というタイプの採用ミスのパターンになります。新卒に多いですが、中途採用でもない訳ではありません。
採用ミスのパターン5:特別な待遇を求めてくる
時々いるのですが、自分の思いどおりに休日を求めたり仕事内容を決めようとしたりする人を採用してしまった採用ミスのパターンです。
こういった人の要望を受け入れてしまうと、他の社員が不公平に感じてしまい、自社に対して不満を抱くことに繋がります。特別な待遇を求めてきたとしても、簡単に受け入れるようなことはしてはいけないでしょう。新卒・中途どちらでもこの採用ミスのパターンがあります。
採用ミスのパターン6:常に不平不満を漏らしている
こちらの採用の条件に納得して応募あるいは採用に応じたのにも関わらず、自社に対する不平不満ばかりを漏らしているような社員は周囲のモチベーションを下げ、業務の効率化の妨げになるという採用ミスのパターンです。
人は環境によく影響を受けることが知られていますので、周囲に不平不満ばかりを漏らしている人がいると悪影響があります。こちらも新卒・中途採用どちらでも起こりやすい採用ミスのパターンになっています。
採用ミスのパターン7:既存の従業員が不平不満を漏らしている
採用ミスをしたために、既存の従業員の不平や不満につながってしまったというパターンです。前から不平不満があった訳ではない従業員が突然そうなってしまった場合、採用ミスによりチームワークを乱すような人物を採用してしまったという可能性があります。
このパターンの場合は、実際に不平不満を漏らしている従業員以外の既存の従業員も不満を感じている可能性が高いので、早めに対処しましょう。
採用ミスのパターン8:新しい環境に適合することに前向きでない
これまでの自分のやり方にこだわりを持ちすぎ、新しい環境でもそれを押し通そうとして適合しない人物を採用してしまった、という採用ミスのパターンは中途採用で起こりがちです。
「前の職場では」と以前の職場のやり方、自分が慣れているやり方に固執しており、新しい環境に馴染もうと努力するのではなく周りの人間を自分に合わさせようとします。こうした人物の採用は、従業員の仕事の妨げになりかねない採用ミスとなります。
採用ミスのパターン9:気分が沈んだ状態が続いている
誰しも気分が沈むことはあるのですが、それがあまりにも長続きしてしまうような人材を採用してしまうのは、採用ミスでしょう。
新しい職場に来るということで緊張したり、気分が沈む人は少なくないのですが、それがあまりにも長く続いてしまう人の場合は本人のモチベーションも低く、周囲にも暗い雰囲気で悪影響を与えることがあります。
採用ミスのパターン10:率先して取り組まない
面接では高い意欲を見せていたのに、実際に入社させてみると率先して仕事に取り組むこともなく、意欲が高いとは言えない従業員だったという採用ミスのパターンです。
企業としては意欲の高い、やる気のある従業員を求めていたのでこれでは完全に期待ハズレです。しかし、実際に面接で意欲がないことをアピールするような人材はさすがにいないので、それを見抜けなかった側の採用ミスと言えるでしょう。
採用ミスに陥る理由5つ
よくある採用ミスのパターンについて紹介してきましたが、実際にどうしてそのような採用ミスが起こってしまうのでしょうか。ここからは、採用ミスに陥ってしまうと考えられる理由について5つほど解説いたします。
採用ミスは起こさないようにするために、この5つの項目はチェックしておきましょう。
採用ミスに陥る理由1:書類重視の採用に陥る
大手企業ともなると採用希望者の数も膨大なので、ある程度書類選考で面接まで行うかどうか決めることがありますが、書類だけを重視することには採用ミスのリスクが高いです。
採用希望者側も書類選考されることは分かっていますので、対策は練っていることでしょう。また書類からは相手の人柄が見えないため、書類重視にすると人柄の確認がとれないまま採用に至り、結果採用ミスとなってしまう可能性があります。
採用ミスに陥る理由2:面接時の準備が不十分
採用ミスを防ぐためには面接時に力を入れる必要がありますが、その準備が不十分だと充分な面接とはならず採用ミスに繋がりかねません。
面接を担当するチームに対して求める人材を具体的に示し、そのような人材であるかどうかを見極めるための質問をどう行うのか、面接で何を重視すべきかを前もって周知徹底しておくべきでしょう。
採用ミスに陥る理由3:経験が豊富すぎる候補者を不採用にする
経験が豊富な候補者というのは、本来なら諸手をあげて歓迎したいはずの人材なのですが、採用担当者がそのような人材をあえて不採用にしてしまう場合があります。
実力がありすぎる者を敬遠してしまうことが原因だったりするのですが、企業としては採用ミスでしょう。実力のある候補者を落としてしまうような採用者を担当にしていると、採用ミスが起こる理由となってしまいます。
採用ミスに陥る理由4:投票で採用者を決める
投票によって採用者を決めというのは、非情にあいまいな決め方になってしまうことがあります。
多くの人が採用としているから自分も採用に投票する、仲の良い人が採用したいと言ってるから自分も採用、あるいはリーダー格の人に忖度してしまう、など必ずしも自分の意志で投票が行われるとは限りません。採用に対する責任の所在もまた、あいまいになりがちです。
採用ミスに陥る理由5:面接を重視しすぎる採用
書類重視にすることが採用ミスに陥る理由の1つであったように、面接だけを重視するという場合も採用ミスの理由になる場合があるでしょう。
