EAP(Employee Assistance Program)
EAP(Employee Assistance Program)とは従業員支援プログラムという意味で、企業側から従業員に提供される福利厚生ケアの総称です。
EAPは、仕事の業績に関係する個人的な問題に対してのケアで、社員支援プログラムと呼ばれることもあります。第二次世界大戦やベトナム戦争・リストラなどで心に傷を負った兵士や労働者のために、1970年代から80年代のアメリカで急速に広まった制度です。
EAP(従業員支援プログラム)
EAP(従業員支援プログラム)はアメリカで発達して、2000年代に入ってからは日本でも浸透しつつある制度です。
心の傷は労働者ひとりひとりの問題ではなく、企業全体の問題としてとらえなくてはならないテーマです。
心理的に傷ついた人が増えることで、社会に重苦しい雰囲気が漂い、犯罪や経済の破綻などの良くない現象が起きる恐れがあるからです。EAPを推進していくことで、明るい国家の未来を描き出すことができます。
EAP(従業員支援プログラム)の効果
EAP(従業員支援プログラム)の効果についてご紹介していきます。
EAPを推進することで企業や事業全体に活気が戻ります。生産性の向上や業務中の事故や災害を防ぐことができます。
年功序列や終身雇用主義がなくなった現代社会では、実力主義の台頭でストレスを抱える労働者が増えています。心的問題があると、従業員が業務に集中することができなくなります。それらに対処するために、EAP導入が推進されています。
EAPの効果:生産性の向上
EAPの効果として生産性の向上が挙げられます。
EAPによって従業員ひとりひとりのストレスや心的問題が軽減されれば、労働に集中する時間が増えて生産性が向上することがわかっています。
ストレスや心傷の原因は人間関係が大勢を占めています。職場の対人関係を良くすることで個々のコミュニケーションがスムーズに行われるようになり、仕事の進行にも大きな影響を与える結果になります。EAPが生産力をアップしてくれます。
EAPの効果:労務災害予防
EAPの効果として、労務災害予防が挙げられます。
心的障害があると業務に集中する力が減るため、勤務中の事故や災害が起きやすいと考えられています。それらを防ぐためにも、EAPの導入が推進されています。
特に危険を伴う業務に携わる従業員や車の運転などの事故が起きやすい状況下にいる労働者が心理的に追い詰められている場合は、注意が必要です。早急にEAPを導入することで、未然に事故や災害を防ぐことができます。
日本におけるEAP(従業員支援プログラム)の広がり
日本におけるEAP(従業員支援プログラム)の広がりは、2008年に施行された労働契約法により、法的義務として課せられるようになったことから発展してきました。
それまではEAPは、産業医などの産業保健スタッフによる二次的な努力義務に限られていました。EAPの専門家も少なく遅れをとっていました。しかし近年は外部心理職専門家を内部参画・活用することで専門的なメンタルヘルスケアが利用できるようになりました。
EAP(従業員支援プログラム)の4つのケア
EAP(従業員支援プログラム)の4つのケアについてご紹介していきます。
平成12年8月に厚生労働省が策定した「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」には、EAP(従業員支援プログラム)として、メンタルヘルスの対策として4つのケアが記載されています。
それが以下に提示した4項目ですので、ひとつひとつを詳しく見ていきましょう。
EAPのケア1:セルフケア
EAP(従業員支援プログラム)のケアとして、セルフケアが挙げられています。
セルフケアとは労働者が自分で心身の健康状態を把握して、ストレスを予防したり軽減したりするという意味です。体や心の状態を自分で把握できない場合は対応が遅れて、ストレスや悩みをひとりで抱え込み、病気になる恐れがあります。
そのため事業者は、教育研修や情報提供を積極的に行い、従業員が相談しやすい環境づくりをする必要があります。
EAPのケア2:ラインによるケア
EAP(従業員支援プログラム)のケアとして、ラインによるケアが挙げられています。
ラインによるケアとは、管理監督者である上司やマネージャーの立場の人間が、部下のストレスや悩みの状況をしっかりと把握して、職場環境の改善・相談に乗るなどの対応を行っていくEAPです。
