専門卒の仕事(主な職種・平均給料)
専門学校を卒業してからの就職先には「看護師」「介護士」「デザイナー」「プログラマー・エンジニア」や「経理・簿記」などの事務職の他、小学生などに人気のある「パティシエ」や「美容師」など数多くの職業があります。まずは専門学校を卒業して就職する場合の平均給与や仕事の内容について見てみます。
看護師
病院での医師のサポート役として、患者の体調管理を補佐する役割としてなくてはならないのが看護師です。国家資格として位置づけられている看護師には「正看護師」と「準看護師」があり、それぞれの資格により給与に差が出てきます。
平均給与は月収33万円、アルバイトなどの時給では1981円。
福祉施設介護員
高齢化社会になくてはならないのが福祉施設などでの介護員の仕事です。施設内での介護を行う場合と居宅に訪問しての訪問介護があります。
平均給与は月収22万円、アルバイトなどの時給では1319円。
デザイナー
デザインする内容により書籍や紙媒体のデザインを行うグラフィックデザイナー、webサイトのデザインを行うwebデザイナー、工業製品のデザインを行う工業デザイナーなど多岐にわたります。
平均給与は月収32万円、アルバイトなどの時給では1819円。
プログラマー・システムエンジニア
プログラミングを行うプログラマーやwebシステムの構築などを行うエンジニアなどはパソコンやスマートフォンの普及とともに需要が増えている職業の一つです
プログラマー平均給与は月収30万円、アルバイトなどの時給では1670円。システムエンジニア平均給与は月収40万円、アルバイトなどの時給では2339円。
パティシエ
小学生の将来なりたい職業の上位にランクインするのがパティシエです。テレビや雑誌などで取り上げられることも多く注目される職業の一つです。
平均給与は月収23万円、アルバイトなどの時給では1178円。
保育士
子供達を健やかに育てるといった役割だけでなく、女性の社会での活躍、待機児童の対策など国が進めている制作に関わる重要な仕事です。
平均給与は月収22万円、アルバイトなどの時給では1251円。
専門卒の未経験者が転職する方法
専門学校を卒業して未経験者が転職する場合、2つのパターンがあります。一つは「学んだことに関係する業界」への転職、もうひとつは「学んだことに関係しない業界」への転職です。
学んだことに関係する業界への転職
専門学校で学んだことに関係する業界へ転職は学校で学んだスキルを活かすことができるので就職に有利になりやすい転職方法です。また、転職前の職業が同じ業界で合った場合にはスキルプラス経験をアピールすることも可能になります。
一昔前と違い、人材を長い時間をかけてじっくりと育てていることの難しいいまの状況です。同じ業界での経験があったり、仕事で使用する資格やスキルを持っている人材は即戦力として期待ができるので、企業の側も採用したい人材と言えるでしょう。
転職の際に気をつけることは、長い目でみて自分のスキルアップやキャリアの形成に役に立つかどうかで転職先を判断することです。終身雇用が必ずしも期待できない雇用状況なのでその業界で仕事をしていけるようなスキルを身に付けることを考えるのが大切となってくるからです。
学んだことに関連しない業界への転職
専門学校で学んだことに関連しない業界へ転職を考える場合には、年代により考え方が変わってきます。学校を卒業して間もない頃に転職を考える場合には社会で積んだ経験や若さを武器にして行くことができます。
世間一般では「第二新卒」と呼ばれる人材で、基本的な社会常識やマナーを身につけながら、新卒と変わらない位の柔軟性や知識の吸収力をもっていることが特徴です。基本的なことを研修で教える必要がないため、仕事での即戦力に近い若手の人材として企業側に人気があります。転職活動では、業界での経験がないマイナス面をこうした社会経験や若さとやる気を武器にアピールしていきます。
一方、若手以外の年代では、それまでの社会経験をアピールした転職活動になります。もし、前職で役職がついて部下の管理・育成などのマネジメント経験がある場合や経営に携わるなどの経験がある場合には転職活動の際の有力な武器になるでしょう。
専門卒の転職に強いサイト
今では転職サイトも細分化して、介護や看護など業種ごとに転職先を探すことも可能です。また、看護職専門の転職サイト、介護職やエンジニアなどを専門に扱う転職サイトなども存在します。
リクナビNEXT
