内定式とは
「内定式」とは、企業が内々定を出した学生に対して、正式に内定を通知するために実施する式典とされています。内定式できちんと労働契約を結ぶまでは、「内々定」という扱いになるということです。
経団連の「採用選考に関する指針」の中で、「正式な内定日は、卒業・修了年度の10月1日以降とする」と規定されているので、内定式は10月1日以降に実施されます。
内定式の一般的な内容
内定式の一番の目的は、採用を決めた学生と企業が労働契約を締結することです。一般的には、企業から「採用通知」を受け取り、学生が「入社承諾書」を提出することで、労働契約が成立します。
内定式では、この主目的である「内定書授与」のほか、懇親会や入社までの日程に関するオリエンテーリングなどが実施されます。過去を振り返ると、「内定書授与」よりも、懇親会しか記憶に残っていないという人も少なくありません。
内定式の目的8選
内定式の一番の目的は、労働契約の締結ですが、内定式の中で懇親会が開かれたり、入社までのオリエンテーリングが行われたりするのには、また別の目的があります。
ここでは、内定式に企業が期待する目的を8つご紹介します。これから内定式に参加する人は、企業側の目的を理解し、内定式へ臨む姿勢を考えてみましょう。
内定式の目的1:入社意識の向上
内定式では、一番の目的である労働契約の締結を行います。契約を締結するにあたって、企業側からは「採用通知書」や「内定通知書」を交付し、学生側からは「入社承諾書」を受け取ります。
内定書授与を行っても、多くの学生の意識はまだ学生気分のままです。こうした学生に、社員の雰囲気を見せ、「この会社に入社するのだ」という意識を持たせることを目的として、内定式の中にイベントを盛り込んでいます。
内定式の目的2:企業理解
多くの企業では、内定式の中で、企業の経営有数から、「経営理念」や「経営ビジョン」に関する講演があります。
企業の有数から伝えることで、学生の企業への理解が深めることを目的としており、同時に、企業有数からの励ましの言葉により、学生たちのモチベーションを高める効果も期待しています。
内定式の目的3:コミュニケーションの場を作る
内定式は、人事担当者や部課長と顔を合わせる場になりますが、懇親会には先輩社員が同席することもあります。入社前の内定者同士のコミュニケーションの場としても需要です。
企業側・学生側、双方にとって、入社前に行われる唯一の顔合わせの場となる場合も多く、入社前の重要なコミュニケーションの場といえます。内定式では、懇親会などのコミュニケーションの場が用意されるので、積極的に多くの人と話してみましょう。
内定式の目的4:内定者の不安を緩和する
学生は採用が決まっても、学生生活から社会人になる過程の想像がつかず、先行きの不安を抱えがちです。採用先の情報が少なければ少ないほど、不安は大きくなります。最近では、「内定ブルー」と呼ばれる状態に陥る人も決して少なくありません。
採用活動の早期化で、採用が決まってから実際に入社する日までの期間が長期化したことも原因のひとつです。内定式には、こうした「内定ブルー」を払拭するという目的もあります。
内定式の目的5:入社前のフォロー
入社までの期間が長期化しており、採用試験以降、企業側と学生側が接する機会が長い間ないため、内定式を機会に入社前のフォローを行うということも、内定式の一つの目的となっています。
内定者フォローとして、内定者同士の交流を図ったり、入社までのモチベーションを高める目的で、内定式を活用する企業も増えてきています。入社前だからといって、たるんだ生活をしないよう戒める目的で臨む企業もあります。
内定式の目的6:適性の確認
企業としては、採用試験の面接での短時間しか学生とコミュニケーションを取った実績がありません。
直接的なコミュニケーションを取ることで、内定者の適性を判断し、入社後の配属などの参考にすることを、内定式の目的として掲げている企業は少なくありません。
企業によっては、コミュニケーションだけでなく、内定式の中で面談や研修、語学テストなどの適性検査も実施されています。
内定式の目的7:内定者の「同期」としての結束を作る
内定が決まった学生たちは、ほかにどのような学生が採用されるのかわからず、不安になっています。内定式でこれから同期となる他の内定者に会うことで、この不安は払拭できます。
ベテラン社員や先輩社員に聞いてみても、懇親会や、内定式からの帰路で、内定者どおしが交流することで、入社までの不安な気持ちがかなり軽くなったという人は多いはずです。同じ不安を抱える者同士なので、共感しあい、励ましあえるでしょう。
内定式の目的8:事務手続き
とても地味な目的ですが、内定から入社までの事務手続きを対面で説明することも、内定式の大事な目的のひとつです。内定式の通知を受け取ると、事務手続きに必要な「印鑑」などの持ち物が記載されているはずです。
内定式は、学生側として「受け身」だけで臨むのではなく、「承諾書」などの契約関連書類に自ら署名し、社会人して責任を持った一歩を踏み出す場として、ひきしまった気持ちで臨みましょう。
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内定式の企画から開催の流れ
企業の採用関連の行事を企画・運営する、企業の総務・人事関連の担当者にとって、内定式は毎年決まった順で手配から開催まで行える式典ではないでしょうか。
あまりトレンドなどに左右されることもなく、ほぼ決まった内容で開催が見込めます。ここでは、一般的な内定式の開催手順をご紹介します。
目的の確認
内定式の開催には、いくつかの目的がありますが、実際に内定式の段取りを決める際は、自社の開催目的をきちんと確認しておきましょう。
事務手続きや研修といった目的に重きを置く場合と、コミュニケーション関連の目的に重きを置く場合とでは、内定式の会場選定や式次第などが異なってきます。
開催日時・場所の検討
式典などを企画する場合、開催日時と場所の選定は、重要事項になります。場所の選定については、出席人数を確定させておくことも必要です。内定式の場合は、出席人数について見込みがつくので、社内の出席人数とあわせ、適切なサイズの会場を抑える必要があります。
開催日時を間違えるトラブルは、会場選定においても最も避けたいトラブルです。内定式の場合、日程はほぼ毎年固定と考えられますが、それでも確認を行いましょう。
プログラムの検討・手配
内定式で実施するプログラムを検討し、必要な社内外の人材を確実に確保しなければなりません。内定式で実施するプログラムは、内定式の目的として掲げる内容によって異なるので、目的と照らし合わせながら、練っていく必要があります。
内定式で実施されるプログラムとしては、内定通知書の授与以外にも、会社幹部の講話や、内定者懇談会、先輩社員との交流、資質関連のテスト・研修・面談などがあります。
実施と内定者アンケート
内定式当日となり、企画した内定式が滞りなく実施できたら、最後に出席者にアンケートを取るのが一般的です。
企画者側が意図した内定式の目的を、出席者側が受け止められているか、不手際や、出席者が不満を感じるような対応がなかったか、今後の企画・運営に活かすための評価を得ることができます。
アンケートは、内定者だけでなく、社内からいろいろな立場で参加した社員にも回答してもらいましょう。
内定式の目的を理解して充実した内容にしよう
内定式には、内定通知の授与という目的以外にも、多くの目的があります。主催する企業側は、目的をしっかり考えて実施しないと、内定者をがっかりさせる結果になってしまうリスクがあります。
内定者として出席する学生も、受け身の姿勢で臨むのではなく、企業側の内定式実施目的を推察して、積極的な参加を心がけましょう。