面接時だけ調子のよい人というのもいるものですし、多数の企業を受けている間に面接に慣れた人が上手く対応する、という場合もあるからです。書類と面接、どちらも一方だけを偏重するといった採用方法ではミスが起こりやすいでしょう。
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採用ミスの発生を防ぐポイント5つ
採用ミスのパターン、また採用ミスに陥ってしまう理由については解説してきました。では、実際に採用ミスを防ぐにはどのようなポイントを押さえておけばよいのか、具体的に紹介いたします。
採用ミスの発生を防ぐポイント1:業務に必要な項目をスコアカードにして作成する
採用ミスを防ぐために、採用する業務に必要な適正や能力の項目をいくつか書きだしてスコアカードを作成しておきます。例えば、誠実さや意欲の高さ、対応力の高さなどをスコアカードとして用意します。
採用にあたってはこのスコアカードを使用することで、候補者が必要な項目をどの程度満たしているかを客観的に判断することができるというメリット、スコアカードは採用チーム全体で共有しやすいというメリットがあります。
採用ミスの発生を防ぐポイント2:4つの審査を活用する
ここで言う4つの審査は、スクリーニング面接・有数グレーディングインタビュー・チームによる面接・リファレンスチェックとなります。
スクリーニング面接は簡単に言うと電話面接で、候補者のことをきちんと理解してから行う有数グレーディングインタビュー、チームによってはメンバーとの面接を経て、前職の直属の上司にインタビューを行うことで候補者の語る内容と一致しているかをチェックします。
採用ミスの発生を防ぐポイント3:個人のネットワークから候補者の情報を集める
SNSが浸透した近年では候補者もSNSを活用していることがほとんどなので、そういったSNSから候補者の情報を集めるという方法です。
フォロー先や投稿内容、フォロワーとのやりとりなどから候補者本人の素に近い姿を見ることができますので、ここでは主に候補者の人柄について見ていくことになるでしょう。コンプライアンス意識やネットリテラシー、人との付き合い方や普段の生活状況が伺えることもあります。
採用ミスの発生を防ぐポイント4:意思決定
スコアカードを用いて採用の意思決定をする場合は、採用側が客観的に候補者のことを見ることができます。スコアカードによる採点方式でより良い候補者を選ぶことができるほか、採用者の恣意的な感情が採用に影響しにくい、というメリットがあるでしょう。
採用ミスの発生を防ぐポイント5:企業を売り込む
候補者の数を増やすために企業を売り込むことは必須なのですが、その時に企業の良い面であるメリットばかりを売り込むのではなく、きちんと採用者にとってデメリットになりえる部分も伝えておきましょう。
従業員側も入社してから思わぬ不利益があった、となるとモチベーションに影響してしまいます。その結果採用ミスとなる場合がありますので、利益も不利益も公平に伝えておくことが必要です。
オンボーディング(入社後定着)の実施
実際に入社した後にも採用ミスとしないために、適切な職場に配置して企業の一員として定着させる、戦力とするためのオンボーディング(入社後定着)を行っていきます。
新卒の入社後3年間の離職率が高いため、入社後の定着をしっかり行うことで離職を防いだり採用ミスとなることを防ぎましょう。
授業式トレーニング
新入社員の研修としてよく行われているのが「授業式トレーニング」で、講師が新入社員の前に立ち、過去の経験談などをまじえて従業員として必要な心構えなどの講義を行います。
専門としている講師を雇う他に、自社のベテラン従業員を講師にあてることがあります。新入社員の場合は直前まで学生であったため授業式トレーニングを受け入れやすいのですが、講師の質によってどの程度効果がでるかは変わってきます。
双方向トレーニング
講師から一方的なトレーニングを受けるのではなく受講者側も積極的に参加していくことで、自ら参加する意識や実際に体験するというメリットが得られるのが「双方向トレーニング」です。
自ら参加するため何かしら自分自身で気づくことがあり、実体験するので気づいたことがしっかりと心に残ります。他人に教えこまれるのが授業式トレーニングなら、自分で学ぶのが双方向トレーニングでしょう。
体験型トレーニング
近年では授業式トレーニングなどの座学よりも積極的に取り入れられているのが、体験型トレーニングです。体験型トレーニングでは実地研修や特定の体験型研修を行うことで、座学では学べない協調性や主体性などを学ばせ、身に着けるのが目的となっています。
近年とくに注目されているトレーニング方法で、無人島や自衛隊演習型社員研修、ディズニーリゾートを利用した研修などが行われています。
eラーニング
こちらも近年急速に広まっている「eラーニング」は、1つの場所に従業員を集めてトレーニングを行うというスタイルではなく、インターネットを使って個人でいつでもトレーニングを受けることができます。
全国に支社があるような企業でもインターネットを活用するeラーニングならトレーニング費用を押さえられますし、全国の従業員に同じようにトレーニングを行えます。ただ個人が自主的に行うため、習熟度には差ができます。
採用ミスをなくそう
採用ミスはなるべくなくしたいものですが、完全に防ぐことが難しいことでもあります。
今回の記事で紹介した採用ミスに陥る理由や、採用ミスの発生を防ぐポイントをしっかりと押さえた採用を行うことで、採用ミスをなくしていきましょう。