経理の転職に有利な資格とは
企業において経理の仕事をする場合、必ずしも特別必要な資格があるわけではありませんが、仕事をする上で役立つ資格は多数存在します。
通常の採用においては資格はさほど重要でない場合がありますが経理の採用を決める上では資格があるかないかで評価が違ってきます。経理の転職では資格をとることは大きな強みとなりえるということです。
資格があることのメリット
経理の仕事をする上では必ずしも資格が必要ではなく、経理の仕事のキャリアが重視され採用されるケースも多いです。それは経理が会計ルールを知っているか知っていないかで大きな差がつく専門職であるからです。
そのため、経験のない方にとっては経理の仕事に有利な資格を持っていることは大きな強みとなります。
経理の仕事をする上では資格は大きなメリットであるということを覚えておきましょう。
スキルアップ!経理の転職に有利な資格13個
経理の転職をする場合に、企業側に良いアピールとなる資格にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、経理の転職やスキルアップに役立つ13の資格をご紹介いたします。経理の転職をお考えの方は、ぜひご参照ください。
1:日商簿記検定
経理の仕事をする上で王道的資格が「日商簿記検定」です。経理の募集の場合、この「日商簿記検定2級取得」が条件であるケースも多いです。経理を目指す人であれば、持っておくべき資格であるといえます。
簿記3級だと企業からはあまり評価されませんので、資格として評価してもらうためには簿記2級以上を取るようにしましょう。簿記2級であれば簿記1級ほどの難易度もなく比較的短期間で取ることができるのでおすすめです。
2:ファイナンシャルプランナー(FP)
経理の転職に有利な資格としてファイナンシャルプランナー(FP)があります。FPとは投資や住宅ローン、節税と幅広い分野にわたりお金に関する知識を深める資格です。そのため、この資格を取得しておくことで、経理事務を行う上で大きな強みとなります。
ファイナンシャルプランナーは国家資格であるファイナンシャルプランニング技能士と民間資格のAFPとCFPの2タイプあり、国家資格は1級から3級のグレードがあります。
3:税理士
経理の転職に有利な資格として税理士があります。税理士の仕事は企業における個人事業主の税務代行や節税アドバイスをすることであるため、経理の仕事をする上で専門的な知識を持つものとして差別化される資格です。
税理士資格は国家資格で、年1回試験が実施されています。顧問税理士を雇用する企業は大企業くらいなため、中小企業で経理の仕事をする場合に税理士資格を持っていることは大きな強みになることは間違いありません。
4:会計士
経理の転職に有利な資格として公認会計士も経理の転職には大変有利です。公認会計士は国家資格で、税理士登録をすると税理士の仕事もでき、税理士より格上の資格です。
会計士は企業の会計監査をしたり会計の適法性や正確性を監査する仕事です。そのため、経理の転職において会計士の資格は大変大きな強みとなります。
もし実務経験があり会計士の資格ももっているのであれば、引く手あまたなことは間違いありません。
5:英文会計簿記
経理の転職に有利な資格として英文会計簿記があります。
この英文会計簿記はグローバル化が進む現代において、外国人と英語でコミュニケーションをとりつつ仕事を進められる資格として大変注目されています。
この資格を持っている場合、大企業などグローバルなコミュニケーションが必要な経理の採用においては、非常に有利に働くことは明らかでしょう。
6:BATIC(国際会計検定)
経理の転職において有利な資格に「BATIC」があります。
この資格は認知度はあまりありませんが英文会計における資格で、海外子会社管理を行うような大企業の経理の採用においては大変有利な資格となります。「BATIC」の試験は英語で行われるため、企業側から英語の素養があるとともに国際会計基準の知識があると評価されます。
もともとの経理の実績があれば、この資格とセットで一気に差別化できる資格であるといえます。
7:経理・財務スキル検定(FASS)
経理の転職において有利な資格として経理・財務スキル検定(FASS)があります。この資格は2005年から開始された比較的新しい経理資格で、知識より実務に重点が置かれた試験となっています。
また、この試験は合否ではなく5段階スキル評価となっていて、そのときのレベルを示すことから企業ニーズが高まっています。試験は資産分野、決算分野、財務分野、資金分野から出題されます。
8:法人税法能力検定
経理の転職において有利な資格として法人税法能力検定があります。この資格は法人税全般の管理ができる資格で、ここ数年税制が変わってきているために企業からのニーズが高まりつつある資格であるといえます。
この資格を取っていれば、社内の法人税における専門家となれる確率が高まり、他の経理の方と一気に差別化できる可能性があります。また、需要が増えると難易度も高まるため、早めに資格取得しておいた方が良いでしょう。
9:簿記能力検定
経理の転職に有利な資格として簿記能力検定があります。
