インセンティブ制度とは
仕事をする上で従業員のモチベーションを高めることはとても大切です。インセンティブ制度は、簡単に説明すると社員や従業員を励ますための制度で、仕事に対して個人のモチベーションを高めたり持続させたりするためのシステムを指します。
業績や実績を給与や賞与に反映させることが多いですが、モチベーションを向上させるための施策全般を指すため、金銭的な報酬以外も含まれます。
1:ボーナスとの違い
ボーナスは「特別手当」ともいわれるため、インセンティブと似ているイメージがあります。しかし、ボーナスは会社の業績に応じて支給額が決まり、基本的に全ての従業員に支払われますが、インセンティブは会社の定めた目標に対する達成率で個人によって内容に差が出て報酬額が違ったり、一部の従業員だけに与えられたりするケースもよく見られます。
2:歩合制との違い
歩合制もインセンティブも、成果に対して賃金が支払われる制度を指すため、意味合いはほとんど同じといえますが、歩合制には「固定給+歩合給」と「完全歩合制」を選べる会社があるのに対し、インセンティブ制度に関しては「固定給+インセンティブ」とする会社が主です。
また、インセンティブが半期や年間の目標に対しての業績なのに対し、歩合制は1件当たりの報酬とするケースが多いという違いもあります。
インセンティブ制度の3つの例
インセンティブが金銭的な報酬だけでないことを先にふれましたが、実際にどういった形で取り入れられているのでしょうか。
インセンティブ制度の具体的な例を3つ紹介します。
例1:変動賞与制度
賞与は「給料の〇ヶ月分」のように金額が決められていたり、会社の収益に応じて分配される例が多く見られますが、インセンティブを「賞与」という形で導入している企業は、従業員の成果や成績に応じて賞与が変動する仕組みになっています。
変動賞与制度の例として、8割を決められた金額、2割を個人の業績で加算する方式を取ったり、夏の賞与は一定の金額、冬の賞与は業績に応じた金額を支払う形を取る会社もあります。
例2:表彰制度
インセンティブは、表彰制度を導入する例もあります。表彰と一緒に副賞を贈る例や、ポイント制度を取り入れる会社の例もあります。
会社によってはこのような形でインセンティブ制度を取り入れ、社員や従業員のモチベーションを上げる効果を狙う例もあります。
例3:昇格制度
賞与の代わりに役職をアップさせる「昇格制度」を実施する例も、インセンティブ制度で見られる例です。出世を望む社員はもちろんですが、役職が上がる事で社員のモチベーションが上がる効果が望める制度の例といえるでしょう。
表彰制度や昇格制度以外の例として、次年度の給与決定に加味したり、一定の期間ごとに社内で使用できるポイントに反映させる例もあります。
インセンティブ制度に積極的に取り組んでいる会社6選
インセンティブ制度の内容や具体的な例がわかりました。そこで、実際にインセンティブ制度を積極的に導入し取り組んでいる会社を紹介します。就活や転職の際の参考にしてください。
1:損保ジャパン日本興亜保険サービス株式会社
損保ジャパン日本興亜保険サービス株式会社は、経験や成績に応じて年2回支給されるインセンティブや有数層の社員を表彰する制度などを取り入れていますが、全体の士気を上げるためにベネフィット・ワンのインセンティブ事業から生まれた「インセンティブ・ポイント」も取り入れています。
これは、元々3ヶ月間の社内キャンペーンとして導入したサービス例でしたが、継続的な営業の推進プログラムとして現在も活用されています。
2:ソフトブレーン株式会社
ソフトブレーン株式会社は、営業支援のソフトとコンサルティング事業を手掛ける会社です。給与は新卒採用と中途採用で条件が多少異なりますが、業績や評価に応じて年1回インセンティブがあります。
さらに、福利厚生として条件を達成した部署に旅行がプレゼントされる「インセンティブ旅行制度」も取り入れられています。
3:株式会社ベネフィット・ワン
株式会社ベネフィット・ワンは福利厚生代行事業やCRMなど、企業向けだけでなく個人向けのサービスも展開しています。例として、会費を払うことで映画や旅行が優待価格で利用できたり、レンタカーが20%割引で利用できたりします。
