オフィス環境が良くなれば生産性が向上する
オフィスは働く方が1日の大半を過ごすスペースです。オフィス環境で最も重要なのは、レイアウトだと言われており、従業員一人当たりで最も適したオフィス面積は、7~9平方メートルほどです。
レイアウトや採光などのフロア環境のほかに、サテライトオフィスや在宅勤務など、働き方改革で多様化した働き方を採用することや、オフィス環境を改善することにより、より生産性を向上させる働き方ができることがわかってきました。
オフィス環境を改善する具体例10個
オフィスとは、長時間勤務する場所であり、環境の良し悪しが生産性にも大きく関係しています。
2019年4月から導入された働き方改革により、オフィスワークにおける働き方も大きく多様化してきました。レイアウトにおいても限られたスペースの中で効率的かつ快適に過ごせるように、いろいろな形が取られるようになってきました。
これから、企業の生産性を左右するオフィス環境を改善する具体例を10個ほどご紹介いたします。
具体例1:分散したフロアを集約する
職種によって違いはありますが、オフィスワークをする上で、コミュニケーションを円滑に保つことは、とても大切なことです。各部署や担当ごとに分かれてる場合、コミュニケーション不足による行き違いから、人間関係への影響や生産性への影響がおきることもあります。
分散していた部署を集約したり、壁を無くしたボーダーレスなオフィスにすることで、従業員同士のコミュニケーションを取ることで、オフィス環境を改善します。
具体例2:ユニバーサルレイアウトを採用する
ユニバーサルレイアウトとは、横ならびにしたレイアウトのことを言います。以前よく見られていた島型レイアウトでは、管理職席が有数にあり、部下全体が見渡せる形になっていました。ユニバーサル型では、部下も管理職も同じ横並びの席配置になります。
省スペースで済むこと、組織変更や社員の異動の場合も比較的行いやすい反面、コミュニケーションが取りにくい、デスクレイアウトの変更が困難などというデメリットもあります。
具体例3:サロンスタイルの接客空間にする
オフィス環境をサロンスタイルにする大きな目的は、リラックス効果です。オフィス環境をサロンスタイルやカフェスタイルに設計するオフィスでは、IT企業やクリエイティブな作業を行っている職種で見られます。
サロンスタイルやカフェスタイルのオフィス環境では、飲物が無料化や、打ち合わせがしやすいテーブル配置など、自由度の高さとコミュニケーションの取りやすさを大事にしている企業が多いでしょう。
具体例4:食の福利厚生サービスを導入する
オフィス環境のなかで休憩時間の食事というものは、疲れを取り、後半の作業へのエネルギー補給とリラックスするためにとても重要です。
長時間労働の中ではかならず、60分以上の休憩時間を設けるように定められています。比較的大きな企業では食堂を設けている企業もあり、福利厚生の一貫として、安価でバランスの取れた食事を提供しているところも多くみられます。
具体例5:フリーアドレスを導入する
近年、働き方の改革で聞かれるようになったのが、フリーアドレスです。フリーアドレスとは社員一人一人が固定した席を持たないオフィススタイルのことを言います。
フリーアドレスは、狭いオフィス環境である日本では、省スペースで済み、書類のペーパレス化とあわせて、コスト削減になるため、さまざまな企業で取り入れられています。
営業職やIT企業など、比較的コミュニケーションが必要な仕事や自由度が高い作業に向いています。
具体例6:サテライトオフィスを設ける
サテライトオフィスとは、本社や本拠地からはなれた場所に設置された、小規模のオフィスのことを指します。
介護や育児中の労働者が仕事と介護や育児の両立のために設けられたり、地方に向けて事業拡大のためや、地方活性化のための雇用促進などを計画する場合に取り入れられています。その他、営業での外回り後の帰時間短縮のために設置されることもあります。
具体例7:在宅勤務を導入する
