業務委託契約とは?
業務委託契約とは、業務の依頼を受けて業務を行っていく契約のことです。
企業との雇用契約ではなく、企業の業務との契約になります。つまり、「その業務を代わりにするので、契約して下さい」というのが業務委託になります。
法律上、業務委託という言葉はなく「請負契約」「委任・準委任契約」の総称として使われています。委任契約は法律に関する仕事となるので、ここでは請負契約と準委任契約との違いを解説していきます。
請負契約と準委任契約の違い
業務委託契約である請負契約と準委任契約とでは、目的が異なります。請負契約は仕事の「完成」が目的、準委任契約は事務の「処理」が目的です。
請負契約は、発注側から求める仕事を完成させ、それと引き換えに報酬が支払われる契約です。準委任契約は、任された法律関係ではない事務処理がなされていれば、報酬が支払われる契約です。
つまり、プラモデルを例にすると、「完成させて渡す契約が請負契約」、「完成に向けて作業する契約が準委任契約」ということです。
準委任契約の特徴4つ
働き方が大きく変わってきた今、フリーランスとして働いている方も少なくありません。一般的にフリーランスの方は、準委任契約を結んで仕事をしている方がほとんどです。
そんな準委任契約の特徴を4つにまとめましたので、実際に契約する時の参考にしてください。
準委任契約の特徴1:仕事を完成させる義務がない
準委任契約は、請負契約と違い「仕事の完成」が目的ではなく「事務処理」が目的のため、仕事を完成させる義務はありません。
ただし、全く責任がないわけではありません。発注者から報告を求められた時には、事務処理の状況を報告する責任はあります。
また、業務を怠っていたり途中で放棄などしていると、問題にもなるため注意が必要です。
準委任契約の特徴2:労働時間に対して報酬が発生する
準委託契約は一定の時間を働くことで報酬が支払われます。
支払い日や、どれくらい働いたかなどの期間は、契約の内容によって異なりますが、一般的には1ヶ月ごとに一括で報酬が支払われます。
報酬の計算の仕方や支払い方などはさまざまです。計算方法は、時給や月給そして日給、支払方法は前払い払いや分割、一括などがあります。契約のときには、報酬額や支払われ方などを明確にしておきましょう。
発注側に指揮命令権がない
準委託契約には、発注者側からの指揮命令権がありません。この点は請負契約にも同じことが言えます。
つまり、業務委託者は発注者と同じ立場となるため、仕事の裁量は受注側にあります。
「仕事の完成」「事務処理」が目的であるため、発注者には指揮命令権がないことに注意しておきましょう。
準委任契約の特徴4:業務計画など自分で決められる
準委任契約は、業務計画や仕事のやり方、時間分配など自分で決めて作業ができます。
なぜなら、発注者側からの指揮命令権はないため、発注者側が決めた時間内で業務を代行する契約だからです。
仕事の完成の責任はないため、「やるべきこと」を明確にし「どのように取り組んでいくか」などのプロフェッショナルさが、重要になってきます。
業務委託における準委任契約のメリット7つ
ここでは、準委任契約のメリットを7つを紹介します。
実際にどのようなメリットがあるかをよく知っておき、準委任契約をする際に活かしてください。それでは、具体的に見ていきましょう。
業務委託における準委任契約のメリット1:瑕疵担保責任がない
準委任契約は、「瑕疵担保責任」を負う必要がないことから、責任が軽いと言われています。「瑕疵」とは、見えない欠陥や不具合のことを意味します。
業務委託契約でも、請負契約の場合は「瑕疵担保責任」を負うことになるので注意が必要です。
「瑕疵担保責任」があると、その仕事内容に何かしらの問題や、失敗などがあった場合、それに対して責任を負わなければなりません。最悪の場合、損害賠償まで発展する恐れもあります。
業務委託における準委任契約のメリット2:派遣契約でできない仕事も受注できる
業務委託契約は自分が持っているスキル次第で、レベルの高い仕事が可能になります。また、仕事内容の幅も広くなっていきます。
よく似た契約で「派遣契約」というのがあります。こちらも、スキル次第で色々な仕事ができますが、仕事内容の幅は指揮命令権があるため、業務委託契約ほど自由にはできません。
発注者側と同じ立場の業務委託契約は、自分のスキル次第で「派遣契約」でできない仕事もできるようになります。