ベネフィット・ワンでは、インセンティブとして給与の他に年度始めにカフェテリアポイントや、決められた基準を達成することで社内通貨BIPo(ビーポ)が支給されます。
4:株式会社サムシング
株式会社サムシングは、地盤調査や地盤改良など、地盤の専門業者です。年2回の賞与の他、資格手当があります。
インセンティブに関しては、先に紹介した株式会社ベネフィット・ワンの「インセンティブ・ポイント」を導入しています。社内SNSの活性化が導入の目的で、例として日報や情報発信の投稿や、投稿に対するコメントでポイントを付与するなど、上手くポイントを活用して社内の活性化を図っています。
5:株式会社カスタマーリレーションテレマーケーティング
株式会社カスタマーリレーションテレマーケーティングは、関西最大級のコールセンターです。企画から設計、構築、運用に至るまでの品質改善サポートなどを行っています。例として顧客との接点を強化したり、業務の効率化を図ったりなどを行っています。
給与の他に年2回の賞与と、手当としてインセンティブがあります。
6:株式会社SBI証券
株式会社SBI証券は、国内や海外の株式、投信、FXなどのオンラインでの証券事業を中核とするSBIグループの証券会社です。
株式会社SBI証券でも「インセンティブ・ポイント」を導入し、コールセンターの離職率の低減を図っています。評価基準や頻度などを定めて自由にポイントを付与する部長賞を設けることで、社員とのコミュニケーションが深まり、さらにポイントが貯められることでモチベーションも高まっています。
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インセンティブ制度の2つのメリット・デメリット
インセンティブ制度のメリットは、何となくイメージできますが、デメリットもあるのでしょうか。改めて、インセンティブ制度のメリットとデメリットについて解説していきます。
メリット1:成果・実績が正当に評価される
インセンティブ制度の一つ目のメリットは、実力や成果が正当に評価される点です。働く上で会社へ貢献し成果を上げることは当たり前ですが、いつもよりも成果を上げたときは評価されないとモチベーションが低下します。
インセンティブ制度は賞与など目に見える形で正当に評価されるため、次の仕事への活力になったり、キャリアプランの形成に役立ったりします。
メリット2:従業員のモチベーション向上に繋がる
先ほどのメリットでもふれましたが、インセンティブ制度の一番のメリットは従業員や社員のモチベーション向上に繋がる仕組みであることです。
例として、あとわずかで目標達成する時、インセンティブがあればさらに頑張れますが、なければ諦めてしまう可能性が高くなります。
「馬に人参」的な要素も感じられますが、その結果業績が上がることになり、周囲からの評価も上がるため、さらにモチベーションの向上に繋がるでしょう。
デメリット1:従業員同士の関係性が悪化する可能性がある
インセンティブ制度は、基本的に個人の実績などが反映されるため、同僚をライバル視することが多くなります。お互いを高め合う結果を生む可能性もありますが、チームワークが乱れることもあるでしょう。
また、実績がわかりやすい職種とわかりにくい職種があり、インセンティブ制度を導入する部署としない部署を分ける企業もあり、そういった面で従業員同士で人間関係が悪化することもあります。
デメリット2:給与が不安定
インセンティブ制度は、実績に応じて報酬が変わるため、給与が不安定になることがあります。毎月の給与に関しては悩むことは少ないですが、例として、ローンはボーナスを見込んで組むこともあるため、インセンティブ制度の場合、難しいケースもあるでしょう。
インセンティブ制度のメリット・デメリットを理解しよう
インセンティブ制度は頑張れば給与に反映されるため、仕事に対するモチベーションが上がり、会社にとっても業績が上がる見込みのある制度です。
しかし、歩合制と似ているため中には不満に感じる人もいます。求人欄で「インセンティブあり」とあった場合は、今回紹介した例や、メリット・デメリットを理解した上で就活や転職に役立ててください。