内定通知書と採用通知書は違う?
内定通知書とは応募者の採用を企業が決定し、会社と応募者との間に労働契約を結ぶことを通知するもので、応募者が就職試験に合格したことを通知する採用通知書とは異なります。
採用通知書は会社が応募者を採用するか、応募者が入社を承諾するかわからない状態において、会社からの一方的な意思表示を示すものであるのに対して、内定通知書は内定者が承諾することによって法的効力のある労働契約が結ばれる点でも異なります。
会社が意思表示を示すもので法的義務はない
内定通知書とは応募者が行なった労働契約の申し込みに対して、会社が承諾する意思表示を示すものであるため、内定通知書はその意思表示を示す証拠書類になります。
内定には法的拘束力がありますので、内定通知書が届いた後、合理的な理由がないにも関わらず、一方的に内定を取り消すことは不当解雇の扱いとなるため無効です。
しかし、採用通知書には法的な定義もなく、会社からの意思表示を示すだけのもので法的義務はありません。
内定通知後に内定辞退はできるか
内定通知書は応募者と会社との労働契約が成立したことを示す法的拘束力のある証拠書類ですが、通知書が届いた後であっても内定を辞退することは可能です。
内定を辞退することは労働契約の解約となり、民法において解約の申し入れはいつでも可能とされていますので、内定者は内定通知書が届いた後、いつでも内定辞退することができます。
内定を辞退し会社に解約の意思表示をした後、2週間が経過すると労働契約は解消されます。
内定通知書・内定通知書・採用通知書に記載されている内容7つ
一般的に内定通知書や採用通知書には以下のようなものが記載されます。
・応募者が入社試験に合格した旨
・雇用契約が期間の定めのないものである旨
・入社日
・勤務地
・配属部署
・休日や休暇、給与などの雇用条件
・返送書類など必要書類
内定通知が書面であるか口頭であるかなどの形式を問わず、法的拘束力が発生しますが、後々のトラブルを避けるためにも労働条件や内定を取り消し得る事由など、しっかりと書面で残すことが大切です。
内定通知書・採用通知書の内容1:入社試験に合格の旨
内定通知書・採用通知書には応募者が入社試験の最終選考に合格し、会社で働く意思があるならば労働契約を結び、正式採用とする旨が記載されます。
内定通知書や採用通知書を発送する前に、内定辞退の可能性を考慮して電話やメールで内定者の入社意思を確認する場合もあります。
また、電話やメールの時点では詳細な労働条件が伝えられない場合もありますので、疑問に思ったのならばしっかりと労働条件の確認を行いましょう。
内定通知書・採用通知書の内容2:期間の定めがない雇用契約である旨
内定通知書・採用通知書には会社と内定者が締結する雇用契約の無期・有期の別、有期ならばその期間、契約を更新する条件など雇用契約の期間に関する事項を記載します。
内定者をいわゆる正社員として雇用契約を結ぶのであれば、期間の定めのない雇用契約である旨が記載されることになります。
また、試用期間を設けている会社であれば、試用期間も契約期間となりますので、その期間も記載が必要です。
内定通知書・採用通知書の内容3:入社日
内定通知書・採用通知書には、内定者が採用される会社において勤務を開始する日付けを入社日として記載します。
期間の定めのない雇用契約において内定通知書・採用通知書に入社日の記載がない場合は、雇用契約締結日が入社日となります。
試用期間を設けている場合であっても、入社日は試用期間が終了し本採用とされた日ではなく、実際に雇用契約を結んだ日が入社日となります。
内定通知書・採用通知書の内容4:勤務地
内定通知書・採用通知書には入社後に内定者が勤務することになる具体的な勤務地が記載されています。
採用試験に応募した時点である程度勤務地はわかっているはずですが、改めて内定通知書・採用通知書に記載することで内定者に最終的な確認を取ります。
内定者が希望していた勤務地と異なる場合もありますが、その場合であっても勤務地の変更が不可能なわけではありませんので、少しでも早く理由と共にその旨を申し出るべきしょう。
内定通知書・採用通知書の内容5:配属部署
内定通知書・採用通知書には入社後に内定者がどの部署に配属されるか、そこで行う仕事の内容や職種を具体的に記載されています。
