タイムカードとは
働く上で、勤務時間や帰宅時間などは、企業側と労働者の双方が、正確に記録しておくことが大切です。給与や賃金などに影響を与える可能性があるためです。
「タイムカード」は、出勤時間や退勤時間を正確に記録するアイテムの1つとして、さまざまな企業に普及しています。
今回はそんなタイムカードをテーマにし、特に改ざんについて注目して、タイムカード改ざんの違法性や改ざんへの対処法などについて考察していきます。
タイムカードの改ざんは違法になる
タイムカードは、正確に労働時間や出勤日などを記録するためのツールですが、改ざんが起こっているのも事実です。
タイムカードを改ざんすることで、労働者側には働いていない時間も働いていたことにできるなどのメリットがあり、企業側にも労働者の労働時間を短く記録して安い賃金で済ませられるなどのメリットがあると考えられます。
しかし、タイムカードの改ざんは、労働者側・企業側、どちらが行っても違法とされています。
労働者ができるタイムカードの改ざん防止方法
違法とされているタイムカードの改ざんですが、実際に起こっている現実もあります。特に、企業側が労働者のタイムカードを改ざんして給与などを安く済ませようとした場合、個人である労働者は労働時間に見合った給与や賃金を受けとることができない危険性もあります。
そこで続いては、労働者がタイムカードの改ざんを防止する方法として、どのような対策や対処が考えられるのか、考えていきます。
機器類の起動時間の履歴を保管
労働者ができるタイムカード改ざんの対策方法として、仕事に使用する機器類の起動時間の履歴を保管しておく方法が挙げられます。
パソコンなどを利用して業務を行う場合は、パソコンの起動時間の履歴を取っておくことで、労働時間を証明する証拠になる可能性もあります。
パソコン以外でも、起動時間や作業時間の記録などを取ることができる機器があれば、有力な証拠になる可能性があるため、記録しておくをおすすめします。
上司からの残業命令を録音
企業側が行う労働者へのタイムカードの改ざんでは、残業時間に関するものも少なくありません。残業時間が正しく記録されていないと、残業代が正常に支払われない可能性もあります。
残業時間の改ざんへの対処法としては、上司からの残業命令を録音したり記録したりすると良いと言われています。口頭で残業の命令があった場合は録音し、メールなどで残業を指示された場合はメールの内容や時間などを保管しておくことが大切です。
携帯電話でタイムカードの撮影
タイムカードの数字や時刻が改ざんされている場合は、自分がタイムカードを押した段階で、その内容を撮影しておくのも、改ざん防止の有効な対処法の1つだと言われています。
最近では、携帯電話やスマートフォンでも手軽に撮影することが可能なので、タイムカードの数字や時刻が、自分がタイムカードに刻印した時と変えられているなどの現象が続いた場合は、写真に撮影して証拠を保管しておくことが大切です。
会社からの連絡時刻の保管
会社からの電話やメールなどでのやり取りも、労働時間の証拠となるケースがあります。ですから、会社・上司から連絡がきた時間帯やその内容などは、記録として保管しておくことをおすすめします。
どんな些細な内容や連絡でも、記録をとっておくことで証拠として役立つことがあります。企業側からタイムカードの改ざんをされている可能性がある場合は、電話やメールの時間帯などを、こまめに記録することが大切です。
管理者ができるタイムカードの改ざん防止方法
続いて、労働者がタイムカードを改ざんして、不正に給与を受け取るなどしている場合、企業や管理者はどのような対策ができるのか、考察していきます。
タイムカードを労働者に不正に改ざんされると、企業側は支払う必要のない給与や賃金、残業手当を支払わせられることになります。ですから、労働者がタイムカードの改ざんを行っている疑いがある場合は、しっかり対策・対処することが大切です。
クラウド型勤怠管理を導入
タイムカードは、打刻時間を労働者が操作したり、書き換えたりできる可能性もあるため、改ざんがしやすいツールでもあります。
しかし、クラウド型の勤怠管理であれば、打刻時間の操作や記入内容の書き換えは不可能なため、改ざんもしづらくなると考えられます。
ですから、労働者によるタイムカードの改ざんに対する対策をしても効果がない場合は、クラウド型勤怠管理を導入するのも、効果的な対策方法だと言えそうです。
複数人の管理
タイムカードの管理を一人の責任者に任せると、管理方法などの欠点が見えづらくなり、改ざんや不正がしやすくなる危険性があります。ですから、タイムカードを複数人の責任者で管理するようにするのも、労働者による改ざん対策の1つと言えます。
タイムカードを複数人で管理することで、管理体制が充実し、異変や不正にも気付きやすくなるため、労働者も改ざんをしづらくなると考えられます。
タイムカードを金庫に保管する
管理者ができるタイムカードの改ざん対策の中でも、特に手軽かつ効果が期待できるのが、タイムカードを金庫で保管することで、改ざんしにくくする方法です。
出勤時と退勤時のみ、タイムカードを出して労働者が打刻するようにし、その他の時間帯は金庫などの労働者が触れることができない場所に保管することで、改ざんしづらくなると考えられます。
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タイムカードの改ざんが起こった場合の対処法
対策や防止を心掛けていても、会社・労働者によるタイムカードの改ざんが起こってしまった場合、どのように対処すれば良いのかも知っておきたいところです。
そこで続いては、会社や労働者によってタイムカードが改ざんされた場合、どのような対処方法が考えられるのか、考察していきます。
記録の保管と保持
上記でも述べたように、タイムカードが改ざんされ、正確な労働時間などがわからなくなってしまった場合は、代わりに労働時間などを証明するための証拠が重要になります。
ですから、改ざんされていることを証明するためにも、日々のやり取りや連絡の内容・時間帯や、パソコンの起動時間の履歴などは、証拠として記録し、保持しておくことが大切です。
その他証拠集め
会話の録音なども、タイムカードが改ざんされている場合の有力な証拠となるケースがあります。ですから、改ざんの可能性がある場合は、会話ややり取りなどを積極的に録音・保管し、証拠を集めることが大切です。
また、改ざんの証拠を隠蔽されないよう、集めた証拠や記録を保持する努力をすることも、重要だと言われています。
弁護士に相談
上記でも述べたように、タイムカードの改ざんは、会社側が行っても労働者側が行っても、違法とされています。ですから、あまりにも改ざんが酷かったり被害が申告だったりする場合は、弁護士などの法のエキスパートに相談するのも、有効な対処法の1つと言えそうです。
実際に、改ざんによる被害で弁護士に相談しているケースも多く、後述のように裁判に発展する場合もあります。
場合によっては裁判へ
弁護士に相談しても解決しなかったり、タイムカードの改ざんによって大きな被害が生じていたりする場合は、裁判でしっかり解決した方が良いケースもあります。
裁判を行うことで、タイムカード改ざんによって支払われなかった給与が支払われたり、改ざんにより多めに支払わされた賃金が返還されたりするケースもあると言われています。
労働環境に合わせた改ざん防止を行う
いかがでしたでしょうか?今回は、「タイムカードの改ざん」をテーマにして、改ざんの違法性や労働者・企業双方のタイムカード改ざん対策、タイムカードが改ざんされた場合の対処法などについて、考察・ご紹介しました。
タイムカードの改ざんは違法なので、しかるべき対策と対処を行う必要があります。まずは、労働環境などに合ったやりやすい防止方法から始めてみることをおすすめします。