2019年上半期の転職市場動向を振り返ろう
2019年上半期も転職市場は、2017年以降の「売り手」市場が続きました。
2019年上半期は、働き方改革の進行、2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた投資、海外から訪れる外国人観光客への需要の高まりが背景にあります。
転職対象者の年齢が今までの20代から30代中盤以上にも広がり、特にマネジメントやプロジェクト経験者のある人材を求めています。
2019年上半期の転職市場動向
転職希望者にとって有利な状態が続いていました。
過去2年は転職希望者にとって有利な「売り手」市場でしたが、2019年上半期もこの流れが続いていました。特に求人数は過去最高になりました。
過去最大級の転職売り手市場
2019年上半期転職市場は「売り手」市場で、求人数は過去最大になりました。
「売り手」市場の状態は、2019年も続いています。特にIT業界は深刻な人材不足で、特にプロダクトマネージャーやエンジニアを転職市場に求める事が増えました。
新規事業の立ち上げや既存事業の強化で、30~40代のミドルクラスにも転職市場に求めました。
最新の有効求人倍率は?
2019年上半期の求人倍率は2.35~2.62倍でした。
2019年1月から5月の有効求人倍率は2.59~2.62倍で推移していたが、6月は企業にとって第一四半期や上期の締めにあたる関係で、2.35倍に下がりました。
6月に有効求人倍率が下がるのは、過去5年間同じ傾向です。
2019年下半期最初の7月は第二四半期や下期の始まりにあたるので、再び求人数が増えて、有効求人倍率は2.48倍に上がりました。
2019年上半期に企業が求めた人材要件
企業は20代の若手のみならず、即戦力となるミドルクラスにも対象を広げています。
企業は転職市場に20代の人材を求めてた傾向がありました。ここ最近は、海外展開や新規事業展開に伴い、30~40代のミドルクラスにも対象を広めて、転職市場に人材を求めています。
ポテンシャルのある若手や第二新卒
企業は、実績よりもポテンシャルを重視して、20代を求める傾向があります。
20代は若さや物事に対する柔軟性の高さから、異なる業種や職種への転向がしやすいので、企業は積極的に人材を求めています。
新卒採用数が予定を下回っている企業が増えているのも背景にあります。
企業は20代でポテンシャルのある人材を求めているが、年相応のスキルが前提条件であり、転職する側は自分の強みや経験をしっかりと伝える必要があります。
グローバル人材
企業はグローバル化対応で、英語をはじめとする多国語が堪能な「グローバル人材」も求めています。
2019年現在、2020年の東京五輪を控えて、どの業界もグローバル化が必要で、特に海外のビジネスパートナーやクライアントとの交渉や調整に必要な語学力を有する人材を転職市場に求めています。
語学力に加えて、海外との調整や実行できるスキルや素質を持った人材も求めています。
専門性やスキルを有する即戦力人材
企業は業界・業種において必要な技術や経験を持った人材を即戦力として求めています。
専門性やスキルは、資格を持つことや経理職での会計、IT業界でのJavaやC++のプログラミングといった専門性のある業務の経験を指します。
転職市場では、これらの専門性の高いスキルがあると、人材需要が高くなります。
転職する年齢によっては専門性やスキルだけでなく、マネジメント能力も合わせた上での即戦力も企業は求めています。
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2019年下半期の転職市場動向予測
転職市場は、2019年上半期までの流れが変わると予想されています
ここ2年間の転職市場は求人数が過去最高水準で増加していたが、2019年下半期は景気の不透明感や国内外の要因で増加ペースが下がると見られています。
転職市場動向予測1:求人数の増加ペースは鈍化に向かう
2019年下半期は、求人が減ると予想している業界が増えています。
これは14個ある転職市場の内、求人数が「増加する」とみられているのが5つ、「変わらない」が5つ、「減少する」が4つと、2019年上半期と比べて下半期は「減少する」と予想する分野が1から4と増えているからです。
企業が米中貿易摩擦が2019年も続いている事への悪影響を心配して、採用を様子見しているのも大きな理由です。
転職市場動向予測2:外注業務の内製化揺り戻しの動き
今まで外注に依頼していた業務を再び社内で行う事で、転職需要が増えると予想されます。
IT、法務、マーケティング、クリエイティブ系は、従来の「定型型業務は外部に発注し、専門的業務は自社内で行う」の流れから、「全ての業務を自社内で行う」に変わっているからです。
全て自社内で行う事で、企画から実行までの日程短縮や、仕事のノウハウを社内に蓄積したい事が背景にあります。
採用担当者が注視すべき事項
採用担当者は社内の状況以外にも、景気動向や国内外の要因を見極める必要があります。
自社の人材の必要な部署と会社の業績を勘案して、採用担当者は人材を募集しますが、現在の転職市場の状況や景気、国内外の情勢を踏まえて行う必要があります。
注意事項1:売り手市場のピークはいつ?
売り手市場のピークは2020年の東京五輪の頃までと見られています。
2020年の東京五輪が終わると、民間の設備投資が低くなるのと、2019年10月に施行される消費税10%への増税による需要の低下で、景気の悪化が予想されています。
これらの背景から、転職市場は、東京五輪終了後に有効求人倍率が下がると見られています。
注意事項2:米中貿易摩擦の影響
日本は米中貿易摩擦による消費低迷から景気悪化を招き、転職市場にも悪影響を及ぼします。
米中防衛機摩擦は、中国の知財産権侵害を理由に米国は中国からの輸入品に対して高い関税を課し、中国は対抗措置で米国からの輸入品に高い関税を課しています。
2019年現在も続いている、両国間の関税の応酬は世界経済の低迷を招き、日本も影響を受けます。
この状況から企業の業績が悪化し、転職市場に悪影響を及ぼす可能性があります。
注意事項3:五輪不況の可能性
東京五輪後、国内需要低下による不況が起きると予想され、転職市場にも悪影響を及ぼします。
2019年現在、東京五輪開催を前にして、競技会場建設やインフラ整備が進んでいます。海外から日本に訪れる外国人観光客が増えて、日本国内の消費が伸びています。
しかし、五輪終了後は設備投資や個人消費が開催前の反動から下がり、五輪不況が起きると言われています。
五輪不況が転職市場に悪影響を及ぼす可能性が高いです。
大きな変動が予想される2020年の転職市場に備えよう
採用担当者は転職市場の変化を見極めた上で、必要とされる人材のあり方を検討しましょう。
2020年は2019年と比べて景気が悪くなると予想されています。現在の転職市場の「売り手」状態が一変する可能性が高いです。
景気が悪くなり企業業績が悪化すると、社員の採用が難しくなるので、社内の人員構成がアンバランスにならぬよう、採用担当者は人材の見極めが必要です。