働くとは
人はなぜ働くのでしょうか。お金が欲しいから、生活のため、家族のため、会社のためなど働く動機は人それぞれです。働いていれば楽しいことや辛いこともあります。それでも人は毎日のように、額に汗して一生懸命に働き続けます。
何かしらの動機をもって健康で楽しく働けるということは、人にとってとても良いことです。でも、中には働く動機が無い人もいます。もし、働く動機が無い場合にはどのようなデメリットが生じるのでしょうか。
働く動機が無いことのデメリット
働くからには人それぞれ働くための動機があります。
たとえば、学生が新入社員として初めて職場で働く場合、早く仕事を覚えて一人前になりたいことが働く動機になるでしょう。やがては、欲しいものを買いたい、家族を養いたい、自分の名誉のためにと、その時々に働く動機は変化します。
これらの働く動機が無い、あるいは曖昧な動機であれば労働意欲に支障をきたし、働くことが嫌になる、働くことをやめるなどのデメリットが生じます。
働く動機って?もっとも多い働く理由12個
それでは、働く動機についてどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
これらのことを考えることで、現在仕事がつまらないと感じている人は、あいまいであった働く動機をはっきりさせることができ、仕事への意欲が改善される手助けとなります。
一方、すでに働く動機が明確な人は、さらに仕事がやりがいのあるものへと変化することが期待できます。
1:就職しないと世間体が悪くなる
世間体を気にして就職する人がいます。一見かんばしく無い動機に感じられますが、これも立派な働く動機の一つです。
なぜなら、働くことは人として当たり前のことであり、日々の生活を営むために欠かすことができない行為であると多くの人が感じているからです。
たとえばあなたが、毎日仕事もせず遊び呆ける若い隣人を見たらどのように感じるでしょうか。恐らく、だらし無いと感じるのでは無いでしょうか。
2:お金を稼いで裕福な生活をしたい
お金を稼いで今より裕福な暮らしを求めることを働く動機とする人がいます。
多くのお金を手に入れれば、欲しいものが買え、いきたい場所に行け、食べたいものが食べられます。
しかし、欲しいものが次から次へと手に入るからといって、あまり物欲に走り過ぎることは一般的には好まれませんが、裕福な暮らしをすることで精神的に充実した日々を送ることは、むしろ歓迎すべきことです。
3:お金を稼いで自立したい
自立のためにお金を稼ぎたいと思って働く人がいます。
なぜなら彼らは、働くことで親元から経済的にも精神的にも自立したと考えているからで、お互いに自立する姿こそが健全なる親子の関係であると考えているからです。
たとえば、いつまでも仕事することなく親の脛ばかりをかじる子供を、立派だと感じる人を見かけることがありません。常識的にも、それらがあまり好ましいことではないと考えるのが普通でしょう。
4:経済的に安定したい
経済的な安定を求めて働く人がいます。
なぜなら、働くことで一定の収入が得られれば生活が安定して、精神的にも穏やかな日々を送れることが期待できるからです。
もし経済的な安定を求めず、日々行き当たりばったりの仕事をすれば、良い時は多くの収入に恵まれ、悪い時は全く収入がないといった、経済的に不安定になることが考えられます。
そのような生活を好む人もいますが、経済的に安定している方が良いと考える人は多くいます。
5:家族を養うため
家族を持つ人の多くは、家族を養うために働く人が多くいます。
子供の頃、自分の親が自分を養ってくれていたように、次に自分が親の立場になり自分の妻や子供を養うことは、働く者として当然の義務だと感じているからです。
あなたもその立場であれば、同じような働く動機を持つことでしょう。中には、自分の親が救いようのないぐうたら者の場合、自分は反面教師となり、家族を養いたいという気持ちを強固にする人もいるでしょう。
6:経験やスキルをつけて成長したい
仕事を通じて経験やスキルを身につけ、成長することを働く動機とする人がいます。
なぜなら、それらを身につけることで仕事をスムーズに遂行でき、仕事場での立場が優位になったり収入にも直結することを知っているからです。
多くの経験やスキルを身につけた人は、職場においては欠かすことができない存在であり、他の人からの人望も厚くなります。もし、自分がそのような人材になれれば、会社もその人を手放すことがないでしょう。
7:夢を叶えるため
夢を叶えることを働く動機とする人もいます。
そのような人は、労働で得た収入で夢を買うこともできれば、働くことでなりたい存在になれる可能性があることを知っているからです。
夢は人それぞれです。高級車が欲しい、別荘が欲しいなら懸命に働き多くの収入を得ることでそれらの夢を叶えることもできるでしょう。
スキルを身につけて、自分のお店を持ちたいといった夢があれば、日々の生活を捧げるほど働くことで、その夢が叶う可能性があります。
8:趣味やプライベートを充実させるため
趣味やプライベートを充実させようと働く人がいます。
趣味やプライベートが充実すれば、仕事以外のプライベートにおける人間関係や、興味、知識が広がり、人生がより豊かになると感じているからです。
仕事一辺倒の人であれば、趣味やプライベートを充実させる間もなく仕事に全てを傾けようとするでしょう。それはそれで一つの生き方であり否定できることではありませんが、それらの充実が仕事の充実につながることもは多くあります。
