特徴別パワハラに関する判例
日本では以前まで、セクハラという言葉しかありませんでしたが、数年前からパワハラという言葉が浸透してきました。この言葉ができたおかげで、パワハラを受けていてもそれが異常という感覚があまりありませんでした。
そのため、不満があっても行動することができないため、泣き寝入りの状態でした。
しかし最近では世間にも注目されてくるようになったことにより、声を出してアピールしやすくなっています。
しかし、それでもパワハラが減ることはなく、判例も多く取り上げられています。
パワハラとは?
パワハラとは、パワーハラスメントの略語です。主に職場での人間関係に使われることが多くなっています。パワハラは、相手の存在理由や職場での立場を利用して暴言や時には暴力を振るう事もあります。そのため、上司が部下にパワハラをすることが多くなっています。
始めのころのパワハラの意味は上記に示したとおりでしたが、最近では幅広い判例があるため、ただ単に暴言や暴力を行ったからパワハラ扱いになるわけでなく、そのような行動を取ってなくでもパワハラになることがあるので注意する必要があります。
そのため、現在上司の立場にある方は、部下との接し方を注意しなければなりません。また、上司に当たる方は年配の方の確率が高く、部下は新人社員のように若い人になることが多くなっているため、考えの違いから上手くいかない可能性も高くなっています。
パワハラがない職場がいい環境となりますが、判例も多くなっているので、難しくなっています。
パワハラに対する慰謝料は?
パワハラは、被害を受けた側になれば大きなストレスになります。そのため、充実した職場生活を送ることが困難になる場合があり、最悪の場合は辞職しなければならない状況まで追いつめられます。
そのため、昔では考えられないことですが、部下が上司を訴えたり、社員が会社を訴えることもあります。
しかし、パワハラに対する明確な基準がない現状では、自分だけがパワハラだと感じていても必ず慰謝料がもらえるわけではありません。そのため、過去の判例を知ることが大切になります。
過去の判例で自分と同じようなケースもあり、慰謝料をもらう事例があれば、パワハラの内容を照らし合わせて慰謝料の請求額の基準を知ることができます。
また、過去に判例がなくても自分が受けているパワハラが明らかに悪質な場合は、自分のパワハラが初めての判例になる可能性もあるので、勇気を出して訴えることも必要になってきます。
損害賠償とは?
パワハラにはさまざまな判例があるため、慰謝料や損害賠償を加害者から受け取れる可能性があります。
しかし、慰謝料と損害賠償の違いを理解していない方も多くいるため、どちらを加害者に請求したらいいのか悩んでしまう事もあります。
まず、慰謝料とはパワハラを受けたことで、精神的や肉体的に苦痛を受けた時に加害者に払ってもらえるお金になっています。
損害賠償とは、パワハラにより暴力などにより怪我を負ってしまい、入院しなければならない状況になった際に、医療費や入院費を相手に請求することができます。
そのため、悪質なパワハラを受けてしまい、精神的にも病んでしまい、暴力で負傷してしまった場合は多額の金額を請求できる可能性があり、そのような判例も少なくないので相場も調べやすくなっています。
パワハラになる証拠と判例
パワハラは悪質な行為ですが、受け取る側の受け取り方の違いで、パワハラかそうでないかが変わってきてしまいます。そのため、自分の状況がパワハラに値するのか決めれない場合があります。
そのような時には、過去の判例を参考にすることでパワハラであるかないかを区別することができます。以前まではパワハラにならない場合でも、新しい判例が加わり前まではパワハラ扱いになってない判例でも現在ではパワハラに値する行為になっている場合があるので、一度調べることをおすすめします。
また、パワハラを受けているといっても証拠などが揃っていないと立件することも難しくなっているため、例え過去に同じような判例があったとしてでも、パワハラを受けているという証拠の有無では状況が変わってきます。そのため、まず証拠を確保することが大切です。
パワハラの証拠
パワハラを受けていても証拠がないと訴えることもできません。職場などで相談できる部署が社内にあればいいのですが、中小企業ではそのような部署が用意されていない場合が多いです。
そのため、専務や社長に相談することもできますが、上の立場の人はあまり下の立場の人の声を聞いてくれません。一応意見は聞くけど、対策などをしない場合が多くなっています。また、新人社員が意見をしても新人という立場から聞き流される可能性が高くなっています。
そのような状況から、パワハラの証拠は自分自身で集める必要があります。また、同じようにパワハラを受けている同僚などがいるのなら、協力して証拠を集めることもできます。
主な証拠集めは、ボイスレコーダや隠し撮りによる証拠が効果的な方法です。最近では、ボイスレコーダーアプリもあるため、活用しましょう。
パワハラに関する判例と内容
パワハラといっても一概に決めることができないため、過去の判例を知っておくことで役に立つこともあります。ここでは幾つかの判例の内容を紹介するので参考にしてください。
解雇された判例
パワハラを受けてしまい、結果的に解雇される場合もあります。