今までは、オフィスに通勤するというスタイルをご紹介してきましたが、働き方改革の中で、脚光を浴びてきたのが在宅勤務です。在宅勤務では、オフィス環境とは違い、育児中でも病気で通勤が難しい場合でも、家にいながら仕事をすることが可能です。
少子化による労働力の不足の改善から働き方改革が始まりましたが、育児や介護、傷病により優秀な社員が退職することなく、企業に戦力として働くことが可能な方法と言えます。
具体例8:モバイルワークを導入する
モバイルワークとは、外出先や在宅でもノートパソコンやタブレットなどのモバイル端末を利用し、業務を行う作業形態のことを言います。
経理業務や人事業務など、機密業務では向かないですが、ライティング作業や資料のまとめ、デザイン作成など場所や時間を選ばない作業には向いていると言えるでしょう。
具体例9:リフレッシュスペースを取り入れる
オフィス環境では、従業員がリラックスしながら作業できる空間であるかが大切なことです。
観葉植物などで、オフィススペースとはやや離れた場所に、リフレッシュスペースを取り入れたり、時間を気にせず利用できる、飲料スペースや休憩所などを設けたりします。
長時間過ごすオフィス環境の中に、リラックススペースがあると作業能率もあがるでしょう。
具体例10:個人ロッカーを設置する
オフィスワークの方では、制服がある企業にお勤めの方もいらっしゃるでしょう。制服の着用が決められているところでは、個人ロッカーが設置されいる場合がほとんどでしょうが、服装に制限がなく、自由な感じのオフィス環境では私物の管理はどうなのでしょうか。
個人用のロッカーがあれば、私物の管理を行うことができ、オンオフの切り替えをロッカーで行うことができ、プライバシーの上も安心ですので、オススメします。
社員にストレスを与えやすいオフィス環境3つ
今まではオフィス環境を改善する例をあげて参りました。オフィス環境は、長時間オフィスで働く従業員にとって仕事のできを左右する場所です。
最新の設備を整えていても、仕事内容に沿ったオフィス環境でなければ、かえってストレスを感じてしまう環境になっていまいます。
それでは、社員にストレスを与えてしまう代表的な環境を、3つほど見てみましょう。
環境1:無音または雑音が多い
広い敷地内で、簡易な仕切りがある程度のオープンタイプのオフィス環境で、もっともストレスに関係してくるのが音です。
オープンタイプのオフィス環境では、常に誰かが会話している状態であり、電話の音もよく響きます。コミュニケーションを取るオフィス環境としては良いのですが、集中して何かを作業している方からすれば雑音になります。
逆に、あまりにも音がしないオフィス環境では、緊張が高まってしまうことがあります。
環境2:オフィス内の光が強すぎる
オフィス環境で音の次に大切なのが光の強さです。パソコンを使用して、長時間のデスクワークが主となるオフィス環境では、職種により明るさを変えることが必要です。
労働安全衛生法では、普通のオフィスワークでは作業面の照度150ルクス以上、より精密な作業場では300ルクス以上と決まっていますが、何よりも作業員する従業員による聞き取りなどを行い、作業に合わせた明るさを保つことが大切です。
環境3:プライバシーが確保されていない
フリーアドレスやユニバーサルレイアウトなど、コミュニケーションを重視したオフィス環境では、従業員同士がオープンになりますが、デメリットとして、プライバシーを保つことが難しくなります。
オープンスタイルのオフィスでは、お互いの話し声や電話での会話なども筒ぬけの状態となり、常に皆に聞かれているという緊張感があります。
常に誰かに見られたり、会話を聞かれている緊張感からストレスになる場合もあります。
オフィス環境の改善は小さなことから始めましょう
いかがでしたでしょうか。オフィスのレイアウトは従業員の働きやすさを左右します。
人事や経理などの機密性の高い職種では、島型レイアウトの方が向いていますし、クリエイティブな作業をする場合はオープンスタイルやサロンスタイルを取り入れることで、社員のモチベーションが上がるでしょう。
従業員の規模や要望に合わせて柔軟に改革していくことが、働きやすさにつながり、会社の発展へとつながっていくと言えるでしょう。