採用試験に応募した時点である程度の配属部署、仕事の内容などはわかっているはずですが、改めて内定通知書・採用通知書に記載することで内定者に最終的な確認を取ります。
配属先がいつ決まるかは会社によって異なりますが、希望していた配属先や職種でないこともありますので、しっかり確認しましょう。
内定通知書・採用通知書の内容6:雇用条件
内定通知書・採用通知書には給与の額や賞与、各種手当、休日や休暇など会社が内定者とどのような条件で契約を結ぶのかが記載されています。
また、内定取消事由も記載しますが、これは採用内定の内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実である場合など内定を取り消すことが社会通念上相当であると認められる事由でなければなりません。
学校を卒業できなかったり詐称を行っていた場合がこれに該当します。
内定通知書・採用通知書の内容7:必要書類
内定通知書・採用通知書には入社にあたって内定者が提出すべき年金手帳や扶養控除申告書、給与振込口座届などの必要書類と入社意思確認のために内定者が返送すべき入社承諾書とその期限が記載されています。
年金手帳や扶養控除申告書などは、ほぼ全ての会社で提出が必要とされますが、身元保証書や入社誓約書などは会社によっては提出を求められない場合もありますので、しっかりと確認をしておきましょう。
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内定通知書・採用通知書が送付されてきたらすべきこと3つ
内定通知書・採用通知書が応募者に送付されれば、会社は書類審査や試験、面接などのプロセスを経た上で、応募者の採用を決めたことになりますが、ただ通知書を受け取って終わりというわけではありません。
以下では内定者が内定通知書・採用通知書を受け取った後にすべきことを三つあげて、詳しく解説していきます。
内定通知書・採用通知書送付後にすべきこと1:入社承諾書を送る
内定通知書・採用通知書を受け取ったのであれば、内定者は会社に対して期限までに入社承諾書を返送しなければなりません。
入社承諾書を返送することによって、内定者は会社への内定承諾の意思を伝え、内定者と会社との間に雇用契約が結ばれることになります。
入社承諾書を返送し、会社がそれを受け取ることで内定が確定します。そのため以後は正当な理由がない限り会社は内定を取り消すことができなくなります。
内定通知書・採用通知書送付後にすべきこと2:内定お礼状を同封する
入社承諾書を返送するときには、差出人や目的を知らせるための添え状や内定への感謝を伝えるお礼状を同封するのがマナーとされています。
添え状やお礼状を同封しなかったからといって、内定を取り消されるようなことはありませんが、これから働くこととなる会社での心象が悪くならないようにしっかりと同封しておきましょう。
なお、添え状やお礼状は手書きである必要はありませんので、パソコンで作成しても問題ありません。
内定通知書・採用通知書送付後にすべきこと3:内定辞退の場合はすぐに連絡する
内定通知書・採用通知書を送付しているということは、会社は応募者を自社に雇い入れたいと考えていますし、そのための手続きも既に行っていますので、内定を辞退する場合はすぐに連絡しなければなりません。
先にも述べたように内定はいつでも辞退することが可能ですが、もし辞退するとしても内定先の会社に対する迷惑にならないよう、できる限り早く連絡することが必要です。
内定辞退の連絡方法とは?
内定を辞退する場合の連絡方法は電話でもメールでも構いませんが、電話で行うのが一般的です。
内定辞退の連絡は早ければ早いほど会社にとっても迷惑になりませんので、すぐに連絡できる電話で行うのが望ましいですし、直接謝意を伝えることもできます。
電話をしても繋がらなかったり、担当者が不在であった場合などはメールで内定を辞退しても構いませんが、事前に電話で連絡した旨をメールに記載しておきましょう。
内定通知書や採用通知書についてしっかり理解しよう
会社にとって採用の意思表示である採用通知書や内定を証明する内定通知書は、非常に重要なものになりますので、記載する事項や内容はしっかりと理解しておかなければ後のトラブルの元にもなりかねません。
また、学生にとっても内定通知書や採用通知書を受け取ることは、社会人への第一歩を踏み出すことになりますので、これをしっかりと理解して正しい社会人となりましょう。