業界最大手のリクルートが運営する転職サイトです。転職活動のノウハウについてや自分の長所に気づくことができるグッドポイント診断などがあり、転職の役に立ちます。
上記の転職サイト以外にも転職希望者に個別の担当者がつき転職の応募書類の記入方法から面接対策、在職企業との退職交渉や応募先の企業との賃金交渉などを行ってくれる転職エージェントというサービスも多数存在します。転職をするのが初めてであったり、転職経験が少ない場合には積極的に利用したいサービスです。
Green
webエンジニアやクリエイターなど業種から探すことのできるので、学歴よりも専門性を重視した企業の求人を探すことが可能です。
マイナビエージェント
はじめての転職、2回目以降の転職、20代の転職、30代の転職など事情に応じて転職の現状や注意点がわかる様になっています。
サービスの流れは、
申し込み→キャリアカウンセリング→求人紹介→応募・面接→内定・入社→アフターフォロー
と進行します。
専門卒で大手に転職する方法
今は大学卒であっても大手に就職が難しい状況にあります。学歴的に見ると総合職につきやすく、後のキャリア育成に幅がある大学卒ですが、今は企業も短期間での成果を求められることも多くあるので、専門的な知識をもつ社員の方が有利になる場面も少なくありません。
大手に転職を希望する場合には、専門学校で学んだことに関連した企業を目指すことが大切になります。前職が同じ業界であれば、キャリアアップのための転職活動ということにもなるので、採用担当者への大きなアピールにもなります。
学校や前職などの場で残した実績を履歴書や職務経歴書などに分かりやすく記載すると良いでしょう。クリエイター系の職業であれば、作品をまとめたポートフォリオの提出なども良いかも知れませんね。
専門卒が公務員に転職する方法
公務員試験には国家公務員と地方公務員がありますが、国家公務員の総合職では大学や短大の卒業をしていることが受験資格になります。専門卒でも国家公務員の一般職と地方公務員の受験を行うことが可能です。また、公務員には社会人経験者のための枠が設けられている自治体も多くあります。
以上の様に、専門卒で公務員への転職を目指すことは十分可能です。年齢制限も以前であれば35歳までなど、比較的若年層での募集がほとんどでしたが、今では40代や50代といった年代でも募集をする自治体も増えてきています。
公務員試験に備えた勉強は仕事をやめて集中して行う方法もありますが、在職中から独学などで行う方がリスクが少ないといえます。また、通信教育による講座も開かれているのでそうした講座を利用することで、より効率的に学習を行うことができます。担当講師に不明点を質問するなどもできるので、独学よりも学習が進めやすいといえるでしょう。
試験の内容は筆記試験のほかに小論文や面接になりますが、筆記試験に関しては自治体のホームーページで応募者数と合格者数や倍率などを公開していますので、合格率の高い所を目指すというのも合格率を高める方法になるでしょう。
専門性や経験を活かしていくことが重要
専門卒での転職は大学卒に比べて不利かもしれない…と考えるかもしれませんが、知識やスキルを活かせる業界を選ぶことで即戦力として採用に至ることも不可能ではありません。
また、業界が違っていても、そうした知識やスキルはアピールできる可能性があります。例えばグラフィックデザイナー志望の写真系の専門卒、プログラマー志望のデザイナー系の専門卒など、業種が違っていても専門卒の経験を活かすことができます。
そうした専門性をアピールすることで、大手企業などへの転職も道が開けるのではないでしょうか。専門学校で数年間学ぶことは知識以外にも、一つのことを学び続けるという根気ややる気などをアピールすることもできるのです。
また、公務員試験なども大学・短大卒を条件としない採用枠も多く存在していて専門卒であっても目指すことが可能です。地方公務員や社会人経験者の枠などを目標として、在職中から独学や通信教育などを利用して合格を目指すことができます。
大学進学からの就職は一昔前までは、ステータスの一つであり、就職活動にも有利に働くものでした。しかし、現在では大学も一部定員割れが起こるなど、大学卒というだけでは就職に有利に働かない現状があります。
専門性にこだわった専門卒という経歴は、うまく業種がマッチングすれば、即戦力としてアピールすることができます。また、2年程の通学で社会にでる専門卒の場合、大卒に比べて早めに社会経験を積むことができ、転職をする際にも社会経験を武器にすることができます。専門卒ならではの長所を活かして転職活動を成功させましょう。