9:貯金をしたい
お金を稼ぎ貯金をすることを動機として働く人も多くいます。
なぜなら、将来に漠然とした不安を感じていて、もしもの時の備えで貯金をすることで、その漠然とした不安を和らげることができるからです。そのほかにも、明確な目的を持って貯金をする人もいるでしょう。
銀行に預けるだけでなく、各家庭に多くのタンス預金があるという報道がそのことを裏付けています。また、大きな額のお金を使う予定がある人も貯金したいと考えます。
10:誰かの役に経つため
人の役に経つことを働く動機とする人もいます。
そのような人は、働くを「端(はた)を楽(ラク)にする」という解釈があるほど、働くことで身近な人や、その周辺に関わる多くの人の役に立つことができることを知っているからです。
たとえば、一生懸命に仕事をすれば周りの人も楽にできる上に、自分の自尊心や自己肯定感が高まります。仕事を通して、他の誰かと自分もハッピーな気持ちになり、仕事自体が楽しくなります。
11:社会とのつながりを得たいため
社会とつながりを持つことを動機として働く人もいます。
それらの人は、単にお金を稼ぐことにとどまることなく、社会とのつながりで自分自身の生きがいを求めたり、人とのふれあいを楽しいと感じているからです。
もちろん、そのように感じない人もいるでしょう。特に若い人などは働くことが当たり前と思う人も少なくありません。
しかし一方で、働く場が失われ引き続き社会とのつながりを渇望する、定年を迎える人も多くいます。
12:達成感を得るため
そのような人は、達成感を得るために働きながら、日々の仕事に充実感を実感しています。
例えば、達成感を得るために働く人は目標設定が上手で、低すぎず高すぎない目標を自分に課します。
もちろん、働いても達成感を得られない人もいます。それらの人は、目標を持って仕事をしないか、目標の立て方が下手な可能性があります。
自分に適した目標で達成感を得られれば、毎日の仕事がとても楽しくなります。
大切な働く動機の5段階
人はなぜ働くのか。そのことを段階的に表したのが、次にご紹介する「働く動機の5段階」です。
最初は、段階1の金銭的動機だけでも、経験を積み重ねることで、やがて働く動機が変化することが期待できます。
しかし最も重要なのは、これら5つの動機を持ち合わせていることであり、もしどれか1つの動機が失われても、ほかの動機が働き続ける意欲を持続させてくれるからです。
それでは、働く動機の5つの段階を見てみましょう。
段階1:金銭的動機
金銭的動機は、働く動機の土台をなす動機です。
なぜなら、生きていくにはお金が必要であり、そのためには毎日仕事に勤しんでお金を稼ぎ、生活を成り立たせようと努力するからです。
たとえば、お金が得られなければ、人の基本的な欲求である「衣食住」を満たすことができません。もちろん、それらにあまり関心を示さない人もいます。
しかし、それら基本的な欲求が満たされなければ、多くの人は貧しさを感じてしまいます。
段階2:承認的動機
次の段階は、承認的動機です。
人は誰しも他の人から認められたい、褒められたいという欲求があり、仕事においてもそのことが顕著に現れます。
たとえば、上司から正しい評価を受ければ仕事にやりがいを感じ、逆に正しく評価されないと感じれば仕事に対するモチベーションが下がります。
もちろん、段階1の金銭的動機で仕事に取り組む人もいます。でも、それだけではやがて仕事が辛くなると感じる人も多くいます。
段階3:成長的動機
成長的動機で仕事に取り組む人の心の中では、仕事に精通すれば能力が伸び、さらに仕事がしたくなることで自分の成長を実感できる成長的動機が満ち溢れています。
たとえば、以前できなかったことがやがてできれば、自分の成長が実感できて嬉しい気持ちになります。
もちろん、なかなか成長できずに仕事に行き詰まりを感じる人もいます。でも、たとえその仕事で成長できなくても、そのことで得られるほかのことは計り知れません。
段階4:共感的動機
共感的動機とは、他者との協力により達成感を共感し、積極的に人との結びつきを深めることで、仕事のやる気が喚起されることです。
たとえば、多くの人と達成感を共感することでその達成感はさらに大きくなり、その動機はより深く強いものになります。
もちろん、一人で仕事をしている人でも、それに関わる他者やその仕事でできる商品やサービスなどを必要とする人たちと、自分の仕事の成果を共感することができます。
段階5:使命的動機
社会に主体的に貢献したい、自分の命をかけて成し遂げたい仕事があるといった、大きな志や夢を持って仕事に取り組む人は、最上段階に数えられる使命的動機を持って仕事をする人です。
使命的動機が最上段階に数えられるのは、この段階に至ることはとても困難であり、ここまで至る人は多くいないからです。
しかし、たとえここに至らなくても、これまで4つの動機を身につければ、限りなくこの最上段階に近づくことができるでしょう。
働く動機をもって人生を豊かにしよう!
最初は、働く動機はとても乏しい場合があります。毎日仕事をこなすだけで精一杯だと嘆く人もいるでしょう。
しかし、たとえその状況にあっても、もっと高い段階の動機を得たいと望むことは誰にでもでき、逆にそうしないことには、いつまでたっても最初の段階から脱することができません。
あなたも多くの段階の働く動機をもって、人生をさらに豊かなものにしましょう。