業務委託における準委任契約のメリット3:安定した収入を得やすい
準委任契約は仕事の完成ではなく、働いた時間によって報酬が支払われます。 つまり、契約してその期間働いていれば、収入がなくなることはありません。
同じ業務委託契約でも仕事の完成が目的の請負契約は、仕事を完成させないと報酬が支払われません。つまり、完成後ではなく、契約期間中に報酬が支払われるため、準委任契約の方が安定した収入が得られやすいです。
業務委託における準委任契約のメリット4:さまざまな仕事が経験でき世界が広がる
契約内容によって異なりますが、準委任契約は、短期的な契約が多く見受けられるため、さまざまな仕事場で働くことができます。
そのため、自身のスキル次第になりますが、準委任契約は色々な経験を積むことができます。経験を積むことで、自身のスキルアップにも繋がり、新しい契約にも結びつきます。
業務委託契約は、スキルアップしながら自身の活躍する世界を広げていきます。
業務委託における準委任契約のメリット5:自分のスキル次第で高収入で働ける
業務委託は、仕事ごとに契約を結ぶため、個人の評価が反映しやすく、報酬額アップにもつながりやすいです。つまり、自身のスキルが高ければ、高収入が得られます。
指揮命令権がないため、自身で仕事の取り組みが決められます。効率を上げていけば、自身の負担を抑えられ、時間短縮が狙え評価も高まります。
業務委託における準委任契約のメリット6:仕事での拘束性が少ない
業務委託契約には、発注者側からの指揮命令権がないので、拘束されることが少ないため、比較的自由に仕事が可能です。
つまり、「この仕事をお願いします」と一任されているので、「あれだ」「これだ」と言われることがなく自分のペースで仕事ができます。
もちろん、全く拘束されないことはありません。仕事の上で必要なことがあれば、応じる必要はありますが、基本的には自由です。
業務委託における準委任契約のメリット7:ストレスが少なく自由にできる
準委任契約は、自由度が高いため、ストレスなく働くことができます。
自分で働く仕事を自由に選び、場所はもちろん、働く時間なども自由に決められます。また、基本的に一人が多いため、対人関係に悩まされることも少いです。毎朝決まった時間に起きて満員電車に乗ることも、就業時間まできっちり働くことも、必要がないということです。
全て自分で決めれるので、ストレスなく働くことができます。
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業務委託契約締結時の注意事項
業務委託という働き方は、誰にも縛られる必要もなく、自分のスキル次第で好きに働いて、評価してもらい高収入が得られる、メリットばかり取り上げましたが、もちろんデメリットも存在します。
ここでは、準委任契約を結ぶ際に何を気を付ければいいのか、注意点を解説していきますので参考にしてください。
業務内容や業務範囲を明確化しておく
準委任契約を結ぶときには、業務の内容や範囲をしっかりと確認しておきます。そして、自分のスキルに見合った報酬なのか、きっちりと話し合い決めていきましょう。
また「無償契約」の点も注意が必要です。
準委任契約は契約で決めない限り、報酬が発生しない「無償契約」に自動的になることが法律で定められています。「無償契約」を望む方は少ないはずですから、しっかりと契約を決めておきましょう。
報酬・支払期日・支払方法をきちんと定める
準委任契約を結ぶ際には、報酬の発生を明確に決めておきましょう。何に対しての報酬なのか、支払の期日はいつなのか、支払は一括か分割か、前払金は必要なのかなども決めておきます。
また、業務によっては費用が発生する場合があります。これらの費用は、どちらがどれくらいまで負担するのかを、しっかりと決めておきましょう。また、発注者側が負担する際は、どのように請求するか、なども取り決めておく必要があります。
準委任契約を結ぶ際には契約内容の重要なポイントをチェックすることを忘れずに!
業務委託契約では、どちらの立場が上かなどはなく、フラットな関係です。自分にとって不利なことが書かれていないか確認しておきましょう。
発注者側の無理難題を全て聞いて、仕事を受ける必要はありません。きっちりと「できること」「できないこと」を伝えることも大事なことです。
業務委託契約を結ぶ際には、契約内容のチェックを忘れずに行い、「請負契約」か「準委任契約」かを決め、自分のスタイルで仕事をしていきましょう。