この検定では商業簿記や会計学、工業簿記、原価計算などの能力が検定され、日商簿記2級が簿記能力検定1級と同じくらいのレベルとなります。
認知度においては日商簿記ほどはないため、どちらかの資格をとるのであれば日商簿記がおすすめですが、どちらも取得しておくとより企業側にアピールできます。
10:給与計算検定
経理の転職に有利な資格として給与計算検定があります。この資格は比較的簡単に取得できますが、2年ごとに更新しなければなりません。試験科目としては、給与計算業務に必要な基礎知識や実務に必要な法的知識、演習問題が出題されます。
会社運営で欠かせない給与計算の実務能力をアピールできる資格ではありますが、これだけでは大きな差別化は難しいため、各税法資格と組み合わせてとっておくと良いでしょう。
11:MOS
経理の転職に有利な資格として、マイクロソフトスペシャリスト(MOS)があります。MOSとはパソコンスキルに自信がないという方でも操作方法からじっくりと学ぶことができ、初心者でも受けやすい資格試験です。
MOSは経理の実務においても役立つため、新入社員にもすすめる企業も多い資格です。
12:電子会計実務検定
経理の転職に有利な資格として、電子会計実務検定があります。
この検定は日本商工会議所により実施される検定試験で、企業における電子会計で対応できる人材育成を目指したもので、特に中小企業に重宝されています。階級は1級、2級、3級となっており試験難易度はそれほど高くはありません。
13:経理事務パスポート検定(PASS)
経理の転職に有利な資格としては、経理事務パスポート検定があります。この経理事務パスポート検定は経済産業省が発案しパソナと日本CFO協会が共同開発で誕生した検定試験で、どのような業界にも対応できるような経理の知識が身につくようになっています。
この経理事務パスポート検定では経理知識を3段階に分けており、初心者でも受けることができるようになっています。
転職で意識するポイント5つ
ここまで経理の転職において有利な資格をご紹介しましたが、転職活動では意識すべきポイントがあります。ここでは、これから転職活動を行う方に注意していただきたいポイントを5つご紹介いたしますのでご参照ください。
1:在職中に転職活動を行う
転職活動を行う場合に、転職先が決まっていないうちに退職を申し出るのは大変危険です。もしかしたら、転職活動を行ううちに現在の会社の方が条件が良いと気づいたり、また転職活動が思うようにうまくいかないということがあります。
その場合、事前に退職の意思を伝えていると撤回できず、また金銭面においても厳しい状況に陥る可能性が高いです。
これらのリスクを回避するためも、転職活動は在職中に行うようにしましょう。
2:職場の人には転職活動をしていると言わない
転職活動をしている場合に、職場の人にそのことを言わないようにしましょう。転職活動をしていることが職場の人に伝わると社内で噂になる可能性があります。
また、転職をやめた場合もいづらくなってしまいます。転職について会社の人に伝えるのは、転職先の内定をもらって現在の会社を退職する意思が固まってからです。
その為、転職することが決まっても、同僚に先に言うのではなく、まずは直属の上司に伝えるようにしましょう。
3:一人で転職活動を進めない
転職活動をする場合には一人で進めないようにしましょう。特に初めての方の場合にはやみくもに転職活動をしても思うような転職先が見つからない可能性が高いです。転職活動する場合には人事の仕事をしていたり転職に詳しい人に相談してみましょう。
もし、そういった人が周囲にいない場合は、転職エージェントに登録してみましょう。
4:自分の「市場価値」を高く設定しすぎない
転職する場合、現在の年収よりも高い年収を求める方は多いでしょう。
それは当然ですが、いろいろな転職先を見ていると自分の実力以上の役職や目標を持って、過大評価されて転職してしまうと転職してからが大変になります。おもっていたより活躍できない、評価されない状態に陥り、自分で自分の首を絞めることになります。
転職活動においては、実際に仕事するイメージを具体的に考え、自分を過大評価しないように気を付けましょう。
5:イメージだけで企業を選ばない
転職活動する場合、イメージだけで企業を選ばないように気を付けましょう。自分のイメージだけで選ぶと、いざ転職してみると想像していたイメージとかけ離れていたということになる可能性が高いです。
大企業だから、有名な会社だからと短絡的な見方で転職してしまうと、納得できる良い転職ができない可能性が高いです。
転職活動を行う場合は自分がどういった仕事がしたいのか、希望に合う企業を第一に選ぶようにしましょう。
経理の転職に有利な資格を取得して転職しよう!
いかがでしたか。経理の転職に有利な資格はさまざまなものがあり、どういったところで働きたいのか、何をしたいのかによってふさわしい資格があることがわかっていただけたでしょう。また転職活動をする場合にも気を付けなければならない注意点があります。
これから転職活動を行う方は、上述の内容をぜひ参考にして、自分に向いている転職に有利な資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。