パワハラと聞いて想像しやすい特徴は、暴言や暴力で相手を苦しめることですが、この判例の場合は違ってきます。
暴力や暴言によるパワハラで辞職を余儀なくされた判例は多くあります。今回の判例は辞職ではなく解雇されたという点が重要になってきます。その理由は、辞職はあくまでも自分の意思で会社を辞めることですが、解雇とは会社側から通告されるもので辞めたくない場合でも辞めないといけないことです。
そのため、パワハラで解雇された場合は、上からの強い権力による解雇された確率が高いため、静かなパワハラになります。
このようなパワハラを受けてしまう理由は、上司や社長に仕事面などで意見を言ってしまい、上の人から反感を買ってしまうと静かなパワハラを受けてしまう事があります。自分の立場を利用してのパワハラのため、悪質な行為です。
傷害罪も含まれる判例
パワハラは、相手を理不尽な理由で傷つけることになります。主な方法は言葉による暴力です。言葉の暴力は、自分に力がなくても立場が相手より上な場合に大きな力を発揮します。
もっと悪質になると暴言の他に、暴力によるパワハラがあり、精神的以外に肉体的苦痛を受けてしまうため、被害者側には多大な被害を受けてしまう事になります。暴力にも差があり、パワハラを行っている人の性格によって軽いものから酷い暴力に変わることがあります。
酷い暴力により入院を余儀なくされた判例もあるため、パワハラにより怪我などをした場合は、慰謝料や損害賠償を請求できる可能性があります。また、その場面を同僚などが目撃していた場合、裁判に勝てる可能性が高くなります。
労災認定された判例
パワハラで労災認定されることはあまり一般的には知られていません。その理由は、労災のイメージは、職場で働いているときに怪我をしてしまった場合や、職場環境が悪くそれが原因で病気になった時に使えるものという考えが強いからです。
パワハラで、上司からの暴言などで精神的な病になってしまった場合でも、職場の環境が原因と認めることができるため、労災認定されることもあります。そのため、パワハラでも労災認定されることを知っておくことが大切です。
また、労災のイメージは労働者側に関わらず、経営者側もそのようなイメージを持っている可能性があり、パワハラの被害者から声を上げないと会社は労災認定として動いてくれないことがあるので、注意しましょう。
敗訴になってしまったパワハラの判例
パワハラを受けているといっても必ず勝訴できるわけではありません。
敗訴してしまった判例で多くあるのが、被害者が被害を受けていると勘違いの場合があります。パワハラが世間に出てきて裁判でも勝てるというイメージがあるため、ちょっとしたことでもパワハラとして訴えようと考える労働者も増えています。
そのため、実際には被害を受けていないのに、被害を受けていると言い張っている場合がありますが、パワハラに関する証拠などが不十分の可能性が高いので敗訴することもあります。
職種別パワハラの判例は?
パワハラにはさまざまな判例があり、職業によってその違いもあるので紹介します。
公務員にあるパワハラ
公務員は、特に問題を起こさない限り順調に出世することができますが、仕事の効率などが悪いと出世のスピードも遅くなってきます。
そのため、同期でも立場が違ったり、後輩なのに先に出世されてしまう事もあります。このように、先を越された場合や追い越された時に「落ちこぼれ」のレッテル貼られてしまい、存外な扱いを受けてしまう事があります。
その「落ちこぼれ」を理由に、悪口をいったり悪戯をすることもパワハラになります。加害者も最初は軽い気持ちでしていても、次第に悪質に変わることもあるので、このようなパワハラも過去の判例としてあります。
病院にあるパワハラは?
病院はパワハラが起きやすい職場の一つになっています。その理由は、医師は失敗が許されない立場であり、緊急の際にも病院に行かないといけないため、過酷な労働条件になっています。そのため、ストレスもたまりやすく、周りに当たってしまう可能性が高くなっています。
その一方で、後輩や部下を一人前にしたい気持ちが強く、時間外に勉強会などを開くことがあり、この場合もパワハラになる可能性があります。
これは、あくまでも善意からの行動ですが、部下がそれを望んでいない場合はパワハラになる可能性があります。また、時間外などに強制参加の場合は、訴えられる可能性もあるので注意が必要です。
各種業界のパワハラ
各種の業界でもパワハラは大きな問題になっています。その多くの判例が、長時間労働によるパワハラです。
このような場合は、個人がパワハラを受けるのではなく、複数の社員が同じ理由で受けている場合があります。この判例の特徴は、長時間の労働が日常的に行われているため、この状態が普通と勘違いしてしまい、声を上げることができなくなっています。
また、残業手当を払ってもらっていない判例も多くあるため、無償残業になってしまっています。日本人は勤勉というイメージがありますが、今回の判例の場合は悪い方向でそれが活かされていることになります。
パワハラの判例を良く調べよう
パワハラ被害を受けていると感じたら、まず過去の判例を調べてみましょう。そこで自分の状況と似たような判例があれば勝訴する可能性が高くなってきます。
また、ボイスレコーダーなどで確固とした証拠を集めることも勝訴の確率に大きく関わってくるため、しっかりと準備してから行動しましょう。