事業者が管理監督者に対して、積極的にラインによるケアに関する教育研修や情報提供を行い、EAPをうながしていく必要があります。
EAPのケア3:事業場内産業保健スタッフ等によるケア
EAP(従業員支援プログラム)のケアとして、事業場内産業保健スタッフ等によるケアが挙げられています。
事業場内産業保健スタッフとは、EAPの専門家である産業医・保健師・衛生管理者・産業カウンセラーなどのことです。事業場内産業保健スタッフによるケアには、労働者および管理監督者の相談への対応・EAP関連の教育研修、職場環境を改善することなども含まれています。
EAPのケア4:事業場外資源によるケア
EAP(従業員支援プログラム)のケアとして、事業場外資源によるケアが挙げられています。
事業場外資源によるケアとは、外部EAP・自社以外の機関や産業保健スタッフなどの専門家によるアウトソーシングのケアのことです。
教育研修やカウンセリング・心の健康づくりなどのサポート内容も含まれます。内部に相談しづらい従業員にとって事業場外資源によるケアはたいへん有効なので、重要なEAPとなっています。
EAP(従業員支援プログラム)サービス
EAP(従業員支援プログラム)サービスについてご紹介していきます。
EAP(従業員支援プログラム)サービスを選ぶ際の注意点は、セキュリティや希望とする専門のカウンセラーがいるか、医療機関とのネットワークがしっかりとしているかなどです。サービスの詳しい内容をよく検討して、自社にぴったりくるEAPと契約しましょう。
EAPサービス:Wity
EAP(従業員支援プログラム)サービスにWityがあります。
Wityとは、ユナイテッド・ヘルスコミュニケーション株式会社によるAIと専門家のコラボが行われているEAPサービスです。心理の専門家との対話とAIの冷静で的確な判断で、優れたEAPを実施してくれています。全国4000件以上の心的専門病院が検索できます。
EAPサービス:lafool
EAP(従業員支援プログラム)サービスにlafoolがあります。
lafoolとは、2011年創業のメンタルヘルステック、スリープテックを使ったEAPサービスです。AIを活用した解析データを核にして、組織の生産性やストレス状況を見える化しています。厚生労働省が推奨する57項目のストレスチェックにさらに独自の質問を追加して、精査を発揮しています。
EAPサービス:お多福ラボ
EAP(従業員支援プログラム)サービスにお多福ラボがあります。
お多福ラボとは、ストレスチェック診断サービスを提供しているEAPです。データ解析はAIです。3万人以上の診断結果をもとにして、マウスの起動・視線の移動などの分析も行っています。
このようなAI分析により、ストレスに陥りやすい傾向にある社員の早期発見も可能にしてくれるEAPサービスです。
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EAP(従業員支援プログラム)の注意点
EAP(従業員支援プログラム)の注意点についてご紹介していきます。
EAP(従業員支援プログラム)は精神的なケアが中心なので、秘密の保持の問題や、相談がしにくいというデメリットがあります。それらをフォローできるような事前の対策が必須となってきています。
EAPの注意点:個人情報の保護を徹底する
EAP(従業員支援プログラム)の注意点として、個人情報の保護を徹底することが挙げられます。
心力的なケアの相談やカウンセリングには特に、他人には絶対に知られたくない個人情報が含まれています。それらの個人情報を徹底的に保護してもらうシステムや人脈づくりが、EAPには必要です。
EAPの注意点:適正な評価を行う
EAP(従業員支援プログラム)の注意点として、適正な評価を行うことが挙げられます。
EAPは興味本位や素人が行うものではなく、専任のスタッフや専門医が的確に評価して初めて意味を成す結果が得られます。そのためには、場合によってはシステムやアウトソーシング・AIなどの導入が必要です。
EAP(従業員支援プログラム)についての理解を深めよう!
EAP(従業員支援プログラム)についての理解を深めることで、労働者ひとりひとりの健康と業績アップが見込めます。
EAPの導入は事業所だけではなく、社会全体を明るい未来へと導いてくれます。今後もAIなどの助けを借りて、より的確で意味のあるEAPを